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紫音と鈇田の攻防戦
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「いらっしゃい」
真理亜さんは出入口にいる鈇田さんにそう言うが歓迎していないのが雰囲気で丸わかりで、僕自身もヤバそうと感じたので真理亜さんから貰ったファイルを整えて鞄の中に入れた。
その様子を見ていた鈇田さんは何も言わずに店に入ると、僕の目の前に来た。
「キミが紫音くんだね」
「そうですけど、どうされたんですか?」
「キミに聞きたい事があってここに来たんだ」
あの人にだけは全部正直に話したらダメだって工藤さんに言われているから、工藤さんに言われた通りにしよう。
それに何だろう、この人に見下されている気がする。
「全部唯凪さんに話したので、アナタに話す事はありません」
「・・・・・・そうですか。あくまでも黙秘すると言う事ですか?」
「黙秘とは言っておりません。唯凪さんから話を聞いて下さい。と説明しているんです」
これも天野さんが用意していた答え方なんだけども、 鈇田が何か言って来たら、唯凪に話したから。で押し通せ、ダメらな工藤に電話しろ。 って言われたからその通りにしている。
だけど説明が雑過ぎますよ、天野さん!
「何だと、じゃあ俺の質問に答えるのか?」
「聞きたい事があれば、唯凪さんを通して下さい」
「ふざけんなっ! こっちはお前を逮捕してもいいんだぞ!」
カウンターをバンッ!? と叩いてそう言うが、僕は澄まし顔でポテトを摘んで食べる。“その脅しには屈しませんよという意思表示の演技”を見て、益々怒りを露わにさせた。
「あら、おかしいわねぇ~。逮捕状もないのに逮捕出来ないでしょぉ~?」
「銃刀法違反で逮捕・・・・・・」
「はい、僕のPMCライセンスカード、今は任務中なので所持しています。詳細については本部の方へ確認を取って下さい」
僕はそう言ってPMCライセンスカードを提示した後に、頼んでおいたコーラを一口飲む。
「PMCは銃が任務など必要な時以外は所持を認めない。のと、自分の命の危機などの緊急時の場合は所持と発砲を認める。だったわねぇ~。
紫音ちゃぁ~んは犯人に命を狙われている身で、さらに任務でもあるから逮捕出来ないわよねぇ~?」
「クソがッ!?」
そう吐き捨ててカウンターをぶっ叩いている姿を見た僕は、 ドラマに出て来るようなダメな刑事みたいだなぁ~。 と思ってしまった。
「えっとぉ、台を叩くとお店に迷惑が掛かるので止めて下さい」
「そうよぉ~、これ以上迷惑を掛けるのなら、アナタが所属している警察署に電話するわよぉ~」
「クッ!?」
彼は自分が不利な状況だと理解したのか、ピタリと止まった。
「・・・・・・俺は知っているんだぞ」
「何をですか?」
「お前が犯人と連んでいる事を」
『ブゥウウウウウウウウウウウウッ!!?』
とんでもない事を言ったので、口に含んでいたコーラを吹いてしまった。
「ケホッ!? エホッ、エホッ!?」
「紫音ちゃぁ~ん! 大丈夫ぅ?」
この人本当に警察官なの?
咽せながらそう思っていると、鈇田さんはニヤリとさせながら僕を見つめていた。
「その反応、やっぱりそうだったんだな。犯人が何処にいるか言え!」
全く持って的外れな答えに行っちゃってる! もうダメだこの人、警察官を辞任した方が良いよ!
「アァーヒャッヒャッヒャッヒャッ!? 何を言ってるんスかこの人は? 紫音くんが犯人って・・・・・・ププッ、的外れ過ぎてお腹痛いっス! ヒーッヒッヒッヒッヒッ!?」
「何だとぉっ!?」
いつの間にか、真奈美さんが着替えてこっちに来ていた。
「よく考えてみた方がいいっスよ。紫音くんが犯人と連んでいたんしたら、一昨日高校に来てなかったんじゃないんスか?
