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第一章 初級編開始
第80話 OLサツキ、初級編二日目始動前
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ウルスラは、安全地帯の角でブラインドの魔法を掛けどんよりといじけていたアールと、訳が分からないがとりあえず放っておくことにしたらしいユラを呼んだ。皆で焚き火の跡を囲む。
「何? 腹減ったんだけど」
ユラが場の空気など一切読まずに自分の要望を口にする。何となく、このユラという人間が分かってきた様な気がしないでもない。
アールは膝を抱えて俯いているが、時折様子を伺う様にちら、ちら、とサツキを見てきて、正直うざい。
「サツキ、いいわよ。いつでもどうぞ」
そうだ、サツキが話をしたいと言ったから、ウルスラはわざわざ皆をこの場に集めてくれたのだ。話の進行まで頼る訳にはいかない。そこまで甘えては駄目だ、さすがにそれは分かった。
「ええと……皆に話があります」
「リアムが? 何なに?」
ユラが乗り出してきた。サツキは大きく頷くと、始めた。大丈夫、きっと皆ちゃんと聞いてくれる。だって、同じパーティーの仲間だもの。
「私が異世界から来て、中身だけがリアムと入れ替わったサツキっていうのはもう分かってるよね?」
「昨日聞いたもんなあ」
ユラは返事をするが、アールはただ悲しそうに見ているだけだ。続けることにした。
「その、皆は気にならない? リアムの中身がどこに行っちゃったか」
すると、予想していた通りの答えが返ってきた。
「あ、そうか! リアムの中身って、どっかに行っちゃってるんだよな!」
アールがぽん! と手を叩いた。
「言われてみれば」
「あんた達、その可能性は全く考えなかったの?」
「いや、ちっとも」
「なんかリアムの性格可愛くなったしラッキーくらいにしか」
「は、ははは……。でね、多分リアムは私の世界の私の中に行っちゃったんだと思うの」
するとアールがうんうんと頷いた。
「そっかー! そういうことか! リアム頭いいな!」
「そりゃリアムだもんなあ」
「当然よね」
「で、でね。いつか戻るかどうかも分からないし、私、向こうに居た時、実は毎日が辛くて、だから、出来たらこのままリアムとしてここで皆と一緒に暮らしていきたいの」
アールが頬を染めた。
「え、それってまさかプロポーズ?」
「どこをどう取ったらそうなるんだよ、仲間としてやっていきたいってことだろ」
「アールの頭はお花畑だから」
「で、なんだけど、皆はリアムをその、戻して欲しいと思ってる?」
皆がサツキを見た。そう、ここが一番気になっていたところだった。だって、かつての仲間がいきなり中身だけ別人になったのだ。取り戻そうとするのが普通じゃなかろうか?
だが。
アールが頭を掻きながら笑った。
「いやー、正直俺、リアムって喋り方固くって会話してても何言ってるかよく分かんなくて」
ユラが言う。
「俺は別に分かったけど、でもまあ魔術師の腕は確かだけど、ひたすらストイックというかくそ真面目だったよな。仲間としては頼りがいあったけど、この先もずっとはなあ、ちょっと」
なんてこった。サツキは最後、ウルスラの意見を待った。
「何? 腹減ったんだけど」
ユラが場の空気など一切読まずに自分の要望を口にする。何となく、このユラという人間が分かってきた様な気がしないでもない。
アールは膝を抱えて俯いているが、時折様子を伺う様にちら、ちら、とサツキを見てきて、正直うざい。
「サツキ、いいわよ。いつでもどうぞ」
そうだ、サツキが話をしたいと言ったから、ウルスラはわざわざ皆をこの場に集めてくれたのだ。話の進行まで頼る訳にはいかない。そこまで甘えては駄目だ、さすがにそれは分かった。
「ええと……皆に話があります」
「リアムが? 何なに?」
ユラが乗り出してきた。サツキは大きく頷くと、始めた。大丈夫、きっと皆ちゃんと聞いてくれる。だって、同じパーティーの仲間だもの。
「私が異世界から来て、中身だけがリアムと入れ替わったサツキっていうのはもう分かってるよね?」
「昨日聞いたもんなあ」
ユラは返事をするが、アールはただ悲しそうに見ているだけだ。続けることにした。
「その、皆は気にならない? リアムの中身がどこに行っちゃったか」
すると、予想していた通りの答えが返ってきた。
「あ、そうか! リアムの中身って、どっかに行っちゃってるんだよな!」
アールがぽん! と手を叩いた。
「言われてみれば」
「あんた達、その可能性は全く考えなかったの?」
「いや、ちっとも」
「なんかリアムの性格可愛くなったしラッキーくらいにしか」
「は、ははは……。でね、多分リアムは私の世界の私の中に行っちゃったんだと思うの」
するとアールがうんうんと頷いた。
「そっかー! そういうことか! リアム頭いいな!」
「そりゃリアムだもんなあ」
「当然よね」
「で、でね。いつか戻るかどうかも分からないし、私、向こうに居た時、実は毎日が辛くて、だから、出来たらこのままリアムとしてここで皆と一緒に暮らしていきたいの」
アールが頬を染めた。
「え、それってまさかプロポーズ?」
「どこをどう取ったらそうなるんだよ、仲間としてやっていきたいってことだろ」
「アールの頭はお花畑だから」
「で、なんだけど、皆はリアムをその、戻して欲しいと思ってる?」
皆がサツキを見た。そう、ここが一番気になっていたところだった。だって、かつての仲間がいきなり中身だけ別人になったのだ。取り戻そうとするのが普通じゃなかろうか?
だが。
アールが頭を掻きながら笑った。
「いやー、正直俺、リアムって喋り方固くって会話してても何言ってるかよく分かんなくて」
ユラが言う。
「俺は別に分かったけど、でもまあ魔術師の腕は確かだけど、ひたすらストイックというかくそ真面目だったよな。仲間としては頼りがいあったけど、この先もずっとはなあ、ちょっと」
なんてこった。サツキは最後、ウルスラの意見を待った。
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