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第19話 食堂で食事を楽しめない洸夜くん
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生徒会長でこの国の第3王女である彼女が俺に話掛けて来たのだ。
「あ、今朝はありがとうございました。お陰で教室の場所を知ることが出来ました!」
「そう、それはよかった。しかしキミはお弁当持参なのに、ここを利用するのかい?」
「ええ、友人達が学食を利用するので、場所を取っているんですよ。って、おいリタ!」
お弁当を見つめるとリタが包んでいる布を取ろうとしていた。
「布だけならいいでしょ?」
「いやいや、お前食べるつもりだろ?」
「そんなことないもぉ~ん! 中身を確認するだけ!」
そう言いながら結目を解くと、覆っている布を取り外した後に蓋を開けた。
「おお~! 色とりどりですねぇ~!」
「そりゃお前がオカズが少ないって言うから、増やしたんじゃないか」
「だって食材が3種類しか入ってなくて、健康に悪そうだったんだもん」
そう、白飯にレタスにハンバーグだけだったが、リタが文句を言うのでスパゲティとミニトマトを加えたのだ。
「それは確かに言えるな」
「でしょ!」
「いや、ドヤ顔するなよ」
そんなやり取りをしていたらセリアとルノアが料理の乗ったお盆を持って戻って来たが、2人の顔が引きつっていた。
「2人共、早くこっちに来て食べようよ!」
「あ、うん」
「そ、そお・・・・・・ね」
彼女達はそう言うが一歩も歩こうとしない。その姿はそう、蛇に睨まれたカエルのような姿とも言っていい。
「私の用も済んだことだから、お暇させて貰うよ。それじゃあ」
イレイラ王女はそう言うと、何処かへと行ってしまう。そして俺達の視界から消えたところで入れ替わりにセリア達が俺の元へとやって来た。
「コウヤくん、イレイラ様と知り合いだったの?」
「いや、知り合いじゃない」
「なら何であんなに親しく話していたのよ!」
ルコアと共にセリアが俺に詰め寄って来るが、何故かセリアの方が顔が恐い気がする。
「ああ~、今朝あの人に助けて貰ったんだよ」
「「助けて貰ったぁ?」」
「そうそう、私達はね。1年生のクラス表が何処にあるのかわからなくて迷っていたの。そこで話掛けて場所を教えてくれたのがあの人なんだよ」
「そ、そうなんだぁ~。なら安心してよさそう」
後の部分が聞き取れなかったが、何故かセリアがホッとした顔をさせていた。
「へぇ~、そんなことがあったの。でも気を付けた方がいいわよ」
「どうして?」
「イレイラ様のファンが学園にたくさんいるから、その人達にちょっかいを出されるかも知れないわよ」
「そこまで心配しなくてもいいんじゃないか?」
ファンだって、ちょっとやそっとのことで俺に突っ掛かって来ることはないだろう。
「見つけた」
「やはりここに居ましたね」
「ん?」
食堂の出入口からアンリネットさんとカーシャさんが、こっちに向かって歩いて来ているのだ。
「なっ、アンリネット様!?」
ルノアが驚いている中セリアが密かに チッ!? と言って舌打ちしたが、周囲がざわめきのせいで誰にも聞こえなかった。
「コウヤ、酷い」
「何が酷いんだ?」
「クラス一緒じゃない」
「それは学園のせいであって俺のせいじゃないぞ」
そう言ったら、カーシャさんが俺の前に出て来た。
「ミヤマさん、お嬢様の仰ることをどうか気にせずにいて下さい」
「わかってますよカーシャさん」
「ねぇ、それよりも早くご飯を食べようよ!」
リタが待ち切れないのか、お弁当から自分の食べたい物だけを取り出していた。
「それもそうだな。カーシャさん達は昼食を済ませたのですか?」
「私はもう済ませたのですが、お嬢様はまだ食事を済まされてません」
「ん、お腹減った。コウヤ、料理」
「ないよ。頼まれていないのだから、作る訳がない」
俺がそう言うと、頬を膨らませて自分は怒っていますよアピールをする。
「ミヤマ様の仰る通りですよ。私の方で用意した食事を食べて下さい」
「コウヤの食べたい」
アンリネットはそう言いながら、ニッコリと微笑んでいるセリアを見つめる。火花が散っているのは気のせいだろうか?
