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序章
プロローグ
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もし、人生をやり直せるならあなたはどこからやり直しますか?
自分が、煌びやかなホテルのパーティ会場に不釣り合いなのはわかっていた。
ベージュを基調としシャンペンゴールドがふんだんに使用されたパーティ会場は、まるで物語のプリンセスが暮らすお城のような内装だ。
優に二千人は収容できそうなそのパーティ会場は、煌びやかなドレスに身を包んだ貴婦人たちと、見るからに高そうなスーツに身を包んだ紳士たちで溢れかえっていた。
その中を地味なノースリーブのドレスに安物のハイヒール姿の私は、さぞかし場違いに違いない。
でも、どうしても私は彼の幸せな顔を確認したかったのだ。
私が愛した磐井公泰の姿を。
磐井公泰は磐井グループの御曹司で、磐井グループは銀行、重工業、製薬を始めとした約400社からなる日本最大級の企業グループの一つでもある。
オーダーメイドの黒いスーツに身を包んだ公泰は、私が愛した男性とはまるっきり別人のようだった。完璧な磐井グループ御曹司から私の愛した男性の面影を探してしまう。
どうやら私はまだ、どうしようもないほど彼を愛しているようだ。
ベージュの壁を彩るコーラルピンクのカーテンの陰に隠れるようにして、人々に囲まれている彼を観察する。
ボーイからシャンペンを受け取り、一口飲む。
ボーイは私が招待客かどうか疑わし気だったが、私はニコリと笑ってみせる。ブランド品で着飾った女性たちの中で、安物でフル装備した私はさぞみすぼらしいだろう。それでもまだ疑わし気なボーイの視線を無視して、キラキラとゴールド色に輝くシャンペンを一口飲む。
シャンペンの味ですら、二人で飲んだ安物のシャンペンとは全く違い、私は眉をしかめシャンペンの細かい泡を見つめる。
すべて飲み切るのは難しいみたいだ。
彼の隣にはまるで物語から抜け出たような完璧なご令嬢が並んでいた。
本当なら彼の隣には私が並んで立っていたはずなのに。
首からまだ未練がましく下げている公泰に貰った婚約指輪の重さを急に感じて、私は胸元を抑えるふりをして、指輪がしっかりかかっていることを確認する。
公泰からもらった婚約指輪は二人で作った安物の指輪で、今、彼の隣に立つ彼女がしている大きなダイヤの婚約指輪とは比べ物にならない。
私の婚約指輪の内側には「My heart is yours」と刻印されている。
公泰は彼女の婚約指輪にどんなメッセージを刻んだのだろう。
小柄で、艶のある美しい長い髪に桃のような頬、品のある口元に涼し気な目元。完璧なご令嬢だ。
確か七歳年下と言っていたから大学を卒業して間もないに違いない。
彼女は磐井グループと肩を並べる櫁川グループのご令嬢で、出身も身分も何の問題もない。
私とは正反対、水と油だ。彼女が真珠なら私は豚だろう。
読み書きも怪しい私とは違い、きっと彼に見合った教養も身についていることだろう。
それなのに、どうして彼の目はいつもの醒めた瞳をしているのだろうか?
何の感情も浮かんでいない、自分以外信じられず、周囲の人々を拒絶している瞳。
完璧な女性が隣にいても、あなたの傷を癒すことはできないのね?
