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疑われるオルコシ家
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「う、うぅ~ん・・・・・・」
身体を起こした後に、近くに置いてあるスマホのアラームを止めた。
ある意味、嫌な夢を見たなぁ。
「でも、まさか無乃が漁師になるとは・・・・・・」
「漁師? ムノ? もしかしてまた夢を見たの?」
リタが俺よりも先に起きていたみたいだ。
「ああ、夢見ごごちが悪かったけどな」
「う~ん。夢の内容が気になるけど、お腹減ったし、みんなにも話した方がいいと思うからリビングに行こう」
「そうだな。とりあえず着替えをするから、先にリビングに行っててくれないか?」
「了解!」
リタが部屋から出て行ったのを確認してから服を着替えてリビングへと向かう。
『おはよう。洸夜』
「おはよう」
『リタさんから話を聞いたよ。どんな夢を見たんだい?』
「ああ~、俺が見た夢は・・・・・・」
893に連れて行かれた無乃が漁船に乗っていて、その船の中でこき使われていることを食事をしながら全員に話した。
「なるほどねぇ。用は雑用係として仕事をしているって訳ねぇ」
「ああ。無乃のヤツが泣きながら仕事をこなしていたよ」
しかも少年院を出たことを後悔していたし。
「なんかちょっと可哀想な気がします」
「でも自業自得なんだから、そう思わなくていいんじゃない?」
まぁリタの言う通りだと思う。
『ところで、その漁船って何を取って生計を立てているのかわかる?』
「あっ!?」
そうだ。そこまで気にしていなかった。
「無乃と船員の話に夢中になっていたから、気にしてなかった」
「ああ~、それなら仕方ないな。それに話の流れからして、この国から離れた場所で漁業をしているんじゃないか?」
確かにそうかもしれない。
「それにしても雑用係なんて役職は、可哀想」
『雑用係って、掃除や洗濯だけが仕事じゃないと思うよ』
「そうなんですか?」
『うん。掃除や洗濯とかの他に、船員と同じ仕事をしなきゃいけないからね』
「他の船員と同じ仕事?」
『うん。低地網漁だったら網を引き上げる仕事から魚介類の選別。はえ縄漁だったら仕掛けの準備や後片付けとかね』
それって、まんま漁師の仕事じゃん。
『今の雑用係はそんな感じだからね。大変と言えば大変だよ』
「それに加えて海の上だから、逃げ場がない状況・・・・・・」
「人生詰んだ。としか思えないわよねぇ」
何か少しだけだが無乃に同情を感じてしまったよ。
「まぁ何はともあれ駄爆さんところの息子は、私達に危害を加えられない状況だから、もう襲われる心配しなくていいのよね」
そういうことになるな。
「あ、ハゲ校長の方はどう? 夢見た?」
「あの後から見ていないから、何とも言えない」
俺自身も気になるんだよなぁ。
『今後何か進展があったら、迷わずに話してね』
「わかった」
『もうそろそろ学校に行く時間になるけど、身支度は大丈夫?』
「ああ、大丈夫、昨日全部終わらせたから。セリア、リタ。行こうか」
「うん」
「ガッテン!」
リタとセリアを連れて自室へと戻ると、転移を使いセリアの部屋へと向かう。
『どういうことですかっ!?』
来ていきなり怒声が聞こえて来たので、俺達は驚いてしまった。
「一体何ごとなんだ?」
『ですから、アナタ達にイレイラ王女様誘拐の疑惑が掛けられているので、詳しい事情を・・・・・・』
『誘拐はしておりませんよ。こちらの方で保護をしているだけです』
『その証拠はあるのですか?』
『イレイラ様の護衛の方達に聞けば話を聞けますよ』
話から察するに、どうやらマーガレットさん達がイレイラ王女様を誘拐したと思っているらしい。
「どうしよう。コウヤくん」
「この場で俺達が出て行ったら、余計ややこしくなりそうだから様子を見ていようか」
「・・・・・・うん」
納得がいかない様子を浮かべるセリア。そんな中、ドアが開かれた。
「ッ!?」
セリアの部屋に入って来たのが屋敷で働くメイド達だったので、ホッとした顔になる。
