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紫音と実野妓がいた病院
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実野妓くんが病院から姿を消した?
「実野妓くんは病室で眠っていたんだよね? もしかして、自分の足で家に帰った?」
「下谷先生達もそう思って両親に連絡を取ってみたらしいの。だけどぉ・・・・・・」
「帰っていなかった。って訳だな。もしかしたら、帰っている途中かもしれないぞ」
188さんのその言葉に対して、舞ちゃんは首を横に振って否定する。
「あの病院から実野妓のお家まで行くのにバスと電車に乗らないといけないから、多分何処かで止められると思う」
「それなら、タクシーを捕まえて行ったんじゃないんですかね?」
「それだとタクシー運転手が顔を見て気が付くと思うが」
うん。確かに天野さんの言う通りかもしれない。
「そんな事よりも、その実野妓って子がいた病院に行った方がいいと思うよ」
桑木さんの言葉に、僕達はハッとする。
「確かにそうだな。紫音、車の運転練習次いでだ。そのマスタングに乗って病院まで行け」
「ええっ!?」
「ええっ!? じゃねぇよ。お前のマスタングなんだから、お前が運転をするのが当たり前だろ」
「そんな。僕は運転のやり方は知っていますが、道のりまで知らないですよぉ」
そう言っていると、桑木さんが肩にポンと手を置いて来た。
「一応これには市販のカーナビを取り付けているから安心してねぇ。
それにナビの更新については、USBでパソコンに取り付け後、その会社のホームページを開いてダウンロードってところを押してから、指示通りに操作すれば完了するよ。
ホント、最近のって便利だよねぇ」
「はぁ・・・・・・確かにそうですね」
そんな事を言っていると、天野さんが僕の背中を押して来た。
「頼れるカーナビの存在も知ったんだから、早く乗って行くぞ」
「えっ!? やっぱり天野さんがマスタングに乗るんですか?」
「馬鹿野郎! マスタングの運転手はお前で、俺は愛車で向かうんだよ。何度も言わせるな!」
あ、やっぱりそんな感じなんだ。
「つーわけで、長居してすまなかった」
「いやいや、面白い話が聞けてよかったよ。点検の時はそちらの事務所に連絡をするよ。それと、カスタムとか修理とか何かあったら連絡をしてね。いつでも対応するから」
「ああ、わかった。俺のピックアップトラックも可能か?」
「ご要望とあらばやるよ」
「・・・・・・そうか。今度暇な時にまた来る」
あっ、天野さん自分のピックアップトラックをカスタマイズして貰おうとしている。ずっこい!
「ほら紫音。鍵は貰っているんだろう? エンジンを掛けて準備して待ってろ」
「・・・・・・はい」
僕は諦めて天野さんの言う通りに、マスタングのエンジンを掛けた。その瞬間、低く音で周囲にしっかりと響き渡るようなエンジン音が身体に響く。
「・・・・・・スゴイ音」
「お嬢ちゃん。この音がマスタング特有の音なのさ。隣に乗ってみてごらんよ。
もっとスゴイと思えるような体験が出来るからさ」
「ええ~・・・・・・」
舞ちゃんは僕の運転技術が信じられないのか、嫌そうな顔をしている。
「無理もないよな。アイツまだサーキットで運転した事しかないからな」
「前に進んで後ろに下がって駐車の仕方を知っていれば充分だと思うよ」
イヤイヤイヤイヤッ!? 他にも必要な事があるでしょ! 標識を守るとか車線変更の方法とかぁ!
