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第一章 初級編開始
第144話 OLサツキの初級編三日目、ボス戦の続き
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サツキの足に、ラムがしがみつく。そのお陰だろう、逆にサツキは落ち着いてきた。
自分にはこうして頼ってきてくれる可愛い子がいる。そんな子の前で自分が怯えてどうする。
目の前で小さめの隕石がボンボン落ちてきてはアルバ蜥蜴のボスにガンガン当たっているが、フリーズの魔法の所為だろう、蜥蜴は一見何の影響も受けていない様に見える。
またふっと辺りが明るくなったかと思うと、目の前の景色が元へと戻った。
「フリーズが解けるぞ!」
ユラの大声が響く。すると、本当にその瞬間アルバ蜥蜴のボスの点滅が再開した。何で分かるんだこの人。こんな凄い技持ってる人だったか? 思わずユラの方を見ると、ユラが蜥蜴を指差す。
「余所見すんな! 前を見てろ!」
「はっはいいい!!」
蜥蜴にダメージを与えられたのか、蜥蜴が足をがくっと崩した。
「効いてるわよ! でも全然剣が刺さらない!」
「このまま逃げるってのは駄目なのかよ!」
前衛二人が叫ぶ。
「駄目だ!」
「何でだよお! 無理だって、硬すぎる!」
「こいつをこのまま放っておくと、初級ダンジョンじゃなくなるぞ! お前達も習っただろ、アイルのダンジョンの話を!」
勿論サツキは分からない。
「教えて!」
「サツキはフリーズかけて、二人はまた攻撃しててくれ! その間に説明する!」
「分かった! フリーズ!」
またピシ、と蜥蜴の動きが止まった。目だけが動いていて怖い。ふう、とユラがこちらを向いた。
「アイルのダンジョンってのは、冒険者を目指す奴らが必ず訓練所で一度は聞く話なんだけど」
「うん」
前衛二人は間断なく斬りつけているが、ちっとも歯が立たない様だ。
「街に近いアイルのダンジョンは初級ダンジョンだったんだけど、ある日こいつみたいにいきなり強い奴が住み着いたんだ。で、強い冒険者が来るまで放っておいた。するとダンジョンのレベルがどんどん上がって、その内モンスターが溢れ返った」
「初級じゃなくなっちゃう……てこと?」
ユラが頷く。
「その後、その街は滅んだ。真偽のほどは分かんないけど、だから冒険者はダンジョンのレベルに見合わないボスが住み着いたら、極力早く情報共有をし、出来れば討伐すること、と教わった」
そして、とユラが続ける。
「このルーンのダンジョンは階層が浅い。そんで街にも近い。放っておいたらあっという間に街にモンスターがやってくる」
「じゃあ絶対倒さないとじゃない!」
ファンタジーな楽しい世界かもなんて思ってたら、実はこんな怖い世界観だったなんて。
「俺、この呪文使ったことないんだよな……サツキ、失敗したら後よろしく」
「へ?」
「指示はしてあげたいけど、魔力全部使うから気を失っちゃうかもなんだよ」
「ええ!?」
どういうことだ、一体何をしようとしているのか説明が欲しい。
「おーい! ちょっとどいてて!」
ユラは前衛の二人に声を掛けた。
自分にはこうして頼ってきてくれる可愛い子がいる。そんな子の前で自分が怯えてどうする。
目の前で小さめの隕石がボンボン落ちてきてはアルバ蜥蜴のボスにガンガン当たっているが、フリーズの魔法の所為だろう、蜥蜴は一見何の影響も受けていない様に見える。
またふっと辺りが明るくなったかと思うと、目の前の景色が元へと戻った。
「フリーズが解けるぞ!」
ユラの大声が響く。すると、本当にその瞬間アルバ蜥蜴のボスの点滅が再開した。何で分かるんだこの人。こんな凄い技持ってる人だったか? 思わずユラの方を見ると、ユラが蜥蜴を指差す。
「余所見すんな! 前を見てろ!」
「はっはいいい!!」
蜥蜴にダメージを与えられたのか、蜥蜴が足をがくっと崩した。
「効いてるわよ! でも全然剣が刺さらない!」
「このまま逃げるってのは駄目なのかよ!」
前衛二人が叫ぶ。
「駄目だ!」
「何でだよお! 無理だって、硬すぎる!」
「こいつをこのまま放っておくと、初級ダンジョンじゃなくなるぞ! お前達も習っただろ、アイルのダンジョンの話を!」
勿論サツキは分からない。
「教えて!」
「サツキはフリーズかけて、二人はまた攻撃しててくれ! その間に説明する!」
「分かった! フリーズ!」
またピシ、と蜥蜴の動きが止まった。目だけが動いていて怖い。ふう、とユラがこちらを向いた。
「アイルのダンジョンってのは、冒険者を目指す奴らが必ず訓練所で一度は聞く話なんだけど」
「うん」
前衛二人は間断なく斬りつけているが、ちっとも歯が立たない様だ。
「街に近いアイルのダンジョンは初級ダンジョンだったんだけど、ある日こいつみたいにいきなり強い奴が住み着いたんだ。で、強い冒険者が来るまで放っておいた。するとダンジョンのレベルがどんどん上がって、その内モンスターが溢れ返った」
「初級じゃなくなっちゃう……てこと?」
ユラが頷く。
「その後、その街は滅んだ。真偽のほどは分かんないけど、だから冒険者はダンジョンのレベルに見合わないボスが住み着いたら、極力早く情報共有をし、出来れば討伐すること、と教わった」
そして、とユラが続ける。
「このルーンのダンジョンは階層が浅い。そんで街にも近い。放っておいたらあっという間に街にモンスターがやってくる」
「じゃあ絶対倒さないとじゃない!」
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「俺、この呪文使ったことないんだよな……サツキ、失敗したら後よろしく」
「へ?」
「指示はしてあげたいけど、魔力全部使うから気を失っちゃうかもなんだよ」
「ええ!?」
どういうことだ、一体何をしようとしているのか説明が欲しい。
「おーい! ちょっとどいてて!」
ユラは前衛の二人に声を掛けた。
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