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第8話 豪華な回転寿司(?)
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「今日は豪華に行くわよ! ジャンジャン食べなさい!」
豪華といえば豪華だけどぉ・・・・・・。
「回転寿司で豪華かぁ」
レーンに乗ったお寿司が次々に周ってくるのを、ため息は吐きながら呟いやいた。しかも近所でやっている安い回転寿司だから、豪華とは言えないと思っている。
「何よ、文句があるの?」
「ないです。姉さん」
そう言ってヤリイカを取ろうとしたら、横から手が伸びて来てヒョイと取ってしまったのだ。
「洸夜さん水くさいじゃないですかぁ~、お寿司屋さんに行くのでしたら、私も呼んで下さいよぉ~」
「あれ、ティアラ様!? 何でここにいるのですか?」
しかも俺のヤリイカを横取りしてるし。
「ワシもおるぞ」
「ゼウス様まで!?」
いつの間にいたんだ?
「一緒に入店したんじゃが、気がつかなかったかのぉ?」
全く気が付きませんでしたが。
「何を仰ってるんですかぁ~、私達がこっそり後ろから付いて行ったんじゃないんですかぁ~」
だったら気付く訳がないだろ!
「こちらのイカは美味しいですねぇ~」
「こっちのイクラの軍艦巻きも美味しいのう」
この神様達が普通に寿司を堪能しているよ。
「あ、いいことを思い付きましたぁ~」
「何かのう?」
「学園長先生も、こちらにお呼びいたしましょうかぁ~」
「いいかものぉ。早速呼ぶのじゃ」
待て待て待て! 勝手に決めちゃダメだろう!
「それは本人に確認してから呼ぶのが筋じゃないんですか?」
「アニス先生ぇ~、こっちに来て下さぁ~い」
この人俺の意見無視したよ! と思っていたら、魔法陣の中からアニス学園長が出て来た。
「ハッ!? ここは何処だ? 一体何が起きたんだ!?」
アポ取ってなかったら、そういう反応になるわな。
「あれ、コウヤじゃないか? どうしてここにいるんだ?」
「あ、そのぉ~・・・・・・理由を簡単に説明しますと、学園長はティアラ様に呼ばれたんです」
「え、この私がティアラ様に?」
「はい、後ろにいらっしゃいますよ」
「後ろ?」
アニス学園長は後ろを振り返ると、ちょっとビックリしたのか身体をビクッとさせる。
「私めに何か御用でしたか、ティアラ様」
「はい~、コウヤさんのご家族と親睦を深めて貰おうと思いましてぇ~、アニスさんをここへ呼びましたぁ~」
「コウヤのご家族? もしかして洸夜の後ろにいる方が?」
「コウヤさんのお姉さんですよぉ~」
「そうですか」
学園長はそう言うと、姉さんの前まで行ってから軽く会釈する。
「初めまして、私はディスペル魔法学園の学園長をしている。 アニス・キオナ・リベルト です。以後お見知り置きを」
「ご丁寧にありがとうございます。私は洸夜の姉の、 海山 千春 と申します。弟のことを気に掛けて頂きまして、本当にありがとうございます」
「いえ、私は何もしていないので」
「ご謙遜を、そちらの学園に入学させて頂いて貰い、感謝してます」
「そうですか、ところでここは何処なのですか?」
ああ、そうだよ。今更だけど、こんな公衆の面前で魔法を使っても大丈夫なのか? いや、大丈夫じゃないだろう!
「ここはコウヤくんの世界で、魚介系の飲食店じゃ。すまぬ、アツカンを一本持って来ておくれ!」
ゼウス様が説明しながら、ちゃっかり熱燗を頼んでるよ!
