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12.婚約破棄!
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足元の地面がぐらぐらしているような気がした。
貴石が敷き詰められた床だけが、やけにくっきりと目に映る。立ち昇る香水、漂う果実水の香り。さんざめく学生たち、挨拶し合う招待客の群れ。絹の擦れ合う音。あちこちで揺れるレース。卒業生の黒いマントと赤いリボン。
その間を進む。ひたすら進む。
ばらばらの色彩が一斉に投げ込まれた抽象画みたいだ。視界が霞む。
「エミリア、大丈夫か?」
「お義兄さま……」
大丈夫じゃないです。
ずっと抱いていた願望が叶えられたのに、もしかしたら次の瞬間、絶望に打ちひしがれることになるかもしれない。
そう思うと、足が竦んでしまう。
喉が乾いて貼り付く。私は唾を飲み込んで、私をエスコートしてくれているお義兄さまの顔を見上げた。
「あの、お義兄さま……」
「エミリア・アークバルド嬢!」
至近距離で聞こえた声が、その場の空気を引き裂いた。
「え?」
驚いたのは私たちだけではなかった。その声は、あちこちに膨らんだ賑やかな会話の輪を貫いて、ホールの全体に響き渡ったからだ。
「……」
にわかに、周囲が静まり返る。
お喋りを遮られた人々が、口を閉じて顔を向けた。女性たちは扇に顔を隠し、男性たちは表情を晦ませ、じっと私の目の前を見ている。数歩分置いて、私に指を突き付けているのは、見たことがあるような無いような一対の男女だった。
……あれ? この人、誰だっけ?
「お前との婚約を破棄する! 代わりに、私の真実の愛であるグレイス嬢と結婚する!」
婚約……ということは、この人が私の婚約者ということだろうか。
(そういえば、こんな顔だった気もする……)
そして、もう一人。彼の腕に絡み付いている女性の方は、もう少し見覚えがあった。以前、私の前ですっ転んでいた女生徒だ。
どうやら、婚約者殿の関係者だったらしい。
「お前はこのグレイス嬢に、様々な嫌がらせをし──」
(あっ、この人がグレイス嬢なのね)
理解が進んだ。経緯はさっぱり分からないけれど、私の婚約者は、衆目の前で私との婚約を破棄して、このグレイス嬢と結婚するらしい。
つまり。
ようするに。
最高。全てが。
「貴様、よくもそのようなことを──」
「有難うございます!!!!!」
低く恫喝しようとしたお義兄さまの声に被せるようにして、私は叫んだ。
「有難う、本当に有難う!」
「え」
「ええと、……ルドヴィグ様、でしたか? これまで有難うございました。お陰様で私、幸せになれそうです」
「えっ」
「どうぞ貴方も、真実の愛であるお方と幸せになって下さい」
握手せんばかりににじり寄って、満面の笑顔で告げる。
こんなことを、誰が予期できただろうか。向こうから言い出してくれるなんて、なんていい人なんだろう。厳密にはいい人なのか悪い人なのか全く分からないけれど、結果として、私の好感度はうなぎ上りだ。
「グレイスさん、でしたっけ? 貴方も、おめでとうございます! お二人の幸せを、心からのお祈りしております」
「え、あの、あんた」
「有難うございました!!!」
もはやここに用はない。くるりと向き直って、お義兄さまの腕を引く。
「お義兄さま! お話があります。来てください」
「おい、エミリア」
「来てください!」
強引に腕を抱え込むようにして、控え室に連れ込んだ。やたら人目を集めてしまったけれど、そのことはどうでもいい。この婚約破棄宣言が広まるほど私には都合がいいので、もっと人目を集めてもいいぐらいだ。
「……エミリア。どういうことだ。俺は、この状況に備えて、あの連中を断罪するための資料を山ほど集めておいたんだが」
「そんなことをなさってたのですか? 流石ですね、お義兄さま」
「流石って……他人事じゃないんだぞ」
控え室のソファに座り込むと、お義兄さまは額を両手で押さえるようにして頭を抱えた。
「……何を喜んでいるんだ。分からん」
「お義兄さま。私はお義兄さまが好きなのです。だから、婚約したのを心底後悔していたんです。これで婚約が無くなって、お義兄さまに告白できると思ったから、もう滅茶苦茶嬉しいんです」
「は、はあ?!」
お義兄さまはぱたりと手を落とし、まじまじと私を見た。
お義兄さまが真っ赤になるのを初めて見た。お義兄さまは照れ屋だが、押し殺したり目を逸らして誤魔化したりするのが上手くて、せいぜい耳の先がほんのり赤くなるぐらいしか見たことがない。それが、一気に下から上まで、林檎のように朱く染まった。もともと色白なので、変化が際立って分かりやすい。
「ななな何を言っている?!」
「お義兄さまが好きなんです」
「ななななんだと……!」
なぜそこまで驚くのだろう。お義兄さまがそこまで私に好かれていないと思っていた理由が分からない。いつも仲良くしていたのに、あわよくば……とか思ったことないんだろうか。
(まさか……)
やたらツンツンした心優しい私の義理家族だけれど、心が純粋すぎて、何かに便乗するとか、弱みにつけ込むとか、考えたこともない? ……ありえる。
ひょっとして、私が一番汚れている?
