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第二章 中級編開始
第188話 OLサツキの中級編二日目、スライムの願い
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自分がレンタルしたピンクのドレスを握り締めていたラムは、何かを伝えるべくジェスチャーを始めた。
サツキのドレスを指し、次いでユラを指す。力こぶを作り、親指を突き出す。そしてサツキとユラの手を取り、前後に振った。
「えーと、私がドレスを着る」
ラムがこくこくと頷く。
「俺は強い?」
またこくこくと頷く。ユラは心なしか嬉しそうだ。最後の手をぶんぶんは何だろうか。
するとユラが言った。
「あ、分かった。三人でお祭りに行こうってことか」
ラムがぱああっと笑顔になった。でも、とサツキが続ける。
「もうそろそろメタモラも解けるだろうし、一度帰って服も畳んで返しに行きたいし」
それに、ユラは祭りは人が多いから嫌だと言っていたので、嫌だろうし。すると、ラムがしょぼんとした。
唐突に、ユラがあ、と言いながらポケットを漁り始めた。
「そうそう、かんざしは拾ったんだけど、イヤリングが片方しかなくてさ」
ポケットから出てきたのは、貸衣装屋で貰ったアクセサリーだった。イヤリングが片方と、あとネックレスがない。
「ネックレス……もなかったよね?」
「急いでたからな」
「うん……だよね」
「これも借り物?」
「ううん、アクセサリーはもらったの」
これは返す必要のない物だから、失くしてもではあったが、でも好意で貰った物をその日の内に落としてしまうなんて。
あの女性に対し、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
すると、ユラの腹がぐーっと豪快な音を出した。
「あー俺丸一日近く何も食ってないんだった」
「そうなんだ、じゃあ急ぐね」
サツキも夜は食いっぱぐれたが。するとサツキの腹もぐうううう、と鳴った。起き上がったからだろうか。あまりの大きさに、ユラがびっくりした顔をしている。そんなに見ないで欲しい。
「半日は回復で寝てたからなあ」
「ご、ごめんなさい」
「魔力使い果たしたんだから仕方ないよ。……サツキ、もう一度メタモラで野原サツキだ」
「え?」
どういうことだろうか。そろそろメタモラが解ける時間がきた?
「そんで服着て、ほら、ラムも着たいんだろ? アクセサリー探しつつ、まあ正直人混みはかったるいけど腹減ったし、たまには祭りに参加も悪くはないし」
そう言うと、ユラはベッドから降りて伸びをした。
「えーと、つまり?」
「だから、俺がついてってやるから、祭りで飯食って落とし物探してみればいいんじゃねってこと」
ラムが、実に嬉しそうにぴょんぴょん跳ねているが、でも何だかユラには昨日から迷惑を掛けてばかりだ。
「でも、人混み嫌いって……」
「昨日よりは今日の方が空いてる筈だし、それよりとにかく腹減ったし」
「ユラ……迷惑じゃ」
「サツキは遠慮ばっかりだなあ」
ユラは小さく微笑むと、サツキにポケットのパンツを差し出してきた。
「俺が腹減ったんだ。付き合え」
「え、あ、はい」
「俺隣の部屋いくから、パンツ履けよ」
「はい……」
そう言うと、ユラは言葉通り隣の部屋に行ってしまった。
「イケメン、侮りがたし……」
思わぬユラの笑顔に、不覚にも少し目を奪われてしまったサツキであった。
サツキのドレスを指し、次いでユラを指す。力こぶを作り、親指を突き出す。そしてサツキとユラの手を取り、前後に振った。
「えーと、私がドレスを着る」
ラムがこくこくと頷く。
「俺は強い?」
またこくこくと頷く。ユラは心なしか嬉しそうだ。最後の手をぶんぶんは何だろうか。
するとユラが言った。
「あ、分かった。三人でお祭りに行こうってことか」
ラムがぱああっと笑顔になった。でも、とサツキが続ける。
「もうそろそろメタモラも解けるだろうし、一度帰って服も畳んで返しに行きたいし」
それに、ユラは祭りは人が多いから嫌だと言っていたので、嫌だろうし。すると、ラムがしょぼんとした。
唐突に、ユラがあ、と言いながらポケットを漁り始めた。
「そうそう、かんざしは拾ったんだけど、イヤリングが片方しかなくてさ」
ポケットから出てきたのは、貸衣装屋で貰ったアクセサリーだった。イヤリングが片方と、あとネックレスがない。
「ネックレス……もなかったよね?」
「急いでたからな」
「うん……だよね」
「これも借り物?」
「ううん、アクセサリーはもらったの」
これは返す必要のない物だから、失くしてもではあったが、でも好意で貰った物をその日の内に落としてしまうなんて。
あの女性に対し、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
すると、ユラの腹がぐーっと豪快な音を出した。
「あー俺丸一日近く何も食ってないんだった」
「そうなんだ、じゃあ急ぐね」
サツキも夜は食いっぱぐれたが。するとサツキの腹もぐうううう、と鳴った。起き上がったからだろうか。あまりの大きさに、ユラがびっくりした顔をしている。そんなに見ないで欲しい。
「半日は回復で寝てたからなあ」
「ご、ごめんなさい」
「魔力使い果たしたんだから仕方ないよ。……サツキ、もう一度メタモラで野原サツキだ」
「え?」
どういうことだろうか。そろそろメタモラが解ける時間がきた?
「そんで服着て、ほら、ラムも着たいんだろ? アクセサリー探しつつ、まあ正直人混みはかったるいけど腹減ったし、たまには祭りに参加も悪くはないし」
そう言うと、ユラはベッドから降りて伸びをした。
「えーと、つまり?」
「だから、俺がついてってやるから、祭りで飯食って落とし物探してみればいいんじゃねってこと」
ラムが、実に嬉しそうにぴょんぴょん跳ねているが、でも何だかユラには昨日から迷惑を掛けてばかりだ。
「でも、人混み嫌いって……」
「昨日よりは今日の方が空いてる筈だし、それよりとにかく腹減ったし」
「ユラ……迷惑じゃ」
「サツキは遠慮ばっかりだなあ」
ユラは小さく微笑むと、サツキにポケットのパンツを差し出してきた。
「俺が腹減ったんだ。付き合え」
「え、あ、はい」
「俺隣の部屋いくから、パンツ履けよ」
「はい……」
そう言うと、ユラは言葉通り隣の部屋に行ってしまった。
「イケメン、侮りがたし……」
思わぬユラの笑顔に、不覚にも少し目を奪われてしまったサツキであった。
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