それに、昨日犯人と銃撃戦をしていたのは紫音くんじゃないっスか。紫音くんが共犯者だったら、そのまま連れ去るんじゃないんスかねぇ?」
「それは・・・・・・」
真奈美さんがそう言うと鈇田は反論出来ないのか目を泳がしていると、カランッカランッ!? と出入口が開く音がした。
「そうだよ。彼女の言う通りだと僕は思うよ」
「唯凪さんっ!?」
そう言って振り返る鈇田さんに対して、唯凪さんはお連れの方と共に彼に近づいて話し始めた。
「キミさぁ、何て事をやっちゃてるのさぁ」
「いや、俺・・・・・・じゃなくて、私は何も問題起こしてません」
「充分問題を起こしているよ。警察官が恫喝していいと思っているの?」
「恫喝なんて・・・・・・」
鈇田さんがそう言った瞬間、唯凪さんの目が鋭くなった。
「しているよ。カウンターを叩いたり、無実の人を犯人に仕立て上げるなんて・・・・・・」
「コイツは犯人の共犯者です! さっき口を破りました!」
「いや、アナタが突拍子もない事を言うから、紫音ちゃぁんは思わず口に含んでいたコーラを吹いちゃったのよぉ~」
全く持ってその通りです。
「ただコーラを吹いただけが証拠になるなんて、ウチは思えないんスけどぉ・・・・・・」
「それに、何か鞄に隠していた」
「自分の持ち物をしまっただけよねぇ~」
真理亜さんがこっちを見てウィンクするので、頷いてから鈇田さん達の方を見つめる。
「はい、真理亜さんの言う通りです」
呆れた顔をさせた後に隣にいる警察官を見て手をクイッと動かしたら、その人が鈇田さんの腕を掴んだ。
「な、何をする気なんだ?」
「何ってキミを本部に連れ帰るんだよ」
「なっ!? まだコイツに・・・・・・」
「僕から彼に話を聞くよ」
唯凪さんがそう言った瞬間、鈇田さんは彼の事を睨む。
「今さらながら言わせて貰うんだけど、あの時に神崎くんではなくキミが警察を辞めてくれればよかった」
神崎さんが警察官?
「何だとっ!?」
鈇田さんは怒りが頂点に達したのか、唯凪さんの胸ぐらを掴んだ。
「俺より神崎の方が優秀だって言いたいのか?」
「うん。神崎くんだったら、彼から上手く聞き出していたかもね」
「・・・・・・」
「・・・・・・手を退けてくれないかな」
唯凪さんがそう言うと、鈇田さんは舌打ちをさせながら手を離した。その後はイライラした様子でお店を出て行くのをもう1人の警察官が追って出て行った。
「ゴメンね。ウチの者が迷惑掛けちゃって」
「いえ、唯凪さんが悪いわけではないので気にしないで下さい」
「そうよぉ~。完全あの勘違い馬鹿が悪いんだからぁ~、唯凪ちゃぁんは謝らなくてもいいわよぉ~。それで、唯凪ちゃぁんは一杯飲んで行くのかしらぁ~?」
「そうだね。一杯貰おうかなぁ。ああ、もちろん仕事中だからアルコール類はダメだよ。だからノンアルコールのビールを頂戴」
唯凪さんはそう言いつつ僕の隣に座った。
「紫音くん、もしかしてさっきの話、神崎くんの過去を気にしてる?」
「えっ!?」
「やっぱり、気にしてる。って顔をしていたからねぇ。でもね、その事は僕からじゃ話せないんだ。ゴメンね」
唯凪さんの顔が聞いちゃいけないよって顔をしているのでコクリッと頷いて諦めた。
「ところで紫音くん、真理亜さんから何かファイルを貰ったみたいだけど、彼女から何か情報貰ったのかい?」
「えっ!?」
何で知っているの、この人は?