「先程も少しお話した通り、親睦も兼ねて食事会をしようと思って呼んだんですよぉ~」
「そうなのですか。その料理は何処に?」
「ここに乗って回っておるじゃろう」
ゼウス様が指をさす方向に目を向けて、アニス学園長は顔を青くさせる。
「これ、生の魚の切り身ですよね?」
「そうじゃ、この世界ではこれのことをスシと言うんじゃ」
「生の魚なんて食べたら、食中毒になりませんか?」
ひと昔前の外国人みたいな反応をしている。
「食中毒を起こすぐらいだったら、スシどころか刺身すら存在せぬ」
「ですねぇ~。ところで、ここで別世界のことを話していて大丈夫なんですか?」
サッカーで言うところのイエローカードどころか、レッドカードで即時退場ぐらいの問題状況だ。
「大丈夫ですよぉ~。私の力で何とかしているので、安心して下さいねぇ~」
そうなのかなぁ? と思いながら店内を見回してみると、店員を含めた全員の目が虚ろな感じになっている。
「さぁ、食事を楽しみましょうかぁ~。因みに、都合の悪い言葉は、他の方に聞こえないようになっているので、安心して下さぁ~い」
「テレビで言うところの“ピーッ”って音ですか?」
「それに近い感じですねぇ~。都合が悪いところだけズバッと切って、映像を流している感じですからねぇ~」
「全然違いますねっ!!」
姉さんはツッコミつつもマグロの乗った皿を取り、ティアラ様はサーモンを取り食べる。
「ま、まぁとにかく生で食べても大丈夫なので、どうぞ遠慮なく食べて下さい。無理でしたら、こちらのメニューから選んで食べて下さい」
そう言いながら、アニスさんにメニュー表を手渡す。
「そ、そうか。じゃっ、じゃあチハルさんと同じものを貰おうか」
「マグロですね。ちょうど回って来たので、レーンから取ります」
そう言ってからレーンに乗っかっているマグロの乗った皿を取って、アニス学園長に渡して小皿に醤油を垂らす。
「この小皿に入っている醤油に、寿司を少し漬けてから食べるんですよ」
「そ、そうか。わかった」
恐る恐ると言った感じで醤油に少し漬けた寿司を口の中へ運ぶが、やっぱり恐いと感じているのか手が震えていた。
「アム・・・・・・んっ!?」
咀嚼してから飲み込むと、俺の方に顔を向けた。
「う、美味い! 生のの魚がこんなにも美味しいとは!」
「気に入って頂けて何よりです。お酒の方はどうしますか?」
「うぅ~む、飲みたいのは山々だが、明日も仕事があるから遠慮しておく」
「そうですか。すみません、コーラをお願いします! 後唐揚げ2人前も!」
はいよ! と言う言葉を聞いた後に、レーンに乗っているタコの皿を取る。
「そう言えばアニス理事長、明日勉強させるって言ってましたけど、具体的にどんなことを勉強するんですか?」
「ああ、魔法が主体で数学と歴史、それと武術だ」
武術もあるのか。もしかして、こっちの世界でいうところの体育って考えればいいのか?
「まぁもっとも攻撃魔法専門で学んでいる学生が多いが、魔法に武術を交えて戦っている者もいる。キミの場合は恐らく後者の戦い方になると私は考えている」
まぁそっか。俺自身魔法を結晶化させるだけの能力だけだしな。RPGゲームに出てくるような魔法使いみたいな戦い方は無理だよな。っていうよりも。
「学校で戦闘を教えてるんですか?」
「ああ、自分の身を守る為に戦闘は教えている。それなりに実力を付けているから、中には卒業してすぐに冒険者や兵士、場合によっては騎士になる者もいる」
「そうなんですかぁ」
「それとは関係ない話になるが、もう既に私の方でスケジュール自体は組んでいるから、その通りにこなしてくれ」
そう言ってから皿をレーンに戻そうとしたので、手を掴んで止める。
「お皿の数で会計をするので、戻してはいけませんよ」
「あ、そうなのか。すまない」
「今度から気を付けて下さいね」
そんなやり取りをしていると、俺が頼んだコーラとから揚げが来た。
「何だその揚げ物は?」
「から揚げと言った鶏肉を小麦粉と混ぜてから油で揚げた食べ物ですよ。外はカリッとしていて、中はジューシーなお肉の味がします。一つ食べてみます?」
「ああ、お言葉に甘えて」
そう言ってから一つ摘み上げ、口へと運ぶ。
「アッツゥ!? でも美味い!」
「こっちもお気に召しましたか?」
「ああ、私が普段食べている物よりも格段に美味しいな」
え、普段食べている物よりも美味しい?
「先生って、普段どんな物を食べているんですか?」
「ブレッドと肉が中心で、たまに魚が出るが癖が強くてな。だからムニエルにするのが主流だ」
癖が強いって、どんな状態で魚を運んで来ているんだ?
