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第二章 中級編開始
第288話 OLサツキの中級編三日目夜の星空の下で就寝
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サツキは、混乱していた。
どう考えてもさっき、星空とかいうロマンチックとは程遠い隕石の降る夜空を眺めて「うおー」とか隣で言っているイケメン金髪二十三歳でへっぽこ僧侶でマグノリアフリークのユラは、サツキにキスをした。
おっさんのリアムの姿のサツキに。
サツキは隣に視線を移しそうになり、慌てて天井に引き戻す。
困惑ではない。混乱だ。ぐっちゃぐちゃの思考になっている。
星空には、どんどん周りの星々を飲み込み黒い場所が出来ていた。あれはブラックホールに違いない。あ、また一つ星が呑まれた。そう思って、あの白髭の辺境の剣士みたいじゃない? と思う自分と、いや、ていうか何でこの人おっさんにキスしたんだ? と動揺する二つの思考が頭の中を同時に流れる。
前回は何でキスされたんだったか。確か実験とか何とかほざきながらされた記憶がある。
この人はアールが好きだと思っていたけど、もしや違う? いや、でもこの何の取り柄もないサツキを恋愛対象として好きになることなんか、こんなイケメンに限ってある訳がない。一瞬でもそんな可能性を思い浮かべてしまった自分が恥ずかしかった。こういうのを何と表現するんだったが。
そう、おこがましい、だ。
心配だから。さっきはそう言っていた。不安定だと。いなくなったら不安だと。そんなにリアムに帰ってきて欲しくないんだろうか? いやそれか、きっと向こうでもうまくやっているに違いないリアムを引き戻したくないとか。
分からない。ユラの考えが全く分からなかった。
そういう時はどうするのか? 横に置くのだ。サツキのお得意なやつである。ここまで頑張って尋ねても理解出来なかったということは、きっと考えても理解なんて出来ないのだ。少なくとも今はまだ。
いずれ分かる日が来るといいな、そう願いつつ。
あ、もしかしたらウルスラに聞いてみるといいかもしれない。ウルスラはユラとの付き合いもサツキより長いし、何かしらヒントをくれるかもしれない。少なくとも、一緒に考えてはくれそうだ。
よし、そうしよう。そこまで考えて、ようやくサツキは星空に意識を戻すことが出来た。隣のユラからは、時折感嘆の声が漏れている。そういったところも、始めの印象とは全然違っていて、よく聞く男の人の子供っぽいところってこういう所のことなんだな、と実感した。そしてこれは別に悪くない。ユラは見ている分には格好いいし料理も出来るし笑顔もちょっとひねくれてるけど時折見せる素直な笑顔が可愛くて。
とそこまで考えて、サツキはふと気が付いた。何かこれじゃまるで恋しているみたいだな、と。サツキの最後のリアルな恋は、小学校の中学年の頃だった。そこまでは普通の子だったから、大人しい方ではあったけど、人並みにクラスの男子に恋したりバレンタインのチョコをあげてみたりとしていた。あれが本当に恋だったのかは微妙だが、少なくとも誰か他人をいいなと思ったことは確かだ。
ユラに恋したところで可能性なんて皆無だし、そもそもイケメンとおっさんだ。発展性も皆無だ。だからこれは恋じゃなくて、アイドルに対する憧れみたいなものだろうけど。
サツキもちょっとは隣にいたいな。そう、思った。
どう考えてもさっき、星空とかいうロマンチックとは程遠い隕石の降る夜空を眺めて「うおー」とか隣で言っているイケメン金髪二十三歳でへっぽこ僧侶でマグノリアフリークのユラは、サツキにキスをした。
おっさんのリアムの姿のサツキに。
サツキは隣に視線を移しそうになり、慌てて天井に引き戻す。
困惑ではない。混乱だ。ぐっちゃぐちゃの思考になっている。
星空には、どんどん周りの星々を飲み込み黒い場所が出来ていた。あれはブラックホールに違いない。あ、また一つ星が呑まれた。そう思って、あの白髭の辺境の剣士みたいじゃない? と思う自分と、いや、ていうか何でこの人おっさんにキスしたんだ? と動揺する二つの思考が頭の中を同時に流れる。
前回は何でキスされたんだったか。確か実験とか何とかほざきながらされた記憶がある。
この人はアールが好きだと思っていたけど、もしや違う? いや、でもこの何の取り柄もないサツキを恋愛対象として好きになることなんか、こんなイケメンに限ってある訳がない。一瞬でもそんな可能性を思い浮かべてしまった自分が恥ずかしかった。こういうのを何と表現するんだったが。
そう、おこがましい、だ。
心配だから。さっきはそう言っていた。不安定だと。いなくなったら不安だと。そんなにリアムに帰ってきて欲しくないんだろうか? いやそれか、きっと向こうでもうまくやっているに違いないリアムを引き戻したくないとか。
分からない。ユラの考えが全く分からなかった。
そういう時はどうするのか? 横に置くのだ。サツキのお得意なやつである。ここまで頑張って尋ねても理解出来なかったということは、きっと考えても理解なんて出来ないのだ。少なくとも今はまだ。
いずれ分かる日が来るといいな、そう願いつつ。
あ、もしかしたらウルスラに聞いてみるといいかもしれない。ウルスラはユラとの付き合いもサツキより長いし、何かしらヒントをくれるかもしれない。少なくとも、一緒に考えてはくれそうだ。
よし、そうしよう。そこまで考えて、ようやくサツキは星空に意識を戻すことが出来た。隣のユラからは、時折感嘆の声が漏れている。そういったところも、始めの印象とは全然違っていて、よく聞く男の人の子供っぽいところってこういう所のことなんだな、と実感した。そしてこれは別に悪くない。ユラは見ている分には格好いいし料理も出来るし笑顔もちょっとひねくれてるけど時折見せる素直な笑顔が可愛くて。
とそこまで考えて、サツキはふと気が付いた。何かこれじゃまるで恋しているみたいだな、と。サツキの最後のリアルな恋は、小学校の中学年の頃だった。そこまでは普通の子だったから、大人しい方ではあったけど、人並みにクラスの男子に恋したりバレンタインのチョコをあげてみたりとしていた。あれが本当に恋だったのかは微妙だが、少なくとも誰か他人をいいなと思ったことは確かだ。
ユラに恋したところで可能性なんて皆無だし、そもそもイケメンとおっさんだ。発展性も皆無だ。だからこれは恋じゃなくて、アイドルに対する憧れみたいなものだろうけど。
サツキもちょっとは隣にいたいな。そう、思った。
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