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第二章 中級編開始
第294話 OLサツキの中級編四日目の朝の洗濯
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どうもユラにはサツキの浅はかな考えなどお見通しらしい。
「あの、もうそろそろ笑うのやめない?」
ユラは何がそんなに可笑しいのか、始めは小さかった笑いがどんどん大きくなり、今では腹を抱えて笑っている。あ、笑い過ぎて咳き込み始めた。
「もう何やってんのよ」
サツキがユラの背中をさすってやると、ユラは苦しそうにサツキの腕を掴んで暫く咳き込み続けていた。笑いながら。
暫くさすり続けていると、ひいひい言いながらもようやく落ち着いた様だ。全く。
「はあ、はあ、やべえ笑い過ぎた」
「本当だよ」
「いやあ、サツキの拗れ具合がなかなかな拗れっぷりな癖にすぐ本心バレるとか何かもう浅くて笑えて」
「今物凄く失礼なこと言ったよね?」
「仕方ねえだろ、思っちまったんだから」
ここまで来るともう見事としか言えない性格の悪さである。いや、誰しもこういったことを考える内面は持っているかもしれないから、ある意味素直なだけと言えるかもしれないが、にしてもあまりにも酷い。人のことを心配だと言った昨夜のユラは実は別人だったのかもしれない。
「そう呆れるなよ」
「いやこれで呆れないでいつ呆れるのよ」
「まあな」
「そこは納得するのね」
ユラの読めなさ具合は分かってはいたが、本当に読めなくて予想外のことばかり言うのだ。こういうのを振り回される、と呼ぶのかもしれなかった。
「まあいいわ、とりあえず洗濯洗濯。ほら教えて」
こうしている内にどんどんギルドに行く時間が迫ってくる。午前中待ち合わせというざっくりとした待ち合わせだが、待たせても申し訳ない。
「分かったよ。えー、まず服を一箇所に盛る」
サツキは言う通りにした。
「ウォッシャーの呪文を唱える」
「ウォッシャー!」
この呪文は一度ぬりかべみたいなモンスターに使ったから覚えている。というか洗濯魔法だったのか。ドラム式洗濯機から見える中身の様な水流が宙に発生したかと思うと、石畳の上に置いていた洗濯物を巻き込んでいく。洗濯物が宙に浮き、水流に飲まれた。おお、洗っている。
暫く待っていると、ウォッシャーの魔法の勢いが衰えてきた。洗いは終了に近いらしい。
「次、スクイーザの呪文を唱える」
「スクイーザ!」
すると、半透明の巨大な手が現れたかと思うと、服の塊を握って雑巾絞りをし始めた。千切れやしないだろうか。あ、でも水がぼたぼた落ちている。思ったよりもソフトタッチの様だ。巨大な手は、絞り終えると洗濯物を石畳の上にそっと置いて、消えた。
「次、ウィンディーンとウォーマラーの呪文を唱える」
「ウィンディーン! ウォーマラー!」
すると、ぶわっと生暖かい空気が洗濯物に向かって吹いたかと思うと、つむじ風の様に洗濯物を舞い上がらせた。これはもしや乾燥機能か。
呪文の効力が失せ、ふわふわになった洗濯物が地面にソフトランディングした。
「おしまい」
「凄い……」
サツキが感嘆の溜息をつきつつ洗濯物に近付き持ち上げてみると、温かくて気持ちよかった。
「あの、もうそろそろ笑うのやめない?」
ユラは何がそんなに可笑しいのか、始めは小さかった笑いがどんどん大きくなり、今では腹を抱えて笑っている。あ、笑い過ぎて咳き込み始めた。
「もう何やってんのよ」
サツキがユラの背中をさすってやると、ユラは苦しそうにサツキの腕を掴んで暫く咳き込み続けていた。笑いながら。
暫くさすり続けていると、ひいひい言いながらもようやく落ち着いた様だ。全く。
「はあ、はあ、やべえ笑い過ぎた」
「本当だよ」
「いやあ、サツキの拗れ具合がなかなかな拗れっぷりな癖にすぐ本心バレるとか何かもう浅くて笑えて」
「今物凄く失礼なこと言ったよね?」
「仕方ねえだろ、思っちまったんだから」
ここまで来るともう見事としか言えない性格の悪さである。いや、誰しもこういったことを考える内面は持っているかもしれないから、ある意味素直なだけと言えるかもしれないが、にしてもあまりにも酷い。人のことを心配だと言った昨夜のユラは実は別人だったのかもしれない。
「そう呆れるなよ」
「いやこれで呆れないでいつ呆れるのよ」
「まあな」
「そこは納得するのね」
ユラの読めなさ具合は分かってはいたが、本当に読めなくて予想外のことばかり言うのだ。こういうのを振り回される、と呼ぶのかもしれなかった。
「まあいいわ、とりあえず洗濯洗濯。ほら教えて」
こうしている内にどんどんギルドに行く時間が迫ってくる。午前中待ち合わせというざっくりとした待ち合わせだが、待たせても申し訳ない。
「分かったよ。えー、まず服を一箇所に盛る」
サツキは言う通りにした。
「ウォッシャーの呪文を唱える」
「ウォッシャー!」
この呪文は一度ぬりかべみたいなモンスターに使ったから覚えている。というか洗濯魔法だったのか。ドラム式洗濯機から見える中身の様な水流が宙に発生したかと思うと、石畳の上に置いていた洗濯物を巻き込んでいく。洗濯物が宙に浮き、水流に飲まれた。おお、洗っている。
暫く待っていると、ウォッシャーの魔法の勢いが衰えてきた。洗いは終了に近いらしい。
「次、スクイーザの呪文を唱える」
「スクイーザ!」
すると、半透明の巨大な手が現れたかと思うと、服の塊を握って雑巾絞りをし始めた。千切れやしないだろうか。あ、でも水がぼたぼた落ちている。思ったよりもソフトタッチの様だ。巨大な手は、絞り終えると洗濯物を石畳の上にそっと置いて、消えた。
「次、ウィンディーンとウォーマラーの呪文を唱える」
「ウィンディーン! ウォーマラー!」
すると、ぶわっと生暖かい空気が洗濯物に向かって吹いたかと思うと、つむじ風の様に洗濯物を舞い上がらせた。これはもしや乾燥機能か。
呪文の効力が失せ、ふわふわになった洗濯物が地面にソフトランディングした。
「おしまい」
「凄い……」
サツキが感嘆の溜息をつきつつ洗濯物に近付き持ち上げてみると、温かくて気持ちよかった。
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