「恐らく内蔵だけ取って、血抜きをせずに冷凍しているせいじゃないかしら? 血抜きを忘れると臭みが出るらしいわよ」
「それに、冷凍保存技術もこっちの比べると劣っておるからのぉ。どうしても臭みが出てしまうらしいんじゃ」
そうなんだ。ってあ、そう言えば。
「ここの会計って全部姉さん持ち?」
「ワシとティアラとキミのお姉さんで割り勘するから安心せい」
ゼウス様のその一言を聞いた姉さんは、ホッとした表情をしていたのであった。
豪華といえば豪華だけどぉ・・・・・・。
「回転寿司で豪華かぁ」
レーンに乗ったお寿司が次々に周ってくるのを、ため息は吐きながら呟いやいた。しかも近所でやっている安い回転寿司だから、豪華とは言えないと思っている。
「何よ、文句があるの?」
「ないです。姉さん」
そう言ってヤリイカを取ろうとしたら、横から手が伸びて来てヒョイと取ってしまったのだ。
「洸夜さん水くさいじゃないですかぁ~、お寿司屋さんに行くのでしたら、私も呼んで下さいよぉ~」
「あれ、ティアラ様!? 何でここにいるのですか?」
しかも俺のヤリイカを横取りしてるし。
「ワシもおるぞ」
「ゼウス様まで!?」
いつの間にいたんだ?
「一緒に入店したんじゃが、気がつかなかったかのぉ?」
全く気が付きませんでしたが。
「何を仰ってるんですかぁ~、私達がこっそり後ろから付いて行ったんじゃないんですかぁ~」
だったら気付く訳がないだろ!
「こちらのイカは美味しいですねぇ~」
「こっちのイクラの軍艦巻きも美味しいのう」
この神様達が普通に寿司を堪能しているよ。
「あ、いいことを思い付きましたぁ~」
「何かのう?」
「学園長先生も、こちらにお呼びいたしましょうかぁ~」
「いいかものぉ。早速呼ぶのじゃ」
待て待て待て! 勝手に決めちゃダメだろう!
「それは本人に確認してから呼ぶのが筋じゃないんですか?」
「アニス先生ぇ~、こっちに来て下さぁ~い」
この人俺の意見無視したよ! と思っていたら、魔法陣の中からアニス学園長が出て来た。
「ハッ!? ここは何処だ? 一体何が起きたんだ!?」
アポ取ってなかったら、そういう反応になるわな。
「あれ、コウヤじゃないか? どうしてここにいるんだ?」
「あ、そのぉ~・・・・・・理由を簡単に説明しますと、学園長はティアラ様に呼ばれたんです」
「え、この私がティアラ様に?」
「はい、後ろにいらっしゃいますよ」
「後ろ?」
アニス学園長は後ろを振り返ると、ちょっとビックリしたのか身体をビクッとさせる。
「私めに何か御用でしたか、ティアラ様」
「はい~、コウヤさんのご家族と親睦を深めて貰おうと思いましてぇ~、アニスさんをここへ呼びましたぁ~」
「コウヤのご家族? もしかして洸夜の後ろにいる方が?」
「コウヤさんのお姉さんですよぉ~」
「そうですか」
学園長はそう言うと、姉さんの前まで行ってから軽く会釈する。
「初めまして、私はディスペル魔法学園の学園長をしている。 アニス・キオナ・リベルト です。以後お見知り置きを」
「ご丁寧にありがとうございます。私は洸夜の姉の、 海山 千春 と申します。弟のことを気に掛けて頂きまして、本当にありがとうございます」
「いえ、私は何もしていないので」
「ご謙遜を、そちらの学園に入学させて頂いて貰い、感謝してます」
「そうですか、ところでここは何処なのですか?」
ああ、そうだよ。今更だけど、こんな公衆の面前で魔法を使っても大丈夫なのか? いや、大丈夫じゃないだろう!
「ここはコウヤくんの世界で、魚介系の飲食店じゃ。すまぬ、アツカンを一本持って来ておくれ!」
ゼウス様が説明しながら、ちゃっかり熱燗を頼んでるよ!