「ま、まぁとにかく時間も勿体ないから食事しますよ」
「では、お嬢様も同席させてもよろしいでしょうか?」
「ええ、俺は構いませんよ」
そう言ってからルノアとセリアを2人を見つめると、ルノアの方はコクコクと頭を振ってセリアに関しては黙ったまま俺を見つめて来る。正直言って恐い。
それとリタの方はと言うと、待ち切れなかったのか先に食べてしまっている。
「だ、大丈夫・・・・・・アタシは大丈夫だから。平気だからぁ・・・・・・」
俺に答えると言うよりも、自分に言い聞かせるように言ってる気がするのは俺の気のせいだろうか?
「ええ、どうぞ。た・だ・し! コウヤくんの隣じゃないですけど!」
そう言って寄り添うように身体をピッタリとくっ付けるセリアに対して、アンリネットは更に不機嫌になる。
「わかった」
アンリネットはそう言うと、何と俺の膝の上に乗って来たのだ。しかもセリアの方を向いて、 フッ とドヤ顔をかました。
「なぁっ!?」
「カーシャ、ご飯」
「お嬢様、はしたないのでこちらの席に座って下さい」
「ここがいい」
そう言った後に俺のお弁当の中身を覗く。
「コウヤのご飯、美味しそう」
「実際に美味しいよ」
「欲しい」
「私の分はあげないよ」
リタはそう言って自分の食べ物を取られないように背を向けて隠した。
「お嬢様」
カーシャさんはそう言うと、アンリネットさんの両脇を掴み持ち上げて空いている席に座らせた。
「行儀よく食べて下さいね」
カーシャさんは怒り気味にそう言うと、俺と同じように料理を取り出して机の上に置いて広げていく。
「ムゥ~・・・・・・」
「行儀よく食べないのでしたら、夕ご飯は抜きにしますよ」
「それは困る」
アンリネットはそう言うと、カーシャさんに出されたお弁当を食べ始めるので俺も自分のお弁当を食べ始める。
「そう言えばオルコス様」
「は、はい! 何でしょうか?」
「ミヤマ様とのデートはどうでしたか?」
「デートォッ!?」
ルノアは鋭い眼差しでセリアを見つめるが、アンリネットさんの方はセリアを睨む。
「アタシの知らない間に、コウヤとそこまでの関係を築いていたの?」
「ちょっ、ちょちょ! 落ち着けルノア。セリアにお礼を兼ねて出掛けたんだ」
「そうだよ! とぉおおおおおおおおおおおおっっっても。楽しかった!」
何だろう、セリアらしくない発言をしたような気がする。
「ホント、そのお陰で2人の仲は接近出来たからねぇ~。こう、セリアがコウヤの身体を抱き締めて 私のことを呼び捨てで呼んで下さい。 って言ったところとか胸キュンだったよぉ!!」
リタがそう言った瞬間、ルノアは キャァ~~~ッ!? と言って興奮するがアンリネットさんが俺を睨んで来る。何故?
「そうですかぁ~・・・・・・」
「しかも、コウヤくんからプレゼントを貰ったの」
「えっ!? マジ?」
「ムゥ~~~~~~!?」
アンリネットさんの不機嫌度が何故か上昇した。
「・・・・・・コウヤ」
「ん、何?」
「プレゼント、ちょうだい」
アンリネットさんはそう言いながら手を差し伸ばして来たが、俺は首を横に振った。
「アンリネットさん、すまないけど用意出来る物がないんだ」
「コウヤのプレゼント、欲しい」
上目遣いでそう言って来るが、出せない物は出せない。
「ミヤマ様の仰る通りですよお嬢様。お誕生日でもないのにプレゼントが欲しいとねだるのは、図々しいだけですよ」
「ムゥ~・・・・・・でもぉ」
「まだまだ貰えるチャンスはあるので、焦らずにいましょう」
「わかった。カーシャの言う通りにする」
アンリネットさんはそう言うと、黙々と食べ続ける。
「しかし、このままではマズイですね。完全に出し抜かれている状態だから、これは早急に手を打たねばなりませんね。多少リスクはありますが・・・・・・」
カーシャさんが親指の爪を噛みながらブツブツと何かを言っている。
「カーシャさん、どうしたのですか?」
「ハッ!? 何でもありませんよミヤマ様! 私のことは気にせずに食事を続けて下さい」
「あ、はい」
