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2話 速水さんからのオファー
《21》
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泣いたばかりだから、涙腺が弱っているのか、次々と涙が流れてしまう。
「速水さんにいろいろご迷惑をおかけして本当にすみません」
泣いてる場合じゃないのに、なんで止まらないの。これ以上、速水さんにご迷惑をかけたくないのに。
「卯月先生、そんなに思い詰めないで。TL小説の事でしたら、本当に大丈夫ですから」
また速水さんがぽんぽんとハンカチで頬に流れた涙を拭いてくれる。
なんて優しいんだろう。感極まって涙が止まらなくなる。
「私、こんなに優しくされた事なくて……」
泣きながら、本音が零れる。
「『先生』って呼ばれたのも初めてで。私、速水さんより年下なのに。なんかいろいろと申し訳なくて。……って何言ってるんだろう。速水さん、お忙しいのにすみません。私、もう大丈夫ですから行って下さい」
「泣いている女の子を一人にはできませんよ」
頭に優しい手の感触を感じる。
速水さんが私の頭を二度も撫でた。
体が宙に浮きそう。いや、浮いてるかも。背中に羽根が生えて上空まで飛んで行ってしまいそう。
もう一生、頭は洗わないで過ごしたい!!
今日は速水さんに頭を撫でて頂いた記念日だ。毎年、この日をお祝いしなければ!!
「速水さんにいろいろご迷惑をおかけして本当にすみません」
泣いてる場合じゃないのに、なんで止まらないの。これ以上、速水さんにご迷惑をかけたくないのに。
「卯月先生、そんなに思い詰めないで。TL小説の事でしたら、本当に大丈夫ですから」
また速水さんがぽんぽんとハンカチで頬に流れた涙を拭いてくれる。
なんて優しいんだろう。感極まって涙が止まらなくなる。
「私、こんなに優しくされた事なくて……」
泣きながら、本音が零れる。
「『先生』って呼ばれたのも初めてで。私、速水さんより年下なのに。なんかいろいろと申し訳なくて。……って何言ってるんだろう。速水さん、お忙しいのにすみません。私、もう大丈夫ですから行って下さい」
「泣いている女の子を一人にはできませんよ」
頭に優しい手の感触を感じる。
速水さんが私の頭を二度も撫でた。
体が宙に浮きそう。いや、浮いてるかも。背中に羽根が生えて上空まで飛んで行ってしまいそう。
もう一生、頭は洗わないで過ごしたい!!
今日は速水さんに頭を撫でて頂いた記念日だ。毎年、この日をお祝いしなければ!!
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