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紫音と阿佐間理事長の会見
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GT-Rとの追い掛けっこをした翌日。入浜警察予備高校の体育館らしき場所で、阿佐間理事長が壇上にいて、神妙な面持ちをこちらに向けていた。
「今回の事については、誠に申し訳ありませんでした!」
阿佐間理事長が深々と頭を下げるのと同時に、カメラのフラッシュが降り注いだ。そう現在阿佐間理事長は謝罪会見をしているのだ。
「生徒達の中には精神的な面で病んでいる人もいますが、それをどう思っているんですかぁ?」
「それに付いては、学校側でメンタルケアをしていくつもりです」
「任務で怪我をして子もいたみたいですね? 日も浅い子に任務へ行かせた経緯に付いて話して頂けませんかぁ?」
「それに付いては、実習と言う形でPMCの仕事を見るだけでしたがぁ・・・・・・状況変化した為に、あんな事になってしまいました」
阿佐間理事長がそう言った瞬間、1人の記者が立ち上がった。
「私がPMC本部への取材をした時に、アナタの指示で生徒達が勝手に追ったと答えましたよ! それに映像も観せられたので嘘を吐かないで下さい!
むしろPMCは彼らを止めようとしていましたよ!」
その記者の発言により、会場は騒ぎ始めた。
「私から質問があります!」
「申し訳ないのですが・・・・・・」
「密輸業者と共にしていた少年が、どうして学校指定の銃を持っていたのですか? 彼は入院していた筈なのに、持ち出せた訳を教えて下さい!」
「その事に付いてはぁ~・・・・・・我々の警備体制が甘かったので、今後ないように見直しをしている最中です」
「それもわかりますが、何で彼が銃を持ち出せたのかをご説明して頂けますかぁ?!」
「それに付いてはぁ・・・・・・現在調査中なので、ハッキリとお答え出来ません」
阿佐間理事長がそう言い切った瞬間、マスコミから野次が飛んだ!
「ふざけるなぁっ! お前のせいでこうなってんのは、わかってんだぞ!」
「犠牲者が出ているのに、その言い方はないだろぉ!」
「被害者達に謝れ!」
「えっとぉ・・・・・・皆さま、落ち着いて下さい!」
阿佐間理事長がそう言うが、尚も野次が飛び交い落ち着かない状況が続いた。
そして3日後には正式に阿佐間理事長は、辞任と言った形で入浜警察予備高校から去り、最終的には世間から姿を眩ませた。
「結局、真理亜さん達の言う通りでしたね」
「何が?」
「いや、トカゲの尻尾切り」
責任を全部擦り付けて、上の人達は自分達は知らん顔をしていた。
「そうでしょぉ~。まぁ自業自得とはいえ、せっかく上の立場になれた彼女が可哀想に思えるわねぇ」
ホント、そうかもしれない。
「入浜警察予備高校は、これからどうなっていくんですかね?」
「これからも訓練は続けていくみたいっスよ」
「へぇ~」
「ただ、実弾や実銃を使った訓練はしばらくの間お休みになるみたいっス」
まぁあんな事があったら、そうなるだろうね。
そんな事を思っていたら、出入口のベルが鳴ったのでそちらに顔を向ける。
「よぉ、邪魔するぜ」
「188さん」
そう彼はお店に入ると、僕の隣に腰掛けた。
「いらっしゃぁ~い。何にするのかしらぁ?」
「いつものやつで」
「はぁ~い。ちょっとだけ待っててねぇ~」
真理亜さんはそう言うと、ウォッカのボトルを開けた。
「紫音くん。キミが頼んでいた例の物を調べて終わったよ」
「本当ですか?」
「ああ。あの M4A1 ですね」
そう。実野妓くんが持っていた M4A1 が、どうして故障を起こしたのか気になったのでP320と共に、回収して188さんのところへ持って行って調べて貰う事にしたのだ。
「原因はこれだった」
そう言って懐から取り出したのは、M4A1の内部に入っているボルトキャリアと呼ばれる部品だった。
「それが、原因ですか?」
「ああ。先端に付いているカサ部分を回してみろ」
「あ、はい・・・・・・あれ?」
