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苦手克服を失敗しちゃった7
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俺の知らない間に、そんなことをしているなんて、ずるい…
俺だって、欲しいのに…
「…じゃぁ、俺の秘密も…」
そう言って俺は倉一に抱き着いたまま暴露する。
「…お前が寝ているときの寝顔を何度か写真に撮ってる。
毎回ってほどではないけど…俺もしている…うわっ!?」
いきなり身体が浮いた。
俺は咄嗟に、倉一にしがみついた。
「なんでそういう可愛いことを言うかなぁっ!!」
困っているように言っているセリフのわりに、顔は嬉しそうなんだけど…
抱き上げられて奥の寝室に運ばれている。
―!?
「…なんでこの部屋に?」
俺の問いに、
「両想いの恋人が今、することは?」
ここで答えをワザと間違えていいんだけど…
「…セックス?」
首をコテンと、倒して聞いてみる。
意外と、女子っぽい返しをすると、倉一はプルプルしていて面白い。
「…そうだけど…お前、経験は…ないか‥」
当たり前のように言われると、腹が立ってくる。
「そんなことないっ!」
―嘘おっしゃいっ!!
ここで、どうして強く出るんだっ!!
「…何?」
―!!!?
腹の底から出す魔王のような声…
「え?いや、冗談っ!うそですっ!
初めてですっ!」
英雄の顔が、魔王のような顔になってたよ…
じっと俺の顔を見ている倉一。
「俺は、お前に会う前に童貞切ってんだけど…男を相手にするのは、初めてだ」
そう言って、ベッドに降ろして見上げている俺の顔にキスを落とす。
「ちょっと、聴いていいか…」
倉一のどこか真面目な顔に、俺も、頷く。
「…助けたあの時…キスされたのか?」
―どうして今ごろ…
―!
ずっと、聴けなかったんだ…
俺が思い出さないようにしてくれていたんだ。
「一応、奴はホラを吹いている傾向があるから誰も信じてはいなかったんだが、本当はどうだったんだ」
それは、聞いておきたいってことかな…
「…もう、時間が経ってるから、気分は悪くならないけど、キスはされそうになったけど、していない。
だけど、あの時、タバコの匂いが強烈過ぎて、今もトラウマになってる」
キスを守った代わりに顔を叩かれたけれど、それも過去の話だ。
俺は、倉一の服を握りしめる。
「…いつも花に水をやってただろう?
始めは職員がしてんのかなって思ったら、倉一が育ててるって知って、どんな奴だろうって思った。
やっとお前だってわかった後…」
想い出さないようにしてきたから、大切な物まで閉じ込めていたのだ。
「…ありがとう」
倉一を見て、せめてお礼にと、キスをした。
チュッ
「へへ…
今頃、初めてのキスを済ませてやんのっ!」
恥ずかしさで、誤魔化そうと言っていると、
「初めてではない」
真顔の倉一が訂正する。
?
????
―!!!!!
「お、お、お、おまえっ!まさかっ!」
そう問い詰めようとしたら、涼し気な顔で
「だって、我慢できなかったんだもん」
と、あっさり激白してくれる。
いつだ?
わからないっ!
だって、寝顔を撮られていることすら気づいてないんだから、キスなんてしらない。
―うううううぅ
「いいか?
キスというのは、一方的するのは、フェアじゃないっ!わかった…ンンっ!!」
話の途中でキスをしてくるなんて、どこまでも自分勝手な男だ。
でも、俺はそんなところも好きだから、重症だな。
初めて気持ちを交わしてのキスは、俺等の年齢なりの成長を見せていた。
俺も、逃げることもしないし、されるだけじゃない。
ハァ、ハァと荒い息を整えようとしていると、
「…なんで俺の夜のアイテムがあるんだ?!」
ゴソゴソと、俺のベッドの周りに勝手知ったように物のありかを知っている倉一。
え?
って、質問をしている俺が、誤解をしているのかと思ってしまうけど、違う。
どうして、俺の一人で楽しむ道具が、ベッドの上にあるんだと言っているんだ。
「お前、お姉さんに全部見られているぞ?」
!!
え?
俺は、自分の部屋を見まわす。
特に、カメラらしき物なんかないのだが…
どうして倉一が知っているんだ?