「先程も少しお話した通り、親睦も兼ねて食事会をしようと思って呼んだんですよぉ~」
「そうなのですか。その料理は何処に?」
「ここに乗って回っておるじゃろう」
ゼウス様が指をさす方向に目を向けて、アニス学園長は顔を青くさせる。
「これ、生の魚の切り身ですよね?」
「そうじゃ、この世界ではこれのことをスシと言うんじゃ」
「生の魚なんて食べたら、食中毒になりませんか?」
ひと昔前の外国人みたいな反応をしている。
「食中毒を起こすぐらいだったら、スシどころか刺身すら存在せぬ」
「ですねぇ~。ところで、ここで別世界のことを話していて大丈夫なんですか?」
サッカーで言うところのイエローカードどころか、レッドカードで即時退場ぐらいの問題状況だ。
「大丈夫ですよぉ~。私の力で何とかしているので、安心して下さいねぇ~」
そうなのかなぁ? と思いながら店内を見回してみると、店員を含めた全員の目が虚ろな感じになっている。
「さぁ、食事を楽しみましょうかぁ~。因みに、都合の悪い言葉は、他の方に聞こえないようになっているので、安心して下さぁ~い」
「テレビで言うところの“ピーッ”って音ですか?」
「それに近い感じですねぇ~。都合が悪いところだけズバッと切って、映像を流している感じですからねぇ~」
「全然違いますねっ!!」
姉さんはツッコミつつもマグロの乗った皿を取り、ティアラ様はサーモンを取り食べる。
「ま、まぁとにかく生で食べても大丈夫なので、どうぞ遠慮なく食べて下さい。無理でしたら、こちらのメニューから選んで食べて下さい」
そう言いながら、アニスさんにメニュー表を手渡す。
「そ、そうか。じゃっ、じゃあチハルさんと同じものを貰おうか」
「マグロですね。ちょうど回って来たので、レーンから取ります」
そう言ってからレーンに乗っかっているマグロの乗った皿を取って、アニス学園長に渡して小皿に醤油を垂らす。
「この小皿に入っている醤油に、寿司を少し漬けてから食べるんですよ」
「そ、そうか。わかった」
恐る恐ると言った感じで醤油に少し漬けた寿司を口の中へ運ぶが、やっぱり恐いと感じているのか手が震えていた。
「アム・・・・・・んっ!?」
咀嚼してから飲み込むと、俺の方に顔を向けた。
「う、美味い! 生のの魚がこんなにも美味しいとは!」
「気に入って頂けて何よりです。お酒の方はどうしますか?」
「うぅ~む、飲みたいのは山々だが、明日も仕事があるから遠慮しておく」
「そうですか。すみません、コーラをお願いします! 後唐揚げ2人前も!」
はいよ! と言う言葉を聞いた後に、レーンに乗っているタコの皿を取る。
「そう言えばアニス理事長、明日勉強させるって言ってましたけど、具体的にどんなことを勉強するんですか?」
「ああ、魔法が主体で数学と歴史、それと武術だ」
武術もあるのか。もしかして、こっちの世界でいうところの体育って考えればいいのか?
「まぁもっとも攻撃魔法専門で学んでいる学生が多いが、魔法に武術を交えて戦っている者もいる。キミの場合は恐らく後者の戦い方になると私は考えている」
まぁそっか。俺自身魔法を結晶化させるだけの能力だけだしな。RPGゲームに出てくるような魔法使いみたいな戦い方は無理だよな。っていうよりも。
「学校で戦闘を教えてるんですか?」
「ああ、自分の身を守る為に戦闘は教えている。それなりに実力を付けているから、中には卒業してすぐに冒険者や兵士、場合によっては騎士になる者もいる」
「そうなんですかぁ」
「それとは関係ない話になるが、もう既に私の方でスケジュール自体は組んでいるから、その通りにこなしてくれ」
そう言ってから皿をレーンに戻そうとしたので、手を掴んで止める。
「お皿の数で会計をするので、戻してはいけませんよ」
「あ、そうなのか。すまない」
「今度から気を付けて下さいね」
そんなやり取りをしていると、俺が頼んだコーラとから揚げが来た。
「何だその揚げ物は?」
「から揚げと言った鶏肉を小麦粉と混ぜてから油で揚げた食べ物ですよ。外はカリッとしていて、中はジューシーなお肉の味がします。一つ食べてみます?」
「ああ、お言葉に甘えて」
そう言ってから一つ摘み上げ、口へと運ぶ。
「アッツゥ!? でも美味い!」
「こっちもお気に召しましたか?」
「ああ、私が普段食べている物よりも格段に美味しいな」
え、普段食べている物よりも美味しい?
「先生って、普段どんな物を食べているんですか?」
「ブレッドと肉が中心で、たまに魚が出るが癖が強くてな。だからムニエルにするのが主流だ」
癖が強いって、どんな状態で魚を運んで来ているんだ?
「恐らく内蔵だけ取って、血抜きをせずに冷凍しているせいじゃないかしら? 血抜きを忘れると臭みが出るらしいわよ」
「それに、冷凍保存技術もこっちの比べると劣っておるからのぉ。どうしても臭みが出てしまうらしいんじゃ」
そうなんだ。ってあ、そう言えば。
「ここの会計って全部姉さん持ち?」
「ワシとティアラとキミのお姉さんで割り勘するから安心せい」
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