おかしいと思った紫音は、力任せに捻り出した。
「硬い!」
本来ならそのカサの部分はマガジンに入っている薬莢を取り出す為に、1/3ほど引っ込みながら回らなければならないのだが、溶接でもしたかのようにびくともしないのだ。
「それが動作不良の原因だ」
「これが原因?」
「もうわかっていると思うが、直接ガスが掛かるボルト。つまりリュグマン方式のボルトキャリアは、熱と汚れに耐えられるように作られている筈なんだが、これは熱膨張を起こしてカサの駆動部分が噛んでいやがるんだ」
「へぇ~」
「他の部分で金を使った分、こういうところで安くしていたんだろうな」
ああ~・・・・・・なるほど。
「一応俺の方で入浜警察予備高校の方に伝えておいたぞ。そしたら、驚いていたぞ」
「驚いていたって。カスタム内容を把握してなかったんですか?」
「多分、あの理事長が隠蔽していたんだろう。しかも調べてみたら、ボルトキャリアの中でも格安のやつだったぞ」
「そ、そうなんですかぁ」
あの理事長なら、やりかねない。
そんな事を思っていたら、出入口のベルが鳴った。
「いらっしゃぁ~い! あら、アナタ達だったのぉ」
天野さん達がお店に入って来た。
「やっぱりここに居たか」
「天野さん」
「新しい情報が入って来たから、シオンくんに渡しに来たんだよ。はい、これ」
リュークさんからファイルを受け取ると、中身を確認する。
「密輸業者は無事に壊滅出来た・・・・・・阿佐間理事長の現在の居場所は、長野県の田舎?」
「あらぁ。そこに身を隠しているのね。まぁ誰も追わないとアタシは思うけど」
ホント、僕自身も今後邪魔をしなければ、どうでもいいと思っている。
「え?」
「どうしたの。紫音ちゃぁん?」
「ここに、実野妓くんが行方不明になったって書いてあるんです」
僕の言葉に真理亜さんは驚いた顔をさせる。
「実野妓ちゃぁんって、密輸業者と一緒にいた子よねぇ? どうして行方不明になったのぉ?」
「そうですよ! だって彼は警察監視の元で、精神病院にいる筈ですよ!」
1番最上階の部屋で、外に出れないように窓は分厚い強化ガラスで守られてドアの鍵も簡単に開けられないようにしていた。それに部屋の外には警察官が常時待機している上に、部屋の中にも監視カメラを忍ばせてた。
工藤さんに連れられて行った僕だからわかる。あの部屋から抜け出すなんて不可能であると。
「わからないわ。警察の方で調べているそうよ」
「そう、なんですか」
監視カメラ越しにベッドの上でボォーッとしている姿を思い出していた。
あの廃人化していた実野妓くんが、どうやって病院から抜け出したんだろう?
そう思いながら考えていたら、天野さんが頭の上にポンッと手を乗せて来た。
「何はともあれ。実野妓って子を探すのは俺達の役目じゃないから、気にする事じゃない」
「そうだよ。シオンくんは警察じゃないんだからね」
「それに、私達は探して欲しいって依頼も受けてないんだからね」
「そう、ですね」
天野さん達の言う通りかもしれない。だって僕は実野妓くんを探して欲しいって依頼を受けていないし、何よりも実野妓くんと友達関係ではないので、探す道理もない。
「わかればいいんだ。わかれば」
天野さんがそう言った瞬間、またお店の出入り口が開いた。
「いらっ、あらぁ?」
「舞ちゃん」
そう、そこには舞ちゃんが立っていて、神妙な面持ちで僕を見つめながら近付いて来た。
辛そうな顔してどうしたんだろう?
「・・・・・・シィくん」
「な、何?」
「シィくん。龍平くんを捕まえてくれて、ありがとう」
「う、うん」
ケースバイケースだけど、実野妓くんが抵抗していたら、もしかしたら殺していたかもしれないから、お礼の言葉を素直に受け取れないよ。
「それでね、シィくん。私、遠くに引っ越しをする事になっちゃったんだ」
「えっ!?」
それって、どういう事?
「あのニュースで高校が悪いイメージを受ける事になったのは知ってるよね?」
「う、うん」
「私が龍平くんの彼女だったって話も流れちゃったから、周りから白い目で見られるようになったの。
それで、高校側の配慮で転校するって事になったの」
そっ、そんな!
