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第二章 中級編開始
第210話 OLサツキの中級編二日目、春祭りの困惑
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下手くそ。人に勝手にキスをしておいて吐くその台詞。
「あ……あんたね……」
呆れと怒りのあまり、言葉が続かない。それを見て何を思ったのか、いや大して何も気にしてなさそうな表情で辺りを見回した。
「もう行ったみたいだな。腹押さえてたから、昨日蹴った所がまだ痛いんじゃねえの? はは、ざまあ」
笑顔になってサツキを振り返った。その首の後ろを猫を掴むみたいに押さえてる手、まずはその手を離してもらいたい。
「あ、怒ってる」
そう言って笑った。クールビューティーなイケメンが笑顔になると様になる、様になるんだが、腹立たしくて仕方がない!
「ユラ!」
「うん? もう一回する?」
「しない!」
「サツキはあれだな、まだ固いなー。もう少し力を抜いてくれるといいんだけど」
サツキは無言で杖を向けた。
「ごめんなさい言い過ぎました」
ユラが即座に謝った。サツキは首に相変わらずひっついているユラの手を剥がしにかかった。杖を向けてもぴったりとくっついて離れないこの男。もう訳が分からない。
「落ち着けって」
「落ち着いていられない……っ」
「ドキドキした?」
「ばっどっどうしてそういうこと平気で言えるかな!?」
ああもう泣きそうだ。ユラには裸は見られるしキスもされるし、ていうかこれどう考えてもファーストキスだ! 彼氏でもない、男を好きな男とファーストキス! ああでも自分の身体も男だ! ああああ!!
「黙ってして悪かったって」
ユラが慰める様に笑った。いやだからその手を離せ、今すぐ離せ。そう言いたいが、困惑で言葉が出てこない。
「だって黙ってって言ってんのに喋りまくるからさー、つい」
「つい!? ついであんなにする!?」
大きな声が出た。涙が滲んできた。ああ、せめてファーストキス位は両思いの状態でしたかったのに。ていうかするつもりなかったのに。
すると、ユラがはっとした表情をして、言った。
「まさか、これも初めて?」
おい、ニヤつくな。今目元がニヤついたのを見たぞ。そう思ったが、勿論そんなことは言えずにサツキが固まっていると。
「じゃあまあ下手くそでも仕方ないか。初めての男ユラ再び」
「よし、燃やそう」
「嘘。冗談」
急におどけた様な表情をしてみせられて、もうサツキには笑うしか選択肢が残されていなかった。
「もう、なにそれ」
「ごめん、許してくれ」
「……やり方に問題はあったけど、理由があったもんね。今回は、許してあげるよ」
咄嗟に口を塞ごうとしただけ、それだけだ。そう思って忘れることにしよう。
「そう、理由があったし」
ユラはにこっと笑顔になった。
「うん、だからもう離してくれる?」
「うん、だからこれは酒の所為ね」
「ん?」
ユラが、今度は重ねるだけの軽いキスをした。はい? 何故この流れでそうなる?
サツキが完全に固まっていると。
「広場の花はもう見た? 家まで送りがてら見に行こうか」
爽やかイケメン顔で微笑みつつ言ったユラに半ば引きずられる様に、サツキとスカートの中から出て来たラムはその場から立ち去っていった。
「あ……あんたね……」
呆れと怒りのあまり、言葉が続かない。それを見て何を思ったのか、いや大して何も気にしてなさそうな表情で辺りを見回した。
「もう行ったみたいだな。腹押さえてたから、昨日蹴った所がまだ痛いんじゃねえの? はは、ざまあ」
笑顔になってサツキを振り返った。その首の後ろを猫を掴むみたいに押さえてる手、まずはその手を離してもらいたい。
「あ、怒ってる」
そう言って笑った。クールビューティーなイケメンが笑顔になると様になる、様になるんだが、腹立たしくて仕方がない!
「ユラ!」
「うん? もう一回する?」
「しない!」
「サツキはあれだな、まだ固いなー。もう少し力を抜いてくれるといいんだけど」
サツキは無言で杖を向けた。
「ごめんなさい言い過ぎました」
ユラが即座に謝った。サツキは首に相変わらずひっついているユラの手を剥がしにかかった。杖を向けてもぴったりとくっついて離れないこの男。もう訳が分からない。
「落ち着けって」
「落ち着いていられない……っ」
「ドキドキした?」
「ばっどっどうしてそういうこと平気で言えるかな!?」
ああもう泣きそうだ。ユラには裸は見られるしキスもされるし、ていうかこれどう考えてもファーストキスだ! 彼氏でもない、男を好きな男とファーストキス! ああでも自分の身体も男だ! ああああ!!
「黙ってして悪かったって」
ユラが慰める様に笑った。いやだからその手を離せ、今すぐ離せ。そう言いたいが、困惑で言葉が出てこない。
「だって黙ってって言ってんのに喋りまくるからさー、つい」
「つい!? ついであんなにする!?」
大きな声が出た。涙が滲んできた。ああ、せめてファーストキス位は両思いの状態でしたかったのに。ていうかするつもりなかったのに。
すると、ユラがはっとした表情をして、言った。
「まさか、これも初めて?」
おい、ニヤつくな。今目元がニヤついたのを見たぞ。そう思ったが、勿論そんなことは言えずにサツキが固まっていると。
「じゃあまあ下手くそでも仕方ないか。初めての男ユラ再び」
「よし、燃やそう」
「嘘。冗談」
急におどけた様な表情をしてみせられて、もうサツキには笑うしか選択肢が残されていなかった。
「もう、なにそれ」
「ごめん、許してくれ」
「……やり方に問題はあったけど、理由があったもんね。今回は、許してあげるよ」
咄嗟に口を塞ごうとしただけ、それだけだ。そう思って忘れることにしよう。
「そう、理由があったし」
ユラはにこっと笑顔になった。
「うん、だからもう離してくれる?」
「うん、だからこれは酒の所為ね」
「ん?」
ユラが、今度は重ねるだけの軽いキスをした。はい? 何故この流れでそうなる?
サツキが完全に固まっていると。
「広場の花はもう見た? 家まで送りがてら見に行こうか」
爽やかイケメン顔で微笑みつつ言ったユラに半ば引きずられる様に、サツキとスカートの中から出て来たラムはその場から立ち去っていった。
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