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第四章 マンドラゴラの王様
46 縁側で
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父は、穏やかな表情で続ける。
「彼の声は、よく聞こえたよ。寝ていた皆も、全員叩き起こされた。ふふ、美空は愛されてるねえ」
全員、ということは、人身御供や土砂に呑まれた村人達、それに秋野家のご先祖様達も皆か。改めて、根の海に泳ぐ人々の姿を見る。ここにいる全員が、私を助ける為に起きてくれたのだ。
「さあ美空、彼の元へ行っておやり」
根がスルスルと私の腕を軽く掴むと、立ち上がらせる。木の根で出来た父の顔が、慈愛の表情を浮かべた。父の子である私と、父を一部含む吾郎くんを交互に見つめながら。
「彼には君が必要なんだ。彼の中には、君のことしかない。だから美空、彼の傍にいてやって欲しい」
言葉が出てこなくて、ただじっと父を見つめた。父の目は相変わらず優しくて、何もかも見透かす様な笑みを浮かべている。
「それに、君にも彼が必要だろう? 彼なら、縁側で一緒にお茶を飲んでくれると思うよ」
かつて、縁側で日向ぼっこをしながら一緒にお茶を飲みつつお喋りをしてくれた父が、くすりと笑いながら言った。
「なんせ彼の中には、私の願いもちゃんと含まれているからね」
根子神様が人々の願いを汲んだ様に、吾郎くんは父の願いを汲んでくれるのだろう。嗚咽で息が出来なくて、苦しいけど幸せで胸が一杯になった。
「お父さん……っうん、うん……!」
ボロボロと泣いていると、吾郎くんが私の元へと到着する。
「美空……!」
腕の中に私をすっぽりと収めると、吾郎くんはむせび泣いた。胸が締め付けられる様な泣き方に、本当に心配させてしまった、とまたもや反省する。
「……さあ、僕はそろそろ皆の元に戻るよ。いつか君達が僕達の元へ来るその日まで、暫しさようならだね」
ずずず、と父がゆっくりと根の網の中に沈んでいく。
「お父さん……っ」
ぐちゃぐちゃの顔と声で、大好きだった父を呼んだ。父に聞こえる様に。聖域で再び眠りについたとしても、父の心に刻み込まれる様に願って。
「ありがとう! お父さんの願い、絶対叶えてみせるから……!」
海に沈む様に、父の顔がスーッと網の中に消える。そうだ、叶えてみせる。私は吾郎くんと逞しく生きて、皺々のお婆ちゃんとお爺ちゃんになるまで、縁側でお茶を飲んでは幸せを噛みしめるのだ。もう、くだらない劣等感を抱えるのはおしまいだ。私は吾郎くんの世界なのに、私が自ら幸せになることを拒絶してどうする。吾郎くんを幸せにするのなら、私が幸せになるのだ。
「美空あ、美空あ……!」
「吾郎くん……」
えぐえぐと泣いている吾郎くんを見上げる。余程怖かったのだろう。またもや母性本能が激しく擽られ、私は吾郎くんの血だらけの顔に自分の顔を近づけると、彼の唇にちゅ、と軽い口づけをした。その途端、ピ、と何かが繋がった感覚が私を襲う。
力を貸して、という吾郎くんの心の声が聞こえた気がした。吾郎くんに向かって、身体の中の何かがぐいっと引き寄せられていく感覚が生まれる。それと同時に、他のマンドラゴラ達と思われる気配も感じられた。何だこれは。私が目をぱちくりさせていると、更に驚くことが起きた。
「え……えええええっ?」
土色の壁から、にょきにょきと根が這い出してくる。何だ何だと思って見ていると、どんどん盛り上がってなだらかな傾斜を作っていくじゃないか。まさかとは思ったけど、崩れ落ちてしまった部分が修復されているらしい。と思ったら、根の間から緑色の芽がポンポンと音を立てる様に生え始め、見る間に辺り一面が緑一色に変わってしまった。
根子神様の伝承にあったのと同じことが、今目の前で起きている。新たな根子神様である吾郎くんが、彼の中に蓄えられていた願いを叶えたのだ。
「凄い……」
この様子を、木に括り付けられたウドさんも驚いた表情を浮かべて見ていた。吾郎くんが眉間に皺を寄せながらウドさんの方を向くと、ウドさんが真っ青な顔をして謝り始める。
「オオウ! ソーリーですネ! ごめんなサーイ!」
喋り方が胡散臭いからか、あまり反省している様には聞こえない。すると、吾郎くんがポツリと言った。
「アーニャに言った」
「……え?」
途端、ウドさんの身体がブルブル震え出し、顔色は真っ青に変わる。今度は本気で怖がっているみたいだ。
「今さっき、マンドラゴラの皆と一瞬繋がったんだ。その中にアーニャっていうマンドラゴラがいたから、言っておいた。ウドさんが悪さしたよって」
「あ、私もマンドラゴラの気配は感じた!」