「舞ちゃんは悪い事してないのに?」
「・・・・・・うん。だからね。シィくんと会うのもこれが最後なんだ。今までありがとう。さようならシィくん」
「ちょっ、ちょっと待って! 舞ちゃんっ!!」
僕の声を無視して早足でて行ってしまった姿を、ただただ呆然と見つめる紫音だった。
「今回の事については、誠に申し訳ありませんでした!」
阿佐間理事長が深々と頭を下げるのと同時に、カメラのフラッシュが降り注いだ。そう現在阿佐間理事長は謝罪会見をしているのだ。
「生徒達の中には精神的な面で病んでいる人もいますが、それをどう思っているんですかぁ?」
「それに付いては、学校側でメンタルケアをしていくつもりです」
「任務で怪我をして子もいたみたいですね? 日も浅い子に任務へ行かせた経緯に付いて話して頂けませんかぁ?」
「それに付いては、実習と言う形でPMCの仕事を見るだけでしたがぁ・・・・・・状況変化した為に、あんな事になってしまいました」
阿佐間理事長がそう言った瞬間、1人の記者が立ち上がった。
「私がPMC本部への取材をした時に、アナタの指示で生徒達が勝手に追ったと答えましたよ! それに映像も観せられたので嘘を吐かないで下さい!
むしろPMCは彼らを止めようとしていましたよ!」
その記者の発言により、会場は騒ぎ始めた。
「私から質問があります!」
「申し訳ないのですが・・・・・・」
「密輸業者と共にしていた少年が、どうして学校指定の銃を持っていたのですか? 彼は入院していた筈なのに、持ち出せた訳を教えて下さい!」
「その事に付いてはぁ~・・・・・・我々の警備体制が甘かったので、今後ないように見直しをしている最中です」
「それもわかりますが、何で彼が銃を持ち出せたのかをご説明して頂けますかぁ?!」
「それに付いてはぁ・・・・・・現在調査中なので、ハッキリとお答え出来ません」
阿佐間理事長がそう言い切った瞬間、マスコミから野次が飛んだ!
「ふざけるなぁっ! お前のせいでこうなってんのは、わかってんだぞ!」
「犠牲者が出ているのに、その言い方はないだろぉ!」
「被害者達に謝れ!」
「えっとぉ・・・・・・皆さま、落ち着いて下さい!」
阿佐間理事長がそう言うが、尚も野次が飛び交い落ち着かない状況が続いた。
そして3日後には正式に阿佐間理事長は、辞任と言った形で入浜警察予備高校から去り、最終的には世間から姿を眩ませた。
「結局、真理亜さん達の言う通りでしたね」
「何が?」
「いや、トカゲの尻尾切り」
責任を全部擦り付けて、上の人達は自分達は知らん顔をしていた。
「そうでしょぉ~。まぁ自業自得とはいえ、せっかく上の立場になれた彼女が可哀想に思えるわねぇ」
ホント、そうかもしれない。
「入浜警察予備高校は、これからどうなっていくんですかね?」
「これからも訓練は続けていくみたいっスよ」
「へぇ~」
「ただ、実弾や実銃を使った訓練はしばらくの間お休みになるみたいっス」
まぁあんな事があったら、そうなるだろうね。
そんな事を思っていたら、出入口のベルが鳴ったのでそちらに顔を向ける。
「よぉ、邪魔するぜ」
「188さん」
そう彼はお店に入ると、僕の隣に腰掛けた。
「いらっしゃぁ~い。何にするのかしらぁ?」
「いつものやつで」
「はぁ~い。ちょっとだけ待っててねぇ~」
真理亜さんはそう言うと、ウォッカのボトルを開けた。
「紫音くん。キミが頼んでいた例の物を調べて終わったよ」
「本当ですか?」
「ああ。あの M4A1 ですね」
そう。実野妓くんが持っていた M4A1 が、どうして故障を起こしたのか気になったのでP320と共に、回収して188さんのところへ持って行って調べて貰う事にしたのだ。
「原因はこれだった」
そう言って懐から取り出したのは、M4A1の内部に入っているボルトキャリアと呼ばれる部品だった。
「それが、原因ですか?」
「ああ。先端に付いているカサ部分を回してみろ」
「あ、はい・・・・・・あれ?」
おかしいと思った紫音は、力任せに捻り出した。
「硬い!」
本来ならそのカサの部分はマガジンに入っている薬莢を取り出す為に、1/3ほど引っ込みながら回らなければならないのだが、溶接でもしたかのようにびくともしないのだ。
「それが動作不良の原因だ」
「これが原因?」
