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第二章 中級編開始
第234話 OLサツキの中級編三日目のお昼ご飯
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一体何を作るつもりなのか、ユラが台所をあれこれ漁りながら食材を調理していく。
「サツキ、何か皆調理器具が新しいんだけど気の所為?」
「気の所為じゃない、私が買った」
「……つまりそれまでなかったってことか」
「だと思う」
「道理で……」
恐らくユラは今、サツキの知らないダンジョンでのリアムの行動を思い返しているのだろう。だがそれを聞いて万が一自分の腕と大差がなかったら凹んで暫く戻って来れそうにないと思ったので、尋ねるのは控えた。
「まあ適当にあり合わせで作るから、夜は手伝え」
「あ、はい、分かりました」
素直に返してしまい、あ、この人夜もいるつもりなんだと後で気付いた。でもまあもうすぐリアムの姿に戻る。そうすればあの訳の分からない行動もなくなるに違いない。
「サツキ、皿出して」
「うん」
あっという間にパスタの様な料理が出来上がった。中に入っている物はいまいち何だかよく分からないが、塩とニンニクのいい香りがする。この世界のニンニクは花びらだったのには驚いたが、水に生けておくと日持ちするそうなのでなかなか便利だ。
そういえばこの家の家具は皆背が高い。サツキの姿であまりこの家の中を彷徨いていなかったので、何だか変な感覚だ。リアムとの身長差は多分30センチはありそうだから、急に家が大きくなった様に感じ。
そして案の定、届かなかった。
「くっ……と、届けええっ」
だが30センチの差は背伸び程度では縮まらない。確かウルスラが使っていた踏み台があった筈だ。辺りを見回していると、後ろからヒョイとユラが皿を取ってしまった。
あの時のウルスラの悔しそうな顔の意味が、よく分かった。これは普通に腹が立つ。
「取れそうだった」
「嘘つけ」
「踏み台あれば届いたもん」
「次から高さ考えてしまえよ」
「もうすぐリアムに戻るしいい」
すると、ユラがニヤッと笑った。
「まあ次からは俺がいるもんな、よかったなサツキ」
「だから自分で取れるって……」
「はいはい。さ、食べようぜ」
腹が立つ。がしかし、美味しそうな匂いが漂う。従ってサツキは食欲を取った。うまく反論出来ずに生きてきたサツキは、怒りの感情を抑え込むのは得意である。つまり横に置くのだ。
「いただきます」
食卓に二人向かい合わせに座り、ひと口いただく。
「美味しい!」
「当然だ、俺の作る料理だもんな」
ユラは謙遜という概念は知らない様だ。
そんなユラの目線はあちこちに向いている。憧れの人の家に来たのだ、色々と気になる所があるに違いない。
「あの屋根裏ってどこなんだろう。サツキは知ってるか?」
「屋根裏があることすら知らない」
「……じっくり探してやる……」
言いながらもパクパクとよく食べている。この調子だと、お風呂の獅子丸にも会わなければ気が済まなそうだな、そう思ってサツキは苦笑するしかなかった。
「サツキ、何か皆調理器具が新しいんだけど気の所為?」
「気の所為じゃない、私が買った」
「……つまりそれまでなかったってことか」
「だと思う」
「道理で……」
恐らくユラは今、サツキの知らないダンジョンでのリアムの行動を思い返しているのだろう。だがそれを聞いて万が一自分の腕と大差がなかったら凹んで暫く戻って来れそうにないと思ったので、尋ねるのは控えた。
「まあ適当にあり合わせで作るから、夜は手伝え」
「あ、はい、分かりました」
素直に返してしまい、あ、この人夜もいるつもりなんだと後で気付いた。でもまあもうすぐリアムの姿に戻る。そうすればあの訳の分からない行動もなくなるに違いない。
「サツキ、皿出して」
「うん」
あっという間にパスタの様な料理が出来上がった。中に入っている物はいまいち何だかよく分からないが、塩とニンニクのいい香りがする。この世界のニンニクは花びらだったのには驚いたが、水に生けておくと日持ちするそうなのでなかなか便利だ。
そういえばこの家の家具は皆背が高い。サツキの姿であまりこの家の中を彷徨いていなかったので、何だか変な感覚だ。リアムとの身長差は多分30センチはありそうだから、急に家が大きくなった様に感じ。
そして案の定、届かなかった。
「くっ……と、届けええっ」
だが30センチの差は背伸び程度では縮まらない。確かウルスラが使っていた踏み台があった筈だ。辺りを見回していると、後ろからヒョイとユラが皿を取ってしまった。
あの時のウルスラの悔しそうな顔の意味が、よく分かった。これは普通に腹が立つ。
「取れそうだった」
「嘘つけ」
「踏み台あれば届いたもん」
「次から高さ考えてしまえよ」
「もうすぐリアムに戻るしいい」
すると、ユラがニヤッと笑った。
「まあ次からは俺がいるもんな、よかったなサツキ」
「だから自分で取れるって……」
「はいはい。さ、食べようぜ」
腹が立つ。がしかし、美味しそうな匂いが漂う。従ってサツキは食欲を取った。うまく反論出来ずに生きてきたサツキは、怒りの感情を抑え込むのは得意である。つまり横に置くのだ。
「いただきます」
食卓に二人向かい合わせに座り、ひと口いただく。
「美味しい!」
「当然だ、俺の作る料理だもんな」
ユラは謙遜という概念は知らない様だ。
そんなユラの目線はあちこちに向いている。憧れの人の家に来たのだ、色々と気になる所があるに違いない。
「あの屋根裏ってどこなんだろう。サツキは知ってるか?」
「屋根裏があることすら知らない」
「……じっくり探してやる……」
言いながらもパクパクとよく食べている。この調子だと、お風呂の獅子丸にも会わなければ気が済まなそうだな、そう思ってサツキは苦笑するしかなかった。
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