僕がビックリしていると、真理亜さんがノンアルコールの入ったビールとコップをカウンターに置いてから、僕に話し掛けて来た。
「あらぁ~、彼なら正直に話しても大丈夫よぉ~」
「いいんですか?」
「ええ、唯凪ちゃぁんなら分別をわきまえているから、話しても大丈夫よぉ~。それに工藤ちゃぁんも、そっちの方が有り難いんじゃなぁ~い?」
そう言って僕のスマートウォッチを見つめていると、工藤さんからスマホにメールが入って来た。なので確認して見ると 話しても構わない。 という内容が書いてあった。
「工藤さんから話しても構わないとメールが来ました」
「なら話しても問題はないわねぇ~。さぁ、アタシが渡したファイルを取り出してぇ~!」
僕は真理亜さんに言われた通りに、鞄からファイルを取り出して中身を広げた。
真理亜さんは出入口にいる鈇田さんにそう言うが歓迎していないのが雰囲気で丸わかりで、僕自身もヤバそうと感じたので真理亜さんから貰ったファイルを整えて鞄の中に入れた。
その様子を見ていた鈇田さんは何も言わずに店に入ると、僕の目の前に来た。
「キミが紫音くんだね」
「そうですけど、どうされたんですか?」
「キミに聞きたい事があってここに来たんだ」
あの人にだけは全部正直に話したらダメだって工藤さんに言われているから、工藤さんに言われた通りにしよう。
それに何だろう、この人に見下されている気がする。
「全部唯凪さんに話したので、アナタに話す事はありません」
「・・・・・・そうですか。あくまでも黙秘すると言う事ですか?」
「黙秘とは言っておりません。唯凪さんから話を聞いて下さい。と説明しているんです」
これも天野さんが用意していた答え方なんだけども、 鈇田が何か言って来たら、唯凪に話したから。で押し通せ、ダメらな工藤に電話しろ。 って言われたからその通りにしている。
だけど説明が雑過ぎますよ、天野さん!
「何だと、じゃあ俺の質問に答えるのか?」
「聞きたい事があれば、唯凪さんを通して下さい」
「ふざけんなっ! こっちはお前を逮捕してもいいんだぞ!」
カウンターをバンッ!? と叩いてそう言うが、僕は澄まし顔でポテトを摘んで食べる。“その脅しには屈しませんよという意思表示の演技”を見て、益々怒りを露わにさせた。
「あら、おかしいわねぇ~。逮捕状もないのに逮捕出来ないでしょぉ~?」
「銃刀法違反で逮捕・・・・・・」
「はい、僕のPMCライセンスカード、今は任務中なので所持しています。詳細については本部の方へ確認を取って下さい」
僕はそう言ってPMCライセンスカードを提示した後に、頼んでおいたコーラを一口飲む。
「PMCは銃が任務など必要な時以外は所持を認めない。のと、自分の命の危機などの緊急時の場合は所持と発砲を認める。だったわねぇ~。
紫音ちゃぁ~んは犯人に命を狙われている身で、さらに任務でもあるから逮捕出来ないわよねぇ~?」
「クソがッ!?」
そう吐き捨ててカウンターをぶっ叩いている姿を見た僕は、 ドラマに出て来るようなダメな刑事みたいだなぁ~。 と思ってしまった。
「えっとぉ、台を叩くとお店に迷惑が掛かるので止めて下さい」
「そうよぉ~、これ以上迷惑を掛けるのなら、アナタが所属している警察署に電話するわよぉ~」
「クッ!?」
彼は自分が不利な状況だと理解したのか、ピタリと止まった。
「・・・・・・俺は知っているんだぞ」
「何をですか?」
「お前が犯人と連んでいる事を」
『ブゥウウウウウウウウウウウウッ!!?』
とんでもない事を言ったので、口に含んでいたコーラを吹いてしまった。
「ケホッ!? エホッ、エホッ!?」
「紫音ちゃぁ~ん! 大丈夫ぅ?」
この人本当に警察官なの?
咽せながらそう思っていると、鈇田さんはニヤリとさせながら僕を見つめていた。
「その反応、やっぱりそうだったんだな。犯人が何処にいるか言え!」
全く持って的外れな答えに行っちゃってる! もうダメだこの人、警察官を辞任した方が良いよ!
「アァーヒャッヒャッヒャッヒャッ!? 何を言ってるんスかこの人は? 紫音くんが犯人って・・・・・・ププッ、的外れ過ぎてお腹痛いっス! ヒーッヒッヒッヒッヒッ!?」
「何だとぉっ!?」
いつの間にか、真奈美さんが着替えてこっちに来ていた。
「よく考えてみた方がいいっスよ。紫音くんが犯人と連んでいたんしたら、一昨日高校に来てなかったんじゃないんスか?
