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紫音と実野妓の攻防戦
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「シット! 外してしまいました」
いや、車の後部ガラスに命中しているから命中って言っていいんじゃないかな?
「何処を狙ったの?」
「ミノギって子の身体を狙ったのですが、いつもと環境が違うので弾が逸れてしまいました」
まぁ、走っている中でスナイパーライフルを撃つなんて想定しないよね。
「とにかく、渋滞している場所まで撃ち続けて牽制してね!」
「了解!」
コニーさんはそう返事をしてから、一定リズムで撃ち続ける。そんな中、無線が入って来た。
『シオンくん、悪い知らせよ!』
「悪い知らせ?」
『ええ、この先のトンネル渋滞が解消されたらしいのよ。だから、トンネル内で足止め出来なくなったわ!』
「嘘でしょ! リトアさんっ!!」
『残念だけど本当の事よ。だからどんな手を使ってでもアナタ達の力でGT-Rを止めて!』
ああ、天野さん達は追い付くのを諦めたっぽい。
「どうする。コニーさん?」
「こうなったらやるしかないのです!」
コニーさんの方はやる気みたい。
「わかりました! なるべく撃ちやすいような運転を心掛けます!」
紫音はそう言うとGT-Rの様子を見ながら、ジワリジワリと近付いて行くが向こうも追い付こうとしているのに気付いたのか、猛スピードで離れた。
近付ける気は全くないみたいだ。
「そっちがその気なら、こっちもその気で行く!」
そう言ってアクセルを踏んで加速したら、向こうの運転手は慌てた様子でこっちをチラチラと向いていた。
しかも実野妓くんと慌てた様子で何かを話している。
「コニーさん、タイヤを狙える?」
「ムリです! バンパーに阻まれて狙いを定められません!」
そうだ。スポーツカーは普通の車違って車高を低くしているんだった。だから角度によってはタイヤが隠れちゃうんだ。
「仕方ない。近付くから制圧射撃を加えて!」
「ラジャー!」
コニーさんはそう返事をすると、またリズミカルに SCAR-H を撃ち続ける。
もうちょっと・・・・・・あと少し距離を・・・・・・・・・・・・よし!
「コニーさん、ハンドルお願い!」
「ど、どうしたんですかシオン?」
「GT-Rにダメージを与える!」
そう言うと、 ウィンチェスター M1887 を取り出した。
「アクセルはこっちで操作しているから気にしないで」
ハンドルを離した瞬間、コニーさんは慌てた様子でハンドルを握ってマスタングの操縦をする。その間に ウィンチェスター M1887 を構えてGT-Rのフロントボディーに狙いを定める。
これでも喰らえ!
そう思いながらトリガーを引きスラグ弾を撃つと、GT-Rの側面に大きな穴が空いたが、依然として走り続けている。
エンジンに当たらなかった?
そう思いながらコッキングをしてから構えたのだが、向こうが体当たりを仕掛けて来たのでブレーキを踏んで回避する。
「危なかったぁ!」
「シオン、ワタシがウつから運転変わって!」
「うん!」
コニーさんに撃たせる為にハンドルを握ったが、その間にGT-Rは離れていた。
「逃がすもんか!」
そう言うとギアを3速から4速に変えて追い掛ける。
「スゴイ! ターボチャージャーのお陰て加速が早い!」
「感心してないで集中して下さい!」
コニーさんに怒られたので、運転に集中する事にした。その後もコニーさんが撃ち終わるタイミングを見計らって反撃して来ての繰り返しをしていた。
「シオン、そろそろ弾が尽きそうです!」
「それなら僕のUMPを使って節約して!」
H&K UMP45 を渡すと、コニーさんは嬉しそうな顔で受け取った。
「ありがとう、シオン」
そうお礼を言うと、H&K UMP45 をGT-Rに向かって撃つが、何故か途中で止まってしまった。
「どうしたんですか?」
まさか、ここに来て弾詰まりを起こした?
