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これで一気に目的地に行けるぞ! やったねルル‼︎
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ハンターウルフをマジック・マグナムで倒した俺は、足元で嬉しそうに尻尾を振っているルルを高らかに持ち上げた。
「やったよルル! 初戦闘にしてモンスターを倒せた‼︎」
「キャンッ!」
ルルも、 おめでとう! と言う感じに吠えた……きっと、そうだよな。いや、そうに決まってる!
レベルが上がりました! ステータスの確認をして下さい。
「おっ⁉︎」
レベルが上がっただって? とにかくステータスを確認してみようか!
「キャンッ⁉︎」
「ん?」
ルルが後ろの方を気にしているので、釣られるような形でそっちに顔を向けると、先ほど走り去って行った馬車がこっちにやって来た。そして、手綱を掴んで取っているぽっちゃり系おじさんが話し掛けて来た。
「キミ、大丈夫? 怪我してないかいっ?」
「大丈夫ですよ。この通り、怪我一つありません」
「そう。それはよかった……ところで、何でキミは下着姿なんだい?」
「ああ~……それはそのぉ~…………」
脳内プラン1. 実は俺、異世界から転生したんです。と経緯込みで正直に語る。
……いや、それだと「何を言ってるんだ、この人は?」って言われるか、もしくは変な事に利用されかねないので却下!
脳内プラン2.記憶喪失を装う。
……絶対バレるって‼︎ しかも、怪しい人かもしれないと思われる可能性が高いから却下!
なので、俺が出した答えはこれだ!
「えっとぉ~。それはですねぇ~…………着れない状態になってしまったので、この様な格好になってしまいましたぁ」
「そうなのですかぁ……ん? どうして着れない状態になったのですか?」
「恥ずかしい出来事なのですが、焚き火の近くで濡れた服を乾かしていたら、服に燃え移ったんです。後、川にお金と荷物も落としてしまいました。武器と本は身に付けていたので、何とか出来たのですがぁ……残念です」
「ああ~なるほど。それは災難でしたねぇ」
俺が出した答え。言えない部分を包み隠しながら、言えるところは言う。
「よかったら、私が街まで送って差し上げましょうか?」
「いいんですか?」
「いえいえ、助けて頂いたお礼です。どうぞ乗って下さい」
わぁ~い、やったぁ! これで安全な街へ行けるぅ‼︎ てかマップに映っていた場所、村だと思ってたよぉ! あ、そういえば……。
「あの、商人さん。この魔物どうしますか? このまま処分します?」
先程倒したハンターウルフを指さして言った。
「えっとぉ……ハンターウルフの毛皮や牙は素材として売れるので、我々としては、持って帰りたいのです」
ほうほう、毛皮や牙は売れるのか。金策になるから覚えておこう。てか今お金が欲しいから、持って帰りたい!
「2体分のスペースはぁ~……うん、ありそうですね。乗っけちゃいましょう!」
ハンターウルフの死体を馬車に乗せてから出発をした。と言いたいところだけど、乗る前に布団を渡して来て、「目のやり場に困るので、それで隠して下さい!」と言われたので、馬車に乗る前に布団で身体を隠しました。
うん。完全男の感覚で彼と接していたよ。そういえば、重要な事を忘れていたよ。
てか俺、何も考えずに馬車に乗っちゃったけど、大丈夫なのかぁ?
「……あっ⁉︎ そういえば、まだ自己紹介をしていませんでしたね。私の名前は、 バルグ・ネルマ 。ネルマ商会の会長をしています」
「俺の名前は……って商会の会長ぉっ⁉︎」
商会の会長が、どうしてこんなところにいるんだ? って、名前を言う前に聞いたら失礼だよな。
「え、えっとぉ~……俺は カイリ って言います。この子は従魔の ルル ……です」
「キャンッ!」
よろしく! と言う感じで、バルグに向かって吠える。
「従魔? もしかして職業は、テイマーなのですか?」
「はい。後もう1つは錬金術師なんです」
「ダブルクラス持ちっ⁉︎」
え? ダブルクラス? ダブルクラスって何ですか、チュートリアルさん。
ダブルクラスとは。
本来は1人のつき1職しか持てない職業を2つ持てる貴重な人の事を指します。
ダブルクラス持ちのメリットは、職業を2つ持っているので、それぞれの職業を能力を兼ね揃えており、両方の職業のスキル技も扱えるところです。
デメリットとしては、2つの職業を持つ分、レベルが上がり難くなっております。
余談ですが、ダブルクラスの他に3つ職業を有しているトリプルクラスもいます。
……なるほど。だからこんなに驚くのか。
「ダブルクラスと言っても、テイマーと錬金術師なので、みんなガッカリした顔をするんですよねぇ~」
この言い方で合ってるよな?
「ああ~、言われてみればそうですねぇ……ん? でも、魔物が破裂音と共に倒れていた気がぁ……いや、倒していましたね。どうやって倒したんですか?」
銃の事を話したら、面倒くさい事になりそうな気がする!
「そ、それは秘密です! ところでバルグさんは、何でハンターウルフに追われていたんですか?」
「私ですか? お恥ずかしい話なのですが、護衛に雇っていた冒険者達がハンターウルフの姿を見た瞬間に逃げだしてしまい、あの状況になってしまったのです」
「マジかっ‼︎」
話を聞いていたルルも、驚いた表情させている。てか、言葉を理解出来るんだね。今知ったよ。
「マジも何も、商人の私が一人こんなところを彷徨くのは、自殺行為に等しい行動ですよ」
「ま、まぁ確かに」
「今回の件は、商業ギルド経由で抗議と被害額の請求をするつもりです。もちろん、カイリ様にはお礼として、お金をお渡し致しますね」
「あ、はい……ありがとうございます」
ニッコリと微笑んでいるけど、身体から怒気を感じるぞ。
その後は街の名前やら、他愛もない話をしながら馬車揺られていた。そうそう。ルルがフェンリルの子供と説明したら、凄く驚いていた。
「見えて来ましたよ。あれがバーリアスです」
「あれが……」
元々は戦争で使われていた要塞とあって、外の城壁が高い上に頑丈そうな作りになっているし、何よりも塀の周りに作られた川の幅が広いので、容易に攻められそうにないのが見て分かる。
因みに、全部バルグさんが教えてくれました!
「今日は検問に人が並んで無いので、楽に入れそうですね」
「並んで無いって、並んでいるのが普通なんですか?」
「ええ。ここは3つの国との中間地点なので、混んでいる日の方が多いんですよ」
故郷で言うところのシルクロードの中間地点って考えれば、いいのかもしれない。
そんな事を思っていたら、検問所の兵士が1人が俺達の方に駆け寄って来た。
「おい、バルグ! お前生きていたのか?」
「……ハァ? 生きてた。って、どういう事?」
「私に聞かれても困ります! それに、こうなった事態を一番知りたいのは、私なんですからぁ!」
ですよねぇ~!
「え? いやだって……お前の護衛をしていた冒険者達が帰って来て、“強い魔物が出来て、俺達の身代わりになる為にバルグが残った。”って話をしたからぁ……」
「何を言ってるんですかっ⁉︎ 私は彼らに見捨てられたのですよっ‼︎」
その言葉を聞いた門番達は、険しい顔になった。
「見捨てられた? それはどういう事だ?」
「実はですね……」
ここに来るまでの経緯をバルグが説明をした。門番も何か思い当たるところがあったのだろうか、アゴに手を当て、ブツブツと何かを呟いていた。
「……つまり、アイツらはでっち上げの話を俺達にしたって訳だな?」
「はい。その通りです」
「ハァ~……アイツらを見掛けたら、こっちの方で身柄を拘束して冒険者ギルドへ連れて行くとしよう。
それで、問題はそっちの嬢ちゃんの方だ」
「俺ですか?」
何処に問題があるって言うんだ?
「素っ裸で彷徨いていたのは分かるが、身分を確認出来るもんは無いんだろう?」
「あ、はい」
「盗賊とか犯罪者とか思っていねぇが、身分を提示出来ない者に関しては、規則でステータスの確認をしなくちゃいけねぇんだ。その犬と一緒に見ても問題ないか?」
「キャンッ‼︎ キャンッ‼︎」
ステータスの確認必要なんだ。てか、ルルは何で怒った様な吠え方をしているんだ?
「構いませんよ。ステータス!」
そう言ってステータス画面を開き、門番に提示した。
「どれどれ……なっ⁉︎ これはっ?」
「どうかなさい……えっ⁉︎」
バルグと門番は驚いた表情で固まってしまった。
あれ? もしかしてぇ~……俺、何かやらかした?
