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帝国の現状・・・・・・
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大体15分ぐらい待っていると、リタが部屋に帰って来た。
「お帰り、どうだった?」
「コウヤ、スゴイ事が判明したよ」
「スゴイ事ってどんな事だ?」
「イレイラが行方不明って事になっていて、王族の人達がイレイラを血眼になって探しているみたいなんだって!」
血眼になって探している?
「どう言う事だ? 護衛はちゃんと話していないのか?」
「うぅ~ん。その辺りの話はわかんないだけどぉ。セリアの両親が連れ去ったって、いった疑いを掛けられているみたい」
「えっ!? 何それ?」
「私に聞かれても困るよ」
うん、確かにそうだな。
「もうその人達は帰って行ったから、セリアのお母さんに確認を取ろう」
「そうだな。その方が確実だな。行こう、セリア」
「う、うん」
俺達が廊下へと出ると、何故かマーガレットさんとオルコシスさんが立っていたのだ。
「お帰り、セリア」
「お父様、お母様! どうしてここに?」
「リタさんの姿が見えたので、もしかしてと思って来んです」
ああなるほど。スカーレットさん達に見えるようにしたんだな。
「先程の話がきになるのだろう? リビングへ行こう」
「はい」
オルコシスさんの後を追うようにリビングへと向かい、向かい合うようにしてイスに座った。
「話の内容は粗方聞いていると思うが、最初から話そう。先程この部屋に来た彼らは帝国上層部の人、平たく言えば王宮で働いている貴族達なんだ」
「その貴族達が何故ここに来たんですか?」
「う~む・・・・・・」
オルコシスさんは俺の質問に対して、悩ましい顔で唸り声を上げている。
「どう答えるべきか。ざっくりと話すと、我々の事を信用している者達と、我々が事件に関与しているんじゃないか? と疑っている者達の2つに分かれているらしいんだ」
「じゃあ、さっき会話をしていた連中は、疑っている人達って事か?」
「うむ」
どうやら、オルコシス家に迷惑を掛けてしまったみたいだ。
「2人共そんな神妙な顔をしなくても大丈夫よ」
「でも、私達のせいでお母様達にご迷惑を掛けてしまったのは事実ですし」
「そんな事はないわよ。今日来た彼らだって、下手に動けない立場の人達だから。何の問題もないわよ」
ん? 下手に動けない立場?
「それって一体どう言うことですか? もしかして、自分勝手に動いたら、マズイ立場にいるってことですか?」
「察しがいいのね。彼らは貴族でも文系の仕事に携わっている人間。つまり兵士や騎士の立場じゃないから、私達の捜索が出来ないのよ。
むしろこのまま家宅捜索を勝手にやったら、侮辱罪で訴えられるのよ」
「罪はどうとして。どうしてそんな人達がオルコス家に来てイレイラ王女様を探しているんですかね?」
「簡単な話だよ。イレイラ王女の居場所を特定して陛下に報告すれば、昇格が出来ると考えているのだよ」
昇格を狙ってイレイラ王女様を見つけ出すって・・・・・・。
「俺からしてみれば、逆効果な気がするんですが」
「私もコウヤくんと同じ意見と思ったのですが。もしかして陛下が探して欲しいと仰ったのですか?」
あ、その可能性を考えていなかった。
「イレイラ様の護衛は陛下にちゃんと話して納得したようだ。しかし、中には勘違いをしている者もいるらしくてな。その連中がヤケになって探しているそうだ」
勘違いをしている?
