86 / 150
5話 速水さんとバーベーキュー。
《4》
しおりを挟む
落ち着け、私。
待ち合わせた改札前に立っていればきっと速水さんと会える。今大事な事は速水さんとすれ違いにならない事だ。
スマホをギュッと握って、顔を上げた時、長身の男性が目につく。
見慣れたスーツではなく、カーキ色のジャケットにジーパン姿だったから、一瞬、違う人かと思った。でも、速水さんだ!
スマホを握ったまま走る。
「速水さん!」
私の声に速水さんの視線が向く。
目が合うと、速水さんが優しく笑った気がする。
久しぶりの生速水さん……。
感情が込み上げて来て、泣きそう。
我慢しなきゃと思うのにうるっとする。
「卯月先生……」
向かい側に立つ私を速水さんが驚いたように見た。
「ごめんなさい。久しぶりに会ったから、急になんか」
眼鏡を外して、手の甲で涙を拭こうとすると、見覚えのある高級ブランドのロゴがついたハンカチが差し出された。
「使って下さい」
渡されたハンカチは私が速水さんの為に選んだもの。
速水さん、プレゼント受け取ってくれたんだ。
拒絶されていなかった。
良かった。
ハンカチを受け取ろうとしたら、右手は眼鏡、左手はスマホを掴んでいる。
あれ? どうしよう?
戸惑っていると、ポンポンってハンカチが優しく涙に濡れた目に触れた。
速水さんが涙を拭いてくれている!
嬉しい……。
嬉しくて涙が溢れる。
待ち合わせた改札前に立っていればきっと速水さんと会える。今大事な事は速水さんとすれ違いにならない事だ。
スマホをギュッと握って、顔を上げた時、長身の男性が目につく。
見慣れたスーツではなく、カーキ色のジャケットにジーパン姿だったから、一瞬、違う人かと思った。でも、速水さんだ!
スマホを握ったまま走る。
「速水さん!」
私の声に速水さんの視線が向く。
目が合うと、速水さんが優しく笑った気がする。
久しぶりの生速水さん……。
感情が込み上げて来て、泣きそう。
我慢しなきゃと思うのにうるっとする。
「卯月先生……」
向かい側に立つ私を速水さんが驚いたように見た。
「ごめんなさい。久しぶりに会ったから、急になんか」
眼鏡を外して、手の甲で涙を拭こうとすると、見覚えのある高級ブランドのロゴがついたハンカチが差し出された。
「使って下さい」
渡されたハンカチは私が速水さんの為に選んだもの。
速水さん、プレゼント受け取ってくれたんだ。
拒絶されていなかった。
良かった。
ハンカチを受け取ろうとしたら、右手は眼鏡、左手はスマホを掴んでいる。
あれ? どうしよう?
戸惑っていると、ポンポンってハンカチが優しく涙に濡れた目に触れた。
速水さんが涙を拭いてくれている!
嬉しい……。
嬉しくて涙が溢れる。
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる