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第二章 中級編開始
第238話 OLサツキの中級編三日目の午後、占いの館へ
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今回はラムは留守番になった。占いの館にモンスターは立ち入り禁止、というのがその理由だ。
「話に寄ると、昔、占われたモンスターがテイム前のことを思い出して暴れたことがあるらしい」
「それで皆立ち入り禁止になっちゃったの? 極端だね」
「占いの館が壊滅したらしいからな」
「……」
一体どんなモンスターをテイムしたのかはユラも聞いていないらしいが、建造物を壊滅させたのであればそこそこなレベルのモンスターに違いなかった。
「ほら、あそこだ」
ギルドがある広場を通り過ぎ暫く行くと、出店の奥に何だか怪しげな通路があった。薄暗いのに色が紫っぽいところが怪しさを増長させている。
結局、ユラの追加能力が何かを聞けないまま、到着してしまった。
ユラが周囲を見回して言った。
「今日は大分人が少ないな。昨日一昨日で大分出来上がったんだろうな」
「言い方……」
「事実だろうが」
情緒もへったくれもないストレートな言い方はいかにもユラらしい。
「こっちの人ってその、結婚ってどうやってするの?」
「ん? 結婚? 何サツキ興味あるのか?」
またそうやって意地の悪い聞き方をするのだ。サツキは精一杯どうでもよさそうな顔をしてみせたが、それが成功したかは分からない。
「そうじゃなくて、制度としてどうなってるかが気になっただけよ。私は結婚する気なんてないし」
「そうなのか?」
「だって誰と結婚するのよ。イケメンだけどおっさんで中身は女だよ? そんなのを好きになる人なんて。しかも中身は私だし」
「サツキはそればっかりだな」
「え?」
ユラは呆れ顔だった。
「自分をそうあんまり卑下すんなよ。お前にゃお前のいい所があるだろ」
いい所と言われても、正直思い当たらない。
サツキが首を傾げていると、ユラがヒントをくれた。
「少なくともさ、他人がテイムしたモンスターが懐く何かはあるだろ」
「……ラムちゃん?」
「俺だってお前がムカつく奴だったら放っといたし」
それは人畜無害ということか? いや、でも考えようによっては、人畜無害もいい点ではあるかもしれない。少なくとも悪事を働く気はない。
「成程」
「分かってもらえたならよかった」
「うん、まあ何となく」
「ほら、ここだ」
ユラが案内してくれたのは、薄暗い灯りの奥に続く通路にある一角だった。通路に沿ってずらっとカーテンがかけられ区切られたスペースがある。正に占いの館だ。この辺りのイメージはサツキの世界とあまり変わらないようだ。
「入るぞ」
ユラがカーテンの奥に声をかけると、男性の深い声が返ってきた。
「連れてきたね」
とてもいい声だった。ドキュメンタリー系のナレーションとかが似合いそうである。
カーテンを潜ると、二人掛けのベンチの様な椅子が置いてあり、テーブルを挟んで声の主が座っていた。
明らかに盲した壮年の男性がそこにいた。
「話に寄ると、昔、占われたモンスターがテイム前のことを思い出して暴れたことがあるらしい」
「それで皆立ち入り禁止になっちゃったの? 極端だね」
「占いの館が壊滅したらしいからな」
「……」
一体どんなモンスターをテイムしたのかはユラも聞いていないらしいが、建造物を壊滅させたのであればそこそこなレベルのモンスターに違いなかった。
「ほら、あそこだ」
ギルドがある広場を通り過ぎ暫く行くと、出店の奥に何だか怪しげな通路があった。薄暗いのに色が紫っぽいところが怪しさを増長させている。
結局、ユラの追加能力が何かを聞けないまま、到着してしまった。
ユラが周囲を見回して言った。
「今日は大分人が少ないな。昨日一昨日で大分出来上がったんだろうな」
「言い方……」
「事実だろうが」
情緒もへったくれもないストレートな言い方はいかにもユラらしい。
「こっちの人ってその、結婚ってどうやってするの?」
「ん? 結婚? 何サツキ興味あるのか?」
またそうやって意地の悪い聞き方をするのだ。サツキは精一杯どうでもよさそうな顔をしてみせたが、それが成功したかは分からない。
「そうじゃなくて、制度としてどうなってるかが気になっただけよ。私は結婚する気なんてないし」
「そうなのか?」
「だって誰と結婚するのよ。イケメンだけどおっさんで中身は女だよ? そんなのを好きになる人なんて。しかも中身は私だし」
「サツキはそればっかりだな」
「え?」
ユラは呆れ顔だった。
「自分をそうあんまり卑下すんなよ。お前にゃお前のいい所があるだろ」
いい所と言われても、正直思い当たらない。
サツキが首を傾げていると、ユラがヒントをくれた。
「少なくともさ、他人がテイムしたモンスターが懐く何かはあるだろ」
「……ラムちゃん?」
「俺だってお前がムカつく奴だったら放っといたし」
それは人畜無害ということか? いや、でも考えようによっては、人畜無害もいい点ではあるかもしれない。少なくとも悪事を働く気はない。
「成程」
「分かってもらえたならよかった」
「うん、まあ何となく」
「ほら、ここだ」
ユラが案内してくれたのは、薄暗い灯りの奥に続く通路にある一角だった。通路に沿ってずらっとカーテンがかけられ区切られたスペースがある。正に占いの館だ。この辺りのイメージはサツキの世界とあまり変わらないようだ。
「入るぞ」
ユラがカーテンの奥に声をかけると、男性の深い声が返ってきた。
「連れてきたね」
とてもいい声だった。ドキュメンタリー系のナレーションとかが似合いそうである。
カーテンを潜ると、二人掛けのベンチの様な椅子が置いてあり、テーブルを挟んで声の主が座っていた。
明らかに盲した壮年の男性がそこにいた。
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