「一体どういった勘違いをしているんですか?」
「実はですね。陛下が密かにイレイラ様を探しているのではないのか? と言った噂が流れていて、それを信じた人達がさっきの貴族達です」
「そんな噂で・・・・・・まさか!」
噂はあくまでも噂。だから誰がいつそう言ったのか、誰もわからないし知る術もない。
「ねぇねぇコウヤ。コウヤは何に気が付いたの?」
「ん? ああ。もしかしたらその噂は、イレイラ王女を消したい人達が噂を流しているのかもしれない」
「えっ!? そうなの?」
リタはオルコシスさんの方を向いて言うと、そうだ言わんばかりに頷いた。
「陛下自身もお主の家に住まわせることを了承しているし、何よりも探すなら我々に話を通して会いに行くだろう」
「それにね。さっきも話したと思うけど、陛下もこの事態を深刻に受け止めているの。だから内密に探していたとしても、こんな風にバレるようなことはしないと思うわ」
「う~む、そうですかぁ。一応聞きますが、オルコシスさん達が怪しんでいる人達は誰ですか?
やっぱり、イレイラ王女様の母親が仕えていた王妃様ですか?」
「そうねぇ。その線も否定出来ないけど、やっぱりその下にいる部下達だと思っているわ」
王妃様と考えていないか。
「どうしてそう思うのですか?」
「王妃自身も怒っていたけど、今となってはどうでもいいと考えているわ」
「どう言うことですか?」
「イレイラ王女様自身が、王位継承権を破棄しているんだ。故に王位を奪われる心配をしていない」
「個人的な恨みに付いては?」
「ハッキリとした断言は出来ないが、殺したいほど恨んではないらしいが、イレイラ王女様には会いたくないそうだ」
う~ん・・・・・・嫌っているけど、殺そうとするまでじゃないって考えればいいのか?
「明日も授業があって、こんな状況の中で外に出るのかぁ~・・・・・・」
「大丈夫よコウヤさん。 ディスペル学園に通っている生徒に対して、危害を加えてはならない。そして、権力を振りかざすことは言語同断。 って法律があって、もしこれに反することがあれば処罰されるわ」
「そうだ。だからコウヤ殿は安心して学園へと向かえばいい」
「そう、ですか」
でも、あんなことをしたら目を付けられるのは間違いない筈だ。だから登下校のときは警戒を怠らないようにしていよう。
「話はそれだけですか?」
「あ~そうだ。イレイラ王女様は向こうの世界でも、無事でいるのか?」
「無事ですよ、お父様。むしろ向こうの世界を見て驚いていましたから」
「そうかぁ。やはり向こうの世界に行くと、驚くことばかりだろうな」
そう言えばオルコシスさんやマーガレットさんが、向こうの世界に行ってみたいと言ったから、連れて行って近所を散歩させたんだっけ。
イレイラ王女様と同様に、車の存在に驚いていたな。後は自転車が欲しいとも言ってた。
「お風呂も気に入っていたよね?」
「う、うん・・・・・・そうだね」
頬を赤くして言うセリア対して、マーガレットさんはサムズアップをした。何故?
「とりあえず、向こうに戻って現状をイレイラ王女様に報告しようか」
「そうだね。イレイラ王女様も気にしていたからね」
余り長居すると心配するかもしれないしな。
「それじゃあお二人共、俺達は戻ります」
「ええ、イレイラ王女様によろしく言っておいて下さい」
「私からもお願いする」
マーガレットさん達はそう言うと、俺に向かって頭を下げた。
「わかりました。それでは」
「それじゃあ行って来ます。お父様、お母様」
「また明日ねぇ~!」
セリアの部屋に行き、転移の魔法を使ってリビングへと戻って来た。
「お帰り! 向こうの世界はどうなってたの?」
「ああ、それがさ・・・・・・」
オルコシスさん達と話したことを母さん達に話すと、みんな神妙な面持ちになった。
『なるほど、よくわかったよ』
父さんはそう言うと、真剣な面持ちでイレイラ王女様を見つめた。
『悪いことは言わない。我が家にいた方がいいと僕は思うよ』
「はい。そうさせて頂きます」
イレイラ王女様はそう言うと、ソファーから立ち上がった。
「何処に行くんですか?」
「今日はもう何もやることがないから、寝ようと思っているんだ」
「そうですか。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
リビングを出て行くが、何故だか背中からは哀愁を感じる洸夜であった。
「お帰り、どうだった?」
「コウヤ、スゴイ事が判明したよ」
「スゴイ事ってどんな事だ?」
「イレイラが行方不明って事になっていて、王族の人達がイレイラを血眼になって探しているみたいなんだって!」
血眼になって探している?
