上 下
1 / 18

前編

しおりを挟む
前世を思い出しました。

唐突だけど、思い出しました。


私、現在とても豪華な図書室にて少し上にある本を取ろうとした所、落ちてきました。本が。

しかも3センチ位の厚みのある微妙に重い本。横には10センチ位の厚みの本もあるので、運が良いのか悪いのか?

咄嗟に手で庇ったのでそんなに痛くは無かったけど、バランスが崩れました。

ふらっといって床に倒れた瞬間です。
別に頭は打っていません。

急にストンと思い出しました。


今の私はなんと侯爵家嫡男の嫁。
そして18歳。

前世の私は主婦?パート?普通のおばさん。
52歳。

これまで生きてきた18年も過去の52年も両方私です。

なんだか若返って得した気持ちになりました。


いえ、状況的には前世より今現在の状況の方が全く幸せではない状況なんですが、先程までの憂鬱な気持ちが無くなりました。

気持ち的に図太くなった気がします。

読むつもりだった落ちた本を手に持って机に向かいます。
端の目立たないいつもの場所に座って本を開きます。

パッと見はいつも通りです。でも、頭の中では色々と今の状況を整理しつつ前世と今を照らし合わせてみました。


前世の私は日本にて普通に就職して、結婚して子供を産んで、育てて働いて、上の子が嫁に行き、下の子の就職が決まりました。

仲の良い旦那と2人お互い趣味を楽しみつつまだ先ではあるけど、今後の楽しい老後を夢見ていました。

多くはありませんが、貯金もして、こんな歳だし、と言いつつお友達とシミ取りやシワ取りの情報交換をしつつランチなども楽しんでいました。
人生あと50年弱もあるし、若くいるためにもメンテナンスは大切だと旦那も理解してくれていました。

それなりに苦労もあったけど、良い旦那に恵まれ、苦い経験が今では良い経験になったと歳を感じつつも、子供も一応巣立ったので満足していたところで52歳の記憶は終わりです。

これから、まだまだ残り半分の人生を謳歌する予定だったのですが…。



一方、今の私は侯爵夫人です。

元々は伯爵の1人娘でしたが、16歳で恋をしました。
相手は侯爵家嫡男。両家の跡取り問題があるかと思いきや、私が子供を2人産めば良いとの事でトントン拍子で話が進み、その年のうちに結婚。
最悪産めなくても親族や補佐は優秀な者がいるから大丈夫と言われました。
なんと、好きな人と結ばれしかも爵位まで上がって侯爵夫人になりました。めちゃハッピーと思っていたら、今世の私の幸せはここまででした。

まさかの結婚式初夜、今の旦那に愛人発覚。と、いうか本人から報告された。(しかもそっちが本命とのご丁寧な説明付き)
そして、お屋敷中がそちらを応援。
私は邪魔者。いや、なぜ?

お相手、平民の花屋さん(この時点であざとい)。
変なヤカラに絡まれていた所を町へ降りた旦那に助けられる。(どこの恋愛小説?)

それからもちょくちょく町で会う。(この時点でアウト)

で、なんやかんあり娘さんの両親が亡くなりお店が困窮、お屋敷のメイドへと転職。(なぜメイド?)

屋敷の中ではロマンス繰り広げまくり。(げぇ)

身分差に悩みつつも愛を育む。

ところが、旦那は泣く泣く政略結婚、でも愛する人は捨てられない(結婚やめるか別れるかどっちか選べよ)

嫁いで来た花嫁は爵位が下のくせに我儘で傲慢で金遣いが荒い、ご主人様可哀想(侍女談)


我儘で傲慢で金遣いが荒い花嫁が私。


はぁ?なんか色々ツッコミ所が多すぎる。

とりあえず、今世の私はそれはそれは愛されて育ちまして、両親には可愛がって貰いました(感謝)

おかげで、多少甘ったれのワガママさはあったと思います。
でも、これだけは断言できる。

暴力や暴言はもちろん他人を傷つけることはしていない。
そして、使っている金は私の個人資産だ。(甘い両親達が持たせてくれた)

