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深い青に揺蕩う黄金※
しおりを挟むどんな私でも愛おしいと、そう言ってくれたレオニダスに、どうしようもなく好きだと、愛しているという気持ちが溢れて来た。
私のために今日ここに来て、楽しめる様にとどうやら色々我慢をしていたらしいレオニダスに私が気が付いた時の、バツの悪い顔が可笑しくて笑ってしまった。
そんなレオニダスすら愛おしいなんて、もう重症なんだと思う。
どうしたらいいのか分からない。
こんなに好きだという気持ちをどう伝えたらいいのか。
だから私は、レオニダスにキスを贈った。
初めはいつもの様に触れるだけのキス。
だけどそれだけじゃどうしても足りなくてレオニダスの唇を食む。柔らかな唇は甘く、うっすらと開かれた口内へ舌を差し込むと一瞬レオニダスの身体が固まった。レオニダスの舌を突つくと、あっという間に絡め取られ、身体をがっしりと抱き込まれる。後頭部を抑えられ、舌で口内を翻弄されて私もそれに応えたくて、必死にレオニダスにしがみついた。
息が苦しくなる。でも離れたくない。
浴槽から上がりウッドデッキに腰掛けたレオニダスの膝の上で横抱きにされ、角度を変えて何度もキスをする。
いつもより激しく性急なそれは、あっという間に私の内にある欲望に火をつけた。
煽ったのは私。
口端から唾液が流れる。レオニダスはそれを舐め取りそのまま唇を肌に這わせる。首筋に鎖骨に胸元に、何度もピリっと痛みが走る。
這い回り吸い付くその気持ち良さに、レオニダスの頭を抱えて漏れそうな声を我慢した。
私の身体を弄っていたレオニダスの大きな掌が下から掬う様に私の胸を持ち上げやわやわと揉みしだき、長い指が頂きの周囲を擽る様に撫でる。
舌を這わせながら段々と胸元に降りて来たレオニダスの唇が私の頂きを捕らえ、口内に含み舌で転がし、押し潰す。
思わずレオニダスの髪を強く掴んだ。
じゅうっと音を立てて吸い上げ、舌を尖らせて激しく嬲る。
「……っ! んっ、ぁっ」
声が出てしまい、慌てて唇を噛むと、そんな私に気が付いたレオニダスが顔を上げ、噛み締める唇に親指を差し込んだ。
口内に入ってくるレオニダスの指に反射的に舌を絡め吸い付くと、レオニダスが唸り声を上げて指を引き抜き噛み付く様にキスをする。
指で頂きを弾き、摘んで捻るように弄られ大きく腰が跳ねる。
ずっと当たっているレオニダスの熱杭がどんどん大きくなっている気がして、更に息の荒いレオニダスに煽られ、私ももう限界だった。
「……カレン…」
唇が離れ、熱い息がかかる。
ぼんやりと見上げると獣のような黄金の瞳が今にも飛び掛からんばかりに私を見下ろしている。
「すまない、やはりダメだ。側に、護衛の気配がする」
はあはあと息が上がっているレオニダスの額には汗が浮かぶ。私の腰に当たっているレオニダスの熱がビクビクと脈打つのが分かるくらい密着していて、とてもじゃないけどこのまま終われるとは思えなかった。
室内に戻ってもあの玄関の向こうに護衛がいる。もうこのまま終えるしかないのは分かっていた。
でも……。
上がる息を整えながら、レオニダスの首に回していた手をそっと下ろし、腰に触れているレオニダスの熱杭に触れる。レオニダスがびくりと身体を硬くした。
初めて触れるそれは熱くてものすごく硬い。私の掌でビクビクと脈打ちまるで別な生き物のように感じる。
手のひらを滑らせその熱杭の先から溢れる滑りを纏い、キュッと力を入れるとレオニダスの身体が大きく跳ねた。
「……っ、カレン!」
慌てた様子で私の手首を掴む。
「ん、れお、このままじゃ……」
レオニダスの顔を見上げると、目元を赤く染め潤んだ黄金の瞳が私を射抜く。
眉間には深い皺が。
コツン、と額を合わせて二人とも無言のまま息を整えた。レオニダスの手首を掴む力が緩んで、私はまたレオニダスの熱杭を掌で擦る。
レオニダスは何も言わずに唸り声だけ上げて目を瞑った。その唇に唇を重ね、舌を割り込む。
ぐちゅぐちゅと音を立てながら舌を絡ませ深いキスをして、掌で一心に熱杭を上下に扱いた。レオニダスの反応を見ながら時々傘のようになった部分の境目を強く擦り、こぼれ落ちる先端を指でグリグリと塗り込むように強く擦り付けると、レオニダスの口から声が漏れる。
「……っ、はっ、……っ」
レオニダスの悩ましい息遣いと苦し気に顰める表情を見て、私のお腹の奥がキュンキュンと反応した。
「……っ、カレン……少し、強く……早くできるか」
レオニダスが私の肩に凭れかかった。呼吸が荒い。
「ん、こう……?」
先程より強く握り込み上下に激しく扱く。その上にレオニダスが手を重ね私の掌ごと包み込み大きなストロークで上下に動かした。
「……っ、カレン……っ」