「どう言う事だ? 護衛はちゃんと話していないのか?」
「うぅ~ん。その辺りの話はわかんないだけどぉ。セリアの両親が連れ去ったって、いった疑いを掛けられているみたい」
「えっ!? 何それ?」
「私に聞かれても困るよ」
うん、確かにそうだな。
「もうその人達は帰って行ったから、セリアのお母さんに確認を取ろう」
「そうだな。その方が確実だな。行こう、セリア」
「う、うん」
俺達が廊下へと出ると、何故かマーガレットさんとオルコシスさんが立っていたのだ。
「お帰り、セリア」
「お父様、お母様! どうしてここに?」
「リタさんの姿が見えたので、もしかしてと思って来んです」
ああなるほど。スカーレットさん達に見えるようにしたんだな。
「先程の話がきになるのだろう? リビングへ行こう」
「はい」
オルコシスさんの後を追うようにリビングへと向かい、向かい合うようにしてイスに座った。
「話の内容は粗方聞いていると思うが、最初から話そう。先程この部屋に来た彼らは帝国上層部の人、平たく言えば王宮で働いている貴族達なんだ」
「その貴族達が何故ここに来たんですか?」
「う~む・・・・・・」
オルコシスさんは俺の質問に対して、悩ましい顔で唸り声を上げている。
「どう答えるべきか。ざっくりと話すと、我々の事を信用している者達と、我々が事件に関与しているんじゃないか? と疑っている者達の2つに分かれているらしいんだ」
「じゃあ、さっき会話をしていた連中は、疑っている人達って事か?」
「うむ」
どうやら、オルコシス家に迷惑を掛けてしまったみたいだ。
「2人共そんな神妙な顔をしなくても大丈夫よ」
「でも、私達のせいでお母様達にご迷惑を掛けてしまったのは事実ですし」
「そんな事はないわよ。今日来た彼らだって、下手に動けない立場の人達だから。何の問題もないわよ」
ん? 下手に動けない立場?
「それって一体どう言うことですか? もしかして、自分勝手に動いたら、マズイ立場にいるってことですか?」
「察しがいいのね。彼らは貴族でも文系の仕事に携わっている人間。つまり兵士や騎士の立場じゃないから、私達の捜索が出来ないのよ。
むしろこのまま家宅捜索を勝手にやったら、侮辱罪で訴えられるのよ」
「罪はどうとして。どうしてそんな人達がオルコス家に来てイレイラ王女様を探しているんですかね?」
「簡単な話だよ。イレイラ王女の居場所を特定して陛下に報告すれば、昇格が出来ると考えているのだよ」
昇格を狙ってイレイラ王女様を見つけ出すって・・・・・・。
「俺からしてみれば、逆効果な気がするんですが」
「私もコウヤくんと同じ意見と思ったのですが。もしかして陛下が探して欲しいと仰ったのですか?」
あ、その可能性を考えていなかった。
「イレイラ様の護衛は陛下にちゃんと話して納得したようだ。しかし、中には勘違いをしている者もいるらしくてな。その連中がヤケになって探しているそうだ」
勘違いをしている?
