初期キャラに死亡フラグがたった。

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「リーア、ノーマに回復を。ノーマ、あとどれくらい持つ？」
「1分が、限界、か、と…。」
「もう少し耐えてくれ。」
「俺が盾のサポートに回る」
「頼むグリフィス」

勇者、アーディンが的確な指示と声掛けをしていく。勇者のパーティーは彼を中心によく纏まっている。現在は勇者を除いてその構成メンバーは8人。一番多い時は小さなレイドほどで10人を超えていたが、いくつか前後した後、今はこの数に落ち着いている。

グリフィスも多すぎても少なすぎてもバランスが崩れるから統括しながら戦うのは
これくらいがベストなのかと思っている。
竜人の盾にハイエルフの巫女。亜人の女格闘家とドワーフの斧使いに精霊と魔人の魔術師と呪術使いに小人族の賢者など腕の確かなメンバーで人格的にも優れている面々だ。
ここに剣士のグリフィスが加わる。

グリフィスは剣士だから前衛か？となるところだが最近は後方にもなりやすい。
手の空いてないところのサポートで救援に回ることも間々ある、オールラウンダー
そういえば聞こえがいいが、このパーティーのなんでも屋だとグリフィスは皮肉っている。

最初はてんでバラバラな初心者パーティーに統率を教えるためにグリフィスが
やっていたことがいつからかサポートがメインになっている。
それも本業にはかなわない付け焼き刃程度のその場しのぎがほとんど。

しかし、メインでなにかパーティーに貢献できるほどの実力がないグリフィスには
それでもできることがあるのがまだ救いだった。

小盾で防御に入る。迫りくる焔の火炎は身をじりじりと焼け付かせる。
だが、メイン盾とともにグリフィスは耐えた。

「今だ！」


そして、大魔法が満を持して放たれる。
拘束魔法で敵が縛られ勇者が追撃する。
これには目しょうの敵も敵わないのか徐々にその生命を削られていく。

最後の一振り。敵の魔物の足掻きの咆哮。

あ、っとグリフィスは繰り出される火炎の焔をその魔物の口元に見た。
それはこれまでと何か、何かが違うと直感が告げた。

そして駆け出していく勇者を見て。反射的にその背をグリフィスは追った。
それは行動にすれば零コンマいくつでの行動。

そして、グリフィスはその後の戦いがどうなったか見届ける前に
何かに躓き、コケて意識を刈り取られ気を失った。