それに、昨日犯人と銃撃戦をしていたのは紫音くんじゃないっスか。紫音くんが共犯者だったら、そのまま連れ去るんじゃないんスかねぇ?」
「それは・・・・・・」
真奈美さんがそう言うと鈇田は反論出来ないのか目を泳がしていると、カランッカランッ!? と出入口が開く音がした。
「そうだよ。彼女の言う通りだと僕は思うよ」
「唯凪さんっ!?」
そう言って振り返る鈇田さんに対して、唯凪さんはお連れの方と共に彼に近づいて話し始めた。
「キミさぁ、何て事をやっちゃてるのさぁ」
「いや、俺・・・・・・じゃなくて、私は何も問題起こしてません」
「充分問題を起こしているよ。警察官が恫喝していいと思っているの?」
「恫喝なんて・・・・・・」
鈇田さんがそう言った瞬間、唯凪さんの目が鋭くなった。
「しているよ。カウンターを叩いたり、無実の人を犯人に仕立て上げるなんて・・・・・・」
「コイツは犯人の共犯者です! さっき口を破りました!」
「いや、アナタが突拍子もない事を言うから、紫音ちゃぁんは思わず口に含んでいたコーラを吹いちゃったのよぉ~」
全く持ってその通りです。
「ただコーラを吹いただけが証拠になるなんて、ウチは思えないんスけどぉ・・・・・・」
「それに、何か鞄に隠していた」
「自分の持ち物をしまっただけよねぇ~」
真理亜さんがこっちを見てウィンクするので、頷いてから鈇田さん達の方を見つめる。
「はい、真理亜さんの言う通りです」
呆れた顔をさせた後に隣にいる警察官を見て手をクイッと動かしたら、その人が鈇田さんの腕を掴んだ。
「な、何をする気なんだ?」
「何ってキミを本部に連れ帰るんだよ」
「なっ!? まだコイツに・・・・・・」
「僕から彼に話を聞くよ」
唯凪さんがそう言った瞬間、鈇田さんは彼の事を睨む。
「今さらながら言わせて貰うんだけど、あの時に神崎くんではなくキミが警察を辞めてくれればよかった」
神崎さんが警察官?
「何だとっ!?」
鈇田さんは怒りが頂点に達したのか、唯凪さんの胸ぐらを掴んだ。
「俺より神崎の方が優秀だって言いたいのか?」
「うん。神崎くんだったら、彼から上手く聞き出していたかもね」
「・・・・・・」
「・・・・・・手を退けてくれないかな」
唯凪さんがそう言うと、鈇田さんは舌打ちをさせながら手を離した。その後はイライラした様子でお店を出て行くのをもう1人の警察官が追って出て行った。
「ゴメンね。ウチの者が迷惑掛けちゃって」
「いえ、唯凪さんが悪いわけではないので気にしないで下さい」
「そうよぉ~。完全あの勘違い馬鹿が悪いんだからぁ~、唯凪ちゃぁんは謝らなくてもいいわよぉ~。それで、唯凪ちゃぁんは一杯飲んで行くのかしらぁ~?」
「そうだね。一杯貰おうかなぁ。ああ、もちろん仕事中だからアルコール類はダメだよ。だからノンアルコールのビールを頂戴」
唯凪さんはそう言いつつ僕の隣に座った。
「紫音くん、もしかしてさっきの話、神崎くんの過去を気にしてる?」
「えっ!?」
「やっぱり、気にしてる。って顔をしていたからねぇ。でもね、その事は僕からじゃ話せないんだ。ゴメンね」
唯凪さんの顔が聞いちゃいけないよって顔をしているのでコクリッと頷いて諦めた。
「ところで紫音くん、真理亜さんから何かファイルを貰ったみたいだけど、彼女から何か情報貰ったのかい?」
「えっ!?」
何で知っているの、この人は?
僕がビックリしていると、真理亜さんがノンアルコールの入ったビールとコップをカウンターに置いてから、僕に話し掛けて来た。
「あらぁ~、彼なら正直に話しても大丈夫よぉ~」
「いいんですか?」
「ええ、唯凪ちゃぁんなら分別をわきまえているから、話しても大丈夫よぉ~。それに工藤ちゃぁんも、そっちの方が有り難いんじゃなぁ~い?」
そう言って僕のスマートウォッチを見つめていると、工藤さんからスマホにメールが入って来た。なので確認して見ると 話しても構わない。 という内容が書いてあった。
「工藤さんから話しても構わないとメールが来ました」
「なら話しても問題はないわねぇ~。さぁ、アタシが渡したファイルを取り出してぇ~!」
僕は真理亜さんに言われた通りに、鞄からファイルを取り出して中身を広げた。
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