「そんじゃあ俺は天野が運転する車にのるから、運転頑張れよ紫音くん」
あ、188さんもそっちの方なんだ。
「私はぁ・・・・・・」
ジィーーー・・・・・・。
「シィくんの隣に乗ります」
舞ちゃんはそう言ってから助手席に乗ったが、何故か怯えた表情でこちらを見つめる。
「ちゃんと安全運転をするから、心配そうな顔をしないで」
「・・・・・・うん。わかったよ」
そう言いながらも不安そうな顔をしているので、泣きたい気持ちになってしまう。
「それじゃあ、天野さんの後に続くからね」
「うん」
桑木さんに見送られるようにして、病院に向かって出発をするのであった。
「・・・・・・ホントにこの車スゴイねぇ」
「どうしてわかるの?」
「前に練習用に買った中古のセダンをサーキットで運転したんだけど、やっぱりそれとは性能が段違いだよ」
加速にハンドリング。ましてやブレーキの効き具合までもマスタングの方がズバ抜けていい。
「これなら天野さんの乗っているピックアップトラックを抜こうと思えば抜けそうだよ」
「そんな事しちゃダメだよ! 絶対にダメだよっ!! しつこいようだけど、ダメだからねっ!!!!」
そんな振りみたいに言わないで欲しい。
「そうだ。下谷さんに電話して今どうなっているのか確認してくれる?」
「ああ、うん。わかった」
舞ちゃんはそう言うと、スマホを取り出して電話を掛ける。
「・・・・・・もしもし、下谷さん? そうです、私です。今実野妓くんがいた病院に向かっています。現在の状況がどうなっているのか確認をしたいんですけど、大丈夫でしょうか?・・・・・・」
その後も彼女は、 はい・・・・・・はい。 と何度か相槌を打った。
「・・・・・・わかりました。詳しい事はそちらに着いた時に聞きます・・・・・・はい。後ほどお会いしましょう」
舞ちゃんはそう言うと、電話を切った。
「どうだった?」
「ちょっと前に警察に連絡をしたみたい。それで捜査をする為に病院へ向かっているみたい」
「そうなんだぁ。ところでさ、実野妓くんが行きそうな場所とか、思い付かない?」
「行きそうな場所? 行きそうな場所・・・・・・」
舞ちゃんは思い当たるを考えているのか、アゴに手を当てて首を捻っていた。
「ダメ。私には思い付かない」
「そうかぁ。思い付かないのなら仕方ないね」
実野妓くんが無事でいてくれればいいんだけど。
そう思いながら横目で舞ちゃんを見つめてみると、舞ちゃんは不安なのか自身の身体を抱き締めて震えていた。
そんな様子を見せている彼女に 大丈夫? と一言掛ければいいのだが紫音は言う勇気がなかったので、病院に着くまで黙ったままマスタングを走らせたのだった。
「もうすぐ病院に着くよ」
「・・・・・・うん」
病院の前で待っていた下谷さんが僕達の車に気付き手を振って来たので、マスタングを横付けしてサイドウィンドウを開く。
「先生!」
「やっと来たか!」
「あの、龍平くんはまだ見つかってないんですか?」
その言葉を聞いた彼女は、俯いてしまった。
「紫音! 駐車場に車を入れるぞ。話はその後だ!」
「あ、はい! 舞ちゃん、降りていいよ」
「うん」
舞ちゃんが降りたのを確認すると、天野さんと共に病院内の駐車場に車を停めた。
「それで、現在の状況を教えてくれるか?」
「ああ、今警察が実野妓がいた病室に入って調べている」
「何処から病院の外に出たのか判明しているのか?」
「今調べている最中なんだ」
つまり、調べている途中と言う事ね。
「ふ~ん。紫音くん達が来るとは聞いていたけど、まさかキミまで来るとは思いもしなかったよ」
ムッ!? この声は!
「唯凪さん!」
「この間ぶりだね。それに土竜のキミは初めましてかな?」
「ああそうだな。情報の方は他のヤツに渡していたから、アンタと会うのは初めてだな」
どうやら唯凪さんは188さんの事を知っていたらしい。
「土竜? 何で土竜がここにいるんだ?」
あ、邪魔な鈇田さんもいたんだ。
「おいおい、俺も日本国民の一員なんだから、国内なら何処に行ったっていいだろう?」
