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序章 転移
第4話 OLサツキが来た場所は
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サツキの真上から聞こえる男の怒鳴り声。遠くからはボオオオ、と炎なのか何かが吐かれる音とそれに呼応する様な若い男と女の声が耳に飛び込んできた。
「ユラ! リアムは!? リアムはどうなった!?」
切羽詰まった様な男の声がしたかと思うと、サツキの真上で男が叫び返した。
「やってるよ! 仕方ねえだろ、死者蘇生なんて大技やったことねえんだよ!」
死者、蘇生。どういうことだろう。
「頼むリアム、怪我は治したんだ、後はお前さんが目を開けてくれたら……!」
声の主が、いきなりサツキの胸に手を当てた。
「きゃっ!」
「おわっ!?」
サツキは重い瞼を開けると、堂々と人の胸を触っている真上の男を見た。サラサラの金髪、白い肌。堀りは深く、明らかに日本人ではない。かなりのイケメンだ。
そして可笑しな格好をしていた。そう、まるでラノベやゲームに出てくる神官の様な白いローブを纏っており、首からは大きなロザリオがぶら下がっている。
サツキは急ぎ男の手を胸の上から押しのけ起き上がる。すると、股間に感じる違和感。
というか、胸のボリュームがおかしい。
「……え?」
押さえていた胸元を確認する。いつも真っ先に視界に入ってくるのは、肩こりの原因の大きな胸。
それがなかった。
「え!?」
自分から生えている腕と手は、明らかにサツキ本来の物ではなかった。あまりにもゴツすぎる。
「リアム! 目が覚めたか! 良かった……!」
先程の金髪のイケメンが、恥も外聞もなくサツキをきつく抱き締めた。
「えっ!? ちょっちょっと!」
「よかった……よかった、リアムううう!」
金髪イケメンは身体を震わせ、なんと泣いているではないか。しかしサツキはリアムという人間ではない。恐る恐る、声を発した。
「あの、リアムって……人違いじゃ?」
「ああ! 死者蘇生の術の所為で混乱してるんだな! 悪かったよ! 俺ら皆、あんたに頼り過ぎてた!」
わああ、と金髪イケメンが更に泣く。ちょっとよく分からない。
「ユラ! リアムは!? リアムは起きたの!?」
今度は女の声がした。次いで聞こえる、ボオオオ! という音。
「起きたよ! リアムは生き返ったよ!」
「本当か!」
「よかった……! 本当、このクソドラゴン、リアムを燃やしやがって……!」
女の声に怒りが籠る。随分と口が悪いが、不思議と嫌な感じはしなかった。
そこに込められた想いが分かったからだろうか。
「勇者舐めんじゃないわよ……!」
女が言った瞬間。
辺り一面に、視界を奪わんばかりに光が溢れた。
「うわっウルスラ、お前これ……覚醒したか!?」
金髪イケメンが目を腕で庇いながら何か言っているが、全く意味が分からない。
というか、眩しい。
「スーパーあああ! ウルスラあああ! カーーーット!!」
あり得ない程ださい技名を口にした女が何か技を繰り出したらしく、暫くの後、ドウウウンッ……という音と共に振動が鳴り響いた。
「ユラ! リアムは!? リアムはどうなった!?」
切羽詰まった様な男の声がしたかと思うと、サツキの真上で男が叫び返した。
「やってるよ! 仕方ねえだろ、死者蘇生なんて大技やったことねえんだよ!」
死者、蘇生。どういうことだろう。
「頼むリアム、怪我は治したんだ、後はお前さんが目を開けてくれたら……!」
声の主が、いきなりサツキの胸に手を当てた。
「きゃっ!」
「おわっ!?」
サツキは重い瞼を開けると、堂々と人の胸を触っている真上の男を見た。サラサラの金髪、白い肌。堀りは深く、明らかに日本人ではない。かなりのイケメンだ。
そして可笑しな格好をしていた。そう、まるでラノベやゲームに出てくる神官の様な白いローブを纏っており、首からは大きなロザリオがぶら下がっている。
サツキは急ぎ男の手を胸の上から押しのけ起き上がる。すると、股間に感じる違和感。
というか、胸のボリュームがおかしい。
「……え?」
押さえていた胸元を確認する。いつも真っ先に視界に入ってくるのは、肩こりの原因の大きな胸。
それがなかった。
「え!?」
自分から生えている腕と手は、明らかにサツキ本来の物ではなかった。あまりにもゴツすぎる。
「リアム! 目が覚めたか! 良かった……!」
先程の金髪のイケメンが、恥も外聞もなくサツキをきつく抱き締めた。
「えっ!? ちょっちょっと!」
「よかった……よかった、リアムううう!」
金髪イケメンは身体を震わせ、なんと泣いているではないか。しかしサツキはリアムという人間ではない。恐る恐る、声を発した。
「あの、リアムって……人違いじゃ?」
「ああ! 死者蘇生の術の所為で混乱してるんだな! 悪かったよ! 俺ら皆、あんたに頼り過ぎてた!」
わああ、と金髪イケメンが更に泣く。ちょっとよく分からない。
「ユラ! リアムは!? リアムは起きたの!?」
今度は女の声がした。次いで聞こえる、ボオオオ! という音。
「起きたよ! リアムは生き返ったよ!」
「本当か!」
「よかった……! 本当、このクソドラゴン、リアムを燃やしやがって……!」
女の声に怒りが籠る。随分と口が悪いが、不思議と嫌な感じはしなかった。
そこに込められた想いが分かったからだろうか。
「勇者舐めんじゃないわよ……!」
女が言った瞬間。
辺り一面に、視界を奪わんばかりに光が溢れた。
「うわっウルスラ、お前これ……覚醒したか!?」
金髪イケメンが目を腕で庇いながら何か言っているが、全く意味が分からない。
というか、眩しい。
「スーパーあああ! ウルスラあああ! カーーーット!!」
あり得ない程ださい技名を口にした女が何か技を繰り出したらしく、暫くの後、ドウウウンッ……という音と共に振動が鳴り響いた。
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