なのにこのお屋敷の侍女達は完全に私を我儘で傲慢で資産を食い潰す問題児扱いをしてくる。

前世を思い出すまでは、わたしは自分のことを 我儘で傲慢な女で、そんな女だから当然旦那にも望まれず、爵位も低く(旦那と比べて)何も出来ず、迷惑をかけるだけの邪魔者であり、せいぜい表だけでは、取り繕う事をしなければならないと思い込んでいました。

こんな私も結婚当初は戸惑いつつも女主人として恥ずかしくないように過ごそうとしていました。
しかし、旦那には冷たくあしらわれ、侍女達には嫌味を言われ、事あるごとに文句を言われる日が続きました。

それまで伯爵家や親族としか交流の無かった私は他のお家の事など知らず、素直に侍女の言う事を事実として受け止め、少しでも侯爵家に馴染めるよう努力していました。

そして侍女達の行動はどんどんエスカレートしていき、表面上では丁寧なのですが今ではもはや最低限のお世話と最低限の食事となっております。

こんな風に扱われたのは初めてで、戸惑っている間に、どんどんと精神的にも追い詰められていきました。

そして頼りの旦那は屋敷の色々な場所でちょこちょことラブロマンスを見せつけてきます。(侍女がわざわざ誘導する事も多い)

侍女たちは表面上は丁寧に、さも当たり前のように何回も何回も言うので、いつの間にか自分が悪いと思い込んでいました。

私は旦那様達の結婚を邪魔した我儘で傲慢な令嬢であり、少しでも反省の気持ちがあるのならお屋敷でくらいは静かに過ごすべきである。と、いうのが侍女達の言い分でした。

立場の弱い平民の娘を悪く言うなんて優しさが無い。
爵位が上の侯爵様に意見があるなどとんでもない。
屋敷のものは皆仕事があり、お嬢様の我儘には付き合えない。
自分の事くらい自分でするのは当然。
身分をひけらかすなんて最低。
ここは格式高い侯爵家であり、すべては侯爵家に合わせて生活して当然である。
侯爵様のために働くのは当たり前。
侯爵様の気持ちに沿った行動をとれ。
侯爵様が望むならそれを叶える努力をしろ。
爵位は低いし愛されもしない何も出来ない邪魔者。
優しさがない。思いやりがない。朗らかさがない。愛想がない。傲慢。嫌味っぽい。
暗い。
侍女に何か声を掛ければ毎日同じような事を聞かされ、いつの間にか声を掛けなくなりました。
今まで侍女にやって貰っていた事を失敗しつつも自分でなんとか出来るようにしました。

顔を見ると嫌そうな顔をされるので人目を避けるようになりました。

繰り返し言われることば。

政略結婚で押し付けられた我儘で傲慢な女。






いや、身分制度を意識したほうが良いのかダメなのかハッキリしろと今ならツッコミたい。


今ならわかる。あれは洗脳されていた。


いつの間にか今の待遇は当然のものだと思い込んでいたのです。

意識はしていなかったけれど、自分が悪いと思い込み、少しでも役に立てるように勉強し、旦那どころか侍女達の邪魔をしないようにどんどんとひっそりと行動をするようになっていました。

そして、健気な私は一生懸命領地や貴族の関係を勉強しつつこの境遇に耐え、他の貴族や家族にはこの状況を気付かれないようにお茶会や夜会では幸せそうに振る舞っていました。



結婚して2年、よく耐えたな。


けれど、今、気付いてしまった。


私、我慢する必要ある?







