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kingdom 4
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「なぁ、誰でもいいから……アルファ……呼んでくれよ……。それとも、あなたは……アルファ?」
勃起して充血している鈴口からは透明な液体が溢れている。見るからに痛々しい様子に雪成は、青年の頭にタオルを被せ、視界を奪った。そして手際良く、抑制剤を打つ。
「あ! なにする……っ」
「それが効いたら店から出るぞ」
「うぅ……いや……」
青年はロンTだけ身に着けた格好で、その場で蹲る。雪成はそんな青年を尻目に、部屋の換気扇を作動させ、青年の脱ぎ散らかした下着とジーンズを纏めて青年へと放り投げる。
「僕は……店からは……出ない。警察にも通報したから」
荒い息を吐きながら青年は雪成へと顔を上げる。しかしその目は先程よりも勢いがない。
「警察が来たら、お前も根掘り葉掘りと聴取されるぞ。つべこべ言わずにさっさとそれを穿け」
雪成の冷たい眼差しに、青年は肩を跳ねさせ、言われた通りにノロノロとだが下着とジーンズを穿く。
その横で雪成はかなり苛々としていた。警察が来るなら早くここから立ち去りたいからだ。
kingdomが表向きは宮城の店となっているのは、暴力団は各都道府県に施行されている暴力団排除条例の弊害で、銀行口座を開設出来ないからだ。そのため、雪成はキャストの一人である宮城祐希の名義を借りている。
しかし真の経営者は雪成だという事は、警察も知っている。問題が起きなければ、口を挟んでくることもない。そう、問題が起きなければだ。
雪成はブレゲの腕時計に目を落とした。そろそろ五分が経つかと、青年を見遣ればもう落ち着いており不貞腐れた顔を見せている。
「麻野、車を直ぐに出せる用意をしておけ」
麻野に連絡を入れた雪成は、スマホをスラックスのポケットにしまうと、青年の二の腕を掴んだ。
「おら歩け。ぼやぼやしてたら警察が来る。言っておくが、警察に保護して貰えるなどと甘えた考えは捨てろよ。無事に家になんて帰してもらえねぇからな」
「な、何でだよ。僕は被害者だって通報したんだぞ」
「被害者ね……」
雪成は青年を無理やりリリールームから出して、腕を引っ張り歩く。
「ね、ねぇ、それってどういう意味だよ……」
青年は少しの抵抗を見せる素振りはあるが、素直についてきている。その身体が小刻みに震えていることを雪成は気付いていた。
問題を起こしてしまった事への〝恐れ〟が表れているのなら、この青年はまだ救われる。
「ちょ、ちょっ何でトイレ!? ここで何するんだよ! あんたやっぱりアルファなのか!? でもさっき平気だったろ!?」
「うるせぇな。いいから黙ってついて来い」
「や、やだ、やだ! 怖いっ」
雪成はトイレの個室のドアを開けると、青年を押し込み、自身も中へと入る。だが、雪成らが入った個室はダミーで便器が無く、掃除用具のモップと水切りワイパーが壁のフックに掛かっているだけだ。青年は一層戸惑いの表情を浮かべつつ、涙目で雪成へと救いを求めてきた。
「心配するな。ここから外へ出るだけだ」
ドアの正面の壁には黒い暖簾のような布がある。雪成はそれを捲り、壁を強めに押した。
勃起して充血している鈴口からは透明な液体が溢れている。見るからに痛々しい様子に雪成は、青年の頭にタオルを被せ、視界を奪った。そして手際良く、抑制剤を打つ。
「あ! なにする……っ」
「それが効いたら店から出るぞ」
「うぅ……いや……」
青年はロンTだけ身に着けた格好で、その場で蹲る。雪成はそんな青年を尻目に、部屋の換気扇を作動させ、青年の脱ぎ散らかした下着とジーンズを纏めて青年へと放り投げる。
「僕は……店からは……出ない。警察にも通報したから」
荒い息を吐きながら青年は雪成へと顔を上げる。しかしその目は先程よりも勢いがない。
「警察が来たら、お前も根掘り葉掘りと聴取されるぞ。つべこべ言わずにさっさとそれを穿け」
雪成の冷たい眼差しに、青年は肩を跳ねさせ、言われた通りにノロノロとだが下着とジーンズを穿く。
その横で雪成はかなり苛々としていた。警察が来るなら早くここから立ち去りたいからだ。
kingdomが表向きは宮城の店となっているのは、暴力団は各都道府県に施行されている暴力団排除条例の弊害で、銀行口座を開設出来ないからだ。そのため、雪成はキャストの一人である宮城祐希の名義を借りている。
しかし真の経営者は雪成だという事は、警察も知っている。問題が起きなければ、口を挟んでくることもない。そう、問題が起きなければだ。
雪成はブレゲの腕時計に目を落とした。そろそろ五分が経つかと、青年を見遣ればもう落ち着いており不貞腐れた顔を見せている。
「麻野、車を直ぐに出せる用意をしておけ」
麻野に連絡を入れた雪成は、スマホをスラックスのポケットにしまうと、青年の二の腕を掴んだ。
「おら歩け。ぼやぼやしてたら警察が来る。言っておくが、警察に保護して貰えるなどと甘えた考えは捨てろよ。無事に家になんて帰してもらえねぇからな」
「な、何でだよ。僕は被害者だって通報したんだぞ」
「被害者ね……」
雪成は青年を無理やりリリールームから出して、腕を引っ張り歩く。
「ね、ねぇ、それってどういう意味だよ……」
青年は少しの抵抗を見せる素振りはあるが、素直についてきている。その身体が小刻みに震えていることを雪成は気付いていた。
問題を起こしてしまった事への〝恐れ〟が表れているのなら、この青年はまだ救われる。
「ちょ、ちょっ何でトイレ!? ここで何するんだよ! あんたやっぱりアルファなのか!? でもさっき平気だったろ!?」
「うるせぇな。いいから黙ってついて来い」
「や、やだ、やだ! 怖いっ」
雪成はトイレの個室のドアを開けると、青年を押し込み、自身も中へと入る。だが、雪成らが入った個室はダミーで便器が無く、掃除用具のモップと水切りワイパーが壁のフックに掛かっているだけだ。青年は一層戸惑いの表情を浮かべつつ、涙目で雪成へと救いを求めてきた。
「心配するな。ここから外へ出るだけだ」
ドアの正面の壁には黒い暖簾のような布がある。雪成はそれを捲り、壁を強めに押した。
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