「シオン。向こうの様子がおかしいです」
「向こうの様子がおかしい?」
眼を細めてGT-Rの様子を見てみると、車内で銃を揺すったりしていた。
「もしかして、ガントラブルでも起きたのかなぁ?」
「いいえ、きっと弾詰まりをヒき起こしたのよ! 今の内に近付きましょう!」
「了解!」
アクセルを踏んでGT-Rに横付けして見てみたら、コニーさんの言っていた通り実野妓くんのM4A1にトラブルが発生した様子だった。
「コニーさん、ハンドル」
「わかったわ。今度こそ止めてね!」
ハンドル操作をコニーさんに任せて ウィンチェスター M1887 をフロントボディーに向けて構えたら、実野妓くんも僕の様子に気付いたらしくハンドガンを引き抜こうとするが引き抜けない様子でいた。
腰に付けているハンドガンを、座った状態で引き抜こうとそうなるんだ。
そう思いつつも、GT-Rのボディに1発撃った。向こうの運転手が動揺した顔している最中に、コッキングをしてまた撃った。
「これでも止まらないの!」
「シオン! 撃って来る」
コニーさんの声に反応してブレーキを軽く踏むと、タンッ!? タンッ!? といった軽い音が聴こえて来た。
やっとハンドガンが抜けたみたいだね・・・・・・ん?
「コニーさん。僕の気のせいじゃ無かったら申し訳ないんですけどぉ。GT-Rの下から水が出てないですか?」
「ん? あっ!」
そう、GT-Rが通ったところに道の様に液体の後が出来ているのだ。
「こちら紫音。天野さん、無線を取れますか?」
『聞こえるぞ。どうした?』
「先程からGT-Rに対して攻撃をしてダメージ与えていたんですが、GT-Rから液体がこぼれ落ちているみたいなんです」
今もなお液体を地面に滴らせながら走っている。
『本当か? 種類は・・・・・・走っているからわからないか。何にしてもその液漏れはこっちとしては好都合だな。
そのまま圧を掛けながら追い掛けろ。何かしらの異常が起こる筈だから』
「わかりました!」
そう返事をした後、コニーさんに牽制射撃を行って貰っている間にGT-Rに近付くが向こうもヤバイと感じたのか離れた。
「やっぱりそう簡単に近付けさせてくれないよね」
「そうですね。向こうはまたフロントボディを撃たれるのを警戒している感じですね」
これ以上エンジンを撃たれたらマズイと悟っているんだ。
「何とかしてまた側面に・・・・・・ん?」
「どうしたんですか? シオン」
「マフラー部分から黒い煙が出てない?」
「え? あっ!?」
コニーさんも気付いたみたいで撃つのを中断した。実野妓くんはチャンスと思ったのか、GT-Rのサイドウィンドウから身を乗り出してSIG P320 をこっちに向けて来たその瞬間だった。
ボォオオオオオオオオオオオンッ!!?
何と謎の爆発を起こしたのだ! 実野妓くん自身もその事に驚いたのか、振り向いてGT-Rのフロント部分を見た。
「エンジンが引火した!」
GT-Rから出る黒い煙りで視界が奪われそうになったので、危ないと思い隣の車線に移ると、その全貌が明らかになった。
「うわぁ・・・・・・」
「これは」
エンジン部分から出る黒い煙りのせいで前が見えないのか蛇行運転を始めていて、車内で2人は言い争っている。
「シオン、前!」
前?
言われた通り前を見てみると、渋滞になりそうなのか前を走っている車が速度を落としているのだ。
「やっばぁ!」
そう言ってブレーキを踏んで衝突を回避したが、実野妓君達の方はそうもいかず、何とそのままの勢いで突っ込んで行ってしまった。
「「危ないっ!」」
2人は反射的にそう言ったが、GT-Rは前の車にぶつかってスピンして停まってしまった。
「あ~・・・・・・」
「う~ん・・・・・・」
僕達は目の前で起こった出来事を、呆然と見つめていたのだった。
いや、車の後部ガラスに命中しているから命中って言っていいんじゃないかな?
