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第二章 中級編開始
第170話 OLサツキの中級編初日の中央広場
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ラムが必死でサツキを揺さぶり続けている。
「ラムちゃん、どうしたの?」
サツキがそう尋ねると、ラムの表情がホッとしたものに変わった。
「ごめんね、この明かりが私の世界のお祭りっぽくて、ついぼうっとしちゃった」
心ここに在らずな状態になっていたのは確かだ。きっとそれを見て大丈夫かと気になったのだろう。
すると、ラムが辺りをキョロキョロと見回した後、ぐいぐいとサツキを引っ張った。早く行こうということらしい。花で一杯の景色がそんなに楽しみなんだ、そう思うと可愛くて、サツキは笑顔になって頷いてみせた。
「うん、早く行ってみようか!」
駆け足で急ぐ。靴はドレスとセットで借りた靴で、ガラスみたいな無色透明の靴だ。まるでシンデレラの様で、今の自分にはピッタリだと思う。
この魔法はいずれ解ける。リアムの姿の方が今の本当の姿だから、これは仮の姿だから。
暫く行くと、前の方に人だかりが出来ていた。
「あれ、あそこギルドの近くじゃない?」
ラムが首を傾げる。そういえばギルドの前に広間らしきものがあった。あれが中央広場なのかもしれない。ぐるっと建物に沿って歩道があり、道の反対側はマルシェの様な店が並んでいたので気付かなかったのだろう。
広場に一歩入ると、そこには出店はなくなっており、代わりに一面に色とりどりの花が咲き乱れていた。
「うわあ……!」
見ると、見物客達はその花畑の中に入っていっている。踏んでも良さそうなところを見ると、これにも何かしら魔法が掛けられているのかもしれない。
「ラムちゃん、見よう!」
ぴょんぴょん跳ねるラムと手を繋ぎつつ、花畑に踏み入る。途端鼻を擽る花の華やかな香りに包まれ、サツキは思わず声を出して笑った。
「あはは、ラムちゃん見て、凄いよ! もうこれだけで、今日お祭りに参加してよかった!」
勇気を出してよかった。いつものサツキみたいに怖がっていたら、こんなに綺麗な景色を見ることは出来なかった。
サツキが感動していると。
耳に聞き慣れた声が飛び込んできた。
「えーここがギルド前。って、毎年来てるんだから知ってるだろ! 何で案内しないといけないんだよ!」
アールの声だった。アールの近くには、両親と思われる年配の男女がいる。
「あんたの案内がないと迷っちゃうよ。ねえお父さん?」
「そうだぞアール。お前はちっとも帰ってきやしないんだから、こんな時位親孝行しなさい」
「だから案内してるじゃないか。あー皆いい子見つけるのかなーいいなー」
「あんたにはまだ結婚は早いわよ、やってること馬鹿なんだから」
「ひっでーの」
親にまで馬鹿と言われていたが、怒っている感じはない。あれが愛情表現だとアールも分かっているのだろう。
何だか微笑ましくなった。横のラムに小声で話しかける。
「ラムちゃん、アールの邪魔しちゃ悪いから、他の場所に行こうよ。何か食べたいし」
ラムがうんうんと頷いてくれたので、サツキは広場から離れることにしたのだった。
「ラムちゃん、どうしたの?」
サツキがそう尋ねると、ラムの表情がホッとしたものに変わった。
「ごめんね、この明かりが私の世界のお祭りっぽくて、ついぼうっとしちゃった」
心ここに在らずな状態になっていたのは確かだ。きっとそれを見て大丈夫かと気になったのだろう。
すると、ラムが辺りをキョロキョロと見回した後、ぐいぐいとサツキを引っ張った。早く行こうということらしい。花で一杯の景色がそんなに楽しみなんだ、そう思うと可愛くて、サツキは笑顔になって頷いてみせた。
「うん、早く行ってみようか!」
駆け足で急ぐ。靴はドレスとセットで借りた靴で、ガラスみたいな無色透明の靴だ。まるでシンデレラの様で、今の自分にはピッタリだと思う。
この魔法はいずれ解ける。リアムの姿の方が今の本当の姿だから、これは仮の姿だから。
暫く行くと、前の方に人だかりが出来ていた。
「あれ、あそこギルドの近くじゃない?」
ラムが首を傾げる。そういえばギルドの前に広間らしきものがあった。あれが中央広場なのかもしれない。ぐるっと建物に沿って歩道があり、道の反対側はマルシェの様な店が並んでいたので気付かなかったのだろう。
広場に一歩入ると、そこには出店はなくなっており、代わりに一面に色とりどりの花が咲き乱れていた。
「うわあ……!」
見ると、見物客達はその花畑の中に入っていっている。踏んでも良さそうなところを見ると、これにも何かしら魔法が掛けられているのかもしれない。
「ラムちゃん、見よう!」
ぴょんぴょん跳ねるラムと手を繋ぎつつ、花畑に踏み入る。途端鼻を擽る花の華やかな香りに包まれ、サツキは思わず声を出して笑った。
「あはは、ラムちゃん見て、凄いよ! もうこれだけで、今日お祭りに参加してよかった!」
勇気を出してよかった。いつものサツキみたいに怖がっていたら、こんなに綺麗な景色を見ることは出来なかった。
サツキが感動していると。
耳に聞き慣れた声が飛び込んできた。
「えーここがギルド前。って、毎年来てるんだから知ってるだろ! 何で案内しないといけないんだよ!」
アールの声だった。アールの近くには、両親と思われる年配の男女がいる。
「あんたの案内がないと迷っちゃうよ。ねえお父さん?」
「そうだぞアール。お前はちっとも帰ってきやしないんだから、こんな時位親孝行しなさい」
「だから案内してるじゃないか。あー皆いい子見つけるのかなーいいなー」
「あんたにはまだ結婚は早いわよ、やってること馬鹿なんだから」
「ひっでーの」
親にまで馬鹿と言われていたが、怒っている感じはない。あれが愛情表現だとアールも分かっているのだろう。
何だか微笑ましくなった。横のラムに小声で話しかける。
「ラムちゃん、アールの邪魔しちゃ悪いから、他の場所に行こうよ。何か食べたいし」
ラムがうんうんと頷いてくれたので、サツキは広場から離れることにしたのだった。
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