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episode.12 破滅②
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*
会合の為に向かったホテル前に車を止めた時、ピリッと嫌な予感が首裏を走る。スラム街で培った敵意への警告は、これまで外したことは一度もない。
すかさずやってきたホテルマンがドアを開けようとするが、手のひらを向けて止める。訝しむカリーナを振り返るとき、軽く周囲の様子を伺った。
「どうしたんだ」
「いや、ただの勘なんですが……なんだか嫌な感じがして」
「……ロレンツォのそういう予想は当たるからな。ホテルマンは車から離れさせ、ロビーから部屋までの間も人払いをするよう命じろ」
「ホテルに爆弾が仕掛けてあったらどうしますか?」
「その時は潔く死ぬしかないだろう」
重い溜め息と共に言われ笑ってしまう。「じゃあ一緒に死ねますね」と言えば、「諦めたんじゃなかったのか」と呆れた目で見られた。
狙撃も警戒し、ドアを開けた瞬間急いでホテル内に入るということで決まる。ロレンツォが先に車を降りると、カリーナ側のドアを開け、二人揃って足早にホテルへ向かった。
玄関をくぐる時、人払いしたはずのホテルマンの存在に気づく。彼の腕は後ろ背に回されており、「あっ」と声がもれた。
だが位置が悪い。ホテルマンはカリーナ側に立っていたのだ。もっと言うなら、カリーナの影に隠れて彼の存在へ気づくことに遅れた。
咄嗟にカリーナの腕を引っ張り、自分の胸に抱こうとする。だがそれより早くホテルマンの腕が伸びた。
右手には短いナイフが握られている。こんなときに思い出すのが、果物に八つ当たりしていたベルナルドだ。
グサッ、という音がする。
赤い皮を裂き、ナイフが白い身のうちにのめり込む。
林檎の汁が飛び散った。
これはいったい、誰が片付けると思っているのか。
「カポ──!」
深々とカリーナの横腹へ突き刺さるナイフに動揺する。苦痛で歪む彼女の顔を見て、頭が思考をやめた。
ロレンツォは奥歯を噛むと、ホテルマンの腕を掴んで顎を蹴りあげる。彼の襟首を掴むと自らに引き寄せ、躊躇いなく親指を眼球に突き刺した。
ホテルマンは悲鳴をあげて転倒する。その頭に向かって、近くにあったポールを勢いよく振りかぶった。
人間は、林檎と違って、赤い汁を飛び散らせる。
頭の中ではずっと、カルロがケタケタと笑っていた。
「カリーナを頼むって言ったのに」「カリーナを殺す役目を他人に寝盗られるなんて、こっちでカリーナと一緒に腹を抱えて笑ってやるよ」
ああ、ああ、好きなだけ笑えばいい。
惚れた女一人守れない男なんて、笑われて当然だ。
*
すぐさま病院に運ばれたカリーナは、ロレンツォがすぐに応急処置をしたこともあり、幸い命に別状はなかった。
犯人はロレンツォが半殺しにしてしまったので、カリーナ以上の重体で運び込まれている。この期にテレジオファミリーの利権を狙った組織の差し金か、カリーナに復讐しようとした市民の犯行だろうというのが警察の見解だ。
だがテレジオファミリーのカポが命を狙われたという事実は、この数ヶ月で起きたどんな事件よりも衝撃を与えた。同時に誰もが、テレジオファミリーの終わりを理解したのだ。
逆らうことを許されない、ステラルクス島の守護者。
威風堂々と君臨する、犯罪組織の女王様。
その揺るぎなかった神話が崩れ落ち始めた。
「やあ、ロレンツォ」
病院の待合室で黄昏ていたロレンツォに、その男は悠然と近づいてくる。億劫な仕草で視線を向ければ、スタンフォードが軽やかな笑みを浮かべていた。
面倒くさく溜め息をつくが、彼は無遠慮にロレンツォの隣へ座ってくる。
「君は女王様の側にいなくていいのか?」
「女王様を守れない騎士はお役御免だとよ。面会謝絶のうえ屋敷からも追い出されることになった」
「それは女王様の命令か?」
「さあな。そうかもしれないし、違うかもしれない。間違いないのは、目覚めてるはずのカポが俺を呼ばないってことだけだ」
太ももで肘をつき、項垂れるように頭を抱える。敵にこんな情報を与えるなど、確かに護衛失格だ。
スタンフォードは足を組むと、どうでも良さそうに相槌を打った。それから「テレジオファミリーは終わったな」と、分かりきったことを改めて口にする。
「主な販売ルートを取り締まられ、優秀なアンダーボスとカポ・レジームを失った。テレジオファミリーに対する監視の目も強まり、これまで通り犯罪行為に手を染めることは難しいだろう。しかも次の警察署長は、サッキーニと同じ志を持つ男らしい」
「それもお前の差し金か?」
「さあな。そうかもしれないし、違うかもしれない。間違いないのは、私にとって都合のいい展開ということだ」
ロレンツォの言葉を真似る言い方に不快感を覚える。
スタンフォードは小さく笑うと、怒らないでくれと頭を振った。その仕草に腹が立ちながらも、怒りを飲み込んでスタンフォードを睨む。
「お前には聞きたいことがあるんだ。サッキーニが殺された前の日、カルロと会ってただろう」
「さて、なんのことかな。サッキーニが死ぬ前にカルロと会った記憶はないし、人違いじゃないのか?」
「サッキーニは、殺される為に用意された駒か?」
この質問にスタンフォードの瞳が細められる。筋書きは悪くない、と言われている気がした。
「君の邪推もわかるが、流石に私も人の命を道具に使うほど落ちぶれてはいないよ。彼が殺されたのは完全なる悲劇だ」
「客船での人身売買の取引のとき、やたらと警察の動きが早かった。元々上流階級に釈放させた恩を売ることや、公的な弱味を握るって意味で警察は呼ぶ手筈になっていたんだ。だがそれはもう少し後の予定だった。それなのにどこから嗅ぎつけたのか、どう気が変わったのか、俺達が通報する前に警察が現れた。おかげであの事件は日の目を見ちまって、テレジオファミリーの醜聞が広がり、警察の権威の底上げに繋がっちまったわけだ」
「……」
「警察が来ると初めに言い出したのはカルロだ。その時あいつは、通信室から構成員を追い出してる。カルロの指示でお前が警察を呼んだんだろう? 俺達が逃げる為に用意していた小舟は、予定通りイルマーレの漁港についた。港全域に警戒網が張られてたのに、そこだけ不自然に抜け落ちてたなんて、これが偶然だとしたら警察も間抜けだよな」
ロレンツォの追求に、スタンフォードは微笑んだまま何も言わない。じっくり数十秒の間を置いた後、「どうしてカルロがそんなことをする」と言った。
それはロレンツォもずっと考えていたことだ。だがどうしても、答えが見つからない。何かのピースが抜け落ちている感覚があった。
答えないロレンツォに、スタンフォードは頭を振る。「答えられないなら、次は私の番だ」と言った。
「今日は君を勧誘に来たんだ。これは君が助かる最後の機会でもある」
「あア? 今さら俺が寝返ったとこでてめえにはなんも得はないだろう」
「あるさ。アルベルトに罪滅ぼしができる」
本気で言っているが、それが全てではない。そんな言い方だ。
スタンフォードの言葉を聞き、わけがわからなくなる。どうしてそこまでアルベルトへ罪悪感を抱えておきながら、今さらロレンツォに接触してきたというのか。
アルベルトが死んで、誰かに助けて欲しいと思うことは何度もあった。
一緒にアルベルトの復讐を果たしてくれる仲間を何度も求めた。
そんな時は一切手を差し伸べてくれなかったのに、今さら調子のいいことを言われたって、受け入れられるわけがない。
ロレンツォは怒りを飲み込むと、懐から拳銃を取り出す。マフィアが愛用する、ベレッタM92だ。
銃口をスタンフォードの腹に押しつけ、薄暗い目で睨みあげる。
「消えろ、クソ野郎。てめえと話すことなんざ何もねえよ」
「はは、お前は本当に愚か者だな。兄の方がもっと賢かったぞ。彼は誰よりも欲に忠実で、慈悲深く、紳士的な男だった」
喉の奥で笑うと、スタンフォードは銃口を向けられていることなど微塵も感じさせず、涼やかな顔でロレンツォを見る。
「もうひとつ良いことを教えてやる。君らのところのカポ・レジームが一人、警察側に寝返った。君を襲わせた件で処分を受けた男だ。テレジオファミリーの犯罪を全て告発することを条件に、今では警察に保護されている」
「なにっ……?」
言葉の真偽を探る間に、スタンフォードは指先で銃口をそらす。そうして立ち上がると、スーツを整えながらニコリと笑った。
「たまなしじゃあ私は殺せないぞ。脅しはもっと賢くやれ」
「……」
「さようなら、ロレンツォ。心変わりしたならいつでも私のところへ来るといい」
そう言い残し、スタンフォードは立ち去る。
一人残されたロレンツォは、拳銃を握りしめたまま、座った目で爪を噛み続けた。
会合の為に向かったホテル前に車を止めた時、ピリッと嫌な予感が首裏を走る。スラム街で培った敵意への警告は、これまで外したことは一度もない。
すかさずやってきたホテルマンがドアを開けようとするが、手のひらを向けて止める。訝しむカリーナを振り返るとき、軽く周囲の様子を伺った。
「どうしたんだ」
「いや、ただの勘なんですが……なんだか嫌な感じがして」
「……ロレンツォのそういう予想は当たるからな。ホテルマンは車から離れさせ、ロビーから部屋までの間も人払いをするよう命じろ」
「ホテルに爆弾が仕掛けてあったらどうしますか?」
「その時は潔く死ぬしかないだろう」
重い溜め息と共に言われ笑ってしまう。「じゃあ一緒に死ねますね」と言えば、「諦めたんじゃなかったのか」と呆れた目で見られた。
狙撃も警戒し、ドアを開けた瞬間急いでホテル内に入るということで決まる。ロレンツォが先に車を降りると、カリーナ側のドアを開け、二人揃って足早にホテルへ向かった。
玄関をくぐる時、人払いしたはずのホテルマンの存在に気づく。彼の腕は後ろ背に回されており、「あっ」と声がもれた。
だが位置が悪い。ホテルマンはカリーナ側に立っていたのだ。もっと言うなら、カリーナの影に隠れて彼の存在へ気づくことに遅れた。
咄嗟にカリーナの腕を引っ張り、自分の胸に抱こうとする。だがそれより早くホテルマンの腕が伸びた。
右手には短いナイフが握られている。こんなときに思い出すのが、果物に八つ当たりしていたベルナルドだ。
グサッ、という音がする。
赤い皮を裂き、ナイフが白い身のうちにのめり込む。
林檎の汁が飛び散った。
これはいったい、誰が片付けると思っているのか。
「カポ──!」
深々とカリーナの横腹へ突き刺さるナイフに動揺する。苦痛で歪む彼女の顔を見て、頭が思考をやめた。
ロレンツォは奥歯を噛むと、ホテルマンの腕を掴んで顎を蹴りあげる。彼の襟首を掴むと自らに引き寄せ、躊躇いなく親指を眼球に突き刺した。
ホテルマンは悲鳴をあげて転倒する。その頭に向かって、近くにあったポールを勢いよく振りかぶった。
人間は、林檎と違って、赤い汁を飛び散らせる。
頭の中ではずっと、カルロがケタケタと笑っていた。
「カリーナを頼むって言ったのに」「カリーナを殺す役目を他人に寝盗られるなんて、こっちでカリーナと一緒に腹を抱えて笑ってやるよ」
ああ、ああ、好きなだけ笑えばいい。
惚れた女一人守れない男なんて、笑われて当然だ。
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すぐさま病院に運ばれたカリーナは、ロレンツォがすぐに応急処置をしたこともあり、幸い命に別状はなかった。
犯人はロレンツォが半殺しにしてしまったので、カリーナ以上の重体で運び込まれている。この期にテレジオファミリーの利権を狙った組織の差し金か、カリーナに復讐しようとした市民の犯行だろうというのが警察の見解だ。
だがテレジオファミリーのカポが命を狙われたという事実は、この数ヶ月で起きたどんな事件よりも衝撃を与えた。同時に誰もが、テレジオファミリーの終わりを理解したのだ。
逆らうことを許されない、ステラルクス島の守護者。
威風堂々と君臨する、犯罪組織の女王様。
その揺るぎなかった神話が崩れ落ち始めた。
「やあ、ロレンツォ」
病院の待合室で黄昏ていたロレンツォに、その男は悠然と近づいてくる。億劫な仕草で視線を向ければ、スタンフォードが軽やかな笑みを浮かべていた。
面倒くさく溜め息をつくが、彼は無遠慮にロレンツォの隣へ座ってくる。
「君は女王様の側にいなくていいのか?」
「女王様を守れない騎士はお役御免だとよ。面会謝絶のうえ屋敷からも追い出されることになった」
「それは女王様の命令か?」
「さあな。そうかもしれないし、違うかもしれない。間違いないのは、目覚めてるはずのカポが俺を呼ばないってことだけだ」
太ももで肘をつき、項垂れるように頭を抱える。敵にこんな情報を与えるなど、確かに護衛失格だ。
スタンフォードは足を組むと、どうでも良さそうに相槌を打った。それから「テレジオファミリーは終わったな」と、分かりきったことを改めて口にする。
「主な販売ルートを取り締まられ、優秀なアンダーボスとカポ・レジームを失った。テレジオファミリーに対する監視の目も強まり、これまで通り犯罪行為に手を染めることは難しいだろう。しかも次の警察署長は、サッキーニと同じ志を持つ男らしい」
「それもお前の差し金か?」
「さあな。そうかもしれないし、違うかもしれない。間違いないのは、私にとって都合のいい展開ということだ」
ロレンツォの言葉を真似る言い方に不快感を覚える。
スタンフォードは小さく笑うと、怒らないでくれと頭を振った。その仕草に腹が立ちながらも、怒りを飲み込んでスタンフォードを睨む。
「お前には聞きたいことがあるんだ。サッキーニが殺された前の日、カルロと会ってただろう」
「さて、なんのことかな。サッキーニが死ぬ前にカルロと会った記憶はないし、人違いじゃないのか?」
「サッキーニは、殺される為に用意された駒か?」
この質問にスタンフォードの瞳が細められる。筋書きは悪くない、と言われている気がした。
「君の邪推もわかるが、流石に私も人の命を道具に使うほど落ちぶれてはいないよ。彼が殺されたのは完全なる悲劇だ」
「客船での人身売買の取引のとき、やたらと警察の動きが早かった。元々上流階級に釈放させた恩を売ることや、公的な弱味を握るって意味で警察は呼ぶ手筈になっていたんだ。だがそれはもう少し後の予定だった。それなのにどこから嗅ぎつけたのか、どう気が変わったのか、俺達が通報する前に警察が現れた。おかげであの事件は日の目を見ちまって、テレジオファミリーの醜聞が広がり、警察の権威の底上げに繋がっちまったわけだ」
「……」
「警察が来ると初めに言い出したのはカルロだ。その時あいつは、通信室から構成員を追い出してる。カルロの指示でお前が警察を呼んだんだろう? 俺達が逃げる為に用意していた小舟は、予定通りイルマーレの漁港についた。港全域に警戒網が張られてたのに、そこだけ不自然に抜け落ちてたなんて、これが偶然だとしたら警察も間抜けだよな」
ロレンツォの追求に、スタンフォードは微笑んだまま何も言わない。じっくり数十秒の間を置いた後、「どうしてカルロがそんなことをする」と言った。
それはロレンツォもずっと考えていたことだ。だがどうしても、答えが見つからない。何かのピースが抜け落ちている感覚があった。
答えないロレンツォに、スタンフォードは頭を振る。「答えられないなら、次は私の番だ」と言った。
「今日は君を勧誘に来たんだ。これは君が助かる最後の機会でもある」
「あア? 今さら俺が寝返ったとこでてめえにはなんも得はないだろう」
「あるさ。アルベルトに罪滅ぼしができる」
本気で言っているが、それが全てではない。そんな言い方だ。
スタンフォードの言葉を聞き、わけがわからなくなる。どうしてそこまでアルベルトへ罪悪感を抱えておきながら、今さらロレンツォに接触してきたというのか。
アルベルトが死んで、誰かに助けて欲しいと思うことは何度もあった。
一緒にアルベルトの復讐を果たしてくれる仲間を何度も求めた。
そんな時は一切手を差し伸べてくれなかったのに、今さら調子のいいことを言われたって、受け入れられるわけがない。
ロレンツォは怒りを飲み込むと、懐から拳銃を取り出す。マフィアが愛用する、ベレッタM92だ。
銃口をスタンフォードの腹に押しつけ、薄暗い目で睨みあげる。
「消えろ、クソ野郎。てめえと話すことなんざ何もねえよ」
「はは、お前は本当に愚か者だな。兄の方がもっと賢かったぞ。彼は誰よりも欲に忠実で、慈悲深く、紳士的な男だった」
喉の奥で笑うと、スタンフォードは銃口を向けられていることなど微塵も感じさせず、涼やかな顔でロレンツォを見る。
「もうひとつ良いことを教えてやる。君らのところのカポ・レジームが一人、警察側に寝返った。君を襲わせた件で処分を受けた男だ。テレジオファミリーの犯罪を全て告発することを条件に、今では警察に保護されている」
「なにっ……?」
言葉の真偽を探る間に、スタンフォードは指先で銃口をそらす。そうして立ち上がると、スーツを整えながらニコリと笑った。
「たまなしじゃあ私は殺せないぞ。脅しはもっと賢くやれ」
「……」
「さようなら、ロレンツォ。心変わりしたならいつでも私のところへ来るといい」
そう言い残し、スタンフォードは立ち去る。
一人残されたロレンツォは、拳銃を握りしめたまま、座った目で爪を噛み続けた。
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