まあいい。とりあえずこのままお義兄さまを落とそう。
「お義兄さま。結婚して下さい」
「お、お前……」
「嫌ですか?」
駄目なんてことは無いですよね、結婚してくれますよね? と畳み掛けたいのをぐっと我慢して、私はなるべく控えめに小首を傾げてみた。
「くっ……!」
お義兄さまには効いた。良かった。
「……そこまで言うなら……結婚してやらんこともない……っ」
何かの限界に達したかのような物言いだ。実際、いろいろ耐えられなかったらしく、お義兄さまはがっくり頭を落として両腕で覆ってしまった。
打ちひしがれたような小声で、何かぶつぶつ呟いているのが聞こえる。
「…………いや、おかしいだろう。どうしてこいつが俺に結婚を迫るんだ? 傷心のこいつを俺が慰めるのではなかったのか? いや、傷心につけ込むとか、そういう卑怯なことを考えたわけではなくてだな……! 俺はただ、エミリアが幸せになればそれで」
ふふふふ。私は幸せになれそうです、お義兄さま。
とりあえず、何かの枷が外れてしまったかのようににやにやにまにましているこの顔は、お義兄さまには見せたくない。お義兄さまが顔を覆っている今のうちに、十分ににやにやしておこう、と思った私であった。
貴石が敷き詰められた床だけが、やけにくっきりと目に映る。立ち昇る香水、漂う果実水の香り。さんざめく学生たち、挨拶し合う招待客の群れ。絹の擦れ合う音。あちこちで揺れるレース。卒業生の黒いマントと赤いリボン。
その間を進む。ひたすら進む。
ばらばらの色彩が一斉に投げ込まれた抽象画みたいだ。視界が霞む。
「エミリア、大丈夫か?」
「お義兄さま……」
大丈夫じゃないです。
ずっと抱いていた願望が叶えられたのに、もしかしたら次の瞬間、絶望に打ちひしがれることになるかもしれない。
そう思うと、足が竦んでしまう。
喉が乾いて貼り付く。私は唾を飲み込んで、私をエスコートしてくれているお義兄さまの顔を見上げた。
「あの、お義兄さま……」
「エミリア・アークバルド嬢!」
至近距離で聞こえた声が、その場の空気を引き裂いた。
「え?」
驚いたのは私たちだけではなかった。その声は、あちこちに膨らんだ賑やかな会話の輪を貫いて、ホールの全体に響き渡ったからだ。
「……」
にわかに、周囲が静まり返る。
お喋りを遮られた人々が、口を閉じて顔を向けた。女性たちは扇に顔を隠し、男性たちは表情を晦ませ、じっと私の目の前を見ている。数歩分置いて、私に指を突き付けているのは、見たことがあるような無いような一対の男女だった。
……あれ? この人、誰だっけ?
