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第二章 中級編開始
第282話 OLサツキの中級編三日目夜の星空の下で
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ベッドがボフッと音を立てた。ユラも横で仰向けになった様だ。
「綺麗だね」
「弟子が驚いたって書いてあったからどんな凄いのかと思ってたけど、マグノリアにしては普通の空だな」
しれっとそんな感想を述べているが、いやいやいや、これだって十分凄いですから。サツキの世界でこんなものを部屋に作ろうとしたら、天井をぶち抜く他はない。それ位恐ろしく本物だった。
ラムは足元でいつもの様に丸まった。どうも寝る時は丸くなって寝るスタンスらしいのは、やはりスライムだからか。
サツキは意識を星空に戻した。
これは地球から見ている星空というよりは、宇宙空間のどこか一点から窓の外を見ている様な感じだ。すると、チカッと白く光る物が見えた。流れ星かな。でも流れ星は確か大気圏にスペースデブリが入った時に燃えたりして光ってるんじゃなかったっけ。空気がない宇宙空間でも物って燃えるんだろうか。あ、でもこれはそもそも宇宙空間じゃないだろうし、マグノリアの想像の産物だろう。だったら流れ星だ。流れ星、流れ……
「えええええええええええ!!」
「うおおおおおっすっげえええええ!!」
物凄い勢いで隕石が炎を纏い近付いてきたかと思うと、サツキ達の位置で地面に衝突して辺り一面が赤に染まった。舞い上がる火の粉。視界を奪う土砂。いや、リアル過ぎるわ。
やがてリアルメテオの衝撃が収まると、また星空が戻ってきたが、もう今度はいつあれが降ってくるのかと気が気ではなくなってしまった。音がないのでまだマシだが、それにしたって寝室に寝る為に用意する星空としては絶対におかしい。やはりマグノリアは一風変わった人だった様だ。本当に子供がただ大きくなった様な、そんな感じだ。基本真面目だったリアムは、本当に苦労したに違いない。
だけど、本当に充実していたに違いない。
サツキには想像しか出来ない。リアムには会ったことがないし、マグノリアはすでに亡くなっているから、二人がどういう関係でどういう風に会話していたのかと想像はしても勿論想像の域からは出ない。
ユラが言っていたじゃないか。マグノリアの話をすると、リアムが寂しそうな顔をしたと。そりゃそうだろう、こんな次から次へと滅茶苦茶なことをやる人が近くにいたら、毎日が騒々しくて仕方ない。ずっと一緒にいたその人が、ある日突然亡くなってしまって、二人で過ごした思い出が詰まった家に一人過ごすしかなかったら。
リアムはきっと、物凄く寂しかったのだ。
リアムにはそういう人がいた。サツキにはいなくて寂しいと思わせる人すらいなかったからこれはあくまで想像に過ぎないけど、でもきっとそうだと何故か確信が出来た。
「綺麗だね」
「弟子が驚いたって書いてあったからどんな凄いのかと思ってたけど、マグノリアにしては普通の空だな」
しれっとそんな感想を述べているが、いやいやいや、これだって十分凄いですから。サツキの世界でこんなものを部屋に作ろうとしたら、天井をぶち抜く他はない。それ位恐ろしく本物だった。
ラムは足元でいつもの様に丸まった。どうも寝る時は丸くなって寝るスタンスらしいのは、やはりスライムだからか。
サツキは意識を星空に戻した。
これは地球から見ている星空というよりは、宇宙空間のどこか一点から窓の外を見ている様な感じだ。すると、チカッと白く光る物が見えた。流れ星かな。でも流れ星は確か大気圏にスペースデブリが入った時に燃えたりして光ってるんじゃなかったっけ。空気がない宇宙空間でも物って燃えるんだろうか。あ、でもこれはそもそも宇宙空間じゃないだろうし、マグノリアの想像の産物だろう。だったら流れ星だ。流れ星、流れ……
「えええええええええええ!!」
「うおおおおおっすっげえええええ!!」
物凄い勢いで隕石が炎を纏い近付いてきたかと思うと、サツキ達の位置で地面に衝突して辺り一面が赤に染まった。舞い上がる火の粉。視界を奪う土砂。いや、リアル過ぎるわ。
やがてリアルメテオの衝撃が収まると、また星空が戻ってきたが、もう今度はいつあれが降ってくるのかと気が気ではなくなってしまった。音がないのでまだマシだが、それにしたって寝室に寝る為に用意する星空としては絶対におかしい。やはりマグノリアは一風変わった人だった様だ。本当に子供がただ大きくなった様な、そんな感じだ。基本真面目だったリアムは、本当に苦労したに違いない。
だけど、本当に充実していたに違いない。
サツキには想像しか出来ない。リアムには会ったことがないし、マグノリアはすでに亡くなっているから、二人がどういう関係でどういう風に会話していたのかと想像はしても勿論想像の域からは出ない。
ユラが言っていたじゃないか。マグノリアの話をすると、リアムが寂しそうな顔をしたと。そりゃそうだろう、こんな次から次へと滅茶苦茶なことをやる人が近くにいたら、毎日が騒々しくて仕方ない。ずっと一緒にいたその人が、ある日突然亡くなってしまって、二人で過ごした思い出が詰まった家に一人過ごすしかなかったら。
リアムはきっと、物凄く寂しかったのだ。
リアムにはそういう人がいた。サツキにはいなくて寂しいと思わせる人すらいなかったからこれはあくまで想像に過ぎないけど、でもきっとそうだと何故か確信が出来た。
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