そのメイド達に小声で話し掛ける。
「とりあえず中に入って下さい」
「・・・・・・はい」
向こうも察したのだろう。部屋の中に入るとドアを閉めた。
「それで、どういう状況なんですか?」
「はい。兵士が連絡もなしに屋敷に参りまして、イレイラ王女様を出せ! 誘拐犯め! と言って来たのです」
「・・・・・・はぁ?」
何を言っているんだ。そいつらは。
「お気持ちはわかります。マーガレット様も同じお気持ちを抱いていましたから」
ああ、やっぱそうだよね。
「で、今の状況に至る訳ですね」
「・・・・・・はい。あろうことか、屋敷内にズケズケと入って来たので、マーガレット様はお怒りを抱いております」
「ズケズケと? そんなことをしていいんですか?」
「帝王様の命令でもない限り、そのようなことは言語道断です」
ああ、つまり彼らはやらかしているって訳か。
「なるほどぉ・・・・・・」
このまま硬直しているのはマズイなぁ。
『キミ達、ここで一体何をしているんだい?』
む? この声。聞き覚えがある。
『ユーク副団長! どうしてここに?』
「えっ!? あの人副団長だったのか?」
「ううん。お父様の話だとテロ事件の功績が認められて副団長になったみたいなの」
なるほど。出世したのか。
『どうしても何も、キミ達がここに向かっているのを聞いたから、ここに来たに決まっている。
何で独断で動いているんだ?』
『それは・・・・・・団長にイレイラ王女様がいないか調べるように仰せ付かりましたから』
『そうですよ! もしかしたらここにイレイラ王女様が囚われている可能性があるからと聞いたんで・・・・・・』
囚われているって、俺達は保護をしているだけなのに何でそんな話になっているんだよ。
『そう? 団長は僕にお前達の愚行を止めるよう言われたんだけど?』
『あっ!?』
『そもそも、』
見え透いた嘘を吐くとは、何とまぁダメな連中なんだ。
『とにかく、キミ達の行動は目が余る。大人しく兵舎へ戻って来て貰うよ』
『・・・・・・はい』
彼らの元気がない声の後、足音が遠ざかって行ったので出て行ったと確信する。
「そろそろ出てもよさそうだね」
「うん」
「すみませんが外のようすを見て来て貰えますか?」
「あ、はい」
メイドさんも自分達が確認した方がいいと思ったらしく、部屋を出て確認してくれた。
「大丈夫です。こちらにどうぞ」
「はい」
メイドさん先導の元、屋敷を歩いているとマーガレットさんが反対側から歩いて来た。
「あら、セリアにコウヤさん。それにリタさんも、おはようございます」
「おはようございます。お母様」
「おはようございます」
「おはよう!」
流石のリタもマーガレットさんがピリピリしているのを感じているのか、控えめの挨拶をしたな。
「ここにいたと言うことは、先ほどの会話を聞いていたのですね」
「ええ、まぁ・・・・・・」
「盗み聞きしてしまった件については、怒りを感じていませんよ。それよりも早く学園に行った方がよろしいかと思います」
そう言われたので、スマートフォンの画面を確認した。
「確かにそうですね」
「訳は帰って来てから話します」
「わかりました。それじゃあ2人共、行こうか」
「う、うん。行って来ます。お母様」
「行って来まぁ~す!」
急ぎ気味で邸宅を出て学園へと向かう。
「・・・・・・うん。時間には間に合ったみたいだな」
「間に合うんだったら、そんなに急がなくてもよかったんじゃない?」
うん、本当にそうかもしれなかったな。
学園の敷地に入った瞬間、セリアが警戒をしたようすで周囲を見る。
「どうしたんだ。セリア?」
「またアンリネットさんが何かして来ないか、しっかり見ないと・・・・・・」
そうそう何度も同じようなことはしないと思うんだが。
「お前が コウヤ・ミヤマ だなぁっ?」
「ん?」
後ろを振り向くと、道の向こう側から兵士達がこっちに向かって歩いて来ていた。
何か嫌な予感がするなぁ。
そう思いながら見つめていると、1人の兵士が俺の前に立った。
「何か用ですか?」
「イレイラ王女様は何処だ?」
