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第二章 中級編開始
第278話 OLサツキの中級編三日目夜の理解の相違
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ラムはユラを突き飛ばした後、空いたスペースにさっと潜り込むと今度はサツキの背後からさっきユラがやっていた様にサツキを抱き締めた。一体この二人は何をやっているんだろう。
「あ! お前今べって舌出したな!」
どうもラムがへそを曲げたらしい。
「分かった分かった、アールよりもサツキがいいのは分かったよ。しかし何だってそんなに懐いちまったんだろうなあ」
すると、ラムがするりと腕を外した。サツキが振り返ってみると、ラムが一所懸命ジェスチャーで説明をしていた。
「なになに? 抱き締めてくれる、手を繋いでくれる、頭なでてくれる? 違う? ああ、優しいか? おお、それで最後のそりゃ何だ?」
サツキがよく見えるよう横に回ってラムを見ると、手でハートの形を作っている。
「あ、ハート。好きってこと?」
ラムがこくこくと笑顔で頷くと、ささっとサツキの膝の上に乗り、ユラに向かってあかんべえをした。
「うはっかっわいい」
思わず心の声が漏れ出ると、ユラがぶすっとし始めた。しまった、ラムみたいに気を許して欲しいと言われたばかりだった。でも何でだろう? モンスターには負けたくないとか?
「ほら、ラムばっかり」
すっかりむくれてしまった。
「あ、それか俺もラムみたいにべたべたしたらいいのかも」
「いやそれ違うから」
「何だよ、いいだろ」
「よくないでしょ」
そもそもユラはアールが好きなんじゃなかったのか。あれか、アールは春祭り期間は親につきっきりだから、サツキは寂しさを紛らわす為? それともマグノリアの家にただ来たかったからだろうか。サツキ自身にそこまで興味があってあれこれやってくれている訳ではないのは分かっている。胸以外、人を寄せ付けるものなど何もなかった。それもない今、リアムの魔力はあっても、サツキ自身には大したものは残されていない。
だから言った。
「ユラもさ、いつまでも私の面倒をみてると、その内苛々してくるよ。同じパーティーのメンバーだから気にしてくれてるのは嬉しいけど、始めに助けを求めたのが私とラムちゃんだったから仕方なくなんだろうけど、私も早く独り立ちしてユラにこれ以上迷惑がかからない様にするから」
「……何言ってんだサツキ」
ユラの顔が強張った。何か変なことを言ってしまっただろうか? 頑張って独り立ちします宣言をしただけなのに。
「いや、だから私の先生とかも面倒だろうし」
「誰が面倒なんて言った?」
「誰って……誰も言ってないけど、でも面倒でしょ?」
「お前は、どーしてすぐそういう発想になるんだ?」
「え?」
「え?」
サツキとユラが顔を見合わせる。やはり理解に相違がある様だ。暫くして、ユラが頭を抱えた。
「あれだけやったのにまさかそう来るか?」
「え? 何が?」
「いや……これは俺のやり方にも問題があるのかもしれねえぞ」
「だから何が」
ユラは考え込んだ後、ポン、と手を叩いて言った。
「分かった。とりあえず寝る支度だサツキ」
「はあ……」
「洗い物はサツキ、俺は片付けをする」
「分かりました!」
何だかよく分からないが、片付けは重要だ。サツキはピッと立ち上がった。
「あ! お前今べって舌出したな!」
どうもラムがへそを曲げたらしい。
「分かった分かった、アールよりもサツキがいいのは分かったよ。しかし何だってそんなに懐いちまったんだろうなあ」
すると、ラムがするりと腕を外した。サツキが振り返ってみると、ラムが一所懸命ジェスチャーで説明をしていた。
「なになに? 抱き締めてくれる、手を繋いでくれる、頭なでてくれる? 違う? ああ、優しいか? おお、それで最後のそりゃ何だ?」
サツキがよく見えるよう横に回ってラムを見ると、手でハートの形を作っている。
「あ、ハート。好きってこと?」
ラムがこくこくと笑顔で頷くと、ささっとサツキの膝の上に乗り、ユラに向かってあかんべえをした。
「うはっかっわいい」
思わず心の声が漏れ出ると、ユラがぶすっとし始めた。しまった、ラムみたいに気を許して欲しいと言われたばかりだった。でも何でだろう? モンスターには負けたくないとか?
「ほら、ラムばっかり」
すっかりむくれてしまった。
「あ、それか俺もラムみたいにべたべたしたらいいのかも」
「いやそれ違うから」
「何だよ、いいだろ」
「よくないでしょ」
そもそもユラはアールが好きなんじゃなかったのか。あれか、アールは春祭り期間は親につきっきりだから、サツキは寂しさを紛らわす為? それともマグノリアの家にただ来たかったからだろうか。サツキ自身にそこまで興味があってあれこれやってくれている訳ではないのは分かっている。胸以外、人を寄せ付けるものなど何もなかった。それもない今、リアムの魔力はあっても、サツキ自身には大したものは残されていない。
だから言った。
「ユラもさ、いつまでも私の面倒をみてると、その内苛々してくるよ。同じパーティーのメンバーだから気にしてくれてるのは嬉しいけど、始めに助けを求めたのが私とラムちゃんだったから仕方なくなんだろうけど、私も早く独り立ちしてユラにこれ以上迷惑がかからない様にするから」
「……何言ってんだサツキ」
ユラの顔が強張った。何か変なことを言ってしまっただろうか? 頑張って独り立ちします宣言をしただけなのに。
「いや、だから私の先生とかも面倒だろうし」
「誰が面倒なんて言った?」
「誰って……誰も言ってないけど、でも面倒でしょ?」
「お前は、どーしてすぐそういう発想になるんだ?」
「え?」
「え?」
サツキとユラが顔を見合わせる。やはり理解に相違がある様だ。暫くして、ユラが頭を抱えた。
「あれだけやったのにまさかそう来るか?」
「え? 何が?」
「いや……これは俺のやり方にも問題があるのかもしれねえぞ」
「だから何が」
ユラは考え込んだ後、ポン、と手を叩いて言った。
「分かった。とりあえず寝る支度だサツキ」
「はあ……」
「洗い物はサツキ、俺は片付けをする」
「分かりました!」
何だかよく分からないが、片付けは重要だ。サツキはピッと立ち上がった。
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