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第一章 初級編開始
第64話 OLサツキの初級編初日の実技終了
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あれからバトルの際、サツキは魔導書である『初めてのダンジョン攻略・魔術編~これであなたも冒険者に!~』を片手に、最初のページから片っ端に呪文をかけていった。
始めの方はやはり初めてを謳うだけあるのか、魔法など知らないサツキからみても明らかに初級の呪文ばかりだった。
まず、ライト。杖の先端に明かりを灯す呪文だ。魔導書に寄ると、魔力消費量は非常に少なく、長時間の連続使用が可能とのこと。
暗いダンジョンなどでは役に立つが、初心者はふたつの魔法を同時に使うことが難しい為、『慣れるまでは明るいダンジョンに行きましょう。攻撃魔法を使う時に効果が切れると暗闇になり危険です』と書いてある。じゃあ何で一番初めに書いたのか。
サツキは心の中で魔導書につっこみを入れながら、順繰りと試していった。
ゴルガーラ蜥蜴退治で使用したフレイマも初級魔法で、単体攻撃のフレイム、複数攻撃のフレイマがあるそうだ。半ば英語じゃないかと思ったが、きっとサツキが無意識にそれっぽく変換してるに違いない、そう思っておこうと思った。
火の熱で暑くなったらブリーザラーの呪文。『ひんやりと涼しい空気になります』とあった。うん。
反対に、冷え切った空気を暖めるのはウォーマラーの呪文だそうだ。『ダンジョンは冷えます。適度な温度を保ちましょう』とあった。もうつっこみどころ満載でつっこむ気にもなれない。
ダンジョンを五階分潜ったところで、アールの腹が鳴った。ウルスラが時計を取り出して見ると、もう夕方の五時。
「宴会の時間ね」
「おお! 待ってました!」
アールがガッツポーズをして喜ぶ。ユラは手に持っていた棘兎のけばいピンク色の死体を地面に置くと、ダンジョンのマップを広げた。
前回来たことがあるユラは、ほぼ埋まっている地図を持っていたのだ。行っていない場所は空白になっているが、通ると勝手に浮き出てくるあたりはサツキの予想通りだった。
地下五階のマップを開く。スマホのスクリーンの様に指でなぞると、地図が移動した。拡大する辺りも使用はほぼ一緒である。
ユラは地図の真ん中辺りを指差した。
「ここに安全地帯がある。今日はここで一泊だな」
「ユラ、ちゃんと皆のベッド用意したの?」
「勿論。賞金出たからレベル少し上のやつにしてみた。後で精算ね」
ベッドなんてどうやって持ってきたんだろうか。サツキが不思議そうな顔をしていたからか、ユラが手招きで呼んだ。
「見て見たい?」
「う、うん」
「じゃあ安全地帯に行ったらすぐに設置してあげるよ」
クールな笑顔を見せるユラ。やはりいい人なのかもしれない。そう思ったが。
「イルミナを使って変身して、一緒に横になってみようよ」
やはりおかしい人だった。
始めの方はやはり初めてを謳うだけあるのか、魔法など知らないサツキからみても明らかに初級の呪文ばかりだった。
まず、ライト。杖の先端に明かりを灯す呪文だ。魔導書に寄ると、魔力消費量は非常に少なく、長時間の連続使用が可能とのこと。
暗いダンジョンなどでは役に立つが、初心者はふたつの魔法を同時に使うことが難しい為、『慣れるまでは明るいダンジョンに行きましょう。攻撃魔法を使う時に効果が切れると暗闇になり危険です』と書いてある。じゃあ何で一番初めに書いたのか。
サツキは心の中で魔導書につっこみを入れながら、順繰りと試していった。
ゴルガーラ蜥蜴退治で使用したフレイマも初級魔法で、単体攻撃のフレイム、複数攻撃のフレイマがあるそうだ。半ば英語じゃないかと思ったが、きっとサツキが無意識にそれっぽく変換してるに違いない、そう思っておこうと思った。
火の熱で暑くなったらブリーザラーの呪文。『ひんやりと涼しい空気になります』とあった。うん。
反対に、冷え切った空気を暖めるのはウォーマラーの呪文だそうだ。『ダンジョンは冷えます。適度な温度を保ちましょう』とあった。もうつっこみどころ満載でつっこむ気にもなれない。
ダンジョンを五階分潜ったところで、アールの腹が鳴った。ウルスラが時計を取り出して見ると、もう夕方の五時。
「宴会の時間ね」
「おお! 待ってました!」
アールがガッツポーズをして喜ぶ。ユラは手に持っていた棘兎のけばいピンク色の死体を地面に置くと、ダンジョンのマップを広げた。
前回来たことがあるユラは、ほぼ埋まっている地図を持っていたのだ。行っていない場所は空白になっているが、通ると勝手に浮き出てくるあたりはサツキの予想通りだった。
地下五階のマップを開く。スマホのスクリーンの様に指でなぞると、地図が移動した。拡大する辺りも使用はほぼ一緒である。
ユラは地図の真ん中辺りを指差した。
「ここに安全地帯がある。今日はここで一泊だな」
「ユラ、ちゃんと皆のベッド用意したの?」
「勿論。賞金出たからレベル少し上のやつにしてみた。後で精算ね」
ベッドなんてどうやって持ってきたんだろうか。サツキが不思議そうな顔をしていたからか、ユラが手招きで呼んだ。
「見て見たい?」
「う、うん」
「じゃあ安全地帯に行ったらすぐに設置してあげるよ」
クールな笑顔を見せるユラ。やはりいい人なのかもしれない。そう思ったが。
「イルミナを使って変身して、一緒に横になってみようよ」
やはりおかしい人だった。
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