「何処を狙ったの?」
「ミノギって子の身体を狙ったのですが、いつもと環境が違うので弾が逸れてしまいました」
まぁ、走っている中でスナイパーライフルを撃つなんて想定しないよね。
「とにかく、渋滞している場所まで撃ち続けて牽制してね!」
「了解!」
コニーさんはそう返事をしてから、一定リズムで撃ち続ける。そんな中、無線が入って来た。
『シオンくん、悪い知らせよ!』
「悪い知らせ?」
『ええ、この先のトンネル渋滞が解消されたらしいのよ。だから、トンネル内で足止め出来なくなったわ!』
「嘘でしょ! リトアさんっ!!」
『残念だけど本当の事よ。だからどんな手を使ってでもアナタ達の力でGT-Rを止めて!』
ああ、天野さん達は追い付くのを諦めたっぽい。
「どうする。コニーさん?」
「こうなったらやるしかないのです!」
コニーさんの方はやる気みたい。
「わかりました! なるべく撃ちやすいような運転を心掛けます!」
紫音はそう言うとGT-Rの様子を見ながら、ジワリジワリと近付いて行くが向こうも追い付こうとしているのに気付いたのか、猛スピードで離れた。
近付ける気は全くないみたいだ。
「そっちがその気なら、こっちもその気で行く!」
そう言ってアクセルを踏んで加速したら、向こうの運転手は慌てた様子でこっちをチラチラと向いていた。
しかも実野妓くんと慌てた様子で何かを話している。
「コニーさん、タイヤを狙える?」
「ムリです! バンパーに阻まれて狙いを定められません!」
そうだ。スポーツカーは普通の車違って車高を低くしているんだった。だから角度によってはタイヤが隠れちゃうんだ。
「仕方ない。近付くから制圧射撃を加えて!」
「ラジャー!」
コニーさんはそう返事をすると、またリズミカルに SCAR-H を撃ち続ける。
もうちょっと・・・・・・あと少し距離を・・・・・・・・・・・・よし!
「コニーさん、ハンドルお願い!」
「ど、どうしたんですかシオン?」
「GT-Rにダメージを与える!」
そう言うと、 ウィンチェスター M1887 を取り出した。
「アクセルはこっちで操作しているから気にしないで」
ハンドルを離した瞬間、コニーさんは慌てた様子でハンドルを握ってマスタングの操縦をする。その間に ウィンチェスター M1887 を構えてGT-Rのフロントボディーに狙いを定める。
これでも喰らえ!
そう思いながらトリガーを引きスラグ弾を撃つと、GT-Rの側面に大きな穴が空いたが、依然として走り続けている。
エンジンに当たらなかった?
そう思いながらコッキングをしてから構えたのだが、向こうが体当たりを仕掛けて来たのでブレーキを踏んで回避する。
「危なかったぁ!」
「シオン、ワタシがウつから運転変わって!」
「うん!」
コニーさんに撃たせる為にハンドルを握ったが、その間にGT-Rは離れていた。
「逃がすもんか!」
そう言うとギアを3速から4速に変えて追い掛ける。
「スゴイ! ターボチャージャーのお陰て加速が早い!」
「感心してないで集中して下さい!」
コニーさんに怒られたので、運転に集中する事にした。その後もコニーさんが撃ち終わるタイミングを見計らって反撃して来ての繰り返しをしていた。
「シオン、そろそろ弾が尽きそうです!」
「それなら僕のUMPを使って節約して!」
H&K UMP45 を渡すと、コニーさんは嬉しそうな顔で受け取った。
「ありがとう、シオン」
そうお礼を言うと、H&K UMP45 をGT-Rに向かって撃つが、何故か途中で止まってしまった。
「どうしたんですか?」
まさか、ここに来て弾詰まりを起こした?