カイリは額に汗を滲ませながら、自分の安易な行いを後悔をしていたのだった。
「やったよルル! 初戦闘にしてモンスターを倒せた‼︎」
「キャンッ!」
ルルも、 おめでとう! と言う感じに吠えた……きっと、そうだよな。いや、そうに決まってる!
レベルが上がりました! ステータスの確認をして下さい。
「おっ⁉︎」
レベルが上がっただって? とにかくステータスを確認してみようか!
「キャンッ⁉︎」
「ん?」
ルルが後ろの方を気にしているので、釣られるような形でそっちに顔を向けると、先ほど走り去って行った馬車がこっちにやって来た。そして、手綱を掴んで取っているぽっちゃり系おじさんが話し掛けて来た。
「キミ、大丈夫? 怪我してないかいっ?」
「大丈夫ですよ。この通り、怪我一つありません」
「そう。それはよかった……ところで、何でキミは下着姿なんだい?」
「ああ~……それはそのぉ~…………」
脳内プラン1. 実は俺、異世界から転生したんです。と経緯込みで正直に語る。
……いや、それだと「何を言ってるんだ、この人は?」って言われるか、もしくは変な事に利用されかねないので却下!
脳内プラン2.記憶喪失を装う。
……絶対バレるって‼︎ しかも、怪しい人かもしれないと思われる可能性が高いから却下!
なので、俺が出した答えはこれだ!
「えっとぉ~。それはですねぇ~…………着れない状態になってしまったので、この様な格好になってしまいましたぁ」
「そうなのですかぁ……ん? どうして着れない状態になったのですか?」
「恥ずかしい出来事なのですが、焚き火の近くで濡れた服を乾かしていたら、服に燃え移ったんです。後、川にお金と荷物も落としてしまいました。武器と本は身に付けていたので、何とか出来たのですがぁ……残念です」
「ああ~なるほど。それは災難でしたねぇ」
俺が出した答え。言えない部分を包み隠しながら、言えるところは言う。
「よかったら、私が街まで送って差し上げましょうか?」
「いいんですか?」
「いえいえ、助けて頂いたお礼です。どうぞ乗って下さい」
わぁ~い、やったぁ! これで安全な街へ行けるぅ‼︎ てかマップに映っていた場所、村だと思ってたよぉ! あ、そういえば……。
「あの、商人さん。この魔物どうしますか? このまま処分します?」
先程倒したハンターウルフを指さして言った。
「えっとぉ……ハンターウルフの毛皮や牙は素材として売れるので、我々としては、持って帰りたいのです」
ほうほう、毛皮や牙は売れるのか。金策になるから覚えておこう。てか今お金が欲しいから、持って帰りたい!
「2体分のスペースはぁ~……うん、ありそうですね。乗っけちゃいましょう!」
ハンターウルフの死体を馬車に乗せてから出発をした。と言いたいところだけど、乗る前に布団を渡して来て、「目のやり場に困るので、それで隠して下さい!」と言われたので、馬車に乗る前に布団で身体を隠しました。
うん。完全男の感覚で彼と接していたよ。そういえば、重要な事を忘れていたよ。
てか俺、何も考えずに馬車に乗っちゃったけど、大丈夫なのかぁ?
「……あっ⁉︎ そういえば、まだ自己紹介をしていませんでしたね。私の名前は、 バルグ・ネルマ 。ネルマ商会の会長をしています」
「俺の名前は……って商会の会長ぉっ⁉︎」
商会の会長が、どうしてこんなところにいるんだ? って、名前を言う前に聞いたら失礼だよな。
「え、えっとぉ~……俺は カイリ って言います。この子は従魔の ルル ……です」
「キャンッ!」
よろしく! と言う感じで、バルグに向かって吠える。
「従魔? もしかして職業は、テイマーなのですか?」
「はい。後もう1つは錬金術師なんです」
「ダブルクラス持ちっ⁉︎」
え? ダブルクラス? ダブルクラスって何ですか、チュートリアルさん。
ダブルクラスとは。
本来は1人のつき1職しか持てない職業を2つ持てる貴重な人の事を指します。
ダブルクラス持ちのメリットは、職業を2つ持っているので、それぞれの職業を能力を兼ね揃えており、両方の職業のスキル技も扱えるところです。
デメリットとしては、2つの職業を持つ分、レベルが上がり難くなっております。
余談ですが、ダブルクラスの他に3つ職業を有しているトリプルクラスもいます。
……なるほど。だからこんなに驚くのか。
「ダブルクラスと言っても、テイマーと錬金術師なので、みんなガッカリした顔をするんですよねぇ~」
この言い方で合ってるよな?