私が手を上げると、ウドさんの震えは更に酷いものになった。きっと、とんでもないモノに手を出してしまったと思っているに違いない。それか、本当にアーニャさんが恐ろしいだけか。
「ゆ、ゆ、許してくだサーイ! こんなになるなんて、知らなかったんデース!」
「何度も止めたよ。なにより、美空を襲おうとしたことは、絶対に許さない」
あれは誤解だと、後で話してあげようか。……でも、聖域が崩れることよりも何よりも、私のことを心配してくれる吾郎くんの気持ちが、本当に嬉しかった。
「アーニャ、女の人に手を出したって聞いて物凄く怒ってた」
それは怖い。絶対言ってはいけないやつだ。ウドさんも同じことを思ったのだろう。真っ青な顔が、とうとう真っ白になってしまった。
「ご、誤解デス! オウ! 今すぐアーニャの元に帰らないと!」
大きな身体でポロポロと泣くウドさんを見ている内に、可笑しくなって笑みが溢れた。
「美空サーン! お願いデス! 誤解だと説得して下サーイ!」
大きな熊が泣いているみたいで、今度は声を出して笑う。
「分かりました、大丈夫です。ちゃんと吾郎くんには言っておきますから。でも、もう無茶は駄目ですよ」
「オウ! 美空サンは女神デスネ! 約束シマス! これからハ、お客サンには薄めた物を渡すことにシマース!」
薄めるなら、媚薬効果も減るに違いない。売らないという選択肢を選ばないあたりにウドさんの小狡さを感じるけど。
「キング、美空サン許してくれましたネ! ダカラキングも許して下サーイ!」
ウドさんが、激しく怯えて泣きながら吾郎くんに懇願した。吾郎くんが、ムスッとした表情で私をちらりと窺う様に見る。
マンドラゴラを大事にしているという意味では、この人は同志でもある。やり方に問題は多々あるけど。私が頷き返すと、吾郎くんは深い溜息を吐いた後、吐き捨てる様に言った。
「すぐにいなくなって、二度と来ないで」
「はっハイ!」
吾郎くんが、冷たく言い放つ。
「おかしなことをしたら、連絡することになってるから」
「オオオオ! ジーザス!」
本当だろうか。そんなやり取りあったのかな、と思って吾郎くんの横顔を見上げると、口の端が少しだけ上がっている。そんなことも出来る様になったんだなと思うと、吾郎くんの成長ぶりに涙と同時に笑いも飛び出しそうになった。でも、ここは我慢だ。吾郎くんの初めてのはったりは、成功させてあげないと。
スルスルと解ける根の隙間から、ウドさんが見た目にそぐわぬ柔軟さを見せて抜け出る。
「アーニャ! 許して下サイ!」
そのまま這う様にして一目散に逃げ去ると、二度とその姿を私達の前に現すことはなかった。
「彼の声は、よく聞こえたよ。寝ていた皆も、全員叩き起こされた。ふふ、美空は愛されてるねえ」
全員、ということは、人身御供や土砂に呑まれた村人達、それに秋野家のご先祖様達も皆か。改めて、根の海に泳ぐ人々の姿を見る。ここにいる全員が、私を助ける為に起きてくれたのだ。
「さあ美空、彼の元へ行っておやり」
根がスルスルと私の腕を軽く掴むと、立ち上がらせる。木の根で出来た父の顔が、慈愛の表情を浮かべた。父の子である私と、父を一部含む吾郎くんを交互に見つめながら。
「彼には君が必要なんだ。彼の中には、君のことしかない。だから美空、彼の傍にいてやって欲しい」
言葉が出てこなくて、ただじっと父を見つめた。父の目は相変わらず優しくて、何もかも見透かす様な笑みを浮かべている。
「それに、君にも彼が必要だろう? 彼なら、縁側で一緒にお茶を飲んでくれると思うよ」
かつて、縁側で日向ぼっこをしながら一緒にお茶を飲みつつお喋りをしてくれた父が、くすりと笑いながら言った。
「なんせ彼の中には、私の願いもちゃんと含まれているからね」
根子神様が人々の願いを汲んだ様に、吾郎くんは父の願いを汲んでくれるのだろう。嗚咽で息が出来なくて、苦しいけど幸せで胸が一杯になった。
「お父さん……っうん、うん……!」
ボロボロと泣いていると、吾郎くんが私の元へと到着する。
「美空……!」
腕の中に私をすっぽりと収めると、吾郎くんはむせび泣いた。胸が締め付けられる様な泣き方に、本当に心配させてしまった、とまたもや反省する。
「……さあ、僕はそろそろ皆の元に戻るよ。いつか君達が僕達の元へ来るその日まで、暫しさようならだね」
ずずず、と父がゆっくりと根の網の中に沈んでいく。
「お父さん……っ」
ぐちゃぐちゃの顔と声で、大好きだった父を呼んだ。父に聞こえる様に。聖域で再び眠りについたとしても、父の心に刻み込まれる様に願って。
「ありがとう! お父さんの願い、絶対叶えてみせるから……!」
海に沈む様に、父の顔がスーッと網の中に消える。そうだ、叶えてみせる。私は吾郎くんと逞しく生きて、皺々のお婆ちゃんとお爺ちゃんになるまで、縁側でお茶を飲んでは幸せを噛みしめるのだ。もう、くだらない劣等感を抱えるのはおしまいだ。私は吾郎くんの世界なのに、私が自ら幸せになることを拒絶してどうする。吾郎くんを幸せにするのなら、私が幸せになるのだ。
