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第二章 中級編開始
第298話 OLサツキの中級編四日目、ギルドへ
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ユラが分からない。
サツキは悶々としていた。それはするだろう。だってアールのことが好きだろうと思っていたユラが、おっさんのリアムの姿のサツキに二回もキスをしたのだ。まずその時点で意味が分からない。
じゃあ男が好きな人なのかとも思ったが、サツキに散々胸の谷間に指を入れさせろだの言っていたことを考えるとそうでもなさそうだ。
じゃあどっちもいける人? その可能性が一番高いかもしれない。
ギルドへの道のりを、昨日と同じ様にラムを真ん中に手を繋いで歩いて行く。
サツキは意を決してユラに尋ねた。
「ユラ!」
「ん?」
ユラは機嫌がよさそうだ。よし、聞くなら今しかない。
「ユラはその、男の人が好きなのかな!?」
ユラは口を開けたまま無言でサツキを見返した後、爆笑した。ラムがいきなりのことにびっくりしてプルプル震えた。ユラは暫く笑いつくした後、涙目で答えた。
「サツキって本当斜め上に行くよなー」
「はぐらかさないで!」
すると、ユラはうーんと考え始めた。
「どちらかと言わなくても抱くのなら女がいい」
「だ……」
サツキは絶句した。免疫のなさはお墨付きである。こんなストレートな物言いに何気ないふりは出来ない。無理だ、無理無理。
「だけど、男を好きになることがあるかと聞かれたら、今正に現在進行中でそうかもしれないと思い始めた」
ということは、やはりアールのことが好きなのは間違いなさそうだ。サツキは頷いた。
ユラはくそ真面目な顔で続ける。
「正直男と出来るのか? という問題は残ってるが、幸いメタモラという魔法もあるし、そうじゃなくても未知の領域に飛び込むのが魔術師のあるべき姿だとマグノリアも言ってたし」
「それ多分違う意味」
「そうか? ……まあだから、結論はどっちもいけるかも」
「まじすか」
「男は未経験だけどな」
物凄いチャレンジ精神である。どっちもいけなさそうなまま天寿を全うしそうなサツキには別次元の話にしか聞こえない。
でもこの流れなら、ユラが好きな人がアールか確認が出来るかも。そうしたら、先生になってもらっいてる代わりに協力だって出来るかもしれないし、アールの気持ちを聞くことだって出来るかもしれない。
「ねえユラ、その好きな男の人って……誰?」
「まだ言わねえ」
「もしかして私の知ってる人、とか」
「まだ言わねえよ」
「何でよ」
「俺の覚悟がまだ出来てないから」
「覚悟……」
そうか、元々は女性が好きなのに男性を好きになってしまったということに、ユラも戸惑いを隠せないでいるのだろう。
サツキはうんうんと頷いて言った。
「私で協力出来ることがあったらするよ! だから頑張って!」
「……やっぱり斜め左下かも」
ユラが溜息を吐いた後、呆れた様に笑った。
サツキは悶々としていた。それはするだろう。だってアールのことが好きだろうと思っていたユラが、おっさんのリアムの姿のサツキに二回もキスをしたのだ。まずその時点で意味が分からない。
じゃあ男が好きな人なのかとも思ったが、サツキに散々胸の谷間に指を入れさせろだの言っていたことを考えるとそうでもなさそうだ。
じゃあどっちもいける人? その可能性が一番高いかもしれない。
ギルドへの道のりを、昨日と同じ様にラムを真ん中に手を繋いで歩いて行く。
サツキは意を決してユラに尋ねた。
「ユラ!」
「ん?」
ユラは機嫌がよさそうだ。よし、聞くなら今しかない。
「ユラはその、男の人が好きなのかな!?」
ユラは口を開けたまま無言でサツキを見返した後、爆笑した。ラムがいきなりのことにびっくりしてプルプル震えた。ユラは暫く笑いつくした後、涙目で答えた。
「サツキって本当斜め上に行くよなー」
「はぐらかさないで!」
すると、ユラはうーんと考え始めた。
「どちらかと言わなくても抱くのなら女がいい」
「だ……」
サツキは絶句した。免疫のなさはお墨付きである。こんなストレートな物言いに何気ないふりは出来ない。無理だ、無理無理。
「だけど、男を好きになることがあるかと聞かれたら、今正に現在進行中でそうかもしれないと思い始めた」
ということは、やはりアールのことが好きなのは間違いなさそうだ。サツキは頷いた。
ユラはくそ真面目な顔で続ける。
「正直男と出来るのか? という問題は残ってるが、幸いメタモラという魔法もあるし、そうじゃなくても未知の領域に飛び込むのが魔術師のあるべき姿だとマグノリアも言ってたし」
「それ多分違う意味」
「そうか? ……まあだから、結論はどっちもいけるかも」
「まじすか」
「男は未経験だけどな」
物凄いチャレンジ精神である。どっちもいけなさそうなまま天寿を全うしそうなサツキには別次元の話にしか聞こえない。
でもこの流れなら、ユラが好きな人がアールか確認が出来るかも。そうしたら、先生になってもらっいてる代わりに協力だって出来るかもしれないし、アールの気持ちを聞くことだって出来るかもしれない。
「ねえユラ、その好きな男の人って……誰?」
「まだ言わねえ」
「もしかして私の知ってる人、とか」
「まだ言わねえよ」
「何でよ」
「俺の覚悟がまだ出来てないから」
「覚悟……」
そうか、元々は女性が好きなのに男性を好きになってしまったということに、ユラも戸惑いを隠せないでいるのだろう。
サツキはうんうんと頷いて言った。
「私で協力出来ることがあったらするよ! だから頑張って!」
「……やっぱり斜め左下かも」
ユラが溜息を吐いた後、呆れた様に笑った。
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