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12.赤と緑※

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 ユージーンの熱い唇がリリーシュの身体中を這う。時折きつく吸い上げられ、それが何なのか知りたいが確認する余裕はない。
 浅く荒い呼吸がユージーンの唇から漏れるのを聞いて、リリーシュは自分を強く求める男に愛しさが募る。

 ユージーンがリリーシュの人よりも豊かな双丘に唇を寄せ舌先で嬲ると、押さえていた声が漏れた。執拗にリリーシュのほんのりとピンク色をした蕾を舐め、口内に含み吸い上げる。

「あっ! ああっ!」

 真っ白な首をのけ反らせ、それでも抱き込むようにユージーンの頭にしがみつく。片方の蕾を吸い上げ舌先で弾きながら、もう片方を指で摘み引っ張り、押し込む。

「や、やだやだ、ユージーン待って…!」
「気持ち良くないですか?」

 ぐっしょりとユージーンの唾液で濡れた胸と自分を見上げる目許を赤く染めたユージーンの顔が視界に飛び込み、リリーシュはまた顔を赤く染め上げた。

「……かわいいな、まだそんなに恥ずかしがるんですか」

 ちゅ、と音を立ててリリーシュの唇に口付けを落とす。

「は、初めてだもの、当たり前よ……!」
「俺もですよ、リリーシュ」

 ユージーンはリリーシュに寄り添うように体を横にすると、掌でリリーシュの肌を撫でた。白く弾力のある肌は滑らかでどこもかしこも甘く柔らかい。

「……食べてしまいたいな」
「え?」

 ユージーンは無意識に出た自分の言葉に苦笑して己を見つめる愛しい女に口付けをした。

「そのくらい、貴女が愛しくて仕方ないと言う事ですよ」

 ユージーンの掌が太腿を這い、やがて脚の付け根に辿り着くと、どちらともなく深く口付けをする。
 ユージーンの長い指が何度も肌をなぞり、やがて足の付け根からうっすらとした茂みをかき分けるように潜り込む。そこは既に潤い満ち、熱く甘い蜜をこぼしている。熱く柔らかな柔肉を掌で捏ね、そっと隘路に指を沈めた。
 ユージーンはリリーシュから上がる甘やかな声を呑み込みながら、リリーシュの蜜壺から立ち昇る甘い香りに酩酊し、理性を失って乱暴に組み敷いてしまいそうな衝動に駆られた。痛いほど張り詰めた己を何とか理性で押さえ込む。

 やっと手に入れた焦がれるほど欲した女を、乱暴に扱うなどしない。甘やかしどろどろに溶かして、自分無くしては生きていけない身体にするのだ。
 もう二度と、自分を置いていくような事のないように。

 リリーシュの中は熱くうねり、ユージーンの指を絡めとる。だがそこはまだ狭く、このままではリリーシュに激しい痛みを伴わせるだろう。
 ユージーンは口付けをゆっくりと下へ下へと移動させた。唇から首筋、鎖骨を辿り胸の柔らかな谷間、柔らかな腹に舌を這わせ臍の窪みをべろりと舐める。口許を手で覆い、目を瞑って声を我慢するリリーシュを見上げながら、ユージーンはリリーシュの脚を大きく開いた。

「え、あっ、まっ、待ってユージーン!」

 そんなリリーシュの制止する声を無視して、ユージーンは甘く誘う香りに誘われ、べろりとリリーシュのあわいを舐め上げた。
 リリーシュから悲鳴のような嬌声が上がる。

 リリーシュの蜜はユージーンの理性を強く揺さぶった。甘いそれは、今まで感じたことのない身体の底から湧き上がる欲情を、理性では抑えきれないほど強く揺さぶる。
 誘われるままに舌を伸ばし溢れる蜜壺へ差し込むと、甘い蜜で酩酊したように心が高揚する。

 身体を捩り逃れようとするリリーシュの腰を抑え、ユージーンは本能が求めるままに蜜を吸い上げ舌先で嬲った。溢れ出る蜜は吸い上げても次々と溢れ、ユージーンはそれを舌先で掬い上げ、その上に隠れている小さな蕾に舌で塗り付けた。
 リリーシュの口から一際高い悲鳴が上がる。
 小さな蕾を口に含み唇で扱いて、ちゅうっと音を立てて吸い上げると、やがてガクガクと身体を震わせた。
 ユージーンがそれでも腰を押さえながら舌で蕾を激しく弾くと、真っ白な細くて柔らかな脚がピンと伸び、リリーシュからくたりと力が抜けた。

 ひくひくと痙攣する赤い蜜壺は強く甘く匂い立ち、ユージーンを誘惑する。クラクラするほどの強い香り。
 ユージーンは身体を起こし口元を拭うと、息も荒く胸を激しく上下させているリリーシュに声を掛けた。

「……リリーシュすみません、俺はもう……」

 ズボンの前をくつろげると張り詰めて痛いほどの己を取り出す。
 リリーシュはぼんやりとした頭でユージーンに視線を向けた。下履きを脱ぎ全裸になったユージーンがゆっくりとリリーシュに覆い被さる。
 長い髪がサラリと背中から落ちてきてリリーシュにかかった。赤いピアスがユラユラと陽の光を反射し揺れている。リリーシュは美しいユージーンの姿をぼんやりと見上げた。

「リリーシュ?」
「……いつ……彫ったの?」

 震える腕を上げて、そっとユージーンの左胸に触れる。

「……貴女に助けられてから少しづつ」
「気が付かなかったわ」
「主人の前で袖を捲ることなどありませんから」
「そうなのね……」

 左胸にある小さな赤と緑の模様。見た事のない文字のようにも見えるそれは、リリーシュの色だろう。じわりとリリーシュの瞳に涙が浮かんだ。
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