「お前との婚約を破棄する! 代わりに、私の真実の愛であるグレイス嬢と結婚する!」
婚約……ということは、この人が私の婚約者ということだろうか。
(そういえば、こんな顔だった気もする……)
そして、もう一人。彼の腕に絡み付いている女性の方は、もう少し見覚えがあった。以前、私の前ですっ転んでいた女生徒だ。
どうやら、婚約者殿の関係者だったらしい。
「お前はこのグレイス嬢に、様々な嫌がらせをし──」
(あっ、この人がグレイス嬢なのね)
理解が進んだ。経緯はさっぱり分からないけれど、私の婚約者は、衆目の前で私との婚約を破棄して、このグレイス嬢と結婚するらしい。
つまり。
ようするに。
最高。全てが。
「貴様、よくもそのようなことを──」
「有難うございます!!!!!」
低く恫喝しようとしたお義兄さまの声に被せるようにして、私は叫んだ。
「有難う、本当に有難う!」
「え」
「ええと、……ルドヴィグ様、でしたか? これまで有難うございました。お陰様で私、幸せになれそうです」
「えっ」
「どうぞ貴方も、真実の愛であるお方と幸せになって下さい」
握手せんばかりににじり寄って、満面の笑顔で告げる。
こんなことを、誰が予期できただろうか。向こうから言い出してくれるなんて、なんていい人なんだろう。厳密にはいい人なのか悪い人なのか全く分からないけれど、結果として、私の好感度はうなぎ上りだ。
「グレイスさん、でしたっけ? 貴方も、おめでとうございます! お二人の幸せを、心からのお祈りしております」
「え、あの、あんた」
「有難うございました!!!」
もはやここに用はない。くるりと向き直って、お義兄さまの腕を引く。
「お義兄さま! お話があります。来てください」
「おい、エミリア」
「来てください!」
強引に腕を抱え込むようにして、控え室に連れ込んだ。やたら人目を集めてしまったけれど、そのことはどうでもいい。この婚約破棄宣言が広まるほど私には都合がいいので、もっと人目を集めてもいいぐらいだ。
「……エミリア。どういうことだ。俺は、この状況に備えて、あの連中を断罪するための資料を山ほど集めておいたんだが」
「そんなことをなさってたのですか? 流石ですね、お義兄さま」
「流石って……他人事じゃないんだぞ」
控え室のソファに座り込むと、お義兄さまは額を両手で押さえるようにして頭を抱えた。
「……何を喜んでいるんだ。分からん」
「お義兄さま。私はお義兄さまが好きなのです。だから、婚約したのを心底後悔していたんです。これで婚約が無くなって、お義兄さまに告白できると思ったから、もう滅茶苦茶嬉しいんです」
「は、はあ?!」
お義兄さまはぱたりと手を落とし、まじまじと私を見た。
お義兄さまが真っ赤になるのを初めて見た。お義兄さまは照れ屋だが、押し殺したり目を逸らして誤魔化したりするのが上手くて、せいぜい耳の先がほんのり赤くなるぐらいしか見たことがない。それが、一気に下から上まで、林檎のように朱く染まった。もともと色白なので、変化が際立って分かりやすい。
「ななな何を言っている?!」
「お義兄さまが好きなんです」
「ななななんだと……!」
なぜそこまで驚くのだろう。お義兄さまがそこまで私に好かれていないと思っていた理由が分からない。いつも仲良くしていたのに、あわよくば……とか思ったことないんだろうか。
(まさか……)
やたらツンツンした心優しい私の義理家族だけれど、心が純粋すぎて、何かに便乗するとか、弱みにつけ込むとか、考えたこともない? ……ありえる。
ひょっとして、私が一番汚れている?
まあいい。とりあえずこのままお義兄さまを落とそう。
「お義兄さま。結婚して下さい」
「お、お前……」
「嫌ですか?」
駄目なんてことは無いですよね、結婚してくれますよね? と畳み掛けたいのをぐっと我慢して、私はなるべく控えめに小首を傾げてみた。
「くっ……!」
お義兄さまには効いた。良かった。
「……そこまで言うなら……結婚してやらんこともない……っ」
何かの限界に達したかのような物言いだ。実際、いろいろ耐えられなかったらしく、お義兄さまはがっくり頭を落として両腕で覆ってしまった。
打ちひしがれたような小声で、何かぶつぶつ呟いているのが聞こえる。
「…………いや、おかしいだろう。どうしてこいつが俺に結婚を迫るんだ? 傷心のこいつを俺が慰めるのではなかったのか? いや、傷心につけ込むとか、そういう卑怯なことを考えたわけではなくてだな……! 俺はただ、エミリアが幸せになればそれで」
ふふふふ。私は幸せになれそうです、お義兄さま。
とりあえず、何かの枷が外れてしまったかのようににやにやにまにましているこの顔は、お義兄さまには見せたくない。お義兄さまが顔を覆っている今のうちに、十分ににやにやしておこう、と思った私であった。
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