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その18、声を殺して

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「...啓太?そんなに、声を我慢しなくても...」

啓太は、露天風呂で聞いたあいつらみたいになりたくないって思っているようで、声を必死に殺していた。
未使用のタオルを握り締めて、声が出そうになったら、それを口元に当てる様子を見て、正直、複雑だった。
啓太が気にしてるなら、それに応じようと思う俺。
だけど、それをする余裕がないぐらいまで、乱してやりたいっていう悪魔のような感情を抱えている俺。
あぁ、どうして、究極の選択を迫らなければならないのだ...。

「...やっぱり、声...だした方が、勇士はいい?」

えー、そんなこと、今、聞いちゃう?
俺はふっと笑みを浮かべた。

「啓太が嫌がることは、俺も嫌だから。じゃぁ、今日は、まったりエッチ」

ほーっと言われた言葉を快感で鈍る頭で考えている啓太は、少し遅れて「うん」と嬉しそうに笑った。
ズッキューンっ!って、なった俺、だめっ。暴走、阻止するべし。


「...っっつー!」

デカくなった息子、そして、それに驚いて締まる啓太の中。
...やべー...これ、すげー、興奮がとまんねー。
抑えようとすればするほど、腰を打ち付ける時、啓太を求める一回、一回に気持ちがこもる。
きもちいい、すげー、いい。
啓太は声を抑えようとしているせいか、自分が気持ちいいって言うのを俺にわからせようといつもよりぎゅっと抱き着いてくる。
それがすげーくるっ!

室内は湿り気のある音がやけに大きく聞こえる。

「…っ!ゆっ! んーーーーっ!!」

啓太の中がすげーうねって限界が近いのに気づいて咄嗟に啓太の唇を塞ぐように塞いだ。
くぐもった声は俺の中に溶け込んで、啓太は俺の腕の中でその高まった熱を解き放ったのだ。
整わない息、開けた浴衣、肌に飛び、啓太の指にも纏わりつく彼の熱を見て一気に興奮が高まる。

これで終わりだっ!!って、気持ちを込めて俺は薄い膜にその想いの結晶を吐き出したのだった。

「...なんか...すごかった...」
ぽけーっと放心状態の啓太が、天井を見ながら呟いた。
寝転んだ俺は啓太を見て、その扇情的な恰好にまた、自制心とにらめっこすることになるとは思わなかったけどな。

皺くちゃになった浴衣の合間から現す啓太の裸体。
しかも、腹には啓太が出したと思われる白濁の線と数滴の溜まり。
その横には、俺が処理した物をのせて。

あぁ...、試練って...繰り返すんですね。
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