その言葉を聞いてウンザリした顔になってしまったのは、言うまでもない。
身体を起こした後に、近くに置いてあるスマホのアラームを止めた。
ある意味、嫌な夢を見たなぁ。
「でも、まさか無乃が漁師になるとは・・・・・・」
「漁師? ムノ? もしかしてまた夢を見たの?」
リタが俺よりも先に起きていたみたいだ。
「ああ、夢見ごごちが悪かったけどな」
「う~ん。夢の内容が気になるけど、お腹減ったし、みんなにも話した方がいいと思うからリビングに行こう」
「そうだな。とりあえず着替えをするから、先にリビングに行っててくれないか?」
「了解!」
リタが部屋から出て行ったのを確認してから服を着替えてリビングへと向かう。
『おはよう。洸夜』
「おはよう」
『リタさんから話を聞いたよ。どんな夢を見たんだい?』
「ああ~、俺が見た夢は・・・・・・」
893に連れて行かれた無乃が漁船に乗っていて、その船の中でこき使われていることを食事をしながら全員に話した。
「なるほどねぇ。用は雑用係として仕事をしているって訳ねぇ」
「ああ。無乃のヤツが泣きながら仕事をこなしていたよ」
しかも少年院を出たことを後悔していたし。
「なんかちょっと可哀想な気がします」
「でも自業自得なんだから、そう思わなくていいんじゃない?」
まぁリタの言う通りだと思う。
『ところで、その漁船って何を取って生計を立てているのかわかる?』
「あっ!?」
そうだ。そこまで気にしていなかった。
「無乃と船員の話に夢中になっていたから、気にしてなかった」
「ああ~、それなら仕方ないな。それに話の流れからして、この国から離れた場所で漁業をしているんじゃないか?」
確かにそうかもしれない。
「それにしても雑用係なんて役職は、可哀想」
『雑用係って、掃除や洗濯だけが仕事じゃないと思うよ』
「そうなんですか?」
『うん。掃除や洗濯とかの他に、船員と同じ仕事をしなきゃいけないからね』
「他の船員と同じ仕事?」
『うん。低地網漁だったら網を引き上げる仕事から魚介類の選別。はえ縄漁だったら仕掛けの準備や後片付けとかね』
それって、まんま漁師の仕事じゃん。
『今の雑用係はそんな感じだからね。大変と言えば大変だよ』
「それに加えて海の上だから、逃げ場がない状況・・・・・・」
「人生詰んだ。としか思えないわよねぇ」
何か少しだけだが無乃に同情を感じてしまったよ。
「まぁ何はともあれ駄爆さんところの息子は、私達に危害を加えられない状況だから、もう襲われる心配しなくていいのよね」
そういうことになるな。
「あ、ハゲ校長の方はどう? 夢見た?」
「あの後から見ていないから、何とも言えない」
俺自身も気になるんだよなぁ。
『今後何か進展があったら、迷わずに話してね』
「わかった」
『もうそろそろ学校に行く時間になるけど、身支度は大丈夫?』
「ああ、大丈夫、昨日全部終わらせたから。セリア、リタ。行こうか」
「うん」
「ガッテン!」
リタとセリアを連れて自室へと戻ると、転移を使いセリアの部屋へと向かう。
『どういうことですかっ!?』
来ていきなり怒声が聞こえて来たので、俺達は驚いてしまった。
「一体何ごとなんだ?」
『ですから、アナタ達にイレイラ王女様誘拐の疑惑が掛けられているので、詳しい事情を・・・・・・』
『誘拐はしておりませんよ。こちらの方で保護をしているだけです』
『その証拠はあるのですか?』
『イレイラ様の護衛の方達に聞けば話を聞けますよ』
話から察するに、どうやらマーガレットさん達がイレイラ王女様を誘拐したと思っているらしい。
「どうしよう。コウヤくん」
「この場で俺達が出て行ったら、余計ややこしくなりそうだから様子を見ていようか」
「・・・・・・うん」
納得がいかない様子を浮かべるセリア。そんな中、ドアが開かれた。
「ッ!?」
セリアの部屋に入って来たのが屋敷で働くメイド達だったので、ホッとした顔になる。
そのメイド達に小声で話し掛ける。
「とりあえず中に入って下さい」
「・・・・・・はい」
向こうも察したのだろう。部屋の中に入るとドアを閉めた。