「お姉さんからの伝達。
就職祝いで渡したぬいぐるみを捨てなさいって。」
俺は、ベッドから飛び降りて、該当するぬいぐるみを掴む。
俺だって、欲しいのに…
「…じゃぁ、俺の秘密も…」
そう言って俺は倉一に抱き着いたまま暴露する。
「…お前が寝ているときの寝顔を何度か写真に撮ってる。
毎回ってほどではないけど…俺もしている…うわっ!?」
いきなり身体が浮いた。
俺は咄嗟に、倉一にしがみついた。
「なんでそういう可愛いことを言うかなぁっ!!」
困っているように言っているセリフのわりに、顔は嬉しそうなんだけど…
抱き上げられて奥の寝室に運ばれている。
―!?
「…なんでこの部屋に?」
俺の問いに、
「両想いの恋人が今、することは?」
ここで答えをワザと間違えていいんだけど…
「…セックス?」
首をコテンと、倒して聞いてみる。
意外と、女子っぽい返しをすると、倉一はプルプルしていて面白い。
「…そうだけど…お前、経験は…ないか‥」
当たり前のように言われると、腹が立ってくる。
「そんなことないっ!」
―嘘おっしゃいっ!!
ここで、どうして強く出るんだっ!!
「…何?」
―!!!?
腹の底から出す魔王のような声…
「え?いや、冗談っ!うそですっ!
初めてですっ!」
英雄の顔が、魔王のような顔になってたよ…
じっと俺の顔を見ている倉一。
「俺は、お前に会う前に童貞切ってんだけど…男を相手にするのは、初めてだ」
そう言って、ベッドに降ろして見上げている俺の顔にキスを落とす。
「ちょっと、聴いていいか…」
倉一のどこか真面目な顔に、俺も、頷く。
「…助けたあの時…キスされたのか?」
―どうして今ごろ…
―!
ずっと、聴けなかったんだ…
俺が思い出さないようにしてくれていたんだ。
「一応、奴はホラを吹いている傾向があるから誰も信じてはいなかったんだが、本当はどうだったんだ」
それは、聞いておきたいってことかな…
「…もう、時間が経ってるから、気分は悪くならないけど、キスはされそうになったけど、していない。
だけど、あの時、タバコの匂いが強烈過ぎて、今もトラウマになってる」
キスを守った代わりに顔を叩かれたけれど、それも過去の話だ。
俺は、倉一の服を握りしめる。
「…いつも花に水をやってただろう?
始めは職員がしてんのかなって思ったら、倉一が育ててるって知って、どんな奴だろうって思った。
やっとお前だってわかった後…」
想い出さないようにしてきたから、大切な物まで閉じ込めていたのだ。
「…ありがとう」
倉一を見て、せめてお礼にと、キスをした。
チュッ
「へへ…
今頃、初めてのキスを済ませてやんのっ!」
恥ずかしさで、誤魔化そうと言っていると、
「初めてではない」
真顔の倉一が訂正する。
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―!!!!!
「お、お、お、おまえっ!まさかっ!」
そう問い詰めようとしたら、涼し気な顔で
「だって、我慢できなかったんだもん」
と、あっさり激白してくれる。
いつだ?
わからないっ!
だって、寝顔を撮られていることすら気づいてないんだから、キスなんてしらない。
―うううううぅ
「いいか?
キスというのは、一方的するのは、フェアじゃないっ!わかった…ンンっ!!」
話の途中でキスをしてくるなんて、どこまでも自分勝手な男だ。
でも、俺はそんなところも好きだから、重症だな。
初めて気持ちを交わしてのキスは、俺等の年齢なりの成長を見せていた。
俺も、逃げることもしないし、されるだけじゃない。
ハァ、ハァと荒い息を整えようとしていると、
「…なんで俺の夜のアイテムがあるんだ?!」
ゴソゴソと、俺のベッドの周りに勝手知ったように物のありかを知っている倉一。
え?
って、質問をしている俺が、誤解をしているのかと思ってしまうけど、違う。
どうして、俺の一人で楽しむ道具が、ベッドの上にあるんだと言っているんだ。
「お前、お姉さんに全部見られているぞ?」
!!
え?
俺は、自分の部屋を見まわす。
特に、カメラらしき物なんかないのだが…
どうして倉一が知っているんだ?
「お姉さんからの伝達。
就職祝いで渡したぬいぐるみを捨てなさいって。」
俺は、ベッドから飛び降りて、該当するぬいぐるみを掴む。
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