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第二章 中級編開始
第162話 OLサツキの中級編初日の予定はまさかの
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ほくほくとした顔でようやくこちらに戻って来たウルスラが、サツキに挨拶をした。
「おはようサツキ。よく寝れた?」
言いつつ、空いた席に座る。
「うん、お陰様で。ウルスラもちゃんと休めた?」
「ばっちりよ! と、言いたいところなんだけど、昨晩問題が起きちゃってさあ」
「問題? どうしたの?」
ウルスラがはあー、と大袈裟な溜息をついた。
「うちの女子寮、私も含めて割とつぶ揃いな訳よ」
「ゴリラ女が何か言い出したぞ」
「サツキ、こいつ燃やしてもいいわよ」
「あ、あはは……で?」
キッとユラを睨み付けたウルスラが、気を取り直した様ににっこり笑顔をサツキに見せた。そしてすぐに暗い顔に戻る。忙しない。
「春祭りが今日からなのをまあすっかり忘れていた訳だけど、毎年不届き者が侵入しようとするから用心棒してくれないか、と依頼されちゃった訳」
「別に断ればいいじゃないか」
アールが、珍しく真っ当な意見を述べた。
「私も初めは断ったのよ。だってサツキと春祭りで飲み食いしまくりたいと思ってたしさ。だけど、祭りの所為で誰も雇えないらしいし、報酬も釣り上げられてさ、つい……」
「え、ウルスラ引き受けちゃったの?」
一緒に春祭りを楽しもうと思ってたのに。
「そもそもさ、金はあるだろ? 何でそんなに金金言ってんの?」
ユラが尋ねる。そう、ドラゴン討伐でもそこそこの金額が入金するって言ってた筈なのに。
ウルスラが、深刻な表情で皆を見渡した。
「ドラゴン討伐代、思っていたよりも少なかったでしょ?」
「まあ、確かに思った」
ユラが頷く。そうだったんだ。
「でもまあそれでも、て思ってたらさ、昨日戻って口座を確認したら、残高が物凄い減ってた訳」
「え? 何で?」
アールが身を乗り出す。
ウルスラが頭を抱えた。
「前に別のパーティーで大型ゴブリン討伐の任務を受けた時に、別の街の中で戦うことになっちゃって、その時に壊した教会の補修金がごっそりと寄付って名目で引かれてたのよおおおっ」
「それは酷い。教会の奴らがめついからな」
ユラの顔が歪む。ウルスラが更に叫んだ。
「他のパーティーメンバーの奴ら、私がドラゴン討伐したからって分担分全部私に押し付けやがって、しかもトンズラこいてもうこの街にはいないのが昨日追いかけまくって判明して! ああもうっ!」
「あー。ご愁傷様……」
アールが、哀れなものを見る目付きになった。
「てことで、お金あんまりなくなっちゃったから、また稼がないとなの。サツキ、一緒に春祭りでうふうふしたかったけど、ごめん!」
ウルスラが頭を深々と下げた。うふうふって、一体何をするつもりだったんだろうか。
でも事情が事情だ、仕方ない。ラムが不安そうにきゅ、と手を握ってきたので、サツキはひとつ頷くと、宣言する。
「大丈夫! 私、ラムちゃんと二人で参加してみる!」
ラムがぴょんぴょん跳ねて喜んだ。
「おはようサツキ。よく寝れた?」
言いつつ、空いた席に座る。
「うん、お陰様で。ウルスラもちゃんと休めた?」
「ばっちりよ! と、言いたいところなんだけど、昨晩問題が起きちゃってさあ」
「問題? どうしたの?」
ウルスラがはあー、と大袈裟な溜息をついた。
「うちの女子寮、私も含めて割とつぶ揃いな訳よ」
「ゴリラ女が何か言い出したぞ」
「サツキ、こいつ燃やしてもいいわよ」
「あ、あはは……で?」
キッとユラを睨み付けたウルスラが、気を取り直した様ににっこり笑顔をサツキに見せた。そしてすぐに暗い顔に戻る。忙しない。
「春祭りが今日からなのをまあすっかり忘れていた訳だけど、毎年不届き者が侵入しようとするから用心棒してくれないか、と依頼されちゃった訳」
「別に断ればいいじゃないか」
アールが、珍しく真っ当な意見を述べた。
「私も初めは断ったのよ。だってサツキと春祭りで飲み食いしまくりたいと思ってたしさ。だけど、祭りの所為で誰も雇えないらしいし、報酬も釣り上げられてさ、つい……」
「え、ウルスラ引き受けちゃったの?」
一緒に春祭りを楽しもうと思ってたのに。
「そもそもさ、金はあるだろ? 何でそんなに金金言ってんの?」
ユラが尋ねる。そう、ドラゴン討伐でもそこそこの金額が入金するって言ってた筈なのに。
ウルスラが、深刻な表情で皆を見渡した。
「ドラゴン討伐代、思っていたよりも少なかったでしょ?」
「まあ、確かに思った」
ユラが頷く。そうだったんだ。
「でもまあそれでも、て思ってたらさ、昨日戻って口座を確認したら、残高が物凄い減ってた訳」
「え? 何で?」
アールが身を乗り出す。
ウルスラが頭を抱えた。
「前に別のパーティーで大型ゴブリン討伐の任務を受けた時に、別の街の中で戦うことになっちゃって、その時に壊した教会の補修金がごっそりと寄付って名目で引かれてたのよおおおっ」
「それは酷い。教会の奴らがめついからな」
ユラの顔が歪む。ウルスラが更に叫んだ。
「他のパーティーメンバーの奴ら、私がドラゴン討伐したからって分担分全部私に押し付けやがって、しかもトンズラこいてもうこの街にはいないのが昨日追いかけまくって判明して! ああもうっ!」
「あー。ご愁傷様……」
アールが、哀れなものを見る目付きになった。
「てことで、お金あんまりなくなっちゃったから、また稼がないとなの。サツキ、一緒に春祭りでうふうふしたかったけど、ごめん!」
ウルスラが頭を深々と下げた。うふうふって、一体何をするつもりだったんだろうか。
でも事情が事情だ、仕方ない。ラムが不安そうにきゅ、と手を握ってきたので、サツキはひとつ頷くと、宣言する。
「大丈夫! 私、ラムちゃんと二人で参加してみる!」
ラムがぴょんぴょん跳ねて喜んだ。
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