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第一章 初級編開始
第134話 OLサツキの初級編三日目の特訓、反旗を翻す僧侶に振り回される
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ぬりかべモンスターは三体。左右にいるニ体は先程と同じ紫色の奴だが、真ん中のは少し色が黒く、何か周りから黒いオーラが出ている様に見える。ちょっと強そうだ。
ウルスラとアールは戦闘に参加するのかな、そう思って後ろを振り向くと、ユラがサツキの腕を引っ張って前を向かせた。
「サツキ、レアものはいいアイテムを落としやすい。一気にやるぞ!」
「わ、分かった! 指示をお願いします!」
ユラは二人でやる気なのだ。折角なら二人じゃなくて四人で戦った方が効率も良さそうだと思うが、まだ怒りが治まらないのかもしれない。用無しと言われたのがショックだったんだろう。冗談なのに。
「さっきのミティアは単体攻撃なんだよな。攻撃力強いんだけど、そこが使いにくい点だ」
「え? あれ単体向けなの?」
何て無駄な火力だ。
ユラが後ろをちらっとだけ見る。
「本当はこいつらは魔法じゃなくてひたすら物理攻撃を繰り返すのが効果的なんだけど、まあ俺とサツキしかいないから仕方ない」
「いや、あの、協力しようよ……」
「嫌だね」
子供みたいなへその曲げっぷりだ。ユラは結構根に持つタイプの様だ。サツキは諦めることにした。
「分かったよ。じゃあ何を唱えればいい?」
すると、ユラがじっとサツキを見つめる。その真剣な眼差しに、そういやユラも相当なイケメンだよな、と思ってついドギマギしてしまった。そんな見つめられると、いくら今は男だからって恥ずかしい。
男になるという誓いはどこへやら、サツキは耐えきれず目を逸した。
「――うん、後で魔力は回復してやるから、ここはディープ・インパクトだサツキ」
「え」
まんま映画のタイトルじゃないすか。そう思ったが、映画なんて知らないだろうし、まあお陰ででっかい隕石の複数攻撃なのも察した。それにそうか、さっきじっと見ていたのは、魔力残量を見ていたに違いない。
「はい! 唱える!」
「は、はいいいっ! 『ディープ・インパクト』!」
すると、また先程の様にすっと周囲が暗くなったかと思うと、今度は地面が揺れ始めた。
「ちょ、ちょっと! 揺れてる!」
ゴゴゴゴ、と音を立てている。怖い怖い、地震!? ていうか隕石じゃなかったの、ディープ・インパクト!
「仕方ないな、掴まっとけ」
ユラが腕をん、と差し出す。サツキは一瞬躊躇したが、男同士だし、と飛びついた。サツキの足にはラムがしがみついている。
「前見て」
「う、うん」
何かが迫ってくる感覚があった。きたきたきた、怖い! サツキが竦みながら呆然と見ていると、先程とは比べ物にならない大きな隕石がひとつ降ってきて、モンスターに当たった。
ドゴオオオオンッ!! と轟音を上げ、辺りが赤一色に染まる。
「ひいいいいいっ!!」
「大丈夫だって、術者側には届かないから」
「怖いよおおおお!!」
無理無理、だって溶岩みたいに溶けた地面がボコボコなっていて、異様過ぎる。アイテム落とすとか言ってるけど、溶けてなくなるんじゃないかこれ。
サツキは震えるしか出来なかった。
ウルスラとアールは戦闘に参加するのかな、そう思って後ろを振り向くと、ユラがサツキの腕を引っ張って前を向かせた。
「サツキ、レアものはいいアイテムを落としやすい。一気にやるぞ!」
「わ、分かった! 指示をお願いします!」
ユラは二人でやる気なのだ。折角なら二人じゃなくて四人で戦った方が効率も良さそうだと思うが、まだ怒りが治まらないのかもしれない。用無しと言われたのがショックだったんだろう。冗談なのに。
「さっきのミティアは単体攻撃なんだよな。攻撃力強いんだけど、そこが使いにくい点だ」
「え? あれ単体向けなの?」
何て無駄な火力だ。
ユラが後ろをちらっとだけ見る。
「本当はこいつらは魔法じゃなくてひたすら物理攻撃を繰り返すのが効果的なんだけど、まあ俺とサツキしかいないから仕方ない」
「いや、あの、協力しようよ……」
「嫌だね」
子供みたいなへその曲げっぷりだ。ユラは結構根に持つタイプの様だ。サツキは諦めることにした。
「分かったよ。じゃあ何を唱えればいい?」
すると、ユラがじっとサツキを見つめる。その真剣な眼差しに、そういやユラも相当なイケメンだよな、と思ってついドギマギしてしまった。そんな見つめられると、いくら今は男だからって恥ずかしい。
男になるという誓いはどこへやら、サツキは耐えきれず目を逸した。
「――うん、後で魔力は回復してやるから、ここはディープ・インパクトだサツキ」
「え」
まんま映画のタイトルじゃないすか。そう思ったが、映画なんて知らないだろうし、まあお陰ででっかい隕石の複数攻撃なのも察した。それにそうか、さっきじっと見ていたのは、魔力残量を見ていたに違いない。
「はい! 唱える!」
「は、はいいいっ! 『ディープ・インパクト』!」
すると、また先程の様にすっと周囲が暗くなったかと思うと、今度は地面が揺れ始めた。
「ちょ、ちょっと! 揺れてる!」
ゴゴゴゴ、と音を立てている。怖い怖い、地震!? ていうか隕石じゃなかったの、ディープ・インパクト!
「仕方ないな、掴まっとけ」
ユラが腕をん、と差し出す。サツキは一瞬躊躇したが、男同士だし、と飛びついた。サツキの足にはラムがしがみついている。
「前見て」
「う、うん」
何かが迫ってくる感覚があった。きたきたきた、怖い! サツキが竦みながら呆然と見ていると、先程とは比べ物にならない大きな隕石がひとつ降ってきて、モンスターに当たった。
ドゴオオオオンッ!! と轟音を上げ、辺りが赤一色に染まる。
「ひいいいいいっ!!」
「大丈夫だって、術者側には届かないから」
「怖いよおおおお!!」
無理無理、だって溶岩みたいに溶けた地面がボコボコなっていて、異様過ぎる。アイテム落とすとか言ってるけど、溶けてなくなるんじゃないかこれ。
サツキは震えるしか出来なかった。
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