「一体どういった勘違いをしているんですか?」
「実はですね。陛下が密かにイレイラ様を探しているのではないのか? と言った噂が流れていて、それを信じた人達がさっきの貴族達です」
「そんな噂で・・・・・・まさか!」
噂はあくまでも噂。だから誰がいつそう言ったのか、誰もわからないし知る術もない。
「ねぇねぇコウヤ。コウヤは何に気が付いたの?」
「ん? ああ。もしかしたらその噂は、イレイラ王女を消したい人達が噂を流しているのかもしれない」
「えっ!? そうなの?」
リタはオルコシスさんの方を向いて言うと、そうだ言わんばかりに頷いた。
「陛下自身もお主の家に住まわせることを了承しているし、何よりも探すなら我々に話を通して会いに行くだろう」
「それにね。さっきも話したと思うけど、陛下もこの事態を深刻に受け止めているの。だから内密に探していたとしても、こんな風にバレるようなことはしないと思うわ」
「う~む、そうですかぁ。一応聞きますが、オルコシスさん達が怪しんでいる人達は誰ですか?
やっぱり、イレイラ王女様の母親が仕えていた王妃様ですか?」
「そうねぇ。その線も否定出来ないけど、やっぱりその下にいる部下達だと思っているわ」
王妃様と考えていないか。
「どうしてそう思うのですか?」
「王妃自身も怒っていたけど、今となってはどうでもいいと考えているわ」
「どう言うことですか?」
「イレイラ王女様自身が、王位継承権を破棄しているんだ。故に王位を奪われる心配をしていない」
「個人的な恨みに付いては?」
「ハッキリとした断言は出来ないが、殺したいほど恨んではないらしいが、イレイラ王女様には会いたくないそうだ」
う~ん・・・・・・嫌っているけど、殺そうとするまでじゃないって考えればいいのか?
「明日も授業があって、こんな状況の中で外に出るのかぁ~・・・・・・」
「大丈夫よコウヤさん。 ディスペル学園に通っている生徒に対して、危害を加えてはならない。そして、権力を振りかざすことは言語同断。 って法律があって、もしこれに反することがあれば処罰されるわ」
「そうだ。だからコウヤ殿は安心して学園へと向かえばいい」
「そう、ですか」
でも、あんなことをしたら目を付けられるのは間違いない筈だ。だから登下校のときは警戒を怠らないようにしていよう。
「話はそれだけですか?」
「あ~そうだ。イレイラ王女様は向こうの世界でも、無事でいるのか?」
「無事ですよ、お父様。むしろ向こうの世界を見て驚いていましたから」
「そうかぁ。やはり向こうの世界に行くと、驚くことばかりだろうな」
そう言えばオルコシスさんやマーガレットさんが、向こうの世界に行ってみたいと言ったから、連れて行って近所を散歩させたんだっけ。
イレイラ王女様と同様に、車の存在に驚いていたな。後は自転車が欲しいとも言ってた。
「お風呂も気に入っていたよね?」
「う、うん・・・・・・そうだね」
頬を赤くして言うセリア対して、マーガレットさんはサムズアップをした。何故?
「とりあえず、向こうに戻って現状をイレイラ王女様に報告しようか」
「そうだね。イレイラ王女様も気にしていたからね」
余り長居すると心配するかもしれないしな。
「それじゃあお二人共、俺達は戻ります」
「ええ、イレイラ王女様によろしく言っておいて下さい」
「私からもお願いする」
マーガレットさん達はそう言うと、俺に向かって頭を下げた。
「わかりました。それでは」
「それじゃあ行って来ます。お父様、お母様」
「また明日ねぇ~!」
セリアの部屋に行き、転移の魔法を使ってリビングへと戻って来た。
「お帰り! 向こうの世界はどうなってたの?」
「ああ、それがさ・・・・・・」
オルコシスさん達と話したことを母さん達に話すと、みんな神妙な面持ちになった。
『なるほど、よくわかったよ』
父さんはそう言うと、真剣な面持ちでイレイラ王女様を見つめた。
『悪いことは言わない。我が家にいた方がいいと僕は思うよ』
「はい。そうさせて頂きます」
イレイラ王女様はそう言うと、ソファーから立ち上がった。
「何処に行くんですか?」
「今日はもう何もやることがないから、寝ようと思っているんだ」
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