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

けじめをつけさせられた男

杜野秋人
恋愛
「あの女は公爵家の嫁として相応しくありません!よって婚約を破棄し、新たに彼女の妹と婚約を結び直します!」 自信満々で、男は父にそう告げた。 「そうか、分かった」 父はそれだけを息子に告げた。 息子は気付かなかった。 それが取り返しのつかない過ちだったことに⸺。 ◆例によって設定作ってないので固有名詞はほぼありません。思いつきでサラッと書きました。 テンプレ婚約破棄の末路なので頭カラッポで読めます。 ◆しかしこれ、女性向けなのか?ていうか恋愛ジャンルなのか? アルファポリスにもヒューマンドラマジャンルが欲しい……(笑)。 あ、久々にランクインした恋愛ランキングは113位止まりのようです。HOTランキング入りならず。残念! ◆読むにあたって覚えることはひとつだけ。 白金貨=約100万円、これだけです。 ◆全5話、およそ8000字の短編ですのでお気軽にどうぞ。たくさん読んでもらえると有り難いです。 ていうかいつもほとんど読まれないし感想もほぼもらえないし、反応もらえないのはちょっと悲しいです(T∀T) ◆アルファポリスで先行公開。小説家になろうでも公開します。 ◆同一作者の連載中作品 『落第冒険者“薬草殺し”は人の縁で成り上がる』 『熊男爵の押しかけ幼妻〜今日も姫様がグイグイ来る〜』 もよろしくお願いします。特にリンクしませんが同一世界観の物語です。 ◆(24/10/22)今更ながら後日談追加しました(爆)。名前だけしか出てこなかった、婚約破棄された側の侯爵家令嬢ヒルデガルトの視点による後日談です。 後日談はひとまず、アルファポリス限定公開とします。

彼だけが、気付いてしまった

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約なぞ破棄してくれるっ!」 学院の卒業記念パーティーで、またしても繰り返される王子による婚約者への婚約破棄。だが今回は何やら様相が違った。 王子が傍らに抱き寄せた男爵家令嬢を虐めたと婚約者をなじり、婚約者は身に覚えがないと真っ向から否定する。物証を持ち出しても、証人を立てても彼女は頑なに認めようとしない。 あまりのことに王子の側近候補として取り巻く男子たちも糾弾に加わる。 その中に、彼は、いた。 「大勢でひとりを取り囲んで責め立てるなど、将来の王子妃としてあるまじき……………ん?」 そう。彼は、彼だけが気付いてしまった。 そして彼が気付いたことで、その場の全てがひっくり返っていくことを、王子たちは気付いていなかった⸺! ◆最近こればっかですが設定なしの即興作品です。 思いついたので書いちゃいました。 ◆全5話、約12000字です。第1話だけすこし短め(約2000字)です。 ◆恋愛ジャンルで投稿しますが恋愛要素はやや薄め、ほぼ最後の方だけです。 もし違和感あればご指摘下さい。ジャンル変更など対応致します。 ◆この作品は小説家になろうでも同時公開します。

【完結】公女さまが殿下に婚約破棄された

杜野秋人
恋愛
突然始まった卒業記念パーティーでの婚約破棄と断罪劇。 責めるのはおつむが足りないと評判の王太子、責められるのはその婚約者で筆頭公爵家の公女さま。どっちも卒業生で、俺のひとつ歳上だ。 なんでも、下級生の男爵家令嬢に公女さまがずっと嫌がらせしてたんだと。 ホントかね? 公女さまは否定していたけれど、証拠や証言を積み上げられて公爵家の責任まで問われかねない事態になって、とうとう涙声で罪を認めて謝罪するところまで追い込まれた。 だというのに王太子殿下は許そうとせず、あろうことか独断で国外追放まで言い渡した。 ちょっとこれはやりすぎじゃねえかなあ。公爵家が黙ってるとも思えんし、将来の王太子妃として知性も教養も礼儀作法も完璧で、いつでも凛々しく一流の淑女だった公女さまを国外追放するとか、国家の損失だろこれ。 だけど陛下ご夫妻は外遊中で、バカ王太子を止められる者などこの場にはいない。 しょうがねえな、と俺は一緒に学園に通ってる幼馴染の使用人に指示をひとつ出した。 うまく行けば、公爵家に恩を売れるかも。その時はそんな程度しか考えていなかった。 それがまさか、とんでもない展開になるなんて⸺!? ◆衝動的に一晩で書き上げたありきたりのテンプレ婚約破棄です。例によって設定は何も作ってない(一部流用した)ので固有名詞はほぼ出てきません。どこの国かもきちんと決めてないです(爆)。 ただ視点がちょっとひと捻りしてあります。 ◆全5話、およそ8500字程度でサラッと読めます。お気軽にどうぞ。 9/17、別視点の話を書いちゃったんで追加投稿します。全4話、約12000字………って元の話より長いやんけ!(爆) ◆感想欄は常に開放しています。ご意見ご感想ツッコミやダメ出しなど、何でもお待ちしています。ぶっちゃけ感想もらえるだけでも嬉しいので。 ◆この物語も例によって小説家になろうでも公開しています。あちらも同じく全5話+4話。