もしかしたら誰にもできないのかもしれない。
私が―あの時、あなたの弟たちを助けていたら―。
「どう?満足した?」
彼の従兄である#池波聡介__いけなみそうすけ__#が隣に並び話しかける。
聡介さんはイタリアのハイブランドのスーツに身を包んでおり、淡い若葉色のスーツを着こなしていた。このスーツはモノクロなスーツの中ではさぞかし目立つことだろう。
聡介さんの目立つスーツのせいなのか、はたまた私が見つめすぎたせいなのか、公泰の視線が私たちに向けられる。
彼はほんの一瞬眉をひそめただけだった。
「ここで君にキスしたら、あいつの鉄仮面崩すことができるかな?」
そう話し、聡介さんの手が馴れ馴れしく腰に回される。
いつものようにチャラい聡介さんを無視する。
公泰の視線はその間もずっと私たちに向けられていた。
聡介さんと同じく公泰の従兄である横居雅臣と磐井克之が、公泰を私から守るように取り囲む。
公泰と私の交際にずっと反対していた雅臣さんだけでなく、唯一二人の関係を応援してくれていた克之さんから敵視されていることにずきりと心が痛む。
その痛みをまずいシャンペンを一気に飲み干すことで誤魔化す。
空になったグラスを聡介さんに押し付け、軽くお礼を言う。
「えぇ、満足しました。紛れ込ませてくれてありがとう」
「どういたしまして。淋しかったらいつでも連絡してね」
連絡先も教えていないくせによく言ったものだ。
軽く聡介さんに頭を下げ、私は物語の舞台から退場する。
ホテルのクロークからコートを受け取り、コートを着込もうとしたところで後ろから誰かにぶつかる。
後ろを振り向くと歌手のAmaNeがへべれけに酔って、私にもたれるように立っていた。
AmaNeは数年前の伝説の歌姫だったが、最近ではスキャンダラスなパーティガールとして世間を騒がせていた。
AmaNeさんは豊胸したと有名な?豊満なおっぱいが今にもこぼれそうな露出の激しい赤いドレスに身を包んでいた。
この人のファンだったなぁと懐かしく思っていると、AmaNeさんの顔色がみるみる蒼白へと変わる。
嫌な予感がして、案の定AmaNeさんの吐物が私のコートへとかかってしまった。
一通り吐いたAmaNeさんはスッキリしたのか、背中をさする私にやっと気が付き声をかける。
「あなた誰?」
「……あなたのファンですよ」
私は優しく声をかける。
「あら、ヤダ?私、あなたのコート汚しちゃったみたいね」
私は肩をすくめる。
安物だが気に入っていたコートをそのままホテルのごみ箱に捨てる。クリーニングに出しても人の吐物を付いたコートを着る気にはならないからだ。
私のコートの汚れに気がついたAmaNeさんが自分の着ていたコートを私に差し出す。
差し出されたコートは某高級有名ブランドのもので、私は受け取るのをためらう。
「いいから受け取りなさいよ。私はスッキリしたからまた、パーティ会場に戻って飲みなおすんだから」
私にコートを押し付けるとふらふらした足取りでAmaNeさんは、パーティ会場へと戻って行ってしまった。
AmaNeさんを追いかけたくても、もう二度とパーティ会場には戻れない。
外を見ると風が強く寒そうだったので、私は取りあえずコートを着て帰ることにした。
AmaNeさんならこういう高級なコートをクローゼットいっぱい持ってるだろうから、一着くらいなくても大丈夫だろう。
でも、あの恰好で帰るのだろうか?きっと誰かが送って行ってくれるのだろう。
エレベーターのボタンを押し、エレベーター内に映し出された疲れ切った自分の姿に、まるで鈍器で殴られたような衝撃を受け夢から覚まされる。
こんな女はあの人の隣になんて似合わないと。
初めから近づいてはいけなかったのだ。
彼に近づいて私はどうするつもりだったの?贖罪でもするつもりだったの?
笑える。
結局、私がしたことと言ったら彼を愛して、彼を傷つけただけじゃない。
「乗らないんですか?」
エレベーターに乗っていた男性に催促され、すみませんと謝り急いで中へ入る。
エレベーター内の男の格好も高級ホテルには不釣り合いなラフな格好で、全身黒ずくめだ。声に聞き覚えがあるような気がしたが、男は去年優勝した野球チームの帽子をかぶっているため顔を確認することができなかった。
1階のボタンが押されていることを確認し、男に背を向ける。