掌で大きく膨らむようにびくんと脈打ち、レオニダスの熱杭から熱い飛沫が吐き出された。
暫く私の肩に額を乗せ呼吸を整えていたレオニダスは、ふーっと大きく息を吐くと顔を上げて私の顎を掴み齧り付く様にキスをした。
ぶ厚い舌で口内を弄り歯列をなぞり、私の舌を絡め取り吸い上げ扱く。
ぐじゅぐじゅと卑猥な音を立ててあっという間に唾液がこぼれ落ちた。
「んんっ、ふぁっ」
ちゅっと水音を立てて離れた唇は銀色の糸で繋がり、離れてしまった唇をつい目で追ってしまう。
「……そんな顔をするな」
レオニダスが親指でグイッと私の唇を拭う。
視線を上げると目許を赤くしたレオニダスが眉間に皺を寄せて見下ろしている。
「嫌だった?」
「嫌じゃない。そうじゃない、ただ……」
コツンと額を合わせてレオニダスが目を瞑る。
至近距離で見るレオニダスの長く濃い睫毛をじっと見つめていると、ふと目を開きこちらを見た。
深い青の瞳にゆらりと黄金を揺らめかせ、その熱っぽい視線にまた愛しさが込み上げる。
「カレンに、こんな事をさせたいわけじゃない」
「? 私、嫌じゃないよ?」
「ああ、そうじゃなくて」
レオニダスを握っていた私の手を取り白濁がベッタリとついた掌と私の腹部を見て顔を顰める。
「汚してしまった」
「汚れてなんて……」
「カレン」
レオニダスが私の唇にちゅ、とキスをして言葉を塞いだ。
「俺は、カレンがいい」
するりとレオニダスの掌が私の脚の付け根をなぞる。
「!」
「俺がカレンを気持ち良くしてイカせたいし」
レオニダスの長い指が割れ目に侵入してくる。
「カレンの中でイキたい」
くちゅ、と音を立ててレオニダスの指がゆっくりと往復する。突然与えられた快感に身体が跳ねて、慌ててレオニダスにしがみついた。
ダメ、私じゃ声が出ちゃう!
「……凄いな、グショグショだ。俺のを扱いて感じた?」
耳元で囁くレオニダスの言葉に顔が熱くなった。グッと指を曲げて私の感じる所を刺激する。
「……っ! ゃだ、まっ……!」
快感を逃したくて、しがみ付いたレオニダスの肩に思わず歯を立てる。レオニダスは長い指でぐちょぐちょと音を立て中を掻き回し、指でいいところを刺激する。
昂っていた私の身体は呆気なく高みに追いやられた。
はあはあと息を切らせている私の額に、頬に唇に、レオニダスは次々とキスを落とし宥める様に背中を撫でる。
息が整わないままぼんやりとしがみ付いていた身体をレオニダスから離すと、レオニダスの肩に赤く私の噛んだ痕が付いていた。
「あ、ごめ……っ!」
付けてしまった事も、なぜ付いたのかも含めて、急に現実に引き戻され恥ずかしくなった。
どどどうしよう、痕付けちゃった!
見上げるとなぜか嬉しそうな顔のレオニダス。自分の肩を見てニヤリと口端を上げた。
コツンと額を合わせてレオニダスが瞳を覗き込み、私を横抱きにしたまま立ち上がった。
「カレン、身体を流そう」
そう言って私を抱きかかえ室内に戻ろうと歩き出すと、私のお尻にまた熱い塊が当たる。
「……レオニダス」
「すまない、気にするな」
今度は涼しい顔でそんな事を言っても、もうお互い灯ってしまった火は消せない。グイッと首に回していた腕でレオニダスの顔を私の方に引き寄せてちゅ、と唇を合わせた。
「ね、もう帰ろ……?」
その言葉の意味するところは。
唇を寄せたまま囁くと、みるみる顔を赤くしたレオニダスが物凄い速さで私の身体を清め、私たちは予定より早くザイラスブルク邸へ帰る事になった。
*
「で、どうだったの? ナガセ発案の温泉施設は」
執務室でアルベルトがお茶を淹れながらこちらを振り返った。
今朝までのベッドの上にいたカレンが脳裏に蘇り、咳払いをして書類に視線を戻す。
「素晴らしかった。カレンの国では宿泊施設になっているそうだ。ラウルに言って本格的に建設と運営を視野に入れてもいいかもしれないな」
「へえ~。まあ温泉ならどこでも湧くしね、観光資源になるなんて考えた事なかったよね」
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お茶を美しい所作で口にしながらアルベルトは嬉しそうに笑う。
「ね、僕もその温泉入りたいな。行ってもいい?」
「ああ、いいんだが少し手を加えるからすぐには無理だ」
「何かまた作るの?」
「……防犯上、建物の周囲を塀で囲み護衛の待機施設も作る。あとは部屋を増設する」
「部屋」
「部屋だ」
「……ふぅん……」
アルベルトがこちらを見ている気がするが気のせいだ。手元の書類に集中する。
今頃カレンは目を覚ましただろうか。
今日も明るいうちに帰ろう。
そしていつもの様に、あの甘い唇にキスをしよう。
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