「シオン。向こうの様子がおかしいです」
「向こうの様子がおかしい?」
眼を細めてGT-Rの様子を見てみると、車内で銃を揺すったりしていた。
「もしかして、ガントラブルでも起きたのかなぁ?」
「いいえ、きっと弾詰まりをヒき起こしたのよ! 今の内に近付きましょう!」
「了解!」
アクセルを踏んでGT-Rに横付けして見てみたら、コニーさんの言っていた通り実野妓くんのM4A1にトラブルが発生した様子だった。
「コニーさん、ハンドル」
「わかったわ。今度こそ止めてね!」
ハンドル操作をコニーさんに任せて ウィンチェスター M1887 をフロントボディーに向けて構えたら、実野妓くんも僕の様子に気付いたらしくハンドガンを引き抜こうとするが引き抜けない様子でいた。
腰に付けているハンドガンを、座った状態で引き抜こうとそうなるんだ。
そう思いつつも、GT-Rのボディに1発撃った。向こうの運転手が動揺した顔している最中に、コッキングをしてまた撃った。
「これでも止まらないの!」
「シオン! 撃って来る」
コニーさんの声に反応してブレーキを軽く踏むと、タンッ!? タンッ!? といった軽い音が聴こえて来た。
やっとハンドガンが抜けたみたいだね・・・・・・ん?
「コニーさん。僕の気のせいじゃ無かったら申し訳ないんですけどぉ。GT-Rの下から水が出てないですか?」
「ん? あっ!」
そう、GT-Rが通ったところに道の様に液体の後が出来ているのだ。
「こちら紫音。天野さん、無線を取れますか?」
『聞こえるぞ。どうした?』
「先程からGT-Rに対して攻撃をしてダメージ与えていたんですが、GT-Rから液体がこぼれ落ちているみたいなんです」
今もなお液体を地面に滴らせながら走っている。
『本当か? 種類は・・・・・・走っているからわからないか。何にしてもその液漏れはこっちとしては好都合だな。
そのまま圧を掛けながら追い掛けろ。何かしらの異常が起こる筈だから』
「わかりました!」
そう返事をした後、コニーさんに牽制射撃を行って貰っている間にGT-Rに近付くが向こうもヤバイと感じたのか離れた。
「やっぱりそう簡単に近付けさせてくれないよね」
「そうですね。向こうはまたフロントボディを撃たれるのを警戒している感じですね」
これ以上エンジンを撃たれたらマズイと悟っているんだ。
「何とかしてまた側面に・・・・・・ん?」
「どうしたんですか? シオン」
「マフラー部分から黒い煙が出てない?」
「え? あっ!?」
コニーさんも気付いたみたいで撃つのを中断した。実野妓くんはチャンスと思ったのか、GT-Rのサイドウィンドウから身を乗り出してSIG P320 をこっちに向けて来たその瞬間だった。
ボォオオオオオオオオオオオンッ!!?
何と謎の爆発を起こしたのだ! 実野妓くん自身もその事に驚いたのか、振り向いてGT-Rのフロント部分を見た。
「エンジンが引火した!」
GT-Rから出る黒い煙りで視界が奪われそうになったので、危ないと思い隣の車線に移ると、その全貌が明らかになった。
「うわぁ・・・・・・」
「これは」
エンジン部分から出る黒い煙りのせいで前が見えないのか蛇行運転を始めていて、車内で2人は言い争っている。
「シオン、前!」
前?
言われた通り前を見てみると、渋滞になりそうなのか前を走っている車が速度を落としているのだ。
「やっばぁ!」
そう言ってブレーキを踏んで衝突を回避したが、実野妓君達の方はそうもいかず、何とそのままの勢いで突っ込んで行ってしまった。
「「危ないっ!」」
2人は反射的にそう言ったが、GT-Rは前の車にぶつかってスピンして停まってしまった。
「あ~・・・・・・」
「う~ん・・・・・・」
僕達は目の前で起こった出来事を、呆然と見つめていたのだった。
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