「美空あ、美空あ……!」
「吾郎くん……」
えぐえぐと泣いている吾郎くんを見上げる。余程怖かったのだろう。またもや母性本能が激しく擽られ、私は吾郎くんの血だらけの顔に自分の顔を近づけると、彼の唇にちゅ、と軽い口づけをした。その途端、ピ、と何かが繋がった感覚が私を襲う。
力を貸して、という吾郎くんの心の声が聞こえた気がした。吾郎くんに向かって、身体の中の何かがぐいっと引き寄せられていく感覚が生まれる。それと同時に、他のマンドラゴラ達と思われる気配も感じられた。何だこれは。私が目をぱちくりさせていると、更に驚くことが起きた。
「え……えええええっ?」
土色の壁から、にょきにょきと根が這い出してくる。何だ何だと思って見ていると、どんどん盛り上がってなだらかな傾斜を作っていくじゃないか。まさかとは思ったけど、崩れ落ちてしまった部分が修復されているらしい。と思ったら、根の間から緑色の芽がポンポンと音を立てる様に生え始め、見る間に辺り一面が緑一色に変わってしまった。
根子神様の伝承にあったのと同じことが、今目の前で起きている。新たな根子神様である吾郎くんが、彼の中に蓄えられていた願いを叶えたのだ。
「凄い……」
この様子を、木に括り付けられたウドさんも驚いた表情を浮かべて見ていた。吾郎くんが眉間に皺を寄せながらウドさんの方を向くと、ウドさんが真っ青な顔をして謝り始める。
「オオウ! ソーリーですネ! ごめんなサーイ!」
喋り方が胡散臭いからか、あまり反省している様には聞こえない。すると、吾郎くんがポツリと言った。
「アーニャに言った」
「……え?」
途端、ウドさんの身体がブルブル震え出し、顔色は真っ青に変わる。今度は本気で怖がっているみたいだ。
「今さっき、マンドラゴラの皆と一瞬繋がったんだ。その中にアーニャっていうマンドラゴラがいたから、言っておいた。ウドさんが悪さしたよって」
「あ、私もマンドラゴラの気配は感じた!」
私が手を上げると、ウドさんの震えは更に酷いものになった。きっと、とんでもないモノに手を出してしまったと思っているに違いない。それか、本当にアーニャさんが恐ろしいだけか。
「ゆ、ゆ、許してくだサーイ! こんなになるなんて、知らなかったんデース!」
「何度も止めたよ。なにより、美空を襲おうとしたことは、絶対に許さない」
あれは誤解だと、後で話してあげようか。……でも、聖域が崩れることよりも何よりも、私のことを心配してくれる吾郎くんの気持ちが、本当に嬉しかった。
「アーニャ、女の人に手を出したって聞いて物凄く怒ってた」
それは怖い。絶対言ってはいけないやつだ。ウドさんも同じことを思ったのだろう。真っ青な顔が、とうとう真っ白になってしまった。
「ご、誤解デス! オウ! 今すぐアーニャの元に帰らないと!」
大きな身体でポロポロと泣くウドさんを見ている内に、可笑しくなって笑みが溢れた。
「美空サーン! お願いデス! 誤解だと説得して下サーイ!」
大きな熊が泣いているみたいで、今度は声を出して笑う。
「分かりました、大丈夫です。ちゃんと吾郎くんには言っておきますから。でも、もう無茶は駄目ですよ」
「オウ! 美空サンは女神デスネ! 約束シマス! これからハ、お客サンには薄めた物を渡すことにシマース!」
薄めるなら、媚薬効果も減るに違いない。売らないという選択肢を選ばないあたりにウドさんの小狡さを感じるけど。
「キング、美空サン許してくれましたネ! ダカラキングも許して下サーイ!」
ウドさんが、激しく怯えて泣きながら吾郎くんに懇願した。吾郎くんが、ムスッとした表情で私をちらりと窺う様に見る。
マンドラゴラを大事にしているという意味では、この人は同志でもある。やり方に問題は多々あるけど。私が頷き返すと、吾郎くんは深い溜息を吐いた後、吐き捨てる様に言った。
「すぐにいなくなって、二度と来ないで」
「はっハイ!」
吾郎くんが、冷たく言い放つ。
「おかしなことをしたら、連絡することになってるから」
「オオオオ! ジーザス!」
本当だろうか。そんなやり取りあったのかな、と思って吾郎くんの横顔を見上げると、口の端が少しだけ上がっている。そんなことも出来る様になったんだなと思うと、吾郎くんの成長ぶりに涙と同時に笑いも飛び出しそうになった。でも、ここは我慢だ。吾郎くんの初めてのはったりは、成功させてあげないと。
スルスルと解ける根の隙間から、ウドさんが見た目にそぐわぬ柔軟さを見せて抜け出る。
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