【完結】公女が死んだ、その後のこと

杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】 「お母様……」 冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。 古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。 「言いつけを、守ります」 最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。 こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。 そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。 「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」 「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」 「くっ……、な、ならば蘇生させ」 「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」 「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」 「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」 「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」 「まっ、待て!話を」 「嫌ぁ〜!」 「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」 「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」 「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」 「くっ……!」 「なっ、譲位せよだと!?」 「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」 「おのれ、謀りおったか!」 「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」 ◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。 ◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。 ◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった? ◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。 ◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。 ◆この作品は小説家になろうでも公開します。 ◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!

【完結】王家の血統〜下位貴族と侮るなかれ〜

杜野秋人
恋愛
「貧乏子爵家出身の貴様ごときが私の婚約者などと、もう我慢ならんっ!貴様との婚約なぞ、今この場で破棄してくれるわ!」 王宮主催の晩餐会の会場で、エスコートもなさらずわたくしを放置していた婚約者様。ようやく姿を見せたと思ったら指を突き付けて声高にそう宣言されました。 ああ、殿下。 やはりわたくしとの婚約の意味を理解されておられなかったのですね。 まあ、構いませんわ。わたくしも愛のない結婚など望んでもおりませんし。 けれど、しでかしたことの責任はきっちりと取って頂きますよ?後悔なさっても知りませんからね? 王子は婚約者が嫌いだった。借金を抱えた貧乏子爵家の娘で、特に美貌を誇るわけでもない。王家の遠縁なのは知っているがそれだけだ。 そんな女など、嫡出たる自分には相応しくない。もっと美しく、地位の高い⸺そう、他国の姫などが我が妻として相応しい。 そうして王子は婚約者に対して婚約破棄を言い渡す。 彼女がなぜ、自分の婚約者と決められたのか気付かないままに。 そう、彼は知らなかったのだ。 そして王命で集められた謁見の間にて、王子は自分が何をしでかしたのか、思い知ることになる⸺! ◆政略結婚の目的のひとつは縁繋ぎ。累代で婚姻を重ねていけば、長い歴史のある国ならこういう事もありうるよね、って話です。 全5話、完結しました。約2万字ほどの短めの物語です。 ◆異世界恋愛ですが異世界要素がちょっと薄いです。一応、魔力があって魔術が存在するいつもの世界(のつもり)です。 ◆設定は深く考えていませんが、家系図はきっちり組みました。ただし若干ややこしいので、やる気のある方は読みながら自分で家系図を書いてみると分かりやすいかも知れません。 大変申し訳ないですが、スッキリしたものが書けなかったので家系図の添付はありません。ご了承下さい。 ◆この作品は例によって小説家になろうでも公開します。あちらも全5話です。 ◆1/16、恋愛ランキング、HOTランキング入り確認しました!お読み頂きありがとうございます! 1/17、人気ランキング入り確認!読んで下さる皆様のおかげです!

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

悪役令嬢が残した破滅の種

八代奏多
恋愛
 妹を虐げていると噂されていた公爵令嬢のクラウディア。  そんな彼女が婚約破棄され国外追放になった。  その事実に彼女を疎ましく思っていた周囲の人々は喜んだ。  しかし、その日を境に色々なことが上手く回らなくなる。  断罪した者は次々にこう口にした。 「どうか戻ってきてください」  しかし、クラウディアは既に隣国に心地よい居場所を得ていて、戻る気は全く無かった。  何も知らずに私欲のまま断罪した者達が、破滅へと向かうお話し。 ※小説家になろう様でも連載中です。  9/27 HOTランキング1位、日間小説ランキング3位に掲載されました。ありがとうございます。

【完結】死がふたりを分かつとも

杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」  私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。  ああ、やった。  とうとうやり遂げた。  これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。  私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。 自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。 彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。 それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。 やれるかどうか何とも言えない。 だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。 だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺! ◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。 詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。 ◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。 1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。 ◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます! ◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。

処理中です...