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1章

黄色+緑色の調5

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ミルは、フランの帰りを待つ間に、かなりのスタミナを使っていたのだろう・・・
朝方、フランの中に欲望を出し切ると安心してフランとつながったまま、寝息をたててしまった。

仕方がないだろう。
精通の様子が見られたのは昼過ぎだという。
それからフランの帰りをずっと一人で待っていたのだ。

寝台を見ると、大変な状況だった。
さすがに、初めての体験でフランもあまり動くことができない。
龍を呼ぶために鈴を鳴らす。
静かに部屋に入ってきた龍は主の傍にいく。
「すまぬ・・
 手を貸して湯浴びをする。
 ミルは・・・
 綺麗にしてやりたいのだが・・・」
「フラン様。
 お許しを・・・」
「・・っふ。
 ミルを任せる」
龍の手を借り湯浴びの場所まで行く。
湯につかりながら身体を見る。
!!!
これは・・・
フランの身体はミルの口づけの重さを感じるように一つ一つ、赤い。
フランは、自分の指で恐る恐る後ろの蕾を触れる。
「・・・ん」
ぷくっと膨れた場所はまだ少し熱を持っているが痛みはない。
むしろ、ぞくぞくと快感が這い上がっていく。
自分の指をその蕾に入れる。
湯の上でそれをしていたことにより、胎内から流れ落ちるミルの物がポタリ、ポタリと音をたてて水に染まっていく。
フランは慌てて指を抜いた。
彼の放ったものは自分の中にある。
そう思ったら、嬉しく感じるのだった。

龍は寝台の上の白い肌をさらけ出しているミルをどうするか考える。
それにしても、状態をみると、フランが受け入れたようだ。
フランの場合、ミルを抱きそうな過保護ぶりなので、もしやと思ったが、それだけ、余裕がなかったのだろう。

現国王のこともあり、フランとミルはどうするかと危惧していたが、うまくいったようだ。

ただ、ミルの冷静になったときが心配だ。
王家に伝わる鏡。
いろんな波乱を産むこの鏡を龍は良いものと考えていないのが正直なところだ。
現王の体験した非情で残酷な出来事。
全てを明らかにされてはおらず、現王の体制は他国の王子の助けのもと整われた。
今、フラン様がこうして居られるのも現王のおかげ。
そして他国出身の王子である伴侶のおかげである。

もし、ミル様が、何者かに狙われたら・・・
龍は、恐ろしい不安が駆け巡ったのだった。

フランが湯浴びから戻るとミルは龍の手によって清められていた。
あの細くか弱い印象を得るミルが、あの時・・自分を翻弄した…
そう思うと、また静まりかけた欲望を起こしてしまいそうだった。

満たされたような表情で寝ているミルを、フランは愛おしく感じた。
現王を苦しめた鏡によって私は、今、幸せを味わっている。
この幸せは多くの辛い過去の元、成り立っている。
守り抜こう…
そして、伝えていこう。
そう、誓ったフランだった。



ミルが目覚めた時、一瞬、自分はいつの間に眠ってしまったのか…
そう頭に掠めたが、体の異変に気付いた。
身体全体が非常に重たい。
手や足を動かそうにもギシギシと音がなるようである。
そして、腰。
そこだけ重たい石を乗せられたように感じた。
「あ・・・?!?!」
喉の痛さとともに、空気のような微かな声が出た。
「ミル、目覚めたか…」
横にはフランがいる。

いつもの雰囲気とは違い、少し身体が辛そうだ…
!!!!
「フラン!!!・・・・いたっ!」
思いっきり起き上がり、体中の痛さで顔をしかめるミル。
「辛かろう…
 私も、少し辛くてな…」
横になったままでお互い視線を交わす。
「―…だい・・・じょうぶ?」
小さい声で尋ねる。
「あぁ」
黄色いフランの瞳。
昨日は…
「・・・昨日、フランがいない時に、身体が少し変で横になってたんだ…
 そして、起きたら布に白い物が付いていた。
 龍さんが、色々言ってくれたんだけど…
 フランの匂いがすると、頭がとけるようになるんだ。
 体の熱さで、頭の中はフランの事ばかり考えて。
 …フランの事を考えると気持ちがいいんだ…
 あ…今も…」
ミルは自分の状況を説明しながら、思い出して欲望が湧いてくる。
フランは
「私も同じ思いではある。
 ただ、初めてだったからな…
 少し身体を休ませてもいいだろうか…」
ミルは、自分の素直な反応に、苦笑いし、
「・・そうだね。
 僕も、まだ、自分で慣れてない…
 でも、この自分でも止められないやつって、もう終わりなのかな?」
― ? ―
フランはミルの言っている言葉を繰り返す…
「…現国王。まぁ、母はなんとも言ってなかった。
 これが、一回なのか、それとも何回も起こるのか…」
フランとミルは、自分たちのこれからを心配した。
「文献でも何も書かれていなかった。
 母には…聞く必要もないだろう…
 何かきっかけがあるのだろうか…
 それすらもわからない」

「僕は、フランを傷つけないか怖い…
 昨日のことも、自分で何を言ったのか…憶えてないんだ…」
ミルは、ボソッと言った。すぐに言葉を足す。
「全部憶えてないんじゃなくて、少しだけ。
 ただ、すごくフランを欲しくなったのは・・・覚えている」
!!!!!
ミルは頬を染め、恥じらっている。
「・・・不思議なものだ」
「―…うん」
受け入れたフランとミルでもこの不思議な出来事をなんというだろう。


それからの2人は、特に衝動的に何かがあるわけでもなく、穏やかに日常を過ごしていた。
ただ、何かが起こるのではという不安は抱えていながらの日常だった。
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