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第二章 中級編開始
第248話 OLサツキの中級編三日目の帰路
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外に出ると、辺りはもう夕暮れ時。思ったよりも時間が経っていたことに驚きを隠せなかった。
「遅くなっちゃったね。ラムちゃんが心配してるかも」
「サツキは本当ラムラムだな」
「だって可愛いもん」
「でたよそれ」
ユラが笑った。
パーティーの中で一番苦手だと思っていたユラと、結局もう三日も一緒に過ごしている。これまで男性と二人でこんなに長い時間を過ごすことなどなかったので、何だか新鮮ではある。まあ人間は二人でもモンスターのラムがいるので、正確には三人だが。
「なあサツキ」
「うん?」
「俺さ」
言い淀むユラ。あまりのその真剣な表情に、思わずドキッとしてしまった。まるでPVのワンシーンの様で。
意を決した様に、ユラが言った。
「マグノリアの家の風呂に入りたいんだ!」
言うと思っていたサツキは、軽く許可した。
「うん、そうだと思った」
「え? サツキ俺の思考が読めるのか?」
「いやむしろバレバレなんですけど」
「え? 俺のチャームポイントは何を考えているか分からない風に見えるところなのに」
「それ自分で言う?」
「なんか段々口悪くなってないかサツキ」
そういえば確かにそうかもしれない。何故だろう? いつもは心の中に留めている言葉が、この人の前ではどんどん紡ぎ出されていく。
「あ、慣れ、かも」
「え、まさかこれまでずっと人見知りしてたってこと?」
「あー、うん。私筋金入りの人見知りだし」
だけど心の中はおしゃべりだ。主に毒舌方面に。
「多分、私の中でユラが安全な人と認識されたんだと」
これはリアムの姿に戻ったのが大きいだろう。大きな胸についふらふらと寄ってきたのだろうユラも、リアムに何かしようなんて思う筈もない。ユラが好きなアールはどちらかと言わなくてもかなり可愛い顔をしているし、それに若い。
つまり、今のサツキは対象外。それが確信出来ているからこそ、こうやって気を許せるのだろう。
「安全な人……」
ユラが呆れた表情を見せた。
「今まで安全じゃない人って思われてたのか、俺……」
「うん、まあ」
「……毒を吐かれている……」
「いやだって、散々したでしょ」
「何を」
「まだそれ言う?」
「なんか攻め込まれてる……」
ポンポン言い返されるのが余程ショックらしい。ざまあみろだ。
「なあ、そしたらさ、安全認定されたついでにもう一つお願いがあるんだけど」
「今度は何?」
「サツキは、寝室の天井が星空になったのは見たことあるか?」
「は? 天井?」
もう何度かあの部屋で寝泊まりはしているが、一度もそういったものは目にしていない。
「ううん」
「おし! そしたらさ、俺がそれを再現してやるからさ」
「うん?」
「今夜、寝室に泊まらせてくれ!」
「……はい?」
どんどんエスカレートしてくるユラの要求に、サツキは頭がくらくらしてきた。だが、目の前のユラのあの輝く様な瞳。どんだけマグノリアが好きなんだ。
「……変なことしないでね」
「おお! やったあ!」
子供みたいにはしゃぐユラに、サツキは苦笑いを浮かべるしかなかった。
「遅くなっちゃったね。ラムちゃんが心配してるかも」
「サツキは本当ラムラムだな」
「だって可愛いもん」
「でたよそれ」
ユラが笑った。
パーティーの中で一番苦手だと思っていたユラと、結局もう三日も一緒に過ごしている。これまで男性と二人でこんなに長い時間を過ごすことなどなかったので、何だか新鮮ではある。まあ人間は二人でもモンスターのラムがいるので、正確には三人だが。
「なあサツキ」
「うん?」
「俺さ」
言い淀むユラ。あまりのその真剣な表情に、思わずドキッとしてしまった。まるでPVのワンシーンの様で。
意を決した様に、ユラが言った。
「マグノリアの家の風呂に入りたいんだ!」
言うと思っていたサツキは、軽く許可した。
「うん、そうだと思った」
「え? サツキ俺の思考が読めるのか?」
「いやむしろバレバレなんですけど」
「え? 俺のチャームポイントは何を考えているか分からない風に見えるところなのに」
「それ自分で言う?」
「なんか段々口悪くなってないかサツキ」
そういえば確かにそうかもしれない。何故だろう? いつもは心の中に留めている言葉が、この人の前ではどんどん紡ぎ出されていく。
「あ、慣れ、かも」
「え、まさかこれまでずっと人見知りしてたってこと?」
「あー、うん。私筋金入りの人見知りだし」
だけど心の中はおしゃべりだ。主に毒舌方面に。
「多分、私の中でユラが安全な人と認識されたんだと」
これはリアムの姿に戻ったのが大きいだろう。大きな胸についふらふらと寄ってきたのだろうユラも、リアムに何かしようなんて思う筈もない。ユラが好きなアールはどちらかと言わなくてもかなり可愛い顔をしているし、それに若い。
つまり、今のサツキは対象外。それが確信出来ているからこそ、こうやって気を許せるのだろう。
「安全な人……」
ユラが呆れた表情を見せた。
「今まで安全じゃない人って思われてたのか、俺……」
「うん、まあ」
「……毒を吐かれている……」
「いやだって、散々したでしょ」
「何を」
「まだそれ言う?」
「なんか攻め込まれてる……」
ポンポン言い返されるのが余程ショックらしい。ざまあみろだ。
「なあ、そしたらさ、安全認定されたついでにもう一つお願いがあるんだけど」
「今度は何?」
「サツキは、寝室の天井が星空になったのは見たことあるか?」
「は? 天井?」
もう何度かあの部屋で寝泊まりはしているが、一度もそういったものは目にしていない。
「ううん」
「おし! そしたらさ、俺がそれを再現してやるからさ」
「うん?」
「今夜、寝室に泊まらせてくれ!」
「……はい?」
どんどんエスカレートしてくるユラの要求に、サツキは頭がくらくらしてきた。だが、目の前のユラのあの輝く様な瞳。どんだけマグノリアが好きなんだ。
「……変なことしないでね」
「おお! やったあ!」
子供みたいにはしゃぐユラに、サツキは苦笑いを浮かべるしかなかった。
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