「ああ~、言われてみればそうですねぇ……ん? でも、魔物が破裂音と共に倒れていた気がぁ……いや、倒していましたね。どうやって倒したんですか?」
銃の事を話したら、面倒くさい事になりそうな気がする!
「そ、それは秘密です! ところでバルグさんは、何でハンターウルフに追われていたんですか?」
「私ですか? お恥ずかしい話なのですが、護衛に雇っていた冒険者達がハンターウルフの姿を見た瞬間に逃げだしてしまい、あの状況になってしまったのです」
「マジかっ‼︎」
話を聞いていたルルも、驚いた表情させている。てか、言葉を理解出来るんだね。今知ったよ。
「マジも何も、商人の私が一人こんなところを彷徨くのは、自殺行為に等しい行動ですよ」
「ま、まぁ確かに」
「今回の件は、商業ギルド経由で抗議と被害額の請求をするつもりです。もちろん、カイリ様にはお礼として、お金をお渡し致しますね」
「あ、はい……ありがとうございます」
ニッコリと微笑んでいるけど、身体から怒気を感じるぞ。
その後は街の名前やら、他愛もない話をしながら馬車揺られていた。そうそう。ルルがフェンリルの子供と説明したら、凄く驚いていた。
「見えて来ましたよ。あれがバーリアスです」
「あれが……」
元々は戦争で使われていた要塞とあって、外の城壁が高い上に頑丈そうな作りになっているし、何よりも塀の周りに作られた川の幅が広いので、容易に攻められそうにないのが見て分かる。
因みに、全部バルグさんが教えてくれました!
「今日は検問に人が並んで無いので、楽に入れそうですね」
「並んで無いって、並んでいるのが普通なんですか?」
「ええ。ここは3つの国との中間地点なので、混んでいる日の方が多いんですよ」
故郷で言うところのシルクロードの中間地点って考えれば、いいのかもしれない。
そんな事を思っていたら、検問所の兵士が1人が俺達の方に駆け寄って来た。
「おい、バルグ! お前生きていたのか?」
「……ハァ? 生きてた。って、どういう事?」
「私に聞かれても困ります! それに、こうなった事態を一番知りたいのは、私なんですからぁ!」
ですよねぇ~!
「え? いやだって……お前の護衛をしていた冒険者達が帰って来て、“強い魔物が出来て、俺達の身代わりになる為にバルグが残った。”って話をしたからぁ……」
「何を言ってるんですかっ⁉︎ 私は彼らに見捨てられたのですよっ‼︎」
その言葉を聞いた門番達は、険しい顔になった。
「見捨てられた? それはどういう事だ?」
「実はですね……」
ここに来るまでの経緯をバルグが説明をした。門番も何か思い当たるところがあったのだろうか、アゴに手を当て、ブツブツと何かを呟いていた。
「……つまり、アイツらはでっち上げの話を俺達にしたって訳だな?」
「はい。その通りです」
「ハァ~……アイツらを見掛けたら、こっちの方で身柄を拘束して冒険者ギルドへ連れて行くとしよう。
それで、問題はそっちの嬢ちゃんの方だ」
「俺ですか?」
何処に問題があるって言うんだ?
「素っ裸で彷徨いていたのは分かるが、身分を確認出来るもんは無いんだろう?」
「あ、はい」
「盗賊とか犯罪者とか思っていねぇが、身分を提示出来ない者に関しては、規則でステータスの確認をしなくちゃいけねぇんだ。その犬と一緒に見ても問題ないか?」
「キャンッ‼︎ キャンッ‼︎」
ステータスの確認必要なんだ。てか、ルルは何で怒った様な吠え方をしているんだ?
「構いませんよ。ステータス!」
そう言ってステータス画面を開き、門番に提示した。
「どれどれ……なっ⁉︎ これはっ?」
「どうかなさい……えっ⁉︎」
バルグと門番は驚いた表情で固まってしまった。
あれ? もしかしてぇ~……俺、何かやらかした?
カイリは額に汗を滲ませながら、自分の安易な行いを後悔をしていたのだった。
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