「お前を密輸の罪で逮捕・・・・・・」
手錠を取りだそうとしたところを、唯凪さんに止められた。
「キミは暗黙の了解を破るつもりなのかい?」
「でも、アイツは犯罪者なんですよ」
その言葉を聞いた唯凪さんは鈇田さんの耳元で何かを言ったその瞬間、鈇田さんの顔が青ざめた。
「クソッ!?」
鈇田さんはそう言うと、身体を翻してこの場から逃げるように去って行ってしまう。
「まぁ、彼の事は気にしなくてもいいよ」
「はぁ・・・・・・そうですか」
「それよりも紫音くん。キミに捜査の協力を頼みたいんだ? 協力してくれるかい?」
「え? 捜査の協力?」
一体どういう事なんだろう? と思っていたら、天野さんと188さんは僕に何をさせるのか理解したような顔をさせていた。
「実野妓くんは病室で眠っていたんだよね? もしかして、自分の足で家に帰った?」
「下谷先生達もそう思って両親に連絡を取ってみたらしいの。だけどぉ・・・・・・」
「帰っていなかった。って訳だな。もしかしたら、帰っている途中かもしれないぞ」
188さんのその言葉に対して、舞ちゃんは首を横に振って否定する。
「あの病院から実野妓のお家まで行くのにバスと電車に乗らないといけないから、多分何処かで止められると思う」
「それなら、タクシーを捕まえて行ったんじゃないんですかね?」
「それだとタクシー運転手が顔を見て気が付くと思うが」
うん。確かに天野さんの言う通りかもしれない。
「そんな事よりも、その実野妓って子がいた病院に行った方がいいと思うよ」
桑木さんの言葉に、僕達はハッとする。
「確かにそうだな。紫音、車の運転練習次いでだ。そのマスタングに乗って病院まで行け」
「ええっ!?」
「ええっ!? じゃねぇよ。お前のマスタングなんだから、お前が運転をするのが当たり前だろ」
「そんな。僕は運転のやり方は知っていますが、道のりまで知らないですよぉ」
そう言っていると、桑木さんが肩にポンと手を置いて来た。
「一応これには市販のカーナビを取り付けているから安心してねぇ。
それにナビの更新については、USBでパソコンに取り付け後、その会社のホームページを開いてダウンロードってところを押してから、指示通りに操作すれば完了するよ。
ホント、最近のって便利だよねぇ」
「はぁ・・・・・・確かにそうですね」
そんな事を言っていると、天野さんが僕の背中を押して来た。
「頼れるカーナビの存在も知ったんだから、早く乗って行くぞ」
「えっ!? やっぱり天野さんがマスタングに乗るんですか?」
「馬鹿野郎! マスタングの運転手はお前で、俺は愛車で向かうんだよ。何度も言わせるな!」
あ、やっぱりそんな感じなんだ。
「つーわけで、長居してすまなかった」
「いやいや、面白い話が聞けてよかったよ。点検の時はそちらの事務所に連絡をするよ。それと、カスタムとか修理とか何かあったら連絡をしてね。いつでも対応するから」
「ああ、わかった。俺のピックアップトラックも可能か?」
「ご要望とあらばやるよ」
「・・・・・・そうか。今度暇な時にまた来る」
あっ、天野さん自分のピックアップトラックをカスタマイズして貰おうとしている。ずっこい!
「ほら紫音。鍵は貰っているんだろう? エンジンを掛けて準備して待ってろ」
「・・・・・・はい」
僕は諦めて天野さんの言う通りに、マスタングのエンジンを掛けた。その瞬間、低く音で周囲にしっかりと響き渡るようなエンジン音が身体に響く。
「・・・・・・スゴイ音」
「お嬢ちゃん。この音がマスタング特有の音なのさ。隣に乗ってみてごらんよ。
もっとスゴイと思えるような体験が出来るからさ」
「ええ~・・・・・・」
舞ちゃんは僕の運転技術が信じられないのか、嫌そうな顔をしている。
「無理もないよな。アイツまだサーキットで運転した事しかないからな」
「前に進んで後ろに下がって駐車の仕方を知っていれば充分だと思うよ」
イヤイヤイヤイヤッ!? 他にも必要な事があるでしょ! 標識を守るとか車線変更の方法とかぁ!
「そんじゃあ俺は天野が運転する車にのるから、運転頑張れよ紫音くん」
あ、188さんもそっちの方なんだ。
「私はぁ・・・・・・」
ジィーーー・・・・・・。
「シィくんの隣に乗ります」
舞ちゃんはそう言ってから助手席に乗ったが、何故か怯えた表情でこちらを見つめる。
「ちゃんと安全運転をするから、心配そうな顔をしないで」
「・・・・・・うん。わかったよ」
そう言いながらも不安そうな顔をしているので、泣きたい気持ちになってしまう。
「それじゃあ、天野さんの後に続くからね」
「うん」
桑木さんに見送られるようにして、病院に向かって出発をするのであった。
「・・・・・・ホントにこの車スゴイねぇ」
「どうしてわかるの?」
「前に練習用に買った中古のセダンをサーキットで運転したんだけど、やっぱりそれとは性能が段違いだよ」
加速にハンドリング。ましてやブレーキの効き具合までもマスタングの方がズバ抜けていい。
「これなら天野さんの乗っているピックアップトラックを抜こうと思えば抜けそうだよ」
「そんな事しちゃダメだよ! 絶対にダメだよっ!! しつこいようだけど、ダメだからねっ!!!!」
そんな振りみたいに言わないで欲しい。
「そうだ。下谷さんに電話して今どうなっているのか確認してくれる?」
「ああ、うん。わかった」
舞ちゃんはそう言うと、スマホを取り出して電話を掛ける。
「・・・・・・もしもし、下谷さん? そうです、私です。今実野妓くんがいた病院に向かっています。現在の状況がどうなっているのか確認をしたいんですけど、大丈夫でしょうか?・・・・・・」
その後も彼女は、 はい・・・・・・はい。 と何度か相槌を打った。
「・・・・・・わかりました。詳しい事はそちらに着いた時に聞きます・・・・・・はい。後ほどお会いしましょう」
舞ちゃんはそう言うと、電話を切った。
「どうだった?」
「ちょっと前に警察に連絡をしたみたい。それで捜査をする為に病院へ向かっているみたい」
「そうなんだぁ。ところでさ、実野妓くんが行きそうな場所とか、思い付かない?」
「行きそうな場所? 行きそうな場所・・・・・・」
舞ちゃんは思い当たるを考えているのか、アゴに手を当てて首を捻っていた。
「ダメ。私には思い付かない」
「そうかぁ。思い付かないのなら仕方ないね」
実野妓くんが無事でいてくれればいいんだけど。
そう思いながら横目で舞ちゃんを見つめてみると、舞ちゃんは不安なのか自身の身体を抱き締めて震えていた。
そんな様子を見せている彼女に 大丈夫? と一言掛ければいいのだが紫音は言う勇気がなかったので、病院に着くまで黙ったままマスタングを走らせたのだった。
「もうすぐ病院に着くよ」
「・・・・・・うん」
病院の前で待っていた下谷さんが僕達の車に気付き手を振って来たので、マスタングを横付けしてサイドウィンドウを開く。
「先生!」
「やっと来たか!」
「あの、龍平くんはまだ見つかってないんですか?」
その言葉を聞いた彼女は、俯いてしまった。
「紫音! 駐車場に車を入れるぞ。話はその後だ!」
「あ、はい! 舞ちゃん、降りていいよ」
「うん」
舞ちゃんが降りたのを確認すると、天野さんと共に病院内の駐車場に車を停めた。
「それで、現在の状況を教えてくれるか?」
「ああ、今警察が実野妓がいた病室に入って調べている」
「何処から病院の外に出たのか判明しているのか?」
「今調べている最中なんだ」
つまり、調べている途中と言う事ね。
「ふ~ん。紫音くん達が来るとは聞いていたけど、まさかキミまで来るとは思いもしなかったよ」
ムッ!? この声は!
「唯凪さん!」
「この間ぶりだね。それに土竜のキミは初めましてかな?」
「ああそうだな。情報の方は他のヤツに渡していたから、アンタと会うのは初めてだな」
どうやら唯凪さんは188さんの事を知っていたらしい。
「土竜? 何で土竜がここにいるんだ?」
あ、邪魔な鈇田さんもいたんだ。
「おいおい、俺も日本国民の一員なんだから、国内なら何処に行ったっていいだろう?」
「お前を密輸の罪で逮捕・・・・・・」
手錠を取りだそうとしたところを、唯凪さんに止められた。
「キミは暗黙の了解を破るつもりなのかい?」
「でも、アイツは犯罪者なんですよ」
その言葉を聞いた唯凪さんは鈇田さんの耳元で何かを言ったその瞬間、鈇田さんの顔が青ざめた。
「クソッ!?」
鈇田さんはそう言うと、身体を翻してこの場から逃げるように去って行ってしまう。
「まぁ、彼の事は気にしなくてもいいよ」
「はぁ・・・・・・そうですか」
「それよりも紫音くん。キミに捜査の協力を頼みたいんだ? 協力してくれるかい?」
「え? 捜査の協力?」
一体どういう事なんだろう? と思っていたら、天野さんと188さんは僕に何をさせるのか理解したような顔をさせていた。
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