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第二章 中級編開始
第200話 OLサツキの中級編二日目、春祭りの落とし物探索
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ユラはアールが完全に見えなくなったのを確認すると、ブラインドの黒いもやの中に乱暴に手を突っ込むとサツキを引っ張り出した。
「移動するぞ、それ全部食っちまえ」
「あ、うん」
残っていた尻尾の部分を口に放り込むと、ユラはラムを受け取りサツキの手首を掴むと駆け足になった。
「落とし物、探すぞ」
「うん。ユラ、場所覚えてる?」
「ラーメニアの薬酒の所だろ、分かるよ」
「よかった、私正直混乱してたからあまり場所覚えてなくて」
食べ物の出店が並ぶエリアを出ると、ユラが走るのを止め、歩き出した。地面の方を時折見ているので、この辺りなのかもしれない。ふと、今日はユラが目を擦ったりしていないことに気が付いた。
「そういえばユラ、今日は目は大丈夫そうだね」
「え? ……ああ、そうだな」
「やっぱり疲れてたの?」
ダンジョン最終日にかなり苛々していたのは、目がおかしかった所為もありそうだった。それ程にユラはずっと目を気にしていた。
「疲れっていうか、まあ、ちょっと」
何か言いにくいことなんだろうか。でも、治ったのならよかった。
「よくなってよかったね」
サツキが笑いかけると、ユラは無言でただサツキを見返している。
「どうしたの? 私何か変なこと言った?」
「いや、別に」
「なあに、変なの」
ユラはポーカーフェィス度が高いので、感情が読みにくい。もしかしたらそれで損してきたこともあるのかな、ふとそう思った。少し行くと、ユラが足を止めた。
「サツキ、この辺だ」
ユラが地面を指差した。
「ここにドレスとパンツが落ちてた」
「パ……」
「かんざしもこの辺り。で、イヤリングはもう少し先に落ちてた」
「ラムになって落ちた物がこの辺で、イヤリングとネックレスは多分猫になってから落ちたのかも?」
「てことは残りはもう少し先だな」
ラムもユラから降り、三人で地面を探す。地面は歩道部分はレンガが埋められており、正直見えにくい。
「ねえ、探す魔法とかないの?」
「あ、あるな。忘れてた。いい提案だ、サツキ」
「へへ」
「サーチスっていう呪文だから、イヤリングに触れながら唱えると一瞬光る。それを見逃すなよ!」
「了解!」
ラムもぐっと親指を突き出して頷いた。
「ではいきます! サーチス!」
すると、家屋との僅かな隙間から光が発せられた。一瞬で消えてしまったが、あれに違いない。ラムが走って向かうと、あったらしくぴょんぴょん嬉しそうに跳ねた。うん、可愛い。
「本当にああいうの好きだな」
ユラが呆れた様に言うが、これはもう周知の事実だ。サツキは堂々とあの台詞を言い放った。
「可愛いは正義!」
「はいはい」
ユラが笑いながらラムが待っている場所に駆け寄る。
「お、両方あったぞ」
「本当!? よかったー!」
人の好意で貰ったアクセサリーだ。普段は男のリアムだから着ける機会は少ないとはいえ、この世界で初めて貰った贈り物。大事にしたかった。
ユラが空を見上げる。
「暗くなる前でよかったな」
気づけば空は少し薄暗くなりかけていた。
「移動するぞ、それ全部食っちまえ」
「あ、うん」
残っていた尻尾の部分を口に放り込むと、ユラはラムを受け取りサツキの手首を掴むと駆け足になった。
「落とし物、探すぞ」
「うん。ユラ、場所覚えてる?」
「ラーメニアの薬酒の所だろ、分かるよ」
「よかった、私正直混乱してたからあまり場所覚えてなくて」
食べ物の出店が並ぶエリアを出ると、ユラが走るのを止め、歩き出した。地面の方を時折見ているので、この辺りなのかもしれない。ふと、今日はユラが目を擦ったりしていないことに気が付いた。
「そういえばユラ、今日は目は大丈夫そうだね」
「え? ……ああ、そうだな」
「やっぱり疲れてたの?」
ダンジョン最終日にかなり苛々していたのは、目がおかしかった所為もありそうだった。それ程にユラはずっと目を気にしていた。
「疲れっていうか、まあ、ちょっと」
何か言いにくいことなんだろうか。でも、治ったのならよかった。
「よくなってよかったね」
サツキが笑いかけると、ユラは無言でただサツキを見返している。
「どうしたの? 私何か変なこと言った?」
「いや、別に」
「なあに、変なの」
ユラはポーカーフェィス度が高いので、感情が読みにくい。もしかしたらそれで損してきたこともあるのかな、ふとそう思った。少し行くと、ユラが足を止めた。
「サツキ、この辺だ」
ユラが地面を指差した。
「ここにドレスとパンツが落ちてた」
「パ……」
「かんざしもこの辺り。で、イヤリングはもう少し先に落ちてた」
「ラムになって落ちた物がこの辺で、イヤリングとネックレスは多分猫になってから落ちたのかも?」
「てことは残りはもう少し先だな」
ラムもユラから降り、三人で地面を探す。地面は歩道部分はレンガが埋められており、正直見えにくい。
「ねえ、探す魔法とかないの?」
「あ、あるな。忘れてた。いい提案だ、サツキ」
「へへ」
「サーチスっていう呪文だから、イヤリングに触れながら唱えると一瞬光る。それを見逃すなよ!」
「了解!」
ラムもぐっと親指を突き出して頷いた。
「ではいきます! サーチス!」
すると、家屋との僅かな隙間から光が発せられた。一瞬で消えてしまったが、あれに違いない。ラムが走って向かうと、あったらしくぴょんぴょん嬉しそうに跳ねた。うん、可愛い。
「本当にああいうの好きだな」
ユラが呆れた様に言うが、これはもう周知の事実だ。サツキは堂々とあの台詞を言い放った。
「可愛いは正義!」
「はいはい」
ユラが笑いながらラムが待っている場所に駆け寄る。
「お、両方あったぞ」
「本当!? よかったー!」
人の好意で貰ったアクセサリーだ。普段は男のリアムだから着ける機会は少ないとはいえ、この世界で初めて貰った贈り物。大事にしたかった。
ユラが空を見上げる。
「暗くなる前でよかったな」
気づけば空は少し薄暗くなりかけていた。
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