私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

牽制、羨望、後ほど決心

男女それぞれに不機嫌な視線と嫉妬の視線を浴びていた私は、実際には男子は雹や霙の立ち位置を羨ましがられ女子には王子達と美姫の美男美女カップルで羨望の的になっていたのだが…私は被害妄想だとは露にも思わなかった。

雹や霙が離してくれと言っても、なかなか離してくれない為ビースト化して首元に大きな赤のリボンと左右の尻尾に両親から譲り受けた瞳の色であるシルバーとゴールドのリボンをつけた猫又に戻り2人の元からすり抜けた。


ナツメは気づいていないが、2人がなかなか離さなかったのは、ナイトや颯だけでなくナツメを狙う男子達から牽制する意味もあったのだが、途中から目的とは関係なく、終始にナツメの猫耳の柔らかさと地球にいた頃から変わらない香りに癒されていたが突如ナツメが猫又に戻り、雹と霙の手をすり抜け近くの地面に着地した為…

<ちょっ、ナツメあぶねぇじゃねぇか！お前が怪我したらどうすんだよ。>


《なにやってるのさ、ナツメ。誰が離れていいって言ったの？》

となぜかなかなか離してくれない2人に怒りたいのは私の方なのに2人から怒られる側に回ってしまい私の頭の中がプチッとキレた。


「もう2人ともいい加減にしてよね。さっきから2人がイケメンだからか視線が痛いのよ！！」

と早口にまくし立てると2人は、言い返してくると思ったが、

<お、おぅ…悪かったよ。>


《僕も…ごめんね。次からナツメの許可を取ることにするよ。》

と2人とも雹は耳を赤らめそっぽを向き、霙は頬を染めながら、素直に謝罪しナツメは驚いた。



なぜなら地球にいた頃の2人の想いをナツメは知らないがナツメの傍を離れずナツメにだけは優しく接していた反面、素直になれずナツメと衝突することも多々ありナツメには口喧嘩していた思い出の方が印象的だったからである。


地球にいた時とこちらの世界での身体は変わっても魂や思い出は地球で過ごしていた記憶を引き継いでいる為、雹や霙はこちらの世界に来てから決心していたことがある…それは、後悔のないように生きるということだ。

地球では、ムーン様に命を助けられたとはいえ元の家族のもとにナツメを帰すことも自分達が帰ることもできなくなり、なおかつナツメに想いを告げられないまま転生することになって、今度は素直に気持ちを伝えると2人はナツメのいない時に話し合って決めていたのだった。