「もうわかっていると思うが、直接ガスが掛かるボルト。つまりリュグマン方式のボルトキャリアは、熱と汚れに耐えられるように作られている筈なんだが、これは熱膨張を起こしてカサの駆動部分が噛んでいやがるんだ」
「へぇ~」
「他の部分で金を使った分、こういうところで安くしていたんだろうな」
ああ~・・・・・・なるほど。
「一応俺の方で入浜警察予備高校の方に伝えておいたぞ。そしたら、驚いていたぞ」
「驚いていたって。カスタム内容を把握してなかったんですか?」
「多分、あの理事長が隠蔽していたんだろう。しかも調べてみたら、ボルトキャリアの中でも格安のやつだったぞ」
「そ、そうなんですかぁ」
あの理事長なら、やりかねない。
そんな事を思っていたら、出入口のベルが鳴った。
「いらっしゃぁ~い! あら、アナタ達だったのぉ」
天野さん達がお店に入って来た。
「やっぱりここに居たか」
「天野さん」
「新しい情報が入って来たから、シオンくんに渡しに来たんだよ。はい、これ」
リュークさんからファイルを受け取ると、中身を確認する。
「密輸業者は無事に壊滅出来た・・・・・・阿佐間理事長の現在の居場所は、長野県の田舎?」
「あらぁ。そこに身を隠しているのね。まぁ誰も追わないとアタシは思うけど」
ホント、僕自身も今後邪魔をしなければ、どうでもいいと思っている。
「え?」
「どうしたの。紫音ちゃぁん?」
「ここに、実野妓くんが行方不明になったって書いてあるんです」
僕の言葉に真理亜さんは驚いた顔をさせる。
「実野妓ちゃぁんって、密輸業者と一緒にいた子よねぇ? どうして行方不明になったのぉ?」
「そうですよ! だって彼は警察監視の元で、精神病院にいる筈ですよ!」
1番最上階の部屋で、外に出れないように窓は分厚い強化ガラスで守られてドアの鍵も簡単に開けられないようにしていた。それに部屋の外には警察官が常時待機している上に、部屋の中にも監視カメラを忍ばせてた。
工藤さんに連れられて行った僕だからわかる。あの部屋から抜け出すなんて不可能であると。
「わからないわ。警察の方で調べているそうよ」
「そう、なんですか」
監視カメラ越しにベッドの上でボォーッとしている姿を思い出していた。
あの廃人化していた実野妓くんが、どうやって病院から抜け出したんだろう?
そう思いながら考えていたら、天野さんが頭の上にポンッと手を乗せて来た。
「何はともあれ。実野妓って子を探すのは俺達の役目じゃないから、気にする事じゃない」
「そうだよ。シオンくんは警察じゃないんだからね」
「それに、私達は探して欲しいって依頼も受けてないんだからね」
「そう、ですね」
天野さん達の言う通りかもしれない。だって僕は実野妓くんを探して欲しいって依頼を受けていないし、何よりも実野妓くんと友達関係ではないので、探す道理もない。
「わかればいいんだ。わかれば」
天野さんがそう言った瞬間、またお店の出入り口が開いた。
「いらっ、あらぁ?」
「舞ちゃん」
そう、そこには舞ちゃんが立っていて、神妙な面持ちで僕を見つめながら近付いて来た。
辛そうな顔してどうしたんだろう?
「・・・・・・シィくん」
「な、何?」
「シィくん。龍平くんを捕まえてくれて、ありがとう」
「う、うん」
ケースバイケースだけど、実野妓くんが抵抗していたら、もしかしたら殺していたかもしれないから、お礼の言葉を素直に受け取れないよ。
「それでね、シィくん。私、遠くに引っ越しをする事になっちゃったんだ」
「えっ!?」
それって、どういう事?
「あのニュースで高校が悪いイメージを受ける事になったのは知ってるよね?」
「う、うん」
「私が龍平くんの彼女だったって話も流れちゃったから、周りから白い目で見られるようになったの。
それで、高校側の配慮で転校するって事になったの」
そっ、そんな!
「舞ちゃんは悪い事してないのに?」
「・・・・・・うん。だからね。シィくんと会うのもこれが最後なんだ。今までありがとう。さようならシィくん」
「ちょっ、ちょっと待って! 舞ちゃんっ!!」
僕の声を無視して早足でて行ってしまった姿を、ただただ呆然と見つめる紫音だった。
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