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ミチャンポ王国と漁師連合国の諍い
善意の結末
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予想以上に祭りが上手くいったお陰で
ミチャンポ王国と、漁師連合国の友好関係は促進されようとしていた。
竜の親子は浜辺に留まって、料理を催促し続けたので
結局、一週間ほど俺たちは、マサカの街で二匹のために
不味い料理と旨い料理を作り続ける羽目になる。
そして必然的に、竜を見ようと見物人が押し寄せて
ミチャンポ王国から、ハイキャッターたちも山を下りて
かなりの数、見物に来たりしていた。
そしてヌーングサー達が酒をふるまいまくるので
浜辺は毎日のように、祭り状態になっていて
結局俺たちも、見物客のためにも魚料理を作りまくることになる。
そう言う感じで忙しく一週間ほど過ごしていて
ふとある時、バムが気づいた。みんなでの料理中のことである。
「あの……北へと鉱石を取りに行くために
そもそも、竜を探していたんですよね?」
なんと悪魔のピグナも忘れて居たようで、けだるそうに魚を切りながら
「ああ……もうどうでもよくない?
あのジジイの装置が出来上がったところで
何か変わるわけじゃないでしょ?」
「いや、でもこれ以上、マクネルファー待たせられんだろ。
……本格的にアル中になってしまうぞ」
俺がそう言うと、味見をしていたファイナが
「そろそろ飽きましたわ。そもそも何でこんなことを
していたのですか?」
代理王の任を解かれて俺たちを手伝っているペップが
「いや、そりゃあ、私たちがこの同盟地帯の代表として
ワールド料理カップに出るための認可を
待っていたんだにゃ?違ったにゃ?」
「それが届くまであと、少なくとも半月はかかりますよね?」
バムが俺を見つめながら言う。
「よし、竜たちに頼んでそろそろ向かおう。
祭りもそろそろいいだろ」
仲間たちは俺の意見に頷いてくれた。
親竜と、街の責任者のヌーングサーを浜辺に呼んで
両者に今の話を持ち掛けてみると
両者ともにもう少しそれは待って欲しい
もっとこの状態を続けて欲しいと懇願されて
結局そこから、一週間ほどさらに祭りへの協力をすると
ようやく、竜もヌーングサーも了解してくれた。
ちなみに結局二週間も祭りを続けていたわけだが
バムとは何も無かった。
というか良い雰囲気になる度に、他の三人の女子に邪魔をされた。
ピグナが先導していたのは分かっているが
なかなか尻尾を出さないので、怒ることもできなかった。
合否を乗せた船が来るのはあと一週間から十日くらいだろうと
翌朝早くから、全員で準備を始めて
竜の背に乗って、出発しようとすると
「連絡船が戻ってきたぞー!」
港のある砂浜に、水夫たちの声が響く。
慌てて全員で竜の背から降りて
小型の船が砂浜から遠くまで伸びている
木造の桟橋へと接岸されると
船から膨れたカバンを抱えて水夫が飛び降りて、走ってきた。
ピグナがその男を止めて、事情を説明すると
男は中から一枚の手紙を取り出して
ピグナに手渡した。
ピグナはニヤニヤしながら
「風が良くて、航行が早まったみたいだねー」
と言いながら、その手紙を俺に差し出してきた。
若干嫌な予感がしながら、受け取って
そして、ゆっくりと手紙を開ける。
そこには俺にも読める字で
「ミチャンポ王国そして漁師連合国の連名での
連合国家代表として、ワールド料理カップへの参加ご希望とありましたが
申し訳ありませんが、連盟内の規定により
参加不可、とさせていただきます」
そう書かれていた。
ミチャンポ王国と、漁師連合国の友好関係は促進されようとしていた。
竜の親子は浜辺に留まって、料理を催促し続けたので
結局、一週間ほど俺たちは、マサカの街で二匹のために
不味い料理と旨い料理を作り続ける羽目になる。
そして必然的に、竜を見ようと見物人が押し寄せて
ミチャンポ王国から、ハイキャッターたちも山を下りて
かなりの数、見物に来たりしていた。
そしてヌーングサー達が酒をふるまいまくるので
浜辺は毎日のように、祭り状態になっていて
結局俺たちも、見物客のためにも魚料理を作りまくることになる。
そう言う感じで忙しく一週間ほど過ごしていて
ふとある時、バムが気づいた。みんなでの料理中のことである。
「あの……北へと鉱石を取りに行くために
そもそも、竜を探していたんですよね?」
なんと悪魔のピグナも忘れて居たようで、けだるそうに魚を切りながら
「ああ……もうどうでもよくない?
あのジジイの装置が出来上がったところで
何か変わるわけじゃないでしょ?」
「いや、でもこれ以上、マクネルファー待たせられんだろ。
……本格的にアル中になってしまうぞ」
俺がそう言うと、味見をしていたファイナが
「そろそろ飽きましたわ。そもそも何でこんなことを
していたのですか?」
代理王の任を解かれて俺たちを手伝っているペップが
「いや、そりゃあ、私たちがこの同盟地帯の代表として
ワールド料理カップに出るための認可を
待っていたんだにゃ?違ったにゃ?」
「それが届くまであと、少なくとも半月はかかりますよね?」
バムが俺を見つめながら言う。
「よし、竜たちに頼んでそろそろ向かおう。
祭りもそろそろいいだろ」
仲間たちは俺の意見に頷いてくれた。
親竜と、街の責任者のヌーングサーを浜辺に呼んで
両者に今の話を持ち掛けてみると
両者ともにもう少しそれは待って欲しい
もっとこの状態を続けて欲しいと懇願されて
結局そこから、一週間ほどさらに祭りへの協力をすると
ようやく、竜もヌーングサーも了解してくれた。
ちなみに結局二週間も祭りを続けていたわけだが
バムとは何も無かった。
というか良い雰囲気になる度に、他の三人の女子に邪魔をされた。
ピグナが先導していたのは分かっているが
なかなか尻尾を出さないので、怒ることもできなかった。
合否を乗せた船が来るのはあと一週間から十日くらいだろうと
翌朝早くから、全員で準備を始めて
竜の背に乗って、出発しようとすると
「連絡船が戻ってきたぞー!」
港のある砂浜に、水夫たちの声が響く。
慌てて全員で竜の背から降りて
小型の船が砂浜から遠くまで伸びている
木造の桟橋へと接岸されると
船から膨れたカバンを抱えて水夫が飛び降りて、走ってきた。
ピグナがその男を止めて、事情を説明すると
男は中から一枚の手紙を取り出して
ピグナに手渡した。
ピグナはニヤニヤしながら
「風が良くて、航行が早まったみたいだねー」
と言いながら、その手紙を俺に差し出してきた。
若干嫌な予感がしながら、受け取って
そして、ゆっくりと手紙を開ける。
そこには俺にも読める字で
「ミチャンポ王国そして漁師連合国の連名での
連合国家代表として、ワールド料理カップへの参加ご希望とありましたが
申し訳ありませんが、連盟内の規定により
参加不可、とさせていただきます」
そう書かれていた。
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