ちょっと挙動不審な動きをしているカーシャさんを気にしながら、俺はお弁当の中身を食べるのであった。
「あ、今朝はありがとうございました。お陰で教室の場所を知ることが出来ました!」
「そう、それはよかった。しかしキミはお弁当持参なのに、ここを利用するのかい?」
「ええ、友人達が学食を利用するので、場所を取っているんですよ。って、おいリタ!」
お弁当を見つめるとリタが包んでいる布を取ろうとしていた。
「布だけならいいでしょ?」
「いやいや、お前食べるつもりだろ?」
「そんなことないもぉ~ん! 中身を確認するだけ!」
そう言いながら結目を解くと、覆っている布を取り外した後に蓋を開けた。
「おお~! 色とりどりですねぇ~!」
「そりゃお前がオカズが少ないって言うから、増やしたんじゃないか」
「だって食材が3種類しか入ってなくて、健康に悪そうだったんだもん」
そう、白飯にレタスにハンバーグだけだったが、リタが文句を言うのでスパゲティとミニトマトを加えたのだ。
「それは確かに言えるな」
「でしょ!」
「いや、ドヤ顔するなよ」
そんなやり取りをしていたらセリアとルノアが料理の乗ったお盆を持って戻って来たが、2人の顔が引きつっていた。
「2人共、早くこっちに来て食べようよ!」
「あ、うん」
「そ、そお・・・・・・ね」
彼女達はそう言うが一歩も歩こうとしない。その姿はそう、蛇に睨まれたカエルのような姿とも言っていい。
「私の用も済んだことだから、お暇させて貰うよ。それじゃあ」
イレイラ王女はそう言うと、何処かへと行ってしまう。そして俺達の視界から消えたところで入れ替わりにセリア達が俺の元へとやって来た。
「コウヤくん、イレイラ様と知り合いだったの?」
「いや、知り合いじゃない」
「なら何であんなに親しく話していたのよ!」
ルコアと共にセリアが俺に詰め寄って来るが、何故かセリアの方が顔が恐い気がする。
「ああ~、今朝あの人に助けて貰ったんだよ」
「「助けて貰ったぁ?」」
「そうそう、私達はね。1年生のクラス表が何処にあるのかわからなくて迷っていたの。そこで話掛けて場所を教えてくれたのがあの人なんだよ」
「そ、そうなんだぁ~。なら安心してよさそう」
後の部分が聞き取れなかったが、何故かセリアがホッとした顔をさせていた。
「へぇ~、そんなことがあったの。でも気を付けた方がいいわよ」
「どうして?」
「イレイラ様のファンが学園にたくさんいるから、その人達にちょっかいを出されるかも知れないわよ」
「そこまで心配しなくてもいいんじゃないか?」
ファンだって、ちょっとやそっとのことで俺に突っ掛かって来ることはないだろう。
「見つけた」
「やはりここに居ましたね」
「ん?」
食堂の出入口からアンリネットさんとカーシャさんが、こっちに向かって歩いて来ているのだ。
「なっ、アンリネット様!?」
ルノアが驚いている中セリアが密かに チッ!? と言って舌打ちしたが、周囲がざわめきのせいで誰にも聞こえなかった。
「コウヤ、酷い」
「何が酷いんだ?」
「クラス一緒じゃない」
「それは学園のせいであって俺のせいじゃないぞ」
そう言ったら、カーシャさんが俺の前に出て来た。
「ミヤマさん、お嬢様の仰ることをどうか気にせずにいて下さい」
「わかってますよカーシャさん」
「ねぇ、それよりも早くご飯を食べようよ!」
リタが待ち切れないのか、お弁当から自分の食べたい物だけを取り出していた。
「それもそうだな。カーシャさん達は昼食を済ませたのですか?」
「私はもう済ませたのですが、お嬢様はまだ食事を済まされてません」
「ん、お腹減った。コウヤ、料理」
「ないよ。頼まれていないのだから、作る訳がない」
俺がそう言うと、頬を膨らませて自分は怒っていますよアピールをする。
「ミヤマ様の仰る通りですよ。私の方で用意した食事を食べて下さい」
「コウヤの食べたい」
アンリネットはそう言いながら、ニッコリと微笑んでいるセリアを見つめる。火花が散っているのは気のせいだろうか?