「それで、どういう状況なんですか?」
「はい。兵士が連絡もなしに屋敷に参りまして、イレイラ王女様を出せ! 誘拐犯め! と言って来たのです」
「・・・・・・はぁ?」
何を言っているんだ。そいつらは。
「お気持ちはわかります。マーガレット様も同じお気持ちを抱いていましたから」
ああ、やっぱそうだよね。
「で、今の状況に至る訳ですね」
「・・・・・・はい。あろうことか、屋敷内にズケズケと入って来たので、マーガレット様はお怒りを抱いております」
「ズケズケと? そんなことをしていいんですか?」
「帝王様の命令でもない限り、そのようなことは言語道断です」
ああ、つまり彼らはやらかしているって訳か。
「なるほどぉ・・・・・・」
このまま硬直しているのはマズイなぁ。
『キミ達、ここで一体何をしているんだい?』
む? この声。聞き覚えがある。
『ユーク副団長! どうしてここに?』
「えっ!? あの人副団長だったのか?」
「ううん。お父様の話だとテロ事件の功績が認められて副団長になったみたいなの」
なるほど。出世したのか。
『どうしても何も、キミ達がここに向かっているのを聞いたから、ここに来たに決まっている。
何で独断で動いているんだ?』
『それは・・・・・・団長にイレイラ王女様がいないか調べるように仰せ付かりましたから』
『そうですよ! もしかしたらここにイレイラ王女様が囚われている可能性があるからと聞いたんで・・・・・・』
囚われているって、俺達は保護をしているだけなのに何でそんな話になっているんだよ。
『そう? 団長は僕にお前達の愚行を止めるよう言われたんだけど?』
『あっ!?』
『そもそも、』
見え透いた嘘を吐くとは、何とまぁダメな連中なんだ。
『とにかく、キミ達の行動は目が余る。大人しく兵舎へ戻って来て貰うよ』
『・・・・・・はい』
彼らの元気がない声の後、足音が遠ざかって行ったので出て行ったと確信する。
「そろそろ出てもよさそうだね」
「うん」
「すみませんが外のようすを見て来て貰えますか?」
「あ、はい」
メイドさんも自分達が確認した方がいいと思ったらしく、部屋を出て確認してくれた。
「大丈夫です。こちらにどうぞ」
「はい」
メイドさん先導の元、屋敷を歩いているとマーガレットさんが反対側から歩いて来た。
「あら、セリアにコウヤさん。それにリタさんも、おはようございます」
「おはようございます。お母様」
「おはようございます」
「おはよう!」
流石のリタもマーガレットさんがピリピリしているのを感じているのか、控えめの挨拶をしたな。
「ここにいたと言うことは、先ほどの会話を聞いていたのですね」
「ええ、まぁ・・・・・・」
「盗み聞きしてしまった件については、怒りを感じていませんよ。それよりも早く学園に行った方がよろしいかと思います」
そう言われたので、スマートフォンの画面を確認した。
「確かにそうですね」
「訳は帰って来てから話します」
「わかりました。それじゃあ2人共、行こうか」
「う、うん。行って来ます。お母様」
「行って来まぁ~す!」
急ぎ気味で邸宅を出て学園へと向かう。
「・・・・・・うん。時間には間に合ったみたいだな」
「間に合うんだったら、そんなに急がなくてもよかったんじゃない?」
うん、本当にそうかもしれなかったな。
学園の敷地に入った瞬間、セリアが警戒をしたようすで周囲を見る。
「どうしたんだ。セリア?」
「またアンリネットさんが何かして来ないか、しっかり見ないと・・・・・・」
そうそう何度も同じようなことはしないと思うんだが。
「お前が コウヤ・ミヤマ だなぁっ?」
「ん?」
後ろを振り向くと、道の向こう側から兵士達がこっちに向かって歩いて来ていた。
何か嫌な予感がするなぁ。
そう思いながら見つめていると、1人の兵士が俺の前に立った。
「何か用ですか?」
「イレイラ王女様は何処だ?」
その言葉を聞いてウンザリした顔になってしまったのは、言うまでもない。
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