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第二章 中級編開始
第307話 魔術師リアムの中級編五日目に現れた救世主と後ろの人
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何故パンツが見えているのか。答えは簡単だ。下を履いていないからである。
木佐ちゃんの言葉を聞いた瞬間、祐介がTシャツの裾をピッ! と下に伸ばした。
「サツキちゃん、とりあえずジーンズ履いてきてよ」
「あ、ああ、分かった」
祐介が持ってきたジーンズは、サツキ宅の前に落ちていた。それを祐介が拾うと、リアムにポンと渡してくれた。
「ほら、待ってるから早く」
「済まぬ」
急いで祐介の家の中に入ると、玄関でジーンズを履いた。そしてふとノーブラでもあることに気付く。表には潮崎もいるので、さすがにノーブラのままでは拙いだろう。リアムは部屋の中に入ると、急ぎハンガーに掛かっていたブラジャーも身につけた。よし。
リアムが再び外に出ると、祐介が木佐ちゃんに深々とお辞儀をしているところだった。木佐ちゃんはまだ消火器を手に持ったまま、遠慮がちに笑っている。
「やだ山岸くん、頭なんて下げないでよ」
「いえ。僕、全然情けなくて何も出来なくて。木佐さんが来てくれなかったら、サツキちゃんがどうなっていたことかと思うと……本当にありがとうございました!」
祐介は、リアムの為に木佐ちゃんに頭を下げてくれていたのだ。なんという深い懐。リアムは心にじんわりと温かいものが広がるのを感じた。祐介は、ふいにこれをリアムに与えてくれる。もうこれなしには生きられないのではないかと思わせる様な中毒性を伴って。
「き、木佐ちゃん殿! ありがとうございました!」
リアムも祐介の隣に立つと、ぺこりとお辞儀をした。本当に助かった。でなければ今頃、リアムは人殺しになっていたかもしれない。これまでモンスターやヒトモドキの類の物は散々殺してきたが、まだ人は殺したことがなかった。出来ればそれは維持し続けたかったので、本当に木佐ちゃんには感謝である。
しかしこういったことがまたある可能性も鑑みると、初級魔法の洗い出しを今一度行なった方がよさそうだった。週末にやろう、リアムはそう心に決めた。
「それにしても血だらけだねえ」
潮崎がハーフパンツに黒いTシャツという非常にラフな格好で寄ってきた。ちなみに木佐ちゃんは昨日と同じ格好をしている。ただ、ストッキングは履いていないようだ。
「そういえば、何故木佐ちゃん殿は社宅におられるのだ?」
それまで普段通りの表情だった木佐ちゃんが途端に真っ赤になり、手に持っていた消火器を床に落とした。グワアアアン、という何とも言えない音と共に、消火器が転がる。
「は、ははは、あの、その」
表情が固い。
「見た所服も昨日と同じ物の様だが、電車を逃されたのか?」
「ま、まあそうです」
「成程。では潮崎さんの家に泊めてもらったということか」
「まあそういうことに」
「では……」
「サツキちゃん、木佐さん固まってるよ」
祐介が血だらけの顔で、普段通りのあの圧のある笑顔で言った。
「おめでとうございますってことでいいんですかね?」
「お、お、お……」
木佐ちゃんが戸惑いを見せると、潮崎がはは、と笑いながら代わりに答えた。
「そうだよ」
木佐ちゃんの顔が更に赤くなった。
木佐ちゃんの言葉を聞いた瞬間、祐介がTシャツの裾をピッ! と下に伸ばした。
「サツキちゃん、とりあえずジーンズ履いてきてよ」
「あ、ああ、分かった」
祐介が持ってきたジーンズは、サツキ宅の前に落ちていた。それを祐介が拾うと、リアムにポンと渡してくれた。
「ほら、待ってるから早く」
「済まぬ」
急いで祐介の家の中に入ると、玄関でジーンズを履いた。そしてふとノーブラでもあることに気付く。表には潮崎もいるので、さすがにノーブラのままでは拙いだろう。リアムは部屋の中に入ると、急ぎハンガーに掛かっていたブラジャーも身につけた。よし。
リアムが再び外に出ると、祐介が木佐ちゃんに深々とお辞儀をしているところだった。木佐ちゃんはまだ消火器を手に持ったまま、遠慮がちに笑っている。
「やだ山岸くん、頭なんて下げないでよ」
「いえ。僕、全然情けなくて何も出来なくて。木佐さんが来てくれなかったら、サツキちゃんがどうなっていたことかと思うと……本当にありがとうございました!」
祐介は、リアムの為に木佐ちゃんに頭を下げてくれていたのだ。なんという深い懐。リアムは心にじんわりと温かいものが広がるのを感じた。祐介は、ふいにこれをリアムに与えてくれる。もうこれなしには生きられないのではないかと思わせる様な中毒性を伴って。
「き、木佐ちゃん殿! ありがとうございました!」
リアムも祐介の隣に立つと、ぺこりとお辞儀をした。本当に助かった。でなければ今頃、リアムは人殺しになっていたかもしれない。これまでモンスターやヒトモドキの類の物は散々殺してきたが、まだ人は殺したことがなかった。出来ればそれは維持し続けたかったので、本当に木佐ちゃんには感謝である。
しかしこういったことがまたある可能性も鑑みると、初級魔法の洗い出しを今一度行なった方がよさそうだった。週末にやろう、リアムはそう心に決めた。
「それにしても血だらけだねえ」
潮崎がハーフパンツに黒いTシャツという非常にラフな格好で寄ってきた。ちなみに木佐ちゃんは昨日と同じ格好をしている。ただ、ストッキングは履いていないようだ。
「そういえば、何故木佐ちゃん殿は社宅におられるのだ?」
それまで普段通りの表情だった木佐ちゃんが途端に真っ赤になり、手に持っていた消火器を床に落とした。グワアアアン、という何とも言えない音と共に、消火器が転がる。
「は、ははは、あの、その」
表情が固い。
「見た所服も昨日と同じ物の様だが、電車を逃されたのか?」
「ま、まあそうです」
「成程。では潮崎さんの家に泊めてもらったということか」
「まあそういうことに」
「では……」
「サツキちゃん、木佐さん固まってるよ」
祐介が血だらけの顔で、普段通りのあの圧のある笑顔で言った。
「おめでとうございますってことでいいんですかね?」
「お、お、お……」
木佐ちゃんが戸惑いを見せると、潮崎がはは、と笑いながら代わりに答えた。
「そうだよ」
木佐ちゃんの顔が更に赤くなった。
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