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プロローグ 栄光。あるいはビースト
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森下の死の4日前。ベネズエラ共和国上空。大型飛行機の中を1人の黒人女性がモニターを確認している男性に近づく。
「クワッドと目標地点の距離は?」
「クワッドの位置は目標から南南東300mの方向、ビルの屋上にいます」
「クワッドはそこで何をしているの?」
「敵の人数と位置を把握しているのだと思います」
彼女は ふ~ん、なるほどね。
「本当によろしいのですか?」
「何が?」
「クワッドを実戦投入させて。それに、我々アメリカ人が上空に飛んでいたら・・・・・・」
「ベネズエラから許可を貰っているわ。後処理もね」
彼女はそう言って2枚の紙を取り出して彼に見せると、 ハァ~・・・・・・。 と溜め息を吐かれた。
「クワッドが壊れたりしたら、回収出来ませんよ」
「その時はその時よ。クワッドを破棄するわ」
反省を活かして新しいのを作ればいい事だから。
彼女は気が付いていないが、その言葉を聞いた彼は、 悪魔だ。 と心の中で思った。
「そろそろ始めて頂戴」
「・・・・・・わかりましたよ」
モニターに座っている男は気が進まないようすで、ヘッドホンの通信スイッチを押した。
「クワッド、戦闘の許可が下りた。お前のタイミングで行ってくれ」
彼がそう言うと、モニターに映る影が動き出した。
「って、おいおい。正面から行くのかよ」
「それが彼の流儀なのよ」
やっと完成したのがどういう結果を示し出すのか、ワクワクするわね。
彼女はそう思いながらドローンの映像を見つめてる。時を同じく、個室の中で2人の男がテーブル越しに向かい合っている。
「ほら、これがブツだ」
全身タトゥーの男はそう言って、白い粉が入ったビニール袋をテーブルの上に置いた。
「確認させて貰う」
スーツ姿が並べられている袋の1つを手に取った瞬間だった。外の方で パァンッ!? パァンッ!? という音が外から聴こえて来た!
「銃声っ!? おい、何が起こっている?」
「俺が知るかっ!? おい、お前ら! 外の様子を見て来い!」
外で断末魔が聴こえる中、全身タトゥー男の部下と思しきヤツらは、置いてあったAK47を持って構えると部屋の外へと出て行った。
「クソッ、サツの野郎にここを襲われているのか?」
「サツ? おいお前、この間追っ払ったって言っていたよなぁ?」
「ああ、今回も懲りずに来たようだな。何、安心していい。すぐに終わる」
「なら何だ。この断末魔は? 様子がおかしくないか?」
スーツを着た男の指摘に 確かに様子がおかしい。 とタトゥー男は思い始めたところだった。
「・・・・・・んん? 銃声が止んだ?」
「どうやら俺の部下がやってくれたようだ」
全く、ヒヤヒヤさせやがる。 と思っていると、出入り口のドアが開いて部下が入って来たのだが。
「「ッ!?」」
左腕をバッサリ斬られていて、背中から血を垂れ流した状態のまま入って来たのだ。
「お、おい・・・・・・」
「バケ、モノ・・・・・・たす、け・・・・・・・・・・・・」
彼は言い切る前に、前のめりに床に倒れてしまう。
「な、な、クソォッ!?」
スーツ男はジュラルミンケースを手に持つと、ソファーから立ち上がった。
「お、おい! 何してるんだ?」
「ここから逃げるに決まっているだろう!」
「待て、取り引きは終わってないぞ!」
「こんな状況で取り引きもクソねぇだろ!早く逃げなきゃコイツみたく殺されちまう!」
彼は怒鳴るようにそう言うと、出入り口に向かって駆け出すが何かにぶつかってしまい、床に尻餅を着いてしまった。
