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その20、俺専用のタブレットになりました\( 'ω')/

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いつものように「啓太と夏のタブレット」から「俺だけのタブレット」に変わった端末を片手に漫画紹介のサイトをチェックしていた。
最近では、カテゴリーからBLを迷わずポチっと押す俺、茂越 啓太です。
あれだけ、魔王のように暮らしていた姉も勇士の従兄である釘宮 怜雄さんと結婚し、毎日が充実しているようで
なによりです。

「...勇士くんって毎回、何回ぐらいエッチするの?」って聞いてくる、ちょっとアレな姉ですが怜雄さんはぞっこんらしい。
あんなあれな姉だけど化けたらすごいからな。
だから、2人の結婚式の時、評判が評判を呼んで結婚情報誌やらファッション関係の雑誌が取材に来てた。
大変そうだった。一応、社長夫人だからね、姉は。
もっと、自覚してほしいけど、実家が庶民の王道だから、何かと上流階級の人ってそういう所をディスるらしい。
ま、そういう僻み、妬みと言うものは学生から慣れていた姉だから、それは見事なまでに回避し、時には返り討ちをするらしい、恐ろしい、元秘書の情報収集能力って。
で、返り討ちした後に、怜雄さんに宥めてもらうんだって。

さておき、俺はまったりと元姉の部屋で寛いでいる。
あ、姉は怜雄さんから、住むマンションで姉だけの部屋を用意してあるから、わざわざ実家に一部屋を置いておかなくてもいいよと言われ、俺が使わせてもらってます、やっほーっ!。
特に部屋が使えると言っても、月が横になりながら眺めることができる今の部屋は気にいっていて、カーペットと本棚ぐらいしか元姉の部屋には置いてないんだけどね。

時には使おうと思い、ゴロゴロと寝転びながらタブレットを眺めていた俺は、今は毎日のどっかで必ずチェックする漫画アプリをポチリと起動させた。迷うことなくいきなりBLカテゴリーにとんでいき、俺の至福の時間となっていた。

『なんで?男子高校生、初めての恋は幼馴染。「ずっと一緒に寝てくれますか?」』待望の第3巻発売決定っ!
最・終・章!!!

っとデカデカと掲げられた広告にまた引き寄せられてポチっとしてた。もう、姉の事を考えなくていいから迷いなんて何もない。

そうかぁ、今回がラストかぁ。
この作品からすべてが始まったと言ってもいいだろう。
勇士の策略だとは気づかずに誘導されて手に入れた幼馴染同士の恋の話。BL漫画なんて読み慣れてなかったから、腐女子のムッツリエロ度には驚いたけど、今は免疫もついて多少の刺激的な描写もお手の物だ。
だって、俺はリアルの...(気になった人は、1話から読んでね。)やめておこう。

今回の第3巻はどうなるんだ?って気になった。だって...カワイイ系男子が涙をこぼしてるんだ。
顔を下げて涙が頬を伝い、その雫が背景に描かれている。
えっ、ハッピーエンドじゃないのか?あれだけ男子を乱れさせて、余裕ねーって顔をしてたのに...。
あっ...、

俺、漫画の絵ばっかり見て、大切な内容を見てなかったーっ!!!!!けど、気になるからポチっとな。

やっぱりどんな時も、最終って言葉を出されると気になるんだよなー。
ドラマとかはあまり見たりしないけど、ある程度の漫画や映画はあらすじを大体把握して結末だけ見てたらそれで終わりだったんだけど、今回は色々と思い出が詰まっている作品だから手元に届くのが待ち遠しかった。
配達予定は週末です。
やった、すぐに読めるじゃんって思った。
けど、アレー?

「...ゆぅしぃ...普通に...読みたい...ン。」

俺は勇士のぶっといのを受け入れたまま、両足を広げられて鏡に映されてる。
誰だ、俺の部屋には姿見なんて前はなかったはずだっ!
この恰好のまま、勇士が「一緒に読もうか♡」って、読めるわけがないだろう。
本を俺に持たせて、勇士は俺の乳首や前に触れて、集中だってできない。

「...いやぁ...乳首はン...感じ...ぁっ、ンっん...」

ビクビクと身体の奥がうねる。息が上がる。

「...啓太、続きは?」

プルプル震える手で次のページをめくる。
「『...やめて、こんな風に乱暴なキラは嫌だっ!』」ーっンっ!!
止めてしまった。
...人が読んでるのに...胸をコリコリってするなぁ...。
俺は勇士に次は?って促される。

「『...じゃぁ、もう他の奴の方を見るな...な。ツバサ...』」

―!?
今まで強気な表情ばかりだったS気のある男の方に影の表情があった。
...こいつ、めちゃくちゃ、お前の事を好きなのに、お前何やってんの?...。

漫画は幼馴染の2人の距離に悩むカワイイ系の男の方が、迷いに迷ったあげく、他の奴の元に走ろうとする。
けれど、それを幼馴染が許しはしなかった。
近いからこそ、打ち明けることのできない本当の気持ちにぶつかり合う2人。
俺の変化に勇士が気づき、手に持っている漫画を見て取り上げた。

「あっ...」

俺の沈んだ顔に勇士がクチャって顔を崩しながら笑った。

「...啓太、それはそいつらの話。...俺らは?」

勇士の言葉に漫画と俺たちを比べてみる。

誰にも理解してもらえないままの2人。それに比べて俺たちは、普通に馴染んでる、むしろこっちが驚くぐらいに。
誰からも反対されたりしない俺たちに、こいつらのように迷うものは何もなかった。

「...ふふふ、結局、2人がどんだけ思いあっているかっているのが、周りに気付くんじゃねーの?
こいつらは、自分たちの関係を隠そうとした。だから、見つかったときにややこしくなるんだよ。
自分の中でやましいって思うから隠すんだ。
俺は啓太の事を好きだっていう気持ちを隠すつもりはない。悪いことだってしているつもりはないからな。
俺は啓太だけだし、啓太も俺だけに全部、飛び込んで見せてくれる。
簡単だな、やっぱり」

だろ?っていう目で勇士は俺の唇にキスをくれた。うん、俺、何も迷うことなんてないんだ。
俺は手だけを勇士の方にのばして頭だけを引き寄せる。
―!?
ぐいっと中の勇士が大きくなって「-っン!」って、身体が躍るようにブルンって震えた。

「...っくっ。」

ゆらゆらと腰を動かすと勇士が声を零すのが嬉しくなる。
もっと、気持ちよくなって...。
2人の荒い吐息が部屋を染めるけど、お互いの快感に寄り添うようにその瞬間に酔うのだ。
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