エレベーターの扉が閉まると同時に背中にドンっと衝撃を受ける。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
遅れてやってきた燃えるような痛みに、自分が背中から刺されたのだとゆっくりと理解する。
ポタポタと赤い血が白い大理石の床を汚していく。
「どうして?」
ゆっくり振り返った私に、男は告げた。
お前がいけないのだと。
何がと尋ねたくても、急に力の抜けた足のせいで地面に倒れ声を出すことはできなかった。
エレベーターの扉が開いたことを確認した男は、私の床に広がった血を避けるようにして逃げていった。
エレベーターはレストランのある階へと止まったようで、扉が開きエレベーターに乗ろうとしていた人々は血まみれの私を発見し悲鳴を上げ、まるで私がバイ菌のように離れていく。
誰も私を助けようとはしなかった。
体の芯からどんどん冷えていくのを感じ、徐々に視界も奪われていく。流れる血とともに自分の命の時間も減っているように他人事のように感じている自分がおかしかった。
最後にあなたに謝りたかったな。
あの時、あなたの弟たちを助けなくてごめんなさい。って。
もし人生をやり直せるなら私は、あの汚いアパートの一室からやり直したいと願うだろう。
あなたの弟を助けるために。
自分が、煌びやかなホテルのパーティ会場に不釣り合いなのはわかっていた。
ベージュを基調としシャンペンゴールドがふんだんに使用されたパーティ会場は、まるで物語のプリンセスが暮らすお城のような内装だ。
優に二千人は収容できそうなそのパーティ会場は、煌びやかなドレスに身を包んだ貴婦人たちと、見るからに高そうなスーツに身を包んだ紳士たちで溢れかえっていた。
その中を地味なノースリーブのドレスに安物のハイヒール姿の私は、さぞかし場違いに違いない。
でも、どうしても私は彼の幸せな顔を確認したかったのだ。
私が愛した磐井公泰の姿を。
磐井公泰は磐井グループの御曹司で、磐井グループは銀行、重工業、製薬を始めとした約400社からなる日本最大級の企業グループの一つでもある。
オーダーメイドの黒いスーツに身を包んだ公泰は、私が愛した男性とはまるっきり別人のようだった。完璧な磐井グループ御曹司から私の愛した男性の面影を探してしまう。
どうやら私はまだ、どうしようもないほど彼を愛しているようだ。
ベージュの壁を彩るコーラルピンクのカーテンの陰に隠れるようにして、人々に囲まれている彼を観察する。
ボーイからシャンペンを受け取り、一口飲む。
ボーイは私が招待客かどうか疑わし気だったが、私はニコリと笑ってみせる。ブランド品で着飾った女性たちの中で、安物でフル装備した私はさぞみすぼらしいだろう。それでもまだ疑わし気なボーイの視線を無視して、キラキラとゴールド色に輝くシャンペンを一口飲む。
シャンペンの味ですら、二人で飲んだ安物のシャンペンとは全く違い、私は眉をしかめシャンペンの細かい泡を見つめる。
すべて飲み切るのは難しいみたいだ。
彼の隣にはまるで物語から抜け出たような完璧なご令嬢が並んでいた。
本当なら彼の隣には私が並んで立っていたはずなのに。
首からまだ未練がましく下げている公泰に貰った婚約指輪の重さを急に感じて、私は胸元を抑えるふりをして、指輪がしっかりかかっていることを確認する。
公泰からもらった婚約指輪は二人で作った安物の指輪で、今、彼の隣に立つ彼女がしている大きなダイヤの婚約指輪とは比べ物にならない。
私の婚約指輪の内側には「My heart is yours」と刻印されている。
公泰は彼女の婚約指輪にどんなメッセージを刻んだのだろう。
小柄で、艶のある美しい長い髪に桃のような頬、品のある口元に涼し気な目元。完璧なご令嬢だ。
確か七歳年下と言っていたから大学を卒業して間もないに違いない。
彼女は磐井グループと肩を並べる櫁川グループのご令嬢で、出身も身分も何の問題もない。
私とは正反対、水と油だ。彼女が真珠なら私は豚だろう。
読み書きも怪しい私とは違い、きっと彼に見合った教養も身についていることだろう。
それなのに、どうして彼の目はいつもの醒めた瞳をしているのだろうか?
何の感情も浮かんでいない、自分以外信じられず、周囲の人々を拒絶している瞳。
完璧な女性が隣にいても、あなたの傷を癒すことはできないのね?
もしかしたら誰にもできないのかもしれない。
私が―あの時、あなたの弟たちを助けていたら―。
「どう?満足した?」
彼の従兄である#池波聡介__いけなみそうすけ__#が隣に並び話しかける。
聡介さんはイタリアのハイブランドのスーツに身を包んでおり、淡い若葉色のスーツを着こなしていた。このスーツはモノクロなスーツの中ではさぞかし目立つことだろう。
聡介さんの目立つスーツのせいなのか、はたまた私が見つめすぎたせいなのか、公泰の視線が私たちに向けられる。
彼はほんの一瞬眉をひそめただけだった。
「ここで君にキスしたら、あいつの鉄仮面崩すことができるかな?」
そう話し、聡介さんの手が馴れ馴れしく腰に回される。
いつものようにチャラい聡介さんを無視する。
公泰の視線はその間もずっと私たちに向けられていた。
聡介さんと同じく公泰の従兄である横居雅臣と磐井克之が、公泰を私から守るように取り囲む。
公泰と私の交際にずっと反対していた雅臣さんだけでなく、唯一二人の関係を応援してくれていた克之さんから敵視されていることにずきりと心が痛む。
その痛みをまずいシャンペンを一気に飲み干すことで誤魔化す。
空になったグラスを聡介さんに押し付け、軽くお礼を言う。
「えぇ、満足しました。紛れ込ませてくれてありがとう」
「どういたしまして。淋しかったらいつでも連絡してね」
連絡先も教えていないくせによく言ったものだ。
軽く聡介さんに頭を下げ、私は物語の舞台から退場する。
ホテルのクロークからコートを受け取り、コートを着込もうとしたところで後ろから誰かにぶつかる。
後ろを振り向くと歌手のAmaNeがへべれけに酔って、私にもたれるように立っていた。
AmaNeは数年前の伝説の歌姫だったが、最近ではスキャンダラスなパーティガールとして世間を騒がせていた。
AmaNeさんは豊胸したと有名な?豊満なおっぱいが今にもこぼれそうな露出の激しい赤いドレスに身を包んでいた。
この人のファンだったなぁと懐かしく思っていると、AmaNeさんの顔色がみるみる蒼白へと変わる。
嫌な予感がして、案の定AmaNeさんの吐物が私のコートへとかかってしまった。
一通り吐いたAmaNeさんはスッキリしたのか、背中をさする私にやっと気が付き声をかける。
「あなた誰?」
「……あなたのファンですよ」
私は優しく声をかける。
「あら、ヤダ?私、あなたのコート汚しちゃったみたいね」
私は肩をすくめる。
安物だが気に入っていたコートをそのままホテルのごみ箱に捨てる。クリーニングに出しても人の吐物を付いたコートを着る気にはならないからだ。
私のコートの汚れに気がついたAmaNeさんが自分の着ていたコートを私に差し出す。
差し出されたコートは某高級有名ブランドのもので、私は受け取るのをためらう。
「いいから受け取りなさいよ。私はスッキリしたからまた、パーティ会場に戻って飲みなおすんだから」
私にコートを押し付けるとふらふらした足取りでAmaNeさんは、パーティ会場へと戻って行ってしまった。
AmaNeさんを追いかけたくても、もう二度とパーティ会場には戻れない。
外を見ると風が強く寒そうだったので、私は取りあえずコートを着て帰ることにした。
AmaNeさんならこういう高級なコートをクローゼットいっぱい持ってるだろうから、一着くらいなくても大丈夫だろう。
でも、あの恰好で帰るのだろうか?きっと誰かが送って行ってくれるのだろう。
エレベーターのボタンを押し、エレベーター内に映し出された疲れ切った自分の姿に、まるで鈍器で殴られたような衝撃を受け夢から覚まされる。
こんな女はあの人の隣になんて似合わないと。
初めから近づいてはいけなかったのだ。
彼に近づいて私はどうするつもりだったの?贖罪でもするつもりだったの?
笑える。
結局、私がしたことと言ったら彼を愛して、彼を傷つけただけじゃない。
「乗らないんですか?」
エレベーターに乗っていた男性に催促され、すみませんと謝り急いで中へ入る。
エレベーター内の男の格好も高級ホテルには不釣り合いなラフな格好で、全身黒ずくめだ。声に聞き覚えがあるような気がしたが、男は去年優勝した野球チームの帽子をかぶっているため顔を確認することができなかった。
1階のボタンが押されていることを確認し、男に背を向ける。
エレベーターの扉が閉まると同時に背中にドンっと衝撃を受ける。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
遅れてやってきた燃えるような痛みに、自分が背中から刺されたのだとゆっくりと理解する。
ポタポタと赤い血が白い大理石の床を汚していく。
「どうして?」
ゆっくり振り返った私に、男は告げた。
お前がいけないのだと。
何がと尋ねたくても、急に力の抜けた足のせいで地面に倒れ声を出すことはできなかった。
エレベーターの扉が開いたことを確認した男は、私の床に広がった血を避けるようにして逃げていった。
エレベーターはレストランのある階へと止まったようで、扉が開きエレベーターに乗ろうとしていた人々は血まみれの私を発見し悲鳴を上げ、まるで私がバイ菌のように離れていく。
誰も私を助けようとはしなかった。
体の芯からどんどん冷えていくのを感じ、徐々に視界も奪われていく。流れる血とともに自分の命の時間も減っているように他人事のように感じている自分がおかしかった。
最後にあなたに謝りたかったな。
あの時、あなたの弟たちを助けなくてごめんなさい。って。
もし人生をやり直せるなら私は、あの汚いアパートの一室からやり直したいと願うだろう。
あなたの弟を助けるために。
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