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第一章 初級編開始
第74話 OLサツキ、ちょっと困る
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目を覚ますと、繭型のベッドの外からは明るい光が差して来ていた。いつの間にか明かりが昼仕様に切り替わったらしい。
サツキは起き上がろうとして、自分にしがみついている人がいることに気が付いた。まさかアール!? と思ったが、バリアーラの呪文はまだ効力を保っているのが見える。
ということは、これはウルスラ?
もこもこの綿の様な布団をそおっと剥がすと、やはりサツキにべったりとくっついているのはウルスラだった。にへら、と笑って寝ている。
「ウルスラってば」
一瞬で、強張っていた心がほぐれる。何でだろう、と疑問に思い、自分がウルスラを信頼出来る友達だと思っているからだと分かった。
サツキはこれまで女友達もろくに出来なかったというのに、リアムの様なイケメンだけどおっさんの姿になって、初めて女友達と呼べる人が出来た。なんとも因果なものだが、あのままあの環境にいて自分が変われたとは思えない。
これは、リアムの努力で手に入れた地位の上に成り立っている、とてつもない幸運なのだ。
まだニヤニヤしているウルスラを微笑ましく見つめながら、サツキは想いを馳せる。サツキの身体に入ったと思われるリアムは、上手くやっているだろうか。かなり優秀な人の様なので、サツキの身体でも堂々と悪に立ち向かいそうだ。
ふとひとつの可能性に気付く。
「私はおっさんでいいから男に生まれ変わりたいって思ったけど、リアムはもしかして女の子になりたかったのかな……?」
死にそうになったタイミングが一緒、そして恐らく何かを願った。それが互いにマッチしたからこそ、今のこの状況があるんじゃないだろうか。
「うーん……リアムう」
寝惚けたウルスラの手が、考え込んで無防備だったサツキの股間部分に当たった。
「ひいっ」
「真面目な貴方より、今の貴方の方が好き……うへへへ」
目を閉じたままで、今度は足を乗せてきた。
「ちょ、ウルスラ!」
胸元から谷間が見える。ちょっと、何で反応するのこの身体!
サツキは焦った。気持ちは女のままなのに、身体が勝手に反応してしまうのだ。
「おーい、まだ寝てんのかー?」
外からアールの声が聞こえた。拙い、こんなところを見られたらもう一緒に冒険なんて出来ない。
何かないか。でも自分に出来ることなど僅かだ。
要は、反応するこの身体でなければいいんだ。
「イルミナ! 野原サツキ!」
身体が一瞬で元の自分の身体に戻る。あの反応も、勿論のことながらなくなった。
「ふう……」
胸を撫で下ろす。
すると、外から声が聞こえた。
「アール、お前出来んじゃね? バリアーラ・フィンって唱えてよ」
ユラの声だ。え、というか、他の人でも解けちゃう魔法なら意味なくないかこれ?
「えー、出来るかな。でも俺、ドラゴンスレイヤーだしー! 『バリアーラ・フィン』!」
すると嫌な予感は的中。
繭型のベッドを覆っていたバリアは、解けてしまった。
サツキは起き上がろうとして、自分にしがみついている人がいることに気が付いた。まさかアール!? と思ったが、バリアーラの呪文はまだ効力を保っているのが見える。
ということは、これはウルスラ?
もこもこの綿の様な布団をそおっと剥がすと、やはりサツキにべったりとくっついているのはウルスラだった。にへら、と笑って寝ている。
「ウルスラってば」
一瞬で、強張っていた心がほぐれる。何でだろう、と疑問に思い、自分がウルスラを信頼出来る友達だと思っているからだと分かった。
サツキはこれまで女友達もろくに出来なかったというのに、リアムの様なイケメンだけどおっさんの姿になって、初めて女友達と呼べる人が出来た。なんとも因果なものだが、あのままあの環境にいて自分が変われたとは思えない。
これは、リアムの努力で手に入れた地位の上に成り立っている、とてつもない幸運なのだ。
まだニヤニヤしているウルスラを微笑ましく見つめながら、サツキは想いを馳せる。サツキの身体に入ったと思われるリアムは、上手くやっているだろうか。かなり優秀な人の様なので、サツキの身体でも堂々と悪に立ち向かいそうだ。
ふとひとつの可能性に気付く。
「私はおっさんでいいから男に生まれ変わりたいって思ったけど、リアムはもしかして女の子になりたかったのかな……?」
死にそうになったタイミングが一緒、そして恐らく何かを願った。それが互いにマッチしたからこそ、今のこの状況があるんじゃないだろうか。
「うーん……リアムう」
寝惚けたウルスラの手が、考え込んで無防備だったサツキの股間部分に当たった。
「ひいっ」
「真面目な貴方より、今の貴方の方が好き……うへへへ」
目を閉じたままで、今度は足を乗せてきた。
「ちょ、ウルスラ!」
胸元から谷間が見える。ちょっと、何で反応するのこの身体!
サツキは焦った。気持ちは女のままなのに、身体が勝手に反応してしまうのだ。
「おーい、まだ寝てんのかー?」
外からアールの声が聞こえた。拙い、こんなところを見られたらもう一緒に冒険なんて出来ない。
何かないか。でも自分に出来ることなど僅かだ。
要は、反応するこの身体でなければいいんだ。
「イルミナ! 野原サツキ!」
身体が一瞬で元の自分の身体に戻る。あの反応も、勿論のことながらなくなった。
「ふう……」
胸を撫で下ろす。
すると、外から声が聞こえた。
「アール、お前出来んじゃね? バリアーラ・フィンって唱えてよ」
ユラの声だ。え、というか、他の人でも解けちゃう魔法なら意味なくないかこれ?
「えー、出来るかな。でも俺、ドラゴンスレイヤーだしー! 『バリアーラ・フィン』!」
すると嫌な予感は的中。
繭型のベッドを覆っていたバリアは、解けてしまった。
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