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レオニダス・フォン・バルテンシュタッド=ザイラスブルク
しおりを挟むエーリク
初めての船旅はどうだっただろうか。無事、隣国に着いた事と思う。
今回の留学は、いずれエーリクのためにと考えていた事だ。予定は早まったが、良い出会いと友人に恵まれたタイミングで行けるのは良かったと思っている。
よく学び、鍛錬をして吸収するといい。自分の知らない世界を知る事は、自分の思考や視野を広げてくれるいい経験となるだろう。それはこれからの自身の糧となるものだ。
エーリクがそれを楽しみ、のびのびと過ごせることを心から願っている。
ゾッケはヤンチャかもしれないが、言うことを聞くいい犬だ。しっかりと躾け、行動を共にすることで忠実な遣いとなるだろう。オッテの子供たちはその素質がある。大切にするといい。
剣は十歳の年に渡す予定だったが、これを機に鍛治に頼んで仕上げたものだ。俺が父から初めて貰ったものだが、父が十歳の頃に同じく父である前国王から貰ったものと聞いている。
上質なものは磨き上げればまた良い剣となり、その身を守る。正しく使わなければ己を滅ぼす刃となるだろう。エーリクなら、その剣に相応しい能力を身につけることができるはずだ。決して大切にしまうなどせず、エーリクの守りたいものを守るに相応しい剣として、そしてそれを使う使い手として成長することを願う。
ナガセの作った飾り帯の剣帯は、アンナと共に随分と苦労して仕上げていた。大切に使ってやると喜ぶだろう。剣と共に使ってくれると嬉しい。
エーリク、どんな困難が訪れようと必ず朝は来る。
何が起ころうと、いつもエーリクのことを思い愛する人間がいることを忘れないで欲しい。
彼の地で、エーリクに素晴らしい経験と出会いがあることを願う。
離れていようと何処にいても、エーリクは俺の誇れる息子だ。
身体に気をつけて。
またすぐに会おう。
レオニダス・フォン・バルテンシュタッド=ザイラスブルク
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