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第1章 王国叙勲式

氷龍の願い

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一瞬氷龍の全身が発光したかと思えば、バンビくらいのサイズになって俺の後をついて来た。


「お前っ、まさか氷龍かよ!?可愛くなったな。」


と俺が褒めれば、どうやら会話はできないが意味は分かったらしく、グォンと鳴いて嬉しそうだ。


俺は今までオスだと思っていたが、可愛いと言われて喜んでいるようなので、きっとメスなのだろうと結論づけ調理途中になっていたブイヤベース作りに取りかかった。


あとはもう煮込みだけなので、インベントリからさらに3階層で手に入れた魚達を追加で出して鍋に入れ薪も鍋の下に追加しあとはできるのを待つだけになった。


10分ほどして鍋の蓋を開くと、見た感じからして程よく魚達の身は崩れホロホロになり、辺りに良い魚の香りが広がった。


レオンとクラウドも良い香りで目覚めたらしく、氷龍に至っては、既にヨダレがタラタラ口の周りにあふれそうになっており腹の虫もグゥゥーとひときわ大きく鳴った。



クラウドとレオンは寝ぼけ眼から覚醒したらしく、頭を振っても目の前にリトル ドラゴンがいる事実は消えなかったらしく、パニックになっていた。



<な、なぁスカイ?俺の気のせいじゃなければ目の前に小さなドラゴンが見えるんだが…どういうことだ?俺の目がイかれたのか?>


《クラウド安心しろ、俺様にもドラゴンが見えるぞ。》


<ハハッ、だ、だよな?>


「あーコイツは、氷龍だって言ったら信じるか?瞳を見れば見覚えがあるだろ?特にレオン。」


《にわかには信じがたいが確かに俺様が一日中監視していた、ドラゴンの瞳だ。サファイアのような綺麗な瞳だったからよく覚えている。》


<マ、マジかよ!?それでなぜスカイは、その氷龍を小屋に招いているんだ?>


「いや、なんか腹減ってたみたいで、俺の料理の香りに釣られて来たらしい…害もないみたいだしいいかなと?思ってさ。」


<はぁ、お前は良くも悪くもそういう奴だよな…>


「うん?……どういう意味だ?」


<困っている奴は、見過ごせないってことだよ…まぁ、そこがお前の美点でもあるんだがな。>


「まぁ、いいじゃねぇか。で、レオン頼みがあるんだが…」


《だいたいの予想はつくがなんだ?》



「コイツの願いを教えてくれ。」
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