「ま、まぁとにかく時間も勿体ないから食事しますよ」
「では、お嬢様も同席させてもよろしいでしょうか?」
「ええ、俺は構いませんよ」
そう言ってからルノアとセリアを2人を見つめると、ルノアの方はコクコクと頭を振ってセリアに関しては黙ったまま俺を見つめて来る。正直言って恐い。
それとリタの方はと言うと、待ち切れなかったのか先に食べてしまっている。
「だ、大丈夫・・・・・・アタシは大丈夫だから。平気だからぁ・・・・・・」
俺に答えると言うよりも、自分に言い聞かせるように言ってる気がするのは俺の気のせいだろうか?
「ええ、どうぞ。た・だ・し! コウヤくんの隣じゃないですけど!」
そう言って寄り添うように身体をピッタリとくっ付けるセリアに対して、アンリネットは更に不機嫌になる。
「わかった」
アンリネットはそう言うと、何と俺の膝の上に乗って来たのだ。しかもセリアの方を向いて、 フッ とドヤ顔をかました。
「なぁっ!?」
「カーシャ、ご飯」
「お嬢様、はしたないのでこちらの席に座って下さい」
「ここがいい」
そう言った後に俺のお弁当の中身を覗く。
「コウヤのご飯、美味しそう」
「実際に美味しいよ」
「欲しい」
「私の分はあげないよ」
リタはそう言って自分の食べ物を取られないように背を向けて隠した。
「お嬢様」
カーシャさんはそう言うと、アンリネットさんの両脇を掴み持ち上げて空いている席に座らせた。
「行儀よく食べて下さいね」
カーシャさんは怒り気味にそう言うと、俺と同じように料理を取り出して机の上に置いて広げていく。
「ムゥ~・・・・・・」
「行儀よく食べないのでしたら、夕ご飯は抜きにしますよ」
「それは困る」
アンリネットはそう言うと、カーシャさんに出されたお弁当を食べ始めるので俺も自分のお弁当を食べ始める。
「そう言えばオルコス様」
「は、はい! 何でしょうか?」
「ミヤマ様とのデートはどうでしたか?」
「デートォッ!?」
ルノアは鋭い眼差しでセリアを見つめるが、アンリネットさんの方はセリアを睨む。
「アタシの知らない間に、コウヤとそこまでの関係を築いていたの?」
「ちょっ、ちょちょ! 落ち着けルノア。セリアにお礼を兼ねて出掛けたんだ」
「そうだよ! とぉおおおおおおおおおおおおっっっても。楽しかった!」
何だろう、セリアらしくない発言をしたような気がする。
「ホント、そのお陰で2人の仲は接近出来たからねぇ~。こう、セリアがコウヤの身体を抱き締めて 私のことを呼び捨てで呼んで下さい。 って言ったところとか胸キュンだったよぉ!!」
リタがそう言った瞬間、ルノアは キャァ~~~ッ!? と言って興奮するがアンリネットさんが俺を睨んで来る。何故?
「そうですかぁ~・・・・・・」
「しかも、コウヤくんからプレゼントを貰ったの」
「えっ!? マジ?」
「ムゥ~~~~~~!?」
アンリネットさんの不機嫌度が何故か上昇した。
「・・・・・・コウヤ」
「ん、何?」
「プレゼント、ちょうだい」
アンリネットさんはそう言いながら手を差し伸ばして来たが、俺は首を横に振った。
「アンリネットさん、すまないけど用意出来る物がないんだ」
「コウヤのプレゼント、欲しい」
上目遣いでそう言って来るが、出せない物は出せない。
「ミヤマ様の仰る通りですよお嬢様。お誕生日でもないのにプレゼントが欲しいとねだるのは、図々しいだけですよ」
「ムゥ~・・・・・・でもぉ」
「まだまだ貰えるチャンスはあるので、焦らずにいましょう」
「わかった。カーシャの言う通りにする」
アンリネットさんはそう言うと、黙々と食べ続ける。
「しかし、このままではマズイですね。完全に出し抜かれている状態だから、これは早急に手を打たねばなりませんね。多少リスクはありますが・・・・・・」
カーシャさんが親指の爪を噛みながらブツブツと何かを言っている。
「カーシャさん、どうしたのですか?」
「ハッ!? 何でもありませんよミヤマ様! 私のことは気にせずに食事を続けて下さい」
「あ、はい」
ちょっと挙動不審な動きをしているカーシャさんを気にしながら、俺はお弁当の中身を食べるのであった。
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