「イッテェ、何・・・・・・」
出入り口に立っていた者の姿を見た瞬間、言葉を失ってしまった。
「あ、ああ・・・・・・ああっ!」
そのバケモノは背中に差している刀を引き抜くと、スーツ姿の男にゆっくりと近づく。
「ま、待ってくれ! 金ならある! だから見逃してくれ!」
彼はジュラルミンケースを突き出しながらそう言うが、バケモノと呼ばれた者はいらないと言わんばかりにジュラルミンケースを真横に真っ二つにする。
「ガァッ、ァァッ!?」
スーツ姿の男にも剣撃に当たってしまい、仰向けに倒れてしまった。その男に近づき剣先を突き立てる。
「ァ、ァァッ!?」
彼は止めてくれと言わんばかりに手を前に突き出したのだが、バケモノは胸に突き刺した後に刀を引き抜いた。
「バ、バケモノ!?」
ソファーの裏に隠していたバレルを短く切った レミントン M870 を取り出して構えるが、目の前にいなかった。
「なっ!? ヤツは? ・・・・・・何処に行ったぁ!?」
そう言って立った瞬間、彼は持っている銃ごと真っ二つになってしまった。そう、叫び声を上げる間もなく、一瞬で事切れてしまったのだ。
その様子をドローンのモニター越しに見ていた彼女達は、お互いの顔を見つめた。
「・・・・・・終わったわね」
「クワッドを回収しますか?」
「もうここには用がないから、そうしてちょうだい」
彼女はもう興味がないのか、何処かへ行ってしまう。その姿を呆れた顔で見送った後にヘッドセットの通信をONにしてクワッドに伝える。
「クワッド、回収地点に来てくれ」
彼がそう言うと、モニターに映るクワッドと呼ばれたバケモノは移動を始めた。
「さてと、ベネズエラの首相に仕事が終わったのを伝えないとな」
彼はそう言うと、隣に置いていたノートパソコンを使って カルテルが壊滅した。とメールを送るのであった。
「・・・・・・ホント、俺達はとんでもない物・・・・・・いや、ビーストを作っちまったかもなぁ~」
回収地点で佇んでいるクワッドを見つめながら、そう言うのであった。
「クワッドと目標地点の距離は?」
「クワッドの位置は目標から南南東300mの方向、ビルの屋上にいます」
「クワッドはそこで何をしているの?」
「敵の人数と位置を把握しているのだと思います」
彼女は ふ~ん、なるほどね。
「本当によろしいのですか?」
「何が?」
「クワッドを実戦投入させて。それに、我々アメリカ人が上空に飛んでいたら・・・・・・」
「ベネズエラから許可を貰っているわ。後処理もね」
彼女はそう言って2枚の紙を取り出して彼に見せると、 ハァ~・・・・・・。 と溜め息を吐かれた。
「クワッドが壊れたりしたら、回収出来ませんよ」
「その時はその時よ。クワッドを破棄するわ」
反省を活かして新しいのを作ればいい事だから。
彼女は気が付いていないが、その言葉を聞いた彼は、 悪魔だ。 と心の中で思った。
「そろそろ始めて頂戴」
「・・・・・・わかりましたよ」
モニターに座っている男は気が進まないようすで、ヘッドホンの通信スイッチを押した。
「クワッド、戦闘の許可が下りた。お前のタイミングで行ってくれ」
彼がそう言うと、モニターに映る影が動き出した。
「って、おいおい。正面から行くのかよ」
「それが彼の流儀なのよ」
やっと完成したのがどういう結果を示し出すのか、ワクワクするわね。
彼女はそう思いながらドローンの映像を見つめてる。時を同じく、個室の中で2人の男がテーブル越しに向かい合っている。
「ほら、これがブツだ」
全身タトゥーの男はそう言って、白い粉が入ったビニール袋をテーブルの上に置いた。
「確認させて貰う」
スーツ姿が並べられている袋の1つを手に取った瞬間だった。外の方で パァンッ!? パァンッ!? という音が外から聴こえて来た!
「銃声っ!? おい、何が起こっている?」
「俺が知るかっ!? おい、お前ら! 外の様子を見て来い!」
外で断末魔が聴こえる中、全身タトゥー男の部下と思しきヤツらは、置いてあったAK47を持って構えると部屋の外へと出て行った。
「クソッ、サツの野郎にここを襲われているのか?」
「サツ? おいお前、この間追っ払ったって言っていたよなぁ?」
「ああ、今回も懲りずに来たようだな。何、安心していい。すぐに終わる」
「なら何だ。この断末魔は? 様子がおかしくないか?」
スーツを着た男の指摘に 確かに様子がおかしい。 とタトゥー男は思い始めたところだった。
「・・・・・・んん? 銃声が止んだ?」
「どうやら俺の部下がやってくれたようだ」
全く、ヒヤヒヤさせやがる。 と思っていると、出入り口のドアが開いて部下が入って来たのだが。
「「ッ!?」」
左腕をバッサリ斬られていて、背中から血を垂れ流した状態のまま入って来たのだ。
「お、おい・・・・・・」
「バケ、モノ・・・・・・たす、け・・・・・・・・・・・・」
彼は言い切る前に、前のめりに床に倒れてしまう。
「な、な、クソォッ!?」
スーツ男はジュラルミンケースを手に持つと、ソファーから立ち上がった。
「お、おい! 何してるんだ?」
「ここから逃げるに決まっているだろう!」
「待て、取り引きは終わってないぞ!」
「こんな状況で取り引きもクソねぇだろ!早く逃げなきゃコイツみたく殺されちまう!」
彼は怒鳴るようにそう言うと、出入り口に向かって駆け出すが何かにぶつかってしまい、床に尻餅を着いてしまった。
「イッテェ、何・・・・・・」
出入り口に立っていた者の姿を見た瞬間、言葉を失ってしまった。
「あ、ああ・・・・・・ああっ!」
そのバケモノは背中に差している刀を引き抜くと、スーツ姿の男にゆっくりと近づく。
「ま、待ってくれ! 金ならある! だから見逃してくれ!」
彼はジュラルミンケースを突き出しながらそう言うが、バケモノと呼ばれた者はいらないと言わんばかりにジュラルミンケースを真横に真っ二つにする。
「ガァッ、ァァッ!?」
スーツ姿の男にも剣撃に当たってしまい、仰向けに倒れてしまった。その男に近づき剣先を突き立てる。
「ァ、ァァッ!?」
彼は止めてくれと言わんばかりに手を前に突き出したのだが、バケモノは胸に突き刺した後に刀を引き抜いた。
「バ、バケモノ!?」
ソファーの裏に隠していたバレルを短く切った レミントン M870 を取り出して構えるが、目の前にいなかった。
「なっ!? ヤツは? ・・・・・・何処に行ったぁ!?」
そう言って立った瞬間、彼は持っている銃ごと真っ二つになってしまった。そう、叫び声を上げる間もなく、一瞬で事切れてしまったのだ。
その様子をドローンのモニター越しに見ていた彼女達は、お互いの顔を見つめた。
「・・・・・・終わったわね」
「クワッドを回収しますか?」
「もうここには用がないから、そうしてちょうだい」
彼女はもう興味がないのか、何処かへ行ってしまう。その姿を呆れた顔で見送った後にヘッドセットの通信をONにしてクワッドに伝える。
「クワッド、回収地点に来てくれ」
彼がそう言うと、モニターに映るクワッドと呼ばれたバケモノは移動を始めた。
「さてと、ベネズエラの首相に仕事が終わったのを伝えないとな」
彼はそう言うと、隣に置いていたノートパソコンを使って カルテルが壊滅した。とメールを送るのであった。
「・・・・・・ホント、俺達はとんでもない物・・・・・・いや、ビーストを作っちまったかもなぁ~」
回収地点で佇んでいるクワッドを見つめながら、そう言うのであった。
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