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第二章 中級編開始
第291話 魔術師リアムの中級編四日目の酔っぱらい
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少しずつ祐介に食べさせてもらっている間に、ほんの僅かではあるが身体のだるさが抜けてきた。
「サツキちゃん、唐揚げ食べる?」
「食べるが、そろそろ起きられそうだ」
「寄っかかっててもいいよ」
「いや、さすがにそろそろ起きねば拙いだろう」
「あ、本当に戻ってきてる」
「だからそう言っただろう」
「……思ったよりも回復早かったな」
「何か言ったか?」
「何も」
テーブルに置かれていた水が入ったコップに手を伸ばし、口に含んだ。先程感じた様な美味さはもうなかったものの、やはり水を飲むと酒が薄まる様に感じた。祐介が取皿に唐揚げとあれはなんだろうか、何かの揚げ物らしき物をよそってくれている。
「はいどうぞ」
「うむ、済まないな」
リアムは素直に受け取ると、ようやく祐介に寄りかからずに自分で食事を始めた。
先程リアムの隣にきた木佐ちゃんは、今はその隣に来た潮崎と楽しそうに歓談している。先程はどうもわざわざリアムに水を届けに来てくれたらしく、その心遣いが嬉しかった。さすがは木佐ちゃんだ。他の者達は久住社長の周りに集まり何やら相談している。作戦会議であろう。祐介は参加しなくてもいいのだろうか、と思ったが、リアムが酔っ払ってしまった所為で参加出来なかったことに思い至り、やや反省した。空きっ腹で飲んでいいのはビール一杯迄。限界が段々分かってきた。
唐揚げを一口食べると、にこにことこちらを見ている祐介と目が合った。そういえば祐介は何か口にしたのだろうか? 先程からずっとリアムの介抱をしていたのだ、きっとろくに食べていないに違いない。
「祐介、何か食べた方がいいぞ」
「うん、そうだね。その唐揚げ美味しい?」
「うむ、少し熱いがにんにくが利いていてなかなか旨いぞ。祐介も食べるといい」
「僕猫舌なんだよね。あんまり熱いとな。あ、じゃあその食べかけ頂戴」
「これでいいのか?」
「だって大皿のは熱いでしょ」
「まあ、いいが」
リアムは箸で掴んでいた唐揚げを祐介の口元に持っていった。祐介が一瞬驚いた顔をしたのは何故だろう? そう考えた後、いつの間にか戻ってきていた山口が入り口に近い反対側の席から羨ましそうにこちらを見ているのが見えた。
しまった、今は会社の飲み会の場であった。
「……ちょっと皆の前だと照れくさいけど」
祐介が本当に照れくさそうにそう言って笑うと、ぱくりと唐揚げを口に咥え持っていった。
「あちっ」
「ほら、一気にいくからそうなるんだぞ」
「おいひい」
「ならよかった」
酔いが回っている所為だろう、頭の奥がぼんやりとしていて、祐介があーんをしてもらったらどう見られるかまで気が回らなかった。
「サツキちゃんもっと食べる?」
「そうだな」
とにかく食べ物と水を体内に取り込んでいくと、酷い酔いがまだましな酔いになることが分かった。帰りに迷惑をかけては祐介も困るだろう。
リアムはとりあえずは食に専念することにしたのだった。
「サツキちゃん、唐揚げ食べる?」
「食べるが、そろそろ起きられそうだ」
「寄っかかっててもいいよ」
「いや、さすがにそろそろ起きねば拙いだろう」
「あ、本当に戻ってきてる」
「だからそう言っただろう」
「……思ったよりも回復早かったな」
「何か言ったか?」
「何も」
テーブルに置かれていた水が入ったコップに手を伸ばし、口に含んだ。先程感じた様な美味さはもうなかったものの、やはり水を飲むと酒が薄まる様に感じた。祐介が取皿に唐揚げとあれはなんだろうか、何かの揚げ物らしき物をよそってくれている。
「はいどうぞ」
「うむ、済まないな」
リアムは素直に受け取ると、ようやく祐介に寄りかからずに自分で食事を始めた。
先程リアムの隣にきた木佐ちゃんは、今はその隣に来た潮崎と楽しそうに歓談している。先程はどうもわざわざリアムに水を届けに来てくれたらしく、その心遣いが嬉しかった。さすがは木佐ちゃんだ。他の者達は久住社長の周りに集まり何やら相談している。作戦会議であろう。祐介は参加しなくてもいいのだろうか、と思ったが、リアムが酔っ払ってしまった所為で参加出来なかったことに思い至り、やや反省した。空きっ腹で飲んでいいのはビール一杯迄。限界が段々分かってきた。
唐揚げを一口食べると、にこにことこちらを見ている祐介と目が合った。そういえば祐介は何か口にしたのだろうか? 先程からずっとリアムの介抱をしていたのだ、きっとろくに食べていないに違いない。
「祐介、何か食べた方がいいぞ」
「うん、そうだね。その唐揚げ美味しい?」
「うむ、少し熱いがにんにくが利いていてなかなか旨いぞ。祐介も食べるといい」
「僕猫舌なんだよね。あんまり熱いとな。あ、じゃあその食べかけ頂戴」
「これでいいのか?」
「だって大皿のは熱いでしょ」
「まあ、いいが」
リアムは箸で掴んでいた唐揚げを祐介の口元に持っていった。祐介が一瞬驚いた顔をしたのは何故だろう? そう考えた後、いつの間にか戻ってきていた山口が入り口に近い反対側の席から羨ましそうにこちらを見ているのが見えた。
しまった、今は会社の飲み会の場であった。
「……ちょっと皆の前だと照れくさいけど」
祐介が本当に照れくさそうにそう言って笑うと、ぱくりと唐揚げを口に咥え持っていった。
「あちっ」
「ほら、一気にいくからそうなるんだぞ」
「おいひい」
「ならよかった」
酔いが回っている所為だろう、頭の奥がぼんやりとしていて、祐介があーんをしてもらったらどう見られるかまで気が回らなかった。
「サツキちゃんもっと食べる?」
「そうだな」
とにかく食べ物と水を体内に取り込んでいくと、酷い酔いがまだましな酔いになることが分かった。帰りに迷惑をかけては祐介も困るだろう